2011.11.27更新


<事例>
X氏は、婚姻歴もなく養子縁組もしなかったため相続人がいません。
X氏の所有する財産のほぼすべては、X氏単独の名義です。

しかし、土地Aについては甲さんとの共有名義となっています。
甲さんとは、血縁関係はありません。土地AをX氏が取得した経緯は
Xの父親が甲さんと共有名義で所有していた土地Aを、父親の死亡により
相続により取得したものです。

さて、X氏がこの度死亡しました。遺言書はありません。
甲さんと共有名義の土地Aについて、なんらかの税金は発生しますか?

<解説>
相続人の存在しない、相続財産は最終的には国庫に帰属することになります。
今回の事例の場合、土地Aの共有者であるX氏と甲さんとは血縁関係になく
遺言書もないことから、土地AのX氏持分については相続人が存在しない
状態であると考えられます。

この場合、土地Aについては共有者である甲さんという存在がありながら
X氏持分だけが、国庫に帰属することになるのでしょうか?

結論は、X氏の持分は共有者である甲さんの持分となるということです
根拠条文は、民法255条と相続税法基本通達9-12です

民法255条では
『共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、
 その持分は、他の共有者に帰属する。』と定めています

また、相続税法基本通達9-12では
『共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄(相続の放棄を除く。)
 したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、
 その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得
 したものとして取り扱うものとする。』

つまり、土地Aの共有者である甲さんは、X氏が死亡したことにより
土地Aに関するX氏の共有持分を、相続により取得することになります。

その結果、土地Aの評価額次第では相続税が発生することになります。
今回の事例の場合、X氏の土地A以外の相続財産は、すべて国庫に帰属
することになりますので、甲さんは相続税の納税資金を自己の財産から
調達する必要があります。

上記のように共有持分のある不動産の場合、本来であれば
法定相続人でない方でも、相続税が課税されるリスクがあります。
共有名義の不動産には要注意です。

この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 近江清秀公認会計士税理士事務所のURL
  http://www.marlconsulting2.com/
  近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税専門HP)
 http://www.kobesouzoku.com/
 ALLABOUT PROFILEのURL
 http://profile.allabout.co.jp/pf/oumi
 近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税部門FBP)
  http://www.facebook.com/kobesouzoku/
  マイベストプロ神戸のページ
 http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/
  DREAM GATE アドバイザーのページ
  http://profile.dreamgate.gr.jp/consul/pro/oumi
  神戸の税理士 近江清秀のBLOG
 http://marlconsulting.typepad.jp/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2011.11.20更新

 以前このMLで、平成23年度中に最後の税制改正があるかもしれ
ません、という内容をお伝えしましたが、

 先日の税制調査会で、平成23年度中の相続税改正は見送られることが
決まりました。

 その結果、相続税の基礎控除引下げ等の改正は、平成24年度税制改正
に織込まれる見込みとなりました。

 そこで、今週の相続税関連のMLネタは、相続税税務調査の最近の
動向をご案内いたします。

 相続税の調査は、平成20年中及び平成21年中に発生した相続税を中心に、
国税局及び税務署において収集した資料情報に基づいて、申告額が過小と
想定されるものや、申告義務がありながら無申告となっていることが想定
されるものなどについて実施されます。
 
1.調査件数等
 その調査件数は13,668件(対前事務年度比98.6%)、そのうち、申告漏れ
等の件数は11,276件(対前事務年度比96.0%)といずれも僅かながら減少
しておりますが、申告漏れ課税価格は3,994億円と対前事務年度比1億円
の減少にとどまっております。
   
 また、重加算税賦課件数は1,897件と対前事務年度比96.3%と減少し、
重加算税賦課対象額も609億円と対前事務年度比87.2%と減少しております。
 
2.申告漏れ財産の状況
 調査により把握された申告漏れ財産の構成比をみますと、不表現資産
である現金・預貯金等及び有価証券の申告漏れウエイトが49.8%と高い
ことから、相続税の調査は、従来同様、不表現資産の把握に重点をおい
て行われているといえます。つまり、借名財産に調査のポイントが
おかれているということです
 
3.海外資産の申告漏れ
 海外資産関連事案に係る調査事績は、最近の経済の国際化と国際交流
の進展を反映して国外資産の保有が多くなっていることから、調査件数
は695件(対前事務年度比130.9%)、申告漏れ件数は549件(対前事務年
度比128.9%)といずれも急増しており、

 また、重加算税賦課件数も81件(対前事務年度比106.6%)と増加して
おります。相続税の申告書作成に際しては、相続人から海外資産の所有の
有無を確認することが肝要です。
 
4.無申告事案に係る調査結果
 相続税の申告義務があるにもかかわらず無申告となっているものの把握
に重点的に取り組んだ結果、調査件数は1,050件(対前事務年度比167.7%)
申告漏れ件数は795件(対前事務年度比150.6%)と大幅に増加し、
申告漏れ課税価格も1,055億円(対前事務年度比139.5%)とかなり
増加しております。
 
今回のMLの詳細な内容につきましては、下記URLの国税庁HP
をご覧ください

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/sozoku_chosa/sozei_chosa.pdf


