2012.07.28更新

<事例>
Aさんは所有する土地XをBさんに売却する契約を7月1日に締結しました。
売買価格は5000万円でしたが、契約当日は手付金の1000万円しか
受け取りませんでした。

残金の4000万円は、2週間後に受け取る約束でした。
しかし、Aさんは残金4000万円を受け取る期日の前に急死しました。

その後、Aさんの相続人であるCさんは残金4000万円を受け取り
土地XをBさんに引き渡しました。

この場合、土地Xに関する相続税の申告と所得税の申告について
教えてください

<解説>
今回の事例では、相続税に関する論点と譲渡所得に関する論点がありますので
別々に解説いたします

まず、相続税に関する論点ですがそもそも相続税の課税対象となる財産は
土地Xなのか、未収代金4000万円の請求権なのかという点がポイントになります

つまり、未収代金の請求権であれば相続財産の評価は4000万円になりますが
土地Xが課税対象の財産であれば路線価に基づき評価すると評価額が
4000万円を下回る可能性が高いと考えられます。

相続人Cさんとしては、少しでも相続税を少なくしたいと考えるので
当然土地Xを相続税の課税対象財産と考えたいところです。

しかし、この点につきましてはバブル期に問題となったために
昭和61年に相続税の課税対象財産は、「残代金請求権」であるとの
最高裁の判例があります。

従いまして、今回の事例では4000万円の残代金請求権を
相続税の課税対象財産とします


次に、譲渡所得の申告ですがAさんの準確定申告として申告する
方法と、相続人Cさんが確定申告で申告する方法と2通りあります

Aさんの準確定申告として申告する場合の留意点は以下のとおりです
1.準確定申告の結果計算された所得税額は、相続税の計算上債務として
  扱われます。
2.次に住民税の課税ですが、住民税は翌年1月1日にAさんは生存していません
  ので土地Xの譲渡に伴う住民税の課税はされません

次に土地Xの譲渡所得を引渡日を基準としてCが確定申告する場合の
留意点は以下の通りです
1.Aさんの相続税の一部を土地Xの取得費に加算できます
  この特例の詳細につきましては下記URLでご確認ください

  http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3267.htm


この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.07.21更新

【相続税質疑応答編-23 納税資金確保のために未分割の不動産を売却する際の注意点】

<事例>
Aの妻Bと長男C次男Dは、Aの遺産分割協議がまだ成立していません。
しかし、納税資金を確保するためA名義の不動産の一部を売却することを
検討していました。

そこでBCDは協議の結果、Aのすべての財産を未分割のままで
A名義の土地Zを不動産会社Yに6000万円で売却することにしました。

土地Zの売却代金は、一旦全額を配偶者であるBが保管し
その後、売却代金の分割は協議の結果B3000万円、C2000万円、
D1000万円の割合で分割することとなりました。

この場合、譲渡所得の申告とCの贈与税について解説してください

<解説>
相続財産である不動産を売却する場合、分割協議が成立してから
売却する場合と、未分割のままで売却する場合で課税関係が異なります

今回の事例の場合、未分割の状態で売却することになりますから
売却時には、法定相続割合で仮に登記したうえで売却することになります

この時、売却代金を一括して共同相続人の一人に保管させて遺産分割の
対象に含める合意を予め行っている場合には、不動産の換価分割が行われた
と考えられます。(最高裁昭和54年2月22日第一小法廷判決)

今回の事例も、売却代金の全額を一旦Bが保管した後に、分割協議に
よってそれぞれの取得金額がB3000万円、C2000万円、D1000万円と
決まりましたので、土地Zを換価分割したと考えられます

この場合、土地Zの譲渡所得は売却代金の分割比率つまり
B:C:D=3:2:1の割合で申告することになります。

また、CとDの法定相続割合は本来50%づつですが、換価分割によって
C:D=2:1の分割割合が成立しているため、50%を超えるCの所得割合
については、贈与税は課税されません。

