相続税を延納しようと思っていましたが・・・
事例
所有する財産に占める不動産の比率が高い場合に
延納申請をすることを前提にしていて
納税資金の調達を事前に準備していない事例が多いようです
例えば、駅前に大きなテナントビルや駐車場を所有するAさんは
不動産評価額が高騰したため、所有財産に占める不動産比率が
8割以上となっていました。また、2人の子は仲が悪いにも
関わらず遺言書の作成もしていません
そんな状態でAさんが急死しました
相続人である二人の子は、延納申請する予定でいましたが
長男と次男は、それぞれ苦しむことになりました
要件
延納申請するための要件は以下の通りです
(国税庁HPよりhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4211.htm)
(1) 相続税額が10万円を超えること。
(2) 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。
(3) 延納税額および利子税の額に相当する担保を提供すること。
ただし、延納税額が100万円以下で、かつ
延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。
(4) 延納申請に係る相続税の納期限または納付すべき日(延納申請期限)までに
延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。
したがって、期限内申告の場合は申告期限、更正又は決定の場合は
当該通知が発せられた日の翌日から起算して1か月を経過する日
期限後申告又は修正申告の場合は申告書の提出の日が延納申請期限となります。
失敗した原因
今回、2人の兄弟は上記要件の(3)で失敗しました
遺産分割協議がなかなか成立しない場合
相続財産は、すべて共有名義となります
その状態で、相続財産を延納申請の為の
担保に提供しようとすると、相続人全員が
同意することが必要となります
しかし、今回は次男が自己資金で未分割の
相続税額を期限内に納税することができたので
延納申請の為の担保提供に協力しませんでした
アドバイス
不動産比率が高い場合に、
延納や物納を前提に考えてる事例が
意外と多くありますが
現実的には、延納や物納は簡単ではありません
不動産比率が高い場合は、必ず
納税資金の事前準備に取組む必要があります
相続税の申告は、経験と知識が豊富な
専門の税理士に依頼する必要があります
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