この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 近江清秀公認会計士税理士事務所のURL
  http://www.marlconsulting2.com/
 ALLABOUT PROFILEのURL
 http://profile.allabout.co.jp/pf/oumi
  マイベストプロ神戸のページ
 http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/
  DREAM GATE アドバイザーのページ
  http://profile.dreamgate.gr.jp/consul/pro/oumi
  神戸の税理士 近江清秀のBLOG
 http://marlconsulting.typepad.jp/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 

投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2011.11.13更新

<事例>
妻に先立たれたAには、X,Y,Z3人の子がいた。
しかし、Xは病弱であったために先日亡くなった。
そこでAは、Xの子Mを養子縁組した。
また、YとAは以前からの話し合いにより、Yが相続放棄することで
合意した。 その直後、Aが死亡した。
この場合の法定相続人の人数は、何人でしょうか?

<解説>

今回は、実際にはなかなかありえない複雑な身分関係です。
論点を整理すると、

MがAの養子でありながら、Xの代襲相続人という2重の身分関係になっている
という点と、

Yが、法的手続きに基づいて相続放棄をしているという点です。

まず、簡単な結論から申し上げますと相続放棄したYは、
民法上の法定相続分は0となります

しかし、基礎控除の計算の基礎となる法定相続人の人数にはカウントされます
また、相続税の総額を計算する際の、法定相続人にもカウントされます

つまり、Yにつきましては民法上の法定相続人にはカウントされませんが
相続税法上は、1人としてカウントされるということです。


次に、養子と代襲相続人の2重身分となったMのカウントですが
民法上の法定相続分は、2/3となります。つまり、法定相続人は
Zと養子Mと代襲相続人Mなります。

その結果、民法上の法定相続分はZ:M=1:2になります

次に、基礎控除の計算の基礎となる法定相続人は、M,Y,Zの
3名となります。ここでは、Mの2重身分は考慮されません

最後に、相続税の総額を計算する法定相続分は、Mの養子と代襲相続人の
2重身分を考慮して、M:Y:Z=2:1:1となります。

養子と代襲相続人の2重資格の場合、民法と相続税法で扱いがことなります。
複雑な相続税の申告の場合は、是非相続税専門の税理士に相談してください


この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 近江清秀公認会計士税理士事務所のURL
  http://www.marlconsulting2.com/
  近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税専門HP)
 http://www.kobesouzoku.com/
 ALLABOUT PROFILEのURL
 http://profile.allabout.co.jp/pf/oumi
 近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税部門FBP)
  http://www.facebook.com/kobesouzoku/
  マイベストプロ神戸のページ
 http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/
  DREAM GATE アドバイザーのページ
  http://profile.dreamgate.gr.jp/consul/pro/oumi
  神戸の税理士 近江清秀のBLOG
 http://marlconsulting.typepad.jp/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2011.11.06更新

今回は、不幸な災害に遭遇し親子ともに死亡した場合の相続に関する
質疑応答です

<事例>

父親Aと娘Bは、不幸にも災害に遭遇し死亡しました。
AとBの親族関係は、次のとおりです

Aの配偶者(Bの母親)は、5年前に病死していました。
Aには長女Bと長男Cの二人の子がいた
BはXと7年前に結婚し、小学生の長男Zがいた

この場合、Aの財産の相続人は誰ですか?

<解説>

不幸にして、親子が同時に災害に遭遇した場合、死亡時刻の前後が
不明となる場合もありえます

その場合、民法では『数人の者が死亡した場合において、そのうちの
一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、
これらの者は、同時に死亡したものと推定する。』(民法32条の2)
と定めています。

つまり、今回の事例に当てはめるとAとBは同時に死亡したと推定
されます。

次に、民法は『被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、
又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を
失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。』
(民法887条2項)

つまり、今回の事例に当てはめるとBがAの相続開始以前
(同時に死亡も含む)に死亡した場合には、Bの子Zが代襲相続人と
なることを定めています。

その結果、今回の法定相続人はAの長男Cと、Aの孫Z(Bの子)の
2名となります。

さて、ここで仮にAが遺産の分割について長女Bに不利な内容の
遺言を残していた場合は、どうなるでしょうか?

例えば、全財産の7割を長男C、残り3割を長女Bのものとする
という内容の場合。

今回の事例の場合、この遺言書の効力はありません。
根拠は、『遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、
その効力を生じない。』民法994条です。

このように、相続税の計算に当たっては相続税法と民法の接点と
なる部分が数多くあります。

遺言書作成等に当たっては、税の専門家である税理士だけでなく
法律の専門家である弁護士にも充分にご相談ください


この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 近江清秀公認会計士税理士事務所のURL
  http://www.marlconsulting2.com/
  近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税専門HP)
 http://www.kobesouzoku.com/
 ALLABOUT PROFILEのURL
 http://profile.allabout.co.jp/pf/oumi
 近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税部門FBP)
  http://www.facebook.com/kobesouzoku/
  マイベストプロ神戸のページ
 http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/
  DREAM GATE アドバイザーのページ
  http://profile.dreamgate.gr.jp/consul/pro/oumi
  神戸の税理士 近江清秀のBLOG
 http://marlconsulting.typepad.jp/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所