2018.02.11更新

syakuchiken

[相談]

母親が地主(他人)から土地を借り受け、そこに母親所有の建物が立っています。
この建物を同族会社である法人に贈与しました。

母親の借地人の地位に変更はありません。
この場合、法人が母親から建物の贈与を受けた時に権利金の
支払いがなかったとしても、「土地の無償返還に関する届出書」

を提出していれば、法人に権利金の課税は認定されませんか。


[回答]

個人(母)から法人への贈与した場合、借地権は建物に付随して法人に
移っていると考えられるため、個人(母)には譲渡の課税、

法人には借地権の認定課税等がされるものと考えます。
個人間であれば「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」

により課税をさけることが可能であると考えられますが
取引の一方が法人である場合には適用されないと考えます。

なお、法人が個人から敷地を利用する時に提出する
「土地の無償返還に関する届出書」の記載要領等に

2.この届出書は、土地所有者(借地権の転貸の場合における借地権者を含みます。…)
 
と記載されていますが、一般的に、建物を所有するためには
その敷地利用権(借地権)が不可欠とされるため、建物を贈与した場合

その時に権利金の支払いがなかった場合には
通常は借地権の認定課税の問題が生じると考えます。

しかし、地主の了解を得て、借地権に転借権を設定し建物を
移転する方法をとった場合には無償返還の届出を提出して

認定課税をさけることが可能であると考えます。
したがって、届出を提出するのみでは足りず

転借権の設定等が必要になると考えます。

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2018.02.04更新


支払調書

平成30年1月1日から保険契約の変更に関する情報が
税務署に把握されるようになります。

平成27年度改正で行われた保険に関する調書の見直しによるもので
保険会社は、保険契約者の死亡により契約者の変更が行われた場合や

保険契約の一時金の支払いが行われた際に、契約変更等の
情報を記載した調書を作成し税務署に提出することになります。

これらの調書の提出により、税務署側は契約者変更等の
事実を的確に把握し申告漏れの問題に対応することになります。

国税庁が公表した「平成28事務年度における相続税の調査の状況」
によると、生命保険関係の申告漏れが相変わらず散見されるようです。

そのなかには、保険契約者の変更に伴い相続税又は贈与税の納税義務が
生じるにもかかわらず申告から漏れていたケースも多いようです。

保険料の調書の見直しは、30年1月1日以後に変更の効力が
生じるものから対象となります。

新たに創設された「保険契約者等の異動に関する調書」は
契約者の死亡により契約者の変更の手続きが行われた場合に

その変更の効力が生じた日の属する年の翌年1月31日までに
保険会社等が税務署へ提出するものです
(解約返戻金相当額が100万円以下である生命保険契約及び損害保険契約等を除きます)

同調書は、新保険契約者等・死亡した保険契約者等・被保険者等の住所や氏名のほか
解約返戻金相当額や死亡した保険契約者等の払込保険料等の金額などを記載します

他方で保険金等の支払いが行われた際に保険会社が作成する
「生命保険契約等の一時金の支払調書」は、改正により
直前の保険契約者等・その契約に係る現契約者が払い込んだ保険料の額
契約者変更の回数を記載する欄が追加されています

生命保険契約の権利の評価額は
相続税の申告漏れが多かったようです

平成30年1月以降は、今まで以上に
要注意です
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2018.01.28更新

民法改正

 

配偶者居住権等を創設へ

法制審議会民法(相続関係)部会は平成28年6月に
「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」
をとりまとめました

その後,民法(相続関係)等の改正に関する要綱案の
たたき台が検討されてきました。

今回、要綱案がとりまとめらましたが 
たたき台から内容を修正した項目もあります

例えば要綱案のたたき台では“配偶者居住権”について
建物所有者の承諾があればその譲渡を認めていましたが
要綱案では配偶者居住権の譲渡を禁止しています。

以下で、民法改正の要綱案の一部を抜粋して
ご紹介します

配偶者の居住権を保護するための方策

〇配偶者の居住権を長期的に保護するための方策
(配偶者居住権の創設)

