医院名:近江清秀公認会計士税理士事務所 
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2021.09.18

建物の固定資産税評価額が下がらない?

(質問)評価替えの年なのに、建物の固定資産税評価額が下がらないのはなぜでしょうか?

令和3 年度は、固定資産税評価額の評価替えの年度ですが

建物(鉄筋コンクリート造の賃貸マンション)の固定資産税評価額が下がっていません。

建物は経年により価値が減少していくのに

なぜ固定資産税評価額が同額なのでしょうか︖

(回答)

通常であれば、経年劣化等により固定資産税評価額が減少すべき建物ですが

令和3 年度については、物価上昇を背景に建物の固定資産税評価額が

据置きとなったものと考えられます。

建物の固定資産税評価額の算定方法

建物の固定資産税評価額は、屋根・外壁・内壁・天井・床・基礎・建具・設備などにつき

それぞれに使用されている材料の種類や数量を把握し

国が定めた固定資産評価基準に基づいて算出されています

 

算式(従来分の家屋に係る固定資産税評価額)
基準年度の前年度の再建築価格 × 再建築費評点補正率 × 経年減点補正率

⇒再建築価格
再度その場所にその建物を建てるとした場合に必要とされる建築費

⇒再建築費評点補正率
基準年度と前回の基準年度との間に発⽣した物価変動の補正率

⇒経年減点補正率
建築後の年数の経過によって⽣ずる建物の傷み具合による価値の減少を
率で表したもの(初年度は1 年間経過したものとします)

据置きとなるケース

算定の結果、固定資産税評価額が前年度の額を下回った時は

建物の固定資産税評価額は引下げとなります(ケース①)。

一方、固定資産税評価額が前年度の額を上回った場合

算式では建物の固定資産税評価額は引上げとなりますが

措置が講じられて据置きとなります(ケース②)。

建築資材の高騰及び人手不足等による人件費の高騰により

近年、同等建物の建築物価は上昇しています。

おそらく令和3 年度は、措置により据置きになっているものと推測されます。

なお、令和2 年1 月2 日から令和3 年1 月1 日までの間に

増改築や一部取壊し、そのほか特別な事情があった場合は

新たに評価をし直している点にもご留意ください。

今後も現在の状況が続きますと

令和6 年度の建物の価格も据置きとなる可能性があります。

建物の収益力を高め、建物の実質的な価値を高めることを常に心掛けることが必要でしょう。

2021.09.10

配偶者居住権と相続税

[相談]

 2020年4月1日より、主人が亡くなってもマイホームに住み続ける権利

(いわゆる「配偶者居住権」)を相続できると聞いています。

この配偶者居住権は相続税が課税されるのでしょうか?

[回答]

配偶者居住権は、その配偶者居住権に付随する敷地利用権とともに

相続税の課税対象です。

[詳細解説]

1.配偶者居住権とは

 配偶者居住権とは、被相続人の所有する建物に相続開始時点で配偶者が居住していた場合に

相続後も配偶者がそのままその建物に無償で住み続けることができる権利です。

配偶者は、遺産分割協議や遺言(相続又は遺贈、以下、相続等)によって

配偶者居住権を取得することができます。

2.配偶者居住権と相続税

(1)配偶者居住権と敷地利用権

 配偶者居住権は建物に住む権利ですが、その配偶者居住権を配偶者が相続等により取得した場合

その配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利も付随して

配偶者が相続等により取得したものと考えられています。

この配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利を、敷地利用権といいます。

(2)税務上の取扱い

 配偶者居住権も敷地利用権も相続税の課税対象となります。

それぞれ定められた一定の評価方法により算定をして、相続財産として加算します。

なお、敷地利用権については、他の宅地と同様、「小規模宅地等の特例」の適用が可能です。

 配偶者居住権は、民法改正により創設され、2020年4月1日に施行されたものです。

開始してまだ1年半も経っていませんが

遺産分割における選択肢の一つとして必ず検討すべき権利といえるでしょう。

<参考>
 国税庁「配偶者居住権等の評価に関する質疑応答事例(令和2年7月)」

2021.08.08

相続開始後に必要な手続き

[相談]

先日、主人が亡くなりました。葬儀は終えましたが

他にどのような手続きが必要になるのでしょうか。

私たちは年金生活をしており、子は2人いますが

独立しています。住まいは持ち家で、その他若干の預金があります。

[回答]

 一般的に以下のような手続きが必要になります。

① 住所地の市区町村役場での手続
死亡届の提出(死亡の事実を知った日から7日以内/戸籍法第86条1項)

