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2021.07.22

配偶者の税額軽減と留意点

[相談]

 父が他界しました。相続人は母と私たち兄弟2人の合計3人です。

 配偶者が相続した財産については相続税がかからない、と聞いたことがあります。

 父の遺産は約1億円ですが、1億円すべてを母が相続する場合には

 相続税は払わなくてもよいですか?

 また、今回母がすべて相続し相続税を払わなくてもよいのなら

 とても有利に思えるのですが、問題はありませんか?

[回答]

 「配偶者の税額軽減」を適用することで、お父様の相続に関してお母様に相続税はかかりません。

 主な留意点として、適用するには相続税の申告を行うこと

 遺産分割していないと適用できないこと、

 次のお母様の相続時の相続税負担を考慮に入れることが考えられます。

1.配偶者の税額軽減

被相続人の配偶者は相続しても、一定の金額まで相続税がかかりません。

このことを「配偶者の税額軽減」といいます。

【配偶者の税額軽減】
配偶者が相続や遺贈により取得した財産のうち、次のうちいずれか多い金額まで、配偶者に相続税はかかりません。
1. 1億6,000万円
2. 配偶者の法定相続分相当額

 

2.留意点

この「配偶者の税額軽減」を適用する場合に留意すべき点は、主に次の3つが挙げられます。

(1)適用するには相続税の申告を行うこと
(2)遺産分割をしていないと適用できないこと
(3)次のお母様の相続時の相続税負担を考慮に入れること

(1)適用するには相続税の申告を行うこと

 「配偶者の税額軽減」を適用するには、相続税の申告書を提出しなければなりません。

 仮に最終的な相続税の納付額が「0」円になっても、申告書の提出は必要です。

 また、申告書の提出時には一定の書類の添付が必要となりますので、ご注意ください。

(2)遺産分割をしていないと適用できないこと

 「配偶者の税額軽減」は、実際に取得した財産を基に計算することとなっているため

 (1)の申告を行う際に未分割の部分については、「配偶者の税額軽減」の適用はできません。

 この場合に、相続税の申告書等に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で

 その申告期限から3年以内に遺産分割をしたときは、更正の請求の手続きを経ることで

 その遺産分割により配偶者が取得した財産について「配偶者の税額軽減」を適用することができます。

(3)次のお母様の相続時の相続税負担を考慮に入れること

 配偶者の税額軽減は、残された配偶者の生活保障のため

 配偶者が相続した財産のうち一定額まで相続税を課税しない

 という趣旨の制度です。また一方で、同一世代間での財産の移転であるため

 近いうちにもう一度相続税を課税する機会がある、という側面もあります。

 そのため、次のお母様の相続(いわゆる「二次相続」)時の相続税まで考えて

 お父様の相続(いわゆる「一次相続」)を考える必要があります。

 一次相続での配偶者の相続割合を決定する場合には

 目の前にある税負担を軽減させることにとらわれがちですが

 将来の二次相続を見据えた税負担まで考えることで

 財産の承継にかかる税負担を最小限に抑えることが可能です。

 配偶者の年齢、健康状態、今後の生活基盤、相続対策に対する考え方など

 様々な角度からの検討が重要でしょう。

2021.07.15

コロナ禍における相続税の実地調査の状況

コロナ禍における相続税の実地調査の状況

2020 年12 月に国税庁と各国税局(沖縄は国税事務所、以下、局)から

令和元事務年度(2019 年7 月~2021 年6 月、以下、元年度)の相続税調査等

の状況に関する資料が発表されました。

局別の相続税の実地調査件数などを紹介します

非違割合は80%以上に

元年度の実地調査件数は全国で10,635 件と

前年度から14.7%減少しました。他方、実地調査件数

に占める申告漏れ等の非違があった件数の割合(以下、非違割合)

は、全国で85.3%と、前年度から0.4 ポイントの減少です。

局別の実地調査件数と非違割合は下記グラフのとおりです。

実地調査件数は、すべての局で前年度より減少し、特に仙台と

名古屋、大阪では20%以上の減少です。新型コロナウイルスの

影響があるものと思われます。

また、非違割合は沖縄と高松が高く、ともに90%を超えました。

特に沖縄は30 年度の85.3%から10 ポイント以上増えています。

実地調査件数自体は減少しましたが、非違割合は全国的に大きな

減少はありません。相続税の申告等で心配ごとがある方は

お気軽に当事務所にご相談ください。

2021.05.27

国税庁の全国の富裕層への対応と『出国税』

全国の国税局等には,いわゆる超富裕層を対象に特別な管理体制を敷く重点管理富裕層プロジェクトチーム(PT)

