全国の国税局等には,いわゆる超富裕層を対象に特別な管理体制を敷く重点管理富裕層プロジェクトチーム(PT)
が置かれています。
さらに,東京,大阪,名古屋,関東信越国税局管内では,特定の税務署で「上位富裕層」
を対象に特別な管理体制が敷かれています。
上位富裕層への管理体制を整備しています
国税当局では昨今,富裕層PTを全国税局等に置くなど,調査必要度の高い富裕層への取組に力が
入れられています。富裕層PTでは,「重点管理富裕層」という富裕層の中でも特に高位にいる者を
管理対象としていますが,重点管理富裕層とまではいかないクラスの富裕層についても
富裕層PTと同様に特別な管理体制を敷くべきと考えられています。
そこで試行的に,富裕層PTの対象となる重点管理富裕層を除き
一定の基準で抽出した者を「上位富裕層」と位置付け,特定の税務署において上位富裕層に対する
「専担者(税務署の所得税等担当の特別国税調査官のうち国税局が指定した者)」が配置されています
上位富裕層は,“9つある抽出基準”のいずれかに該当する者から重点管理富裕層を除いた者をいいます
詳細は不明ですが,一定の保有見込資産額などがその基準として想定されています
専任担当者の役割
上位富裕層に対する専担者は,上位富裕層,その関係個人や関係法人(上位富裕層グループ)の抽出を担います
そして,上位富裕層グループに係る資料情報の集積と分析,調査企画及び情報提供
調査企画事案の調査実施担当部署への引継ぎを行っています
また,決定した上位富裕層グループに係る上位富裕層名簿を作成し,国税局に提出します
収集した資料情報などを基に課税上の問題点を分析検討し,区分をして
その区分に応じた対応を図ることになります。
集積すべき資料情報として例えば,所得税申告書等,国外送金等調書,国外財産調書
財産債務調書,自動的情報交換資料(CRS情報含む),国外証券移管等調書
資産の所有等に関する資料,その他部内資料,マスコミ情報,インターネット情報などが挙げられます
体制のイメージ
富裕層の分類と富裕層への対応のイメージ図は下記のとおりです
出国税
このような税務当局の動きに対応して
海外への移住を考える方もいらっしゃいますが
いわゆる『出国税』への対応も事前に検討する必要が
あります
出国税に関するFAQは国税庁の下記URLをご覧ください
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kokugai/pdf/02.pdf