相続税対策のひとつとして利用される相続時精算課税。
年間にどのくらいの人が申告しているか、ご存じですか。
ここでは国税庁発表の資料(※1)から、
相続時精算課税の申告状況をみていきます。
【1】相続時精算課税の概要
相続時精算課税は、贈与時に、贈与財産に対する贈与税を納め、
その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを
合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより、
贈与税・相続税を通じた納税を行う制度です(※2)。
原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、
財産を贈与した場合において選択でき、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に、
一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。(※3)。
相続時精算課税は、2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となり
それを超える金額には一律で20%の税率で課税されます。
暦年贈与に比べて一度にたくさんの贈与ができるメリットがあります。
【2】年間の申告人員は減少傾向に
上記資料から、直近10年間の相続時精算課税の申告状況をまとめると、下グラフのとおりです。
申告人員は2013年の5.2万人をピークに減少傾向にあります。
申告納税額がある方は毎年3~4千人で推移していますが、申告納税額がない方の減少が顕著です。
申告納税額は年によってばらつきがありますが、2016年以降は280億円以上の年が続いており、
それ以前に比べて高い状態にあります。
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