が置かれています。

さらに,東京,大阪,名古屋,関東信越国税局管内では,特定の税務署で「上位富裕層」

を対象に特別な管理体制が敷かれています。

上位富裕層への管理体制を整備しています

国税当局では昨今,富裕層PTを全国税局等に置くなど,調査必要度の高い富裕層への取組に力が

入れられています。富裕層PTでは,「重点管理富裕層」という富裕層の中でも特に高位にいる者を

管理対象としていますが,重点管理富裕層とまではいかないクラスの富裕層についても

富裕層PTと同様に特別な管理体制を敷くべきと考えられています。

そこで試行的に,富裕層PTの対象となる重点管理富裕層を除き

一定の基準で抽出した者を「上位富裕層」と位置付け,特定の税務署において上位富裕層に対する

「専担者(税務署の所得税等担当の特別国税調査官のうち国税局が指定した者)」が配置されています

上位富裕層は,“9つある抽出基準”のいずれかに該当する者から重点管理富裕層を除いた者をいいます

詳細は不明ですが,一定の保有見込資産額などがその基準として想定されています

専任担当者の役割

上位富裕層に対する専担者は,上位富裕層,その関係個人や関係法人(上位富裕層グループ)の抽出を担います

そして,上位富裕層グループに係る資料情報の集積と分析,調査企画及び情報提供

調査企画事案の調査実施担当部署への引継ぎを行っています

また,決定した上位富裕層グループに係る上位富裕層名簿を作成し,国税局に提出します

収集した資料情報などを基に課税上の問題点を分析検討し,区分をして

その区分に応じた対応を図ることになります。

集積すべき資料情報として例えば,所得税申告書等,国外送金等調書,国外財産調書

財産債務調書,自動的情報交換資料(CRS情報含む),国外証券移管等調書

資産の所有等に関する資料,その他部内資料,マスコミ情報,インターネット情報などが挙げられます

体制のイメージ

富裕層の分類と富裕層への対応のイメージ図は下記のとおりです

出国税

このような税務当局の動きに対応して

海外への移住を考える方もいらっしゃいますが

いわゆる『出国税』への対応も事前に検討する必要が

あります

出国税に関するFAQは国税庁の下記URLをご覧ください

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kokugai/pdf/02.pdf

 

2021.05.02

国税庁が預貯金等の紹介業務のデジタル化を全国展開します

2021年10月から実施するようです

国税庁は本年10月より,金融機関等と連携し,調査対象者に係る「預貯金等の照会・回答業務」

のデジタル化を全国展開する予定です。

現在,紙ベースで行われている同業務について,国税当局は昨秋,

一部の国税局・税務署と金融機関との間で,オンラインを活用した実証実験を実施しました。

実証実験の結果,金融機関からの回答受領期間が,

書面照会と比べて短縮されるなどの効果があり

同業務の“デジタル化”を加速させることにきまりました。

600万件の預貯金情報を書面で照会

「預貯金等の照会・回答業務」は,税務調査等の際に

行政機関と金融機関との間で行われており,内閣官房の集計によると

年間の照会件数は約6,000万件にも及びます。

このうち国税関係が約600万件と,国の行政機関としては最も多く

全体の約1割を占めている状況です

同業務は,全て紙ベースの人手作業で行われているため

金融機関側では,照会文書に基づく契約者の特定のほか

回答書類の作成・発送などといった業務負担が生じているのが現状です

国税当局側でも,照会文書の作成・発送や回答書類の開封

保管等の事務に時間を要しているようです

オンライン照会で回答日数が短縮

国税当局は,同業務の“デジタル化”に向け,昨年10月19日から12月18日までの2か月間

実証実験として,金融機関4行と一部の国税局・税務署との間でオンライン照会・回答を実施しました

①デジタル化による業務効率化効果及び費用対効果

②デジタル化に対応した事務フローの環境テスト等を検証した。

実証実験期間中,金融機関に対して2,601件(延べ10,097人)のオンライン照会を実施し

金融機関から4営業日以内に90%以上の回答が得られたようです。

また,同期間中の書面照会の平均回答日数11.3日に比べ

オンライン照会の平均回答日数は2.5日に短縮される結果となるなど

国税当局と金融機関の双方にとって業務の効率化に繋がったようです

入力作業等の業務効率化が期待

国税庁は,実証実験の結果,書面照会に比べて回答受領期間が短縮されたとともに

書面で受領したデータの入力作業がなくなったことによる業務効率化の効果が期待されることを踏まえ

本年10月より,全国でオンライン照会(対象金融機関は順次拡大)を導入することを予定しているようです

なお,オンラインによる照会・回答は,株式会社NTTデータが提供する

預貯金等照会業務のデジタル化サービス「pipitLINQ」を介して実施する予定のようです(令和3年度)。

デジタル化に取り組む金融機関側の早期の投資決定を促進する観点から

全ての国税局・税務署での導入を想定しており,今後,所要の準備に着手するようです

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