2012.03.30更新

<事例>
Aさんは、配偶者が既に亡くなっていたので法定相続人は長男B,次男C,
三男Dが法定相続人でした。

この度、Aさんが亡くなったので3兄弟で遺産分割の話し合いを始めましたが
その際に、長男Bさんが父親Aさんの相続開始の8年前に5000万円の現金贈与を
受けていたことが明らかになりました。

この5000万円は、Bさんの生計の資本としてAさんから贈与されたものであり
Bさんは、申告期限までに贈与税の申告書を提出して贈与税の納税も済ませて
いました。

当初、Aさんの相続財産は1億3000万円と思われていて円満な遺産分割と
なるはずでしたが、特別受益が明らかになったことによって
遺産分割の話し合いが、長引く結果となってしまいました。

特別受益がある場合で、遺産分割協議が申告期限までに間に合わない場合の
相続税の申告について教えてください。

なお、父親Aさんの債務は6000万円であったとします。

<回答>
相続税の申告期限になっても未分割の場合、一旦法定相続割合で
分割して相続税の申告書を提出しなければなりません。

今回、長男Bが特別受益5000万円を受贈しているため法定相続割合の
分割の方法が問題となっていますが、結論は以下の通りです

父親Aさんの遺産総額は1億3000万円と当初は考えられていましたが
特別受益5000万円が明らかになったことによって、これらの総額
1億8000万円を遺産総額とみなします。

次に、1億8000万円を3兄弟の法定相続割合で分割しますと
各人が6000万円となります。しかし、長男Bの6000万円には
特別受益5000万円が含まれていますので、今回の相続で長男Bが取得する
財産は、1000万円となります。

つまり、未分割の相続税の申告書上では各人の取得財産は
B=1000万円,C=6000万円,D=6000万円となります。
(根拠条文:民法903条)


次に、債務控除ですが未分割の申告ですので債務もB,C,Dの各人が
3000万円づつとなります。

しかし、Bの特別受益分5000万円には債務控除の適用がないため
Bは、取得財産1000万円に対して3000万円の債務控除となり
2000万円の控除不足が発生します。

この場合、2000万円の控除不足をC,Dからそれぞれ1000万円づつ
控除することによって、債務の全額に対して債務控除を適用する
ことが可能となります。
(根拠条文:相続税基本通達13-3:本文及び但書)



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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.03.24更新

前回の、連帯債務に続き今回も債務控除の話題です。
今回は、保証債務の債務控除です。

保証債務は、一般的には債務控除の対象になりません。
債務控除の要件として、『確実と認められる』債務でなければならない
からです。

(根拠条文:相続税法第14条)『前条の規定によりその金額を控除すべき
債務は、確実と認められるものに限る。』

しかし、例外的に保証債務でも債務控除の対象になる場合があります。

(根拠条文:相続税基本通達14-3(1)但書『ただし、主たる債務者が
弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければ
ならない場合で、かつ、主たる債務者に求償して返還を受ける見込みが
ない場合には、主たる債務者が弁済不能の部分の金額は、当該保証
債務者の債務として控除すること。』

では、上記要件に該当するような事例としてはどのような
場合が該当するでしょうか

例えば、

被相続人甲氏は同族会社乙(株)の代表取締役社長で
乙(株)の銀行借入の連帯保証人になっています。


乙(株)は、数年前から業績が急速に悪化し銀行借入のここ数年
返済が滞っています。本業の業績不振で、債務超過の状態が
数年続いています。 乙(株)は、現在では実質的には休眠状態と
なっており、乙(株)が資金調達を行い銀行借入金を返済できる
見込みはないと考えられます。

このような、状態であれば被相続人の甲氏について
乙(株)の保証債務を債務控除できると考えられます

仮に、乙(株)の連帯保証人が複数人いる場合には
連帯保証人間で特に定めていない場合には、
債務控除できる金額は、連帯保証人の人数で均等に
割った金額となります

(民法第427条)
『数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示
がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で
権利を有し、又は義務を負う。』

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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.03.17更新

【相続税質疑応答編-11 銀行借入の連帯保証がある場合相続財産から控除できる債務の割合は? 】

<事例>
Aさんは、個人事業を営んでいます。
この度、事業用の設備投資のため銀行から借入をすることになりました。

しかし、融資の条件として連帯保証人が必要とのことでした。そこで
Aさんは、国家公務員である長男Bに連帯保証人を依頼しました

Bは、Aさんの事業を継ぐつもりは全くありませんが
親子であること、返済リスクの高い融資ではないことを考え
連帯保証を快諾しました。

それを受けて、Aさんは銀行から5000万円の融資を実行したがその直後
不慮の事故により無くなりました。

Aさんの相続税申告を行うに当たって
Aさんの相続財産から控除できる債務の金額は、いくらですか?

