2012.09.17更新

預託金会員制ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱いが変更されました。
  譲渡所得に関する税額が少なくなる改正なので、ご注意ください!!!

 1.従来の取扱い

(1)譲渡所得の基因となる預託金会員制ゴルフ会員権とは、契約上の地位であり、優先的施設
   利用権(いわゆるプレー権)と預託金返還請求権をその内容とする資産(事実上の権利)を
   いうものとされます。

(2)一方、預託金会員制ゴルフ場の経営会社においては、預託金の償還問題等に対して、民事
   再生法等による再建型処理つまり再生計画、更生計画及び整理計画に基づき、預託金債権を
   切り捨てた上、優先的施設利用権を保障する方策(自主再建型)を採ることがあります。

(3)自主再建型の場合、すなわち、

   ① 会社更生法に基づく更生計画による更生手続等により、預託金債権を切り捨てた上、ゴ
    ルフ場経営会社は営業を存続するというもので、単に契約内容の変更があったものにすぎ
    ず、ゴルフ会員権としての性質は維持するというものであり、その場合における譲渡所得
    の計算においては、切り捨てられた損失の金額は認識せず、取得価額も減額(付け替え)
    しないという取扱いがされてきました。

   ② また、預託金債権を100%切り捨てた上、優先的施設利用権だけが継続されるケース
    においては、上記(1)に述べたように、預託金会員制ゴルフ会員権は、優先的施設利用
    権と預託金返還請求権を内容とするものですから、優先的施設利用権のみのゴルフ会員権
    の取得価額とそのゴルフ会員権の時価相当額との差額としての損失は、譲渡所得等の各種
    所得の金額の計算上考慮されないものとされてきました(平成15年7月4日付国税庁資
    産課税課情報第13号「個人所有の預託金制ゴルフ会員権を巡る課税上の問題について
    (情報))。
 
2.今後の取扱い
   上記1の(3)②の場合、すなわち、預託金会員制ゴルフ会員権が上記の更生手続等(会社
  更生法に基づく更生計画による更生手続と同等の法的効果を有する民事再生法に基づく再生計
  画による再生手続等を含みます。)により、預託金債権の全額を切り捨てられたことにより、

  優先的施設利用権(年会費等納入義務等を含みます。以下同じです。)のみのゴルフ会員権と
  なったときであっても、当該更生手続等により優先的施設利用権が、次に掲げる状況その他の
  事情を総合勘案し、更生手続等の前後で変更なく存続し、同一性を有していると認められる場

  合には、その後に当該優先的施設利用権のみのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の
  計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費については、更生手続等前の預託
  金会員制ゴルフ会員権を取得したときの優先的施設利用権部分に相当する取得価額とするとい
  うものです。

  ① 当該更生計画等の内容から、優先的施設利用権が会員の選択等にかかわらず、当該更生手
   続等の前後で変更がなく存続することが明示的に定められていること。

  ② 当該更生手続等により優先的施設利用権のみのゴルフ会員権となるときに、新たに入会金
   の支払いがなく、かつ、年会費等納入義務等を約束する新たな入会手続が執られていないこ
   と。
 
 3.所得税の還付手続

   上記2の取扱いの変更は、過去に遡って適用することとされます。
   したがって、これにより、過去の所得税の申告内容に異動が生じ、所得税が納めすぎとなる
  場合には、国税通則法第23条第2項の規定に基づき、この取扱いの変更を知った日の翌日か

  ら2月以内に所轄税務署長に更正の請求をすることにより、当該納めすぎとなっている所得税
  が還付されます(国税通則法23②三、同法施行令6①五)。

   更正の請求をする場合には、更生計画等上記2に掲げた内容が分かる書類を併せて提出する
  必要があります(国税通則法23③)。

   なお、法定申告期限等から既に5年を経過している年分の所得税については、法令上、減額
  することはできないこととされています(国税通則法70①一)。
 

◎ 国税庁ホームページ>調達・その他の情報>お知らせ>「ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取
得費の取扱いについて」でご確認ください。
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/golf/01.htm



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投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所

2012.09.02更新

<事例>
A(夫)とB(妻)は、家庭裁判所で離婚の調停が成立しました。
調停の結果、次のとおり話し合いがまとまりました

1.財産分与は3000万円
2.AからBへの慰謝料は1000万円
3.ABの娘Cは、Bが引取ることになったが大学卒業までの養育費と教育費
  はAが負担する

この場合のABの税務について教えてください
また、AからBへの分与を現金ではなく時価3000万円相当の土地の譲渡で
行った場合の税務も教えてください

<解説>

家庭裁判所の調停等によって財産分与や慰謝料の支払いを行った場合
支払い側・受取り側どちらにも課税関係は発生しません。

従って、上記1.2についてはABともに一切の課税はありません。

ただし、金銭の支払いにかえて時価3000万円相当の土地を譲渡した場合には
Aには譲渡所得税が課税されます。

根拠は:所得税基本通達33-1の4です
『(財産分与による資産の移転)民法第768条《財産分与》の規定による
財産の分与として資産の移転があった場合には、その分与をした者は、
その分与をした時においてその時の価額により当該資産を譲渡したこととなる。
(昭50直資3-11、直所3-19追加、平18課資3-6、課個2-11、課審6-5改正)』

つまりAが財産分与として時価3000万円の土地を譲渡した場合に、その取得費が
2000万円であれば、差額の1000万円が譲渡所得の課税対象となります。

次に、時価3000万円相当の土地の取得したBですが贈与税は課税されません。

根拠は:所得税基本通達33-1の4の(注)1です。
『(注)1.財産分与による資産の移転は、財産分与義務の消滅という経済的利益
を対価とする譲渡であり、贈与ではないから、法第59条第1項《みなし譲渡課税》
の規定は適用されない。』

さらに、Bが今回取得した土地を第三者に売却する際の取得費は
今回の財産分与の金額である3000万円となります。

根拠は:所得税基本通達38-6です。
『民法第768条《財産分与》の規定による財産の分与により取得した財産は、
その取得した者がその分与を受けた時においてその時の価額により取得した
こととなることに留意する。(平18課資3-6、課個2-11、課審6-5改正』


最後に、Aが負担するCの養育費と教育費ですが離婚後も父親であるAの
扶養義務が消滅しないので、Cに贈与税は課税されません。

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