配偶者は、被相続人の財産に属した建物に
相続開始時に居住していた場合において

配偶者居住権が遺贈の目的とされたときなどは
その居住していた建物の全部を無償で使用収益
する権利(配偶者居住権)を取得する。

遺産分割に関する見直し等

〇配偶者保護のための方策
(持戻し免除の意思表示の推定規定)

婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が
他の一方に対してその居住の用に供する建物又は敷地を

遺贈又は贈与したときは、民法第903条第3項の持戻し
免除の意思表示があったものと推定し

遺産分割において原則として当該居住用不動産の価額
を特別受益として扱わずに計算できるものとする。

〇家庭裁判所の判断を経ないで預貯金の払戻しを認める方策

共同相続された預貯金債権の権利行使について
各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち

相続開始時の債権額の3分の1に共同相続人の
法定相続分を乗じた額

(預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする)
については単独でその権利を行使できる。

その権利行使した預貯金債権は、共同相続人が
遺産の一部分割により取得したものとみなす。

遺留分制度に関する見直し

〇遺留分減殺請求権の効力及び法的性質の見直し
遺留分権利者及びその承継人は受遺者又は受贈者に対し
遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

〇遺留分の算定方法の見直し
相続人に対する贈与は相続開始前の10年間にされたものに限り
その価額を,遺留分を算定するための財産の価額に算入する。


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2018.01.21更新

seimeihoken2

[相談]

父が亡くなりました。遺産は、父名義の不動産(1億5000万円)
その他の財産(2億円)、相続人である三男が保険金受取人と
なっている生命保険(1億円)です。

相続人は長男(=今回の相談者)、次男、三男の3人です。
相続人3人で分割協議したところ、
次のようにまとまりそうです。

①父名義の不動産は三男が全て相続する。
②その他の財産は長男と次男が1億円ずつ相続する。
③三男が受け取った生命保険金を代償分割として
 長男と次男へ5000万円ずつ分ける。

この場合、長男と次男が受け取った5000万円は
生命保険金を受け取ったものとして相続税を
計算するのでしょうか?


[回答]

長男と次男は生命保険ではなく代償債権を相続により取得したため
みなし相続財産ではなく本来の財産として相続税が課税されます。


[詳細解説]

相続に際して予め指定された保険金受取人が
被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金
を受け取った場合、

みなし相続財産として相続税の対象となります。
ただし非課税枠(500万円×法定相続人数)があります。

つまり、生命保険金請求権は、予め指定された保険金受取人の
固有の財産であり、例外を除き遺産分割の対象となりません。
 
したがって、三男が代償金を払うために使用することも
自由です。

ここにいう、保険金受取人とは、保険契約に係る保険約款等
の規定に基づいて保険金を受け取る権利を有する人をいいます

ただし、このような保険金受取人以外の人が現実に保険金を
取得している場合において、保険金受取人の変更手続きが

なされていなかったことについてやむを得ない事情がある
と認められる場合等、現実に保険金を取得したものが

その保険金を取得することについて相当な理由があると
認められるときは、その現実に保険金を取得した人が
保険金受取人であるとされます

今回の場合、三男以外の相続人2人が生命保険金を
受け取ることについて相当の理由があるとは認められず

あくまでも保険金受取人は三男ということになります。
したがって、三男が受け取った生命保険金の中から

相続人2人に各々5000万円を代償財産として交付したことになり
長男と次男は代償債権の5000万円を相続により取得したもの

として相続税が課税されます。


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2018.01.06更新

seimeihoken

[相談]

母がこの度亡くなりました。3年前に父が亡くなった際に
母は相続放棄の手続きをしましたが、父を被保険者とする
生命保険金は受取っています

この場合の相次相続控除適用時の留意点について
ご教示ください


[回答]

相次相続控除とは、祖父から父への“一次相続”から10年以内に
父から子への“二次相続”が生じた場合、父に課された一次相続
に係る相続税の一定額を子の相続税から控除できる制度を言います。

