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2021.05.08

課税時期に近い直後期末に退職金の支給が予定されていた場合の株価算定

事例

被相続人Aが100%株式を所有するX社は業績が悪化したため

2021年3月末までに希望退職者を募り、退職金1億円を

支払う予定にしていました。しかし、その直前の2021年2月に

A氏の相続が開始しました。この場合、X社の株価の算定に当たって

予定されていた退職金を計上することはできるのでしょうか?

解説

純資産価額方式により株価を算定する場合課税時期における仮決算を行い

各資産及び各負債の相続税評価額及び帳簿価額を基として評価するのが

原則です

 

しかし、一般的には課税時期に仮決算を行っていません

その場合は、直前期末から課税時期までの間に資産及び負債について

著しく増減がないため評価額の計算に影響が少ないと認められるときに限り

課税時期における各資産及び各負債の金額は、直前期末の

各資産及び各負債の金額を対象として評価しても差支えない

とされています

 

また、課税時期が直後期末に近く、課税時期から直後期末までの間に

資産及び負債の金額について著しく増減がないと認められる場合には

資産及び負債について経理操作を行っているなど課税上弊害がある場合を

除き、直後期末の各資産及び負債の金額を課税時期における各資産及び

各負債の金額とみて評価額を計算して差し支えありません

回答

今回の事例の場合、課税時期と直後期末が非常に近いので

以下の要件が満たされる必要があります

・課税時期から直後期末までに資産負債について著しく変動がないこと

・経理操作を行うなど課税上弊害がある場合ではないこと

・仮決算を行っていないこと

 

そのうえで、早期退職の退職金の取扱いですが

課税時期ではあくまでも見込金額にとどまります

そのため、退職金の見込み額を計上したうえで

直後期末の資産負債の金額から純資産価額方式で

株価を算定することはできません

2020.11.14

株価評価・暦年贈与のススメ

株式評価・暦年贈与のススメ

今年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、業績が芳しくない会社もあるかもしれません。業績回復は、
事業承継の柱である株式の移転について、毎年少しずつでも後継者に贈与していきましょう、という内容です。

Ⅰ株式贈与とは

今年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、業績が芳しくない会社もあるかもしれません。業績回復は、急務ですが、事業承継の入り口である株式贈与については、検討の価値があるかもしれません。
後継者が決定していれば、会社の支配権である株式を後継者に移転する必要があります。移転する方法としては、「贈与」や「売却」がありますが、親族に株を買ってくれというのは難しく、無償であげることになる贈与が現実的でしょう。ただし、無償でモノを貰う贈与は、贈与税の対象となります。

Ⅱ株式評価の基礎となる金額は?

贈与税は、無償で「貰う」ことに課税されるため、貰った株式の評価額が変わると、贈与税額が増減します。
非上場企業の株式については、下記の2つの価格を勘案して評価額が決まりますので、いずれかの価格が下落していれば、贈与により負担する税額が減少することになります。
それぞれ、コロナ禍の影響が出ている可能性がありますので、自社の株価への影響を確認してください。

Ⅲ事業承継のハードル ⇒ 贈与税はどのくらい課税される???

お手元に決算書をご用意ください。自社の貸借対照表の純資産額合計はいくらになっているでしょうか。
これが、Ⅱの「純資産価額」の計算の基になります。土地など含み益がある資産は含み益を加算し、保険の解約金など簿外資産も加算します。
実際には、純資産価額より低くなることが多い「類似業種比準価額」も考慮するため、必ずしもイコールではありませんが、参考として右の表から贈与税の負担をご確認ください。

Ⅳ分割して贈与すると税負担が減る?

Ⅲのように、一時に贈与しようとすると、多額に贈与税がかかります。
しかし、下記のように分割して贈与を行うと、年間110万円の基礎控除が複数回使えることに加えて、累進課税の贈与税の税率も下がるため、後継者の税負担は大きく減少します。
今年、年間110万円の基礎控除を使うためには、年内の贈与が必要です。

 

Ⅴまずは自社の株価がいくらか把握しましょう

事業承継は先代の年齢や、株式の評価額により、様々な対策があります。
まずは、自社の株式がいくらの評価になるのか、確認してみてはいかがでしょうか。

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