ただし、事例を単純化するため
Aさんの相続人はBのみとします。また相続財産は1億円とします

<解説>

連帯債務の場合に、相続財産から控除できる債務の金額については
銀行との金銭消費貸借契約書のどこにも記載がありません

連帯債務である以上、銀行から5000万円の返済を要求された場合
Aさん・Bさんどちらに拒むことはできません

しかし、AさんとBさんが当事者間で負担割合を明確に取り決めることは
可能です。

例えば、今回のような場合親子ですから父親であるAさんが100%負担する
という親子間の取り決めるすることも可能です。

その場合には、債務控除できる金額は5000万円全額となります

しかし、一般的にはAさんとBさんの間にそのような取り決めが無い場合が
多いと考えれらえます。

その場合には、債務の負担割合は平等となりますので
債務控除できる金額は、2500万円となります

根拠条文民法427条
『数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、
各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。』


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2012.03.11更新

<事例>

Aさんは、自らが代表取締役を務める株式会社Xに対して
1億円の貸付債権があります。(株式会社Xでは、役員借入金に計上
されています。)

Aさんは、昨今の不景気を考えると会社の業績が回復することは
困難であると考え、また長男Bが株式会社Xの代表取締役を
継いでくれることから、貸付金1億円の債権放棄を検討していました

そこで、Aさんは株式会社Xへの貸付債権1億円を放棄する旨の
公正証書遺言を作成しました。

株式会社Xには、繰越欠損金が5000万円しかありません。

さて、この場合の課税関係を教えてください
(株式会社Xは、株主全員がAさんの法定相続人とします)

<解説>

業績が悪化した場合、代表取締役が法人に資金を貸付することは
よくあることです。また、その貸付金の回収がほぼ不可能であるにも
かかわらず、残高だけは多額に膨らんでいるケースも少なからずあります。

さて、Aさんは1億円の債権放棄する旨の公正証書遺言を作成しました。
相続は、個人にしか財産の承継ができませんが遺贈であれば法人への
財産の承継も可能です。

ただし、法人の場合は相続税ではなく法人税が課税されることになります
今回の場合、Aさんの債権放棄により株式会社Xには1億円の
債務免除益が計上されます。

一方で、繰越欠損金が5000万円計上されていますので
実質的には1億円-5000万円=5000万円が法人税の課税対象となります

つまり、Aさんの配慮で行った債権放棄によって株式会社Xには
多額の法人税の納税負担を強いる結果となってしまいます。

さらに、1億円の債務免除益が計上されることによって株式会社Xの
株価の増加があり得ます。

その場合、みなし遺贈として他の株主に対して相続税が課税されます
今回の場合、Aさんの法定相続人全員が株式会社Xの株主となっていますので
法定相続人全員に、みなし遺贈が発生します

【相続税基本通達9-2】

 同族会社の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して
増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額
のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与
によって取得したものとして取り扱うものとする。

 この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供が
あった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時による
ものとする。

(1)会社に対し無償で財産の提供があった場合 
  当該財産を提供した者

(2)時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 
  当該現物出資をした者

(3)対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 
  当該債務の免除、引受け又は弁済をした者

(4)会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 
  当該財産の譲渡をした者


以上より、Aさんの公正証書遺言によって、法人も法定相続人も
すべて課税される結果となってしまいます。会社経営者が債権放棄する
場合は、課税関係も充分に考慮したうえで行ってください

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2012.03.04更新

【相続税質疑応答編-10 不動産を死因贈与する場合の留意事項を教えてください】

<事例>
Aさんは、不動産賃貸業を営んでいます。将来を考えて孫にもAさん名義の
不動産を死因贈与することにしました。さて、この場合Aさんが留意すべき
項目を教えてください

<解説>
死因贈与は、Aさんが死亡することによって効力が発生する贈与です。
民法の考え方では「贈与」ですが、税金の計算上は相続税の課税対象となり
贈与税の課税対象とはなりません。

相続税の考え方としては、死因贈与を遺贈(遺言書により相続財産を取得)と
同様と考えて贈与税ではなく相続税の課税対象としています。

死因贈与も遺贈もAさんが死亡すれば、孫がAさん名義の不動産を取得する
という点で同じです。

しかし、以下の点でAさんは留意しなければなりません。

遺贈の場合、Aさんが遺贈内容について生前に孫たちに説明する
必要はありません。

死因贈与の場合、Aさんは生前に孫たちと贈与内容について合意して
おかなければなりません。

つまり、贈与なので孫たちが贈与内容について知らない場合
死因贈与が有効に成立しなくなります。

そのため、Aさんと孫たちが生前に贈与の内容について合意したこと
を客観的に証明しなければなりません。

具体的な方法としては、
・公正証書で死因贈与契約書を作成しておく
・死因贈与の対象となる不動産射、死因贈与の仮登記をしておく

上記の方法を実施し、Aさんの相続税申告時に死因贈与契約が有効に
成立していたことを明らかにする必要があります

では、死因贈与契約が有効に成立していたことを明らかにできない
場合の課税関係はどうなるのでしょうか。

孫たちは、Aさんの法定相続人ではありませんので遺言書が無い場合
Aさんの財産を一切相続できません。

そのため、Aさんが孫たちに死因贈与する予定であった不動産は
一旦Aさんの法定相続人が相続した後で、法定相続人から孫へ
贈与されることになります。

つまり、死因贈与契約が有効に成立していることを明らかにできない
場合、相続税の次に贈与税まで課税されることになってしまいます。

死因贈与契約を検討中の方は、くれぐれもご注意ください亜。

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