納税資金を確保するために不動産を分割協議成立前に売却する際には
譲渡所得及び相続税への影響も考慮する必要があります。


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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.07.15更新

<事例>
兄弟ABは、15年前に父親から相続した土地甲と乙をそれぞれ
1/2づつ割合で共有しています。

土地甲と乙は、それぞれ月極め駐車場として利用しており
サラリーマンであるABの副収入となっています。

土地甲と乙は、ほぼ同じ面積で所在地も近いことから時価も
ほぼ同額です。

この度長男Aは、2世帯住宅建築資金を得るために土地の売却
を検討しています。しかし、甲乙いずれも共有持分であるため
ABの所有する甲乙の持分を、それぞれ交換してから売却しようと
考えています。

このような場合に、交換の特例の適用は可能でしょうか?

<解説>
所得税法58条の交換特例の適用要件につきましては
前回のメルマガでご案内いたしました。

詳しくは、下記URLでご確認ください。
http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/28544/

さて、今回の事例についてあてはめてみますと
問題になるのは、土地甲乙を交換後に長男Aが売却を考えている
ということです。

この場合に、前回の記事で紹介した交換特例適用要件の(5)
つまり、「交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の
用途と同じ用途に使用すること。」という要件を満たさないのでは
ないか、という心配があります。

この点について、所得税基本通達58-8には以下の様に定めています。
『固定資産を交換した場合において、取得資産をその交換の日の属する
年分の確定申告書の提出期限までに譲渡資産の譲渡直前の用途と同一
の用途に供したときは、交換特例の規定を適用することができるもの
とする。』

したがって、今回の事例の場合では長男Aは甲乙土地の持分を
交換した後に、いったん月極め駐車場の経営を継続しておけば
その後、売却したとしても交換特例は適用できると考えられます。


さらに、今回の様な事例の場合には「特定事業用資産の交換の
特例」を適用できる場合もあるので検討しておく必要があります。

ただし、所得税法58条の交換特例では交換資産の時価がほぼ
同額である今回の場合、所得税は課税されませんが

「特定事業用資産の交換の特例」では、交換差金のない等価交換
であっても収入および取得費を譲渡資産の20%で計算した金額
で譲渡所得を計算することに留意する必要があります。

(等価交換の場合でも必ず税額発生してしまうということです。)

また、交換により取得した資産を取得した日から1年以内に事業
(今回は月極め駐車場)として使わなければなりません。
さらに、交換により取得した資産を取得してから1年以内に事業に
使用しなくなった場合は、原則として特例は受けられません。

つまり、今回のように交換後直ちに売却を予定している場合には
「特定事業用資産の交換の特例」は、適用できません。

固定資産の交換・買換えの特例は複雑な税法の判断が必要です
実際に実行するに当たっては、慎重な判断が必要となります。



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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.07.08更新

<事例>
A(母)とB(娘)は、X(Aの亡夫)から土地甲を1/2づつ相続しました。
その後、Bが事業に失敗し多額の負債を負うことになりました。

ABがそれぞれXから相続した土地甲を売却しても負債の全額返済には
足りませんが、それでも土地甲を有効活用して少しでも返済したいと
考えています。

そこで、Aが甲土地の持分を売却する方法・Aが甲土地持分を放棄する
方法が考えれらえますが、それぞれの場合の課税関係を教えてください

<解説>
まず、一般的に考えられるのがAが甲持分を売却して売却代金をBに
贈与する方法だと思います。

しかし、この場合Aの譲渡所得には所得税が課税されます。
事例の場合、Xから相続により取得した土地なので長期譲渡所得としても
譲渡所得に対して20%が課税されます

そこで、Aが持分を放棄する方法が考えられます。
全体のストーリーとしては、以下のとおりです

Aが相続により取得した甲の持分を放棄します。この場合放棄した持分は
Bに帰属することになります(民法255条)

『共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人が
 ないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。』

