低解約返戻保険契約に関する税制改正(予定)
低解約返戻保険契約・・・って?
低解約返戻保険契約とは、契約者法人・被保険者役員という保険契約で
一定の期間経過後に、契約者を法人から役員に名義変更するタイプの
生命保険です。
このタイプの生命保険の多くは、解約返戻金評価額の低いタイミングで
名義変更を行うことによって、法人税と所得税のダブルでメリットがあります
今回の改正(予定)
法人が役員に生命保険契約等に関する権利を支給(法人から役員に契約の名義を変更)した場合
『一定の低解約返戻金型保険等』 はその権利の評価方法が見直される予定です。
保険契約の権利の評価額が、現在は名義変更時の「解約返戻金の額」ですが
今回の改正では、名義変更時の「資産計上額」に変更される予定です
これによって、法人税・所得税ともに節税メリットがなくなることになります
この改正案は、令和元年7月8日以後に締結した契約で,令和3年7月1日以後に
名義変更したものに適用される予定です。
今回の改正(予定)の相続税に与える影響
低解約返戻金型保険等の契約の権利の評価は
所得税では名義変更時の「解約返戻金の額」から「資産計上額」に見直される予定です。
一方、相続税では,生命保険契約に関する権利の評価は相続時の「解約返戻金の額」
のまま見直しはされない見込みです。
非上場株式の評価に与える影響
生命保険契約に関する権利が相続された場合だけでなく
非上場会社の株式を純資産価額方式等で評価する際に
その会社が同権利を有している場合も「解約返戻金の額」で評価し
それが非上場株式の評価額を構成することになります。
贈与税は・・・
なお,生命保険契約の権利を“贈与”(贈与者から受贈者に名義変更)した場合
それだけでは贈与税は課されません。
受贈者が保険契約を解約し解約返戻金を取得した際に
その解約返戻金相当額を贈与で取得したものとみなして
贈与税が課されます。
ですから、今回の改正は贈与税には影響しません