健康保険被保険者証・障がい者手帳・印鑑登録手帳等の返納、葬祭費の請求

健康保険料や介護保険料等の精算を行います

(但し、その場で現金を収めたり、受け取ることはありません)。

② 年金事務所での手続
受給していた年金の種類によっても異なりますが

基本的にはご主人が受給していた年金を止める手続と

未支給の年金をもらう手続などを行います。

あなたが遺族年金をもらう手続きも行った方が良い場合があるため

併せて確認するとよいでしょう。

③ 公共料金の引き落とし口座の変更
ご主人の銀行口座は今後相続手続きを行って解約していく必要があるため

現在ご主人名義の銀行口座から公共料金(電話、水道、電気、ガスなど)

を引き落としている場合は、口座を変更する必要があります。

変更には数ヶ月かかる場合もありますが、その前に口座が凍結されてしまった場合は

ご自宅に払込用紙が届くと思いますので、そちらで支払いが可能です。

④ 生命保険会社への保険金請求
ご主人や受取人の方の戸籍・住民票などの原本の提出が

必要な場合があります。

請求する生命保険会社に確認の上、役所手続の際に戸籍を

必要通数分取得されることをお勧めします。

上記の他

⑤火災保険・地震保険の名義変更、⑥自動車の名義変更

⑦自動車保険の名義変更、⑧携帯電話の解約、⑨クレジットカードの解約

⑩土地建物の名義変更、⑪農地法・森林法の届出、⑫預貯金の解約又は名義変更

⑬準確定申告、⑭相続税申告 などが必要な場合もあります。

上記は一般的に必要な手続であり、ご家族の状況・財産の内容・遺言の有無などによって

必要な手続は異なります。「相続手続」というと

遺産分割などを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが

遺産分割を行う前の事務手続もさまざまです。

ご不安があれば、遠慮なくお問い合わせください

2021.01.02

会社で契約していた生命保険と弔慰金の税金

会社で契約していた生命保険と弔慰金の税金

会社と本人それぞれが保険料を負担していた生命保険に係る死亡保険金や、会社から支給され
る弔慰金について、相続税ではどのように取り扱われるのかをみていきましょう。

お客様からの質問・・・

夫が亡くなり、勤務先で夫が加入していた生命保険について、手続きの案内が届きました。
会社が保険料を負担する福利厚生の契約に、夫本人が任意で上乗せをして、給与天引きで保険
料を支払っていたようです。

会社が保険料を負担していた部分にあたる死亡
保険金は、会社の規程により「退職金扱い」となる
と説明を受けました。
また、これとは別に、会社から弔慰金が支払われ
るそうです。
これらの保険金や弔慰金の税金の扱いについて
教えてください。

 

Answer:死亡保険金(会社負担分)の取扱い

ご相談のケースでの死亡保険金や弔慰金の受け取りに係る課税関係は、まず死亡保険金と弔
慰金とに分けて考えます。
更に、死亡保険金に係る保険料を誰が負担していたか等によって、課税関係は異なります。

まず、会社が保険料を負担していた部分に
対応する死亡保険金について解説します。
従業員が加入する生命保険の保険料を雇用
主が負担していた契約において、支払われる
死亡保険金は退職手当金等として扱う旨が会
社で定められている場合は、相続人が受け取
る死亡保険金は退職手当金として扱われます。
退職手当金は、みなし相続財産として相続
税の対象になります。このとき、相続人が受け
取る退職手当金は
「500 万円×法定相続人の数」
を限度に非課税の適用を受けることができま
す。この場合、非課税の額を計算する上での
“法定相続人の数”とは、相続の放棄があった
場合にはその放棄がなかったものとした場合
の相続人の数を指します。これは、後述の死亡
保険金に係る非課税の額を計算する際も同様
です。
なお、同じように雇用主が保険料を負担し
ていた生命保険で、今回のケースと異なり、会
社が退職金として支給する取り決めがない場
合は、保険料は従業員が負担したものとみな
し、次に説明するご主人様負担分と同様、生命
保険として扱われます。

 

Answer:死亡保険金(ご主人様負担分)

次に、ご主人様が保険料を負担していた上
乗せ部分の死亡保険金についてです。
ご主人様本人が保険料を負担していた部分
から支払われる死亡保険金は、個人が契約す
る生命保険と同様に、保険料負担者、被保険者、
死亡保険金受取人の関係をもとに税務の扱い
を判断します。

ご相談のケースでは、保険料負担者と被保
険者が共にご主人様であるため、支払われる
死亡保険金はみなし相続財産として相続税の
対象となります。
また、相続人が受け取る死亡保険金は
「500 万円×法定相続人の数」
を限度額として非課税の適用を受けることが
できます。
この非課税枠は、前述の退職金の非課税枠
とは別に適用されます。

 

会社から支払われる弔慰金

 

最後に、死亡保険金とは別に会社から支払
われる弔慰金についてです。
下記の金額までは相続税の対象となりませ
んが、超える部分は退職手当金等として相続
税の対象となります。

 

ここまでで解説した死亡保険金、弔慰金に
加え、ご主人様が所有していた財産総額に
よって相続税が発生するか否か、および税額
も変わります。相続税に関する不明な点は、お
気軽に当事務所までご相談ください。

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