この場合、Aの持分放棄については譲渡所得の課税はありません。
さて、次にBに対する課税関係を確認すると

一般的には、Aの持分放棄によりBに帰属した甲土地の持分について
贈与税が課税されます。

しかし、今回の事例では贈与税も課税されません
BはAから得た経済的利益によっても負債の全額を返済することが
できず、BとAは扶養義務の関係にあるからです
(相続税法9条但書、民法877条)

なお、この場合Bに対して贈与税は課税されませんが
所得税も課税されないと考えられます。

相続税法9条但書
『ただし、当該行為が、当該利益を受ける者が資力を喪失して債務を
弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から
当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、
その贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうち
その債務を弁済することが困難である部分の金額については、
この限りでない。』

民法877条
『直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。』


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2012.07.01更新

<事例>AさんとBさんは、Aさんが長期にわたり保有しているX土地500㎡
とBさんの保有しているY土地350㎡との交換を話し合っています

Aさんの土地は、バブル期以前から保有している土地ですがBさんの土地は
2年前に取得した土地です

AさんとBさんは、地目がいずれも宅地で時価もほぼ等価なので交換の特例
が適用できると考えています。

しかし、BさんがX土地を2年前に取得していて、そのことについて
「Bさんが交換のために取得したことではないこと」の立証が困難であると
考えています。

このような場合に、交換の特例は適用できるでしょうか。


<解説>
今回は、交換特例の適用要件のひとつである
「交換のために取得したものではないこと」という要件について確認します。

結論から申し上げますと、今回の事例で交換特例は問題なく適用できます。

交換特例を適用するに当たって、交換の対象となる資産について
双方ともに1年以上の所有期間で、交換目的で取得したものではないこと、
という条件を満たさなければなりません。

しかし、「交換目的で取得したものではないこと」という要件を
客観的に立証することは困難です。

そこで、昭和40年の改正時に「1年以上所有していること」という要件を
追加することによって、客観的に「交換目的で取得したものではないこと」
を判定することにしました。

交換の特例を適用するに当たっては、留意すべき事項が数多くありますので
税の専門家である税理士に是非相談してください。

固定資産の交換特例の概要については、国税庁の下記HPで
ご確認ください

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3502.htm

1 制度の概要
 個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、
譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。

2 特例を受けるための適用要件
(1) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
 不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、
  特例の対象になりません。

(2) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物
  のように互いに同じ種類の資産であること。この場合、借地権は土地の種類に含まれ、
  建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。

(3) 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。

(4) 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、
     かつ交換のために取得したものでないこと。

(5) 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
 この用途については、次のように区分されます。

 交換譲渡資産の種類と区分

 土地⇒ 宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他
 建物⇒ 居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他用

(6) 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、
これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。


また、交換の適用要件の(5)については所得税法基本通達58-6で以下のように
定められています

(取得資産を譲渡資産の譲渡直前の用途と同一の用途に供したかどうかの判定)
法第58条第1項に規定する資産を交換した場合において、取得資産を譲渡資産
の譲渡直前の用途と同一の用途に供したかどうかは、その資産の種類に応じ、
おおむね次に掲げる区分により判定する。
(平20課資3-4、課個2-33、課審6-18改正)

(1) 土地 宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他の区分

(2) 建物 居住の用、店舗又は事務所の用、工場の用、倉庫の用、その他の用の区分

(注) 店舗又は事務所と住宅とに供用されている家屋は、居住専用又は店舗専用若しくは
 事務所専用の家屋と認めて差し支えない。

(3) 機械及び装置 その機械及び装置の属する減価償却資産の耐用年数等に関する
 省令の一部を改正する省令(平成20年財務省令第32号)による改正前の
耐用年数省令別表第2に掲げる設備の種類の区分

(4) 船舶 漁船、運送船(貨物船、油そう船、薬品そう船、客船等をいう。)、
 作業船(しゅんせつ船及び砂利採取船を含む。)、その他の区分



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