家族信託の基本的なお問い合わせ
家族信託について基本的なお問い合わせが増えています
今回は、その中からよくある質問のいくつかをご紹介します
[質問1]
最近「家族信託」という言葉をよく聞きます。「家族信託」とは何のための制度でしょうか。
[回答]
一言でいうと、ご高齢の方が認知症や脳卒中を発症した際に生じる
「財産の凍結」を防止する制度です。
[質問2]
認知症や脳卒中になると「財産の凍結」が起こるとのことですが
イメージが湧きません。具体的な事例も含めて教えてください。
[回答]
例えば、ご高齢のA様がご自宅で一人暮らしをしているとします。
A様は介護でお子様に迷惑をかけたくないという想いがあり
タイミングを見て自宅を売却して
そのお金で介護施設に入所したいと考えていらっしゃいます。
仮に自宅を売却して介護施設に入所するタイミングが来たときに
A様が認知症や脳卒中を発症してしまい
自分の意思を伝えることができない状態になってしまうと
A様の希望のとおりご自宅を売却することは難しくなってしまいます。
認知症や脳卒中の発症により自分の意思を伝えることができなくなったときは
法律上その方に契約能力は認められなくなるからです。(民法第3条の2)
[質問3]
なるほど。「財産の凍結」が起こり親御さんの財産が動かせなくなってしまうと
介護費用を親御さんの財産から捻出できなくなり、子供に経済的な負担がかかってしまって
大変そうですね。
家族信託で、その「財産の凍結」が防止できるということですが、どういうことですか?
[回答]
はい、「財産の凍結」が起こると困るので、親御さんがお元気な間に
ご家族と信託契約という契約を結びます。信託契約を一言でいうと
「財産の管理をお願いする契約」です。この信託契約により
管理をお願いしたい財産が、親御さんからご家族へ移ります。
親御さんが財産をお持ちのまま、認知症や脳卒中を発症してしまうと
「財産の凍結」が起こるので、事前に家族に財産を移してしまおうという発想です。
信託契約により財産がご家族に移るので、その後親御さんが認知症を発症してしまったとしても
財産の管理を託されたご家族の元で財産を動かすことができるため
「財産の凍結」が起こらないという制度です。