二次相続で子本人が相続放棄した場合はもちろん、
一次相続において父が相続放棄していた際も
その子は本制度を適用できないことになります。

この制度は「二次相続に係る被相続人が当該相続開始前10年以内に
“相続”で財産を取得している場合」等の要件を満たせば適用できます。

ここで言う“相続”には,「被相続人からの相続人に対する遺贈」
も含まれます。

しかし見落としがちなのが“相続人に対する”遺贈という点です。

例えば、父と母、子1人で,父が亡くなった一次相続において
母が相続放棄し子が父の財産を相続で取得して10年以内に今度は
母が亡くなり二次相続が生じた場合。

一次相続で母は相続放棄していますが、父が契約者の生命保険金
の受取人は母になっていたものとします。

相続放棄をした者は“相続人”には当たらないため
父の死亡に伴う生命保険金は父から母への遺贈により取得した
ものとみなされます。

しかし、“相続人に対する”遺贈ではないため一次相続に係る
生命保険金の受取りは「被相続人(一次相続の父)からの相続人
(一次相続の母)に対する遺贈」には該当しないことになります。

従いまして、本制度の適用要件である「二次相続に係る被相続人
(母)が当該相続開始前10年以内に“相続”で財産を取得している場合」
には該当せず,母から子への二次相続に本制度を適用できません。

なお、「相続放棄をした者」とは家庭裁判所への申述により相続の放棄
をした者のことを言います。

事実上相続で財産を取得しなかっただけの者は、“相続人”に含まれるため
本ケースで母が相続放棄をせず、単に父の財産を相続しなかっただけ
という場合は二次相続で子は本制度を適用できます。

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2018.01.01更新

 

区分所有

[相談]

私はマンション1室を所有しています
(購入したのは10年ほど前です)。
そのマンションを子に贈与することで私の相続財産を減少させ、
子の相続税負担を軽減したいと考えています。

その贈与について贈与者である私に関して
税務上留意すべき点はあるでしょうか?

なお、贈与しようとしている土地に関する特記事項は
下記の通りです。

・マンションの購入時の価格は3,000万円
現在の帳簿価額(未償却残高)は2,200万円です。
・マンション購入についてのローンの残債は2,400万円で
全額を子に引き継がせるつもりです。


[回答]

ご相談の贈与は「負担付贈与」に該当します。
この場合、ローン残債相当額の2,400万円で
マンションをお子様に売却したことになります。

このためご相談の内容でお子様への贈与を実行されますと
ローン残債相当額2,400万円から帳簿価額2,200万円を控除した
残額の200万円に対して、

譲渡に対する所得税・復興特別所得税・住民税
が課されることとなります。

このように、資産を「贈与」する場合であっても
「所得税」などが課税されることがあります。

思わぬ税負担が発生しないようにするためにも、
資産の贈与を検討される場合には、
事前に顧問税理士にご相談ください。


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2017.12.23更新

一戸建て住宅

 

先週のブログで小規模宅地の特例の改正について
ご案内しました。しかし、改正内容について若干解説が
不足していたようなので今週はその説明を追加します

先週ご紹介した小規模宅地の特例の改正は
いわゆる『家なき子』の場合の特例適用要件の改正でした

『家なき子』とは、
自己あるいは配偶者名義の居住用不動産を直近3年以内は
所有していない相続人を言います。

実はこの『家なき子』の特例を悪用する事例が多かったようです
例えば

一人暮らしの父と持ち家がある子のケースで、子は特例を適用するために
兄弟に持ち家を売却したが、子自身はその家に賃貸として住み続けた。
4年後に父が他界し、“家なき子”の条件を満たす子は
軽い税負担で父の家を相続する、というケースです

このように、相続人が持ち家を売却すること等によって
特例が適用可能な状態を意図的に作り出す例があったようです。

こうした動きは制度の本来の趣旨に沿わないとして、
平成30年度税制改正大綱には、

1.相続開始時に居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者
2.相続開始前3年以内に3親等内の親族等が所有する国内にある家屋に居住
  したことがある者は,

特例の適用を認めないとの見直しが盛り込まれました。

以上の改正は、平成30年4月1日以後の相続又は遺贈に適用します。
ただし、貸付事業用宅地等の見直しについては,
同日前から貸付事業の用に供されている宅地等には適用しません。

