財産評価における誤りやすい事例/相当の地代を支払っている場合の借地権の価額
財産評価の処理における誤りやすい項目について
大阪国税局が作成した「資産課税関係 誤りやすい事例 財産評価関係 令和2年分」より
ピックアップしてご紹介します。
今回は、「取引相場のない株式(純資産価額方式)」における
相当の地代を支払っている場合の借地権の価額についてです。
誤った取扱い
被相続人は、所有するA土地を甲社(被相続人が同族関係者となっている同族会社)
に相当の地代を収受して貸し付けていた。
甲社株式の評価において、A土地に係る借地権について
資産の部への計上は不要とした。
正しい取扱い
株式の評価をする場合において
被相続人が同族関係者となっている同族会社に相当の地代を収受して
土地を貸し付けている場合
自用地としての価額の20%に相当する額を借地権の価額として
資産の部に計上する
(昭43直資3-22「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」、地代相当通達6(注))
出典:大阪国税局「資産課税関係 誤りやすい事例 財産評価関係 令和2年分」
自筆証書遺言の法務局の保管制度について
相談
新しく自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度があると聞きました。
どのように利用するのでしょうか。
回答
令和2年7月10日施行予定の「法務局における遺言書の保管等に関する法律」により
自筆証書遺言の保管を法務局へ申請をできる制度が始まりました。
こちらの制度を利用することにより、自宅で保管しているときに起こるかもしれない
紛失、改ざんや隠ぺいのリスクをなくすことができます。
また、遺言者の死亡後、自筆証書遺言を相続人が発見すると家庭裁判所で
検認の手続きをしなければなりませんが、今回の保管制度を利用しますと
検認の手続きは不要となります(11条)。
遺言書保管の流れ
今回の制度で、保管の対象となる遺言は自筆証書遺言(民法968条)です。
従来は封をして保管しておくことが必要でしたが、法務局で保管される遺言は
封がしていないものになります(4条)。
保管の申請の流れは
- 自筆証書遺言の作成。
- 保管をする法務局へ出向き、申請をする(4条、5条)です。
- (保管申請の手数料は1件3,900円)
保管申請をするときは、どこの法務局でもよいというわけではありません。
申請者(遺言者)の住所地か本籍地か所有する不動産の所在地のいずれかを
管轄する法務局へのみ申請が可能となります。
また、申請をする際には必ずご予約の上
出向いていただく必要がございますのでご注意ください。
申請に当たっての注意点
申請の際に注意していただきたいことは
自筆証書遺言の内容について法務局は相談にのることはできないという点です。
内容に不備があるとせっかくの遺言が使用できず
意味の無いものとなってしまいます。
内容に不安のある場合にはお近くの専門家へご相談ください。
また、保管申請や閲覧等には手数料がかかります。
詳しくは法務省のホームページをご覧ください。
法務省
法務局における自筆証書遺言書保管制度について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html