[相談]
下記の生命保険について
仮に妻が先に亡くなった場合には、世話になっている姪に受け取って欲しいと思っています。
妻が先に亡くなった時点で、私が死亡保険金の受取人を変更できればよいのですが
そうでない状況を想定して、遺言で受取人を姪に変更しておきたいと思っています。
これは、可能でしょうか?
【生命保険の契約内容】
- 契約者(保険料負担者):私
- 被保険者:私
- 死亡保険金受取人:妻
[回答]
遺言で生命保険金の受取人を変更することは可能ですが
諸条件を満たしている必要があります。
[詳細]
1.保険法改正により可能となった遺言による保険金受取人の変更
2010年4月1日に施行された「保険法」で、遺言による保険金受取人の変更が可能となりました。
原則、保険法施行後の契約が対象となりますが、保険会社によってその取扱いは異なります。
2.留意点
遺言によって保険金受取人を変更するときの、主な留意点は以下の通りです。
(1)変更の可否を確認
多くの保険会社は「法律上有効な遺言であれば
受取人に指定できる方の範囲に定めはない」としているようですが
変更可能な受取人の範囲を約款で決めている保険会社もあります。
遺言書を作成する前に、必ず受取人として指定できるかどうか、確認するようにしましょう。
(2)遺言書の記載内容
遺言によって保険金受取人を変更するときは
どの保険契約か特定できるような情報を遺言書に記載します。
この場合の「情報」とは、保険会社、証券番号、契約者、被保険者
保険種類、契約日などが該当しますが、特定できれば複数の情報の記載は必要ありません。
遺言書の例文
第〇条 私は、私が契約者となっている次の生命保険契約における 死亡保険金受取人として、姪◇◇を指定する。 (保険契約の表示) |
(3)遺言による保険金受取人の変更手続き
遺言による保険金受取人の変更手続きを行うには
保険契約者の相続人が遺言による保険金受取人変更について
保険会社に申し出なければなりません。
その際に、一定の書類の提出が必要な場合があります。
必要となる主な書類は以下のとおりですが、保険会社によって異なるため
予め約款などで確認したり、保険会社へ問い合わせをしたりするとよいでしょう。
- 申し出をするための書類
- 遺言書の写し
- 検認済証明書の写し(遺言が公正証書遺言でない場合)
- 保険契約者の戸籍謄本
- 相続人もしくは遺言執行人の印鑑証明書
- これらの他にも、被保険者の同意が必要であること、保険会社の取扱要件を満たすことや
- 遺言書自体が法律上有効でなければならないなど、遺言による保険金受取人の変更には留意点があります。