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2017.12.17更新

平成30年度税制改正大綱が自民党HPで公表されました

https://www.jimin.jp/news/policy/136400.html

そのなかから相続税に関連する内容を紹介します

 

『小規模宅地特例』について,貸付事業用宅地等の範囲から,
相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等
(相続開始前3年を超えて事業的規模で行う貸付けを除く)
を除外します。

 

また,持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の
対象者の範囲から,下記イ・ロに掲げる者を除外します。

イ 相続開始前3年以内に,その者の3親等内の親族又は
 その者と特別の関係のある法人が所有する国内にある
 家屋に居住したことがある者

ロ 相続開始時において居住の用に供していた家屋を
 過去に所有していたことがある者

 

以上の改正は、平成30年4月1日以後の相続又は遺贈に適用します。
ただし、貸付事業用宅地等の見直しについては,
同日前から貸付事業の用に供されている宅地等には適用しません。

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2017.12.10更新

広大地の評価は平成29年で廃止され平成30年1月からは

『地積規模の大きな宅地の評価』の適用が始まります

 

広大地の評価では、マンションが既に建っている土地には

適用されませんでしたが、地積規模の大きな宅地の評価は

一定の要件を満たせば適用することができますので留意が

必要です

 

地積規模の大きな宅地の評価では、その敷地の上にどんな

建物が建っていても適用の可否に影響しません。

地積要件・地区要件・容積率要件について一定の要件を

満たすかどうかで適用の可否を判断することになります。

 

例えば、マンションやオフィスビルの1室を区分所有する場合

その敷地が地積要件等の一定の要件を満たせば、そのマンションや

オフィスビルの敷地に関して地積規模の大きな宅地の評価を

適用することができることになります。

 

したがって具体的な適用に当たっては

地積要件・地区要件・容積率要件等の一定の要件に該当するかどうか

を慎重に検討する必要があるようです。

 

地積規模の大きな宅地の評価に当たっては

相続税を専門にしている税理士に相談することを

お勧めします

 

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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2016.07.18更新

平成28年度の税制改正で創設されたいわゆる空き家対策税制は
適用要件がまだ周知されていないために、間違って不動産の売却を
決定している事例が多く発生しているようです

空き家対策税制を適用する初めての確定申告が29年1月から
始まりますが、確定申告で所得税額を計算して初めて
間違いに気づく事例も多いと思います

そこで今回は、空き家対策税制を適用して最大限節税できる
方法を確認しておきたいと思います。

まず最初に確認すべき点は、
『空き家に係る譲渡所得の3000万円控除の特例』の趣旨ですが
昭和56年3月31日以前に建てられた住宅を中古住宅市場で
流通させないという趣旨です

昭和56年3月31日以前に建てられた住宅というのは
旧耐震基準で建てられた住宅ということです

旧耐震基準で建てられた住宅を中古市場で流通させないために
この特例では、相続で取得した住宅を売却するにあたって

①耐震改修して売却するか
②解体し更地にして売却する

場合に限り、譲渡所得から3000万円を控除できるという
特例を適用できます

そのため、相続により旧耐震基準で建てられた住宅を
取得した場合には、①②に要する費用と特例を適用しない場合の
税額とを比較したうえで、特例を適用するかどうかを
売却前に判断する必要があります

実際にはこの3000万円特例が適用できるからという
だけで解体して更地にしてから売却している事例が多いようです

しかし、それらの事例には特例を適用しない場合の
所得税額の方が、①②に要した費用よりも金額が少ない
場合が散見されます。

くれぐれも、売却前に①②の費用と特例を適用する前の
所得税額の比較検討を行ってください

更に、この空き家対策税制と小規模宅地の特例は
併用して適用できます。

そのため、遺産分割に当たっては小規模宅地の特例の適用
要件をみたす相続人が、空き家対策税制の要件を満たす
住宅を取得すると、ダブルで節税できます。

これらの税務上の判断は、相続税と不動産の譲渡所得税に
詳しい税理士に是非事前に相談することをおすすめします。

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