2012.02.26更新

【相続税質疑応答編-9 死亡退職金の支給対象者が未定の場合の課税関係は?】

<事例>
株式会社甲の取締役Xがプライベートの旅行中の事故でこの度亡くなりました。
甲社は、退職金規定に基づいて、死亡退職金5000万円と死亡弔慰金1000万円
の支給を決定しました。

株式会社甲の退職金規定では、退職金の支給対象者を定めていないので
通常は、「ご遺族ご一同様」を対象に支給されます。

この場合の、課税関係はどうなりますか?
なお、取締役甲の月額役員給与は100万円で、甲の法定相続人は
配偶者Yと長男Zの3名です。

<解説>
今回の事例には、論点が2つあります。
1.退職金と弔慰金を支給された場合の相続税法の取扱
2.支給対象者が未定の場合の取扱

では、1つの論点から説明します。
死亡弔慰金については、相続税法基本通達3-20で以下のとおり定めています

(相続税基本通達3-20 一部省略)
『被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける弔慰金等」については、、
次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額として取り扱い、当該金額を超える
部分の金額があるときは、その超える部分に相当する金額は退職手当金等に
該当するものとして取り扱うものとする。

1.被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、その雇用主等から
受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の
普通給与の3年分に相当する金額

2.被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、その雇用主等から
受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の
普通給与の半年分に相当する金額』

今回の事例では、事故死なので上記2に該当します。その場合
会社の支給する弔慰金1000万円のうち600万円を上回る400万円が
死亡退職金として取り扱われます。その結果、相続税の対象となる
死亡退職金は、本来の退職金5000万円に400万円を加算して5400万円と
なります。

次に、論点2の説明をします。
会社の退職金規定に死亡退職金の支給対象者が明示されていない場合について
相続税基本通達3-25に、退職金の支給を受けたものを定めています

(相続税基本通達3-25 一部省略)

『被相続人に支給されるべきであった退職手当金等の支給を受けた者とは、
次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる者をいうものとする。

1.退職給与規程等の定めによりその支給を受ける者が具体的に
定められている場合当該退職給与規程等により支給を受けることとなる者

2.退職給与規程等により支給を受ける者が具体的に定められていない場合
又は当該被相続人が退職給与規程等の適用を受けない者である場合

イ 相続税の申告書を提出する時又は更正若しくは決定をする時までに
当該被相続人に係る退職手当金等を現実に取得した者があるときは、その取得した者

ロ 相続人全員の協議により当該被相続人に係る退職手当金等の支給を受ける者
を定めたときは、その定められた者

ハ イ及びロ以外のとき その被相続人に係る相続人の全員。この場合には、
各相続人は、当該被相続人に係る退職手当金等を各人均等に取得したものとして
取り扱うものとする。』

上記の定めに基づくと、今回の事例では2-ハに該当します。
そのため、X取締役の妻Yと長男Zは5,400万円の死亡退職金を
2700万円づつ受取ったとして相続税の計算を行うことになります。

ただし、死亡退職金については法定相続人1人につき500万円の非課税金額が
定められていますので、Y・Zともに2200万円づつが相続税の課税
対象金額となります。

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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.02.20更新

<事例>
Aさんは、株式会社Xの代表取締役であると同時に株式会社Yの
取締役会長でしたが、平成20年1月に死亡しました。

X社、Y社ともに諸般の事情により死亡退職金の金額がなかなか
決定できませんでした。

そのためAさんの相続人である妻Bさんは、死亡退職金については
相続税申告書に一切記載しませんでした。

その後、平成22年6月(Aさんの死後2年6ヶ月経過)にX社の
取締役会で、Aさんの死亡退職金1000万円を配偶者であるBさんに
支給することが決定しました。 

また、平成23年6月(Aさんの死後3年6ヶ月経過)にY社の
取締役会で、Aさんの死亡退職金500万円を同じくBさんに支給する
ことが決定しました。

さて、X社とY社から支給される死亡退職金に対する課税は
どのように扱われるでしょうか。

Aさんの相続人は、配偶者のBさんだけでした。
 
<解説>

X社の死亡退職金は、相続税の課税対象となります
Y社の死亡退職金は、Bさんの所得税の課税対象となります

相続税法では、死後3年以内に支給が確定した退職金等を
相続税の課税対象財産として定めています(相続税法3条1項2号)

今回の事例では、X社の死亡退職金が該当します。

ここで、注意すべきポイントがあります。
相続税法3条1項2号で定める死亡退職金には、生前に退職しその後
退職金の金額が、死亡後3年以内に確定した場合も含まれるという
点です。

(相続税法基本通達3-31)
『被相続人の生前退職による退職手当金等であっても、その支給
されるべき額が、被相続人の死亡前に確定しなかったもので、
被相続人の死亡後3年以内に確定したものについては、
法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等に該当する』

以上より、X社の死亡退職金が確定したことによってBさんは
相続税の修正申告をしなければなりません。

ただし、このような事例の場合修正申告書について「正当な
理由があると認められる」ため、過少申告加算税は課税されません。

次に、Y社の死亡退職金ですがAさんの死後3年以上経過していますので
相続税の課税対象には該当せず、配偶者であるBさんの所得税の
課税対象(一時所得)になります。

そのため、Bさんは平成23年度の所得税確定申告でY社から受取る
Aさんの死亡退職金500万円を一時所得で申告しなければなりません。

(所得税基本通達34-2)
『死亡した者に係る給与等、公的年金等及び退職手当等で、その死亡後
に支給期の到来するもののうち9-17により課税しないものとされるもの
以外のものに係る所得は、その支払を受ける遺族の一時所得に該当する』


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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.02.05更新

今回は、あまり多くないですが該当した場合にうまくすると所得税が
大幅に節税できる事例をご紹介します。

<事例>
父親Xは、地主さんAから借りている土地に家を建てて生活をしていました。
また、父親Xは長男Yとこの家で同居し生計を一にしてました。
その後、長男Yは地主Aさんから父親の借地権の底地を買取りました。
と、同時に父親Xは長男Yに地代の支払いをしなくなりました。


<質問>
このような場合に、税務上で留意すべき点があったら教えてください

<回答>
今回の場合、所轄税務署に「借地権の地位に変更が無い旨の申出書」
を提出しておかなければなりません。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/38.htm

上記書類を直ちに提出しておかなければ、父親Xから長男Yに借地権が贈与
されたと扱われます。


さらに、上記のような場合に父親Xと長男Yが生活している土地建物を
売却した場合の売却益については、居住用財産を譲渡した場合の3000万円の
特別控除を最大で2人分利用することができます。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

具体的に申しあげますと、土地建物を売却することによって
Xは2500万円の、Yは1000万円の売却益があったとします。

その場合、
1.家屋とともに、その土地(借地権)の譲渡があったこと
2.家屋の所有者と、土地等の所有者が親族関係を有し、かつ、
  生計を一にしていること
3.その土地等の所有者は、その家屋の所有者とともにその家屋を
  居住の用に供していること

この3項目の条件をすべて満たす場合、父親Xの譲渡所得から3000万円を
控除し、控除しきれなかった500万円を長男Yの譲渡所得1000万円から
控除することができます。

不動産の譲渡所得は、複雑な税制が絡み合いますので
充分にご注意ください。



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