居住用不動産の贈与をあった年に配偶者が死亡した場合の税金は?
事例
Aさんは婚姻関係が40年以上になるので夫であるBさんから
自宅の土地及び家屋(評価額1800万円)の贈与を受けました
しかし、Bさんはその直後に急死してしまったのです
さて、このよう場合相続税の申告と贈与税の申告は
どうなるのでしょうか?
回答
相続税は、課税対象外
贈与税は、申告して無税
となります
解説
資産の贈与があっても、相続開始の7年前の贈与財産については
相続税の課税価格に算入されてしまいます
しかし、その贈与財産が配偶者控除の適用を受けた居住用財産
である場合は、その特定贈与財産の評価額までは受贈配偶者の
相続税の課税価格に加算しないこととされています
(相続税法19条)
その一方で、生前贈与の加算対象とならない上記特定贈与財産については
その贈与が贈与した配偶者の相続開始の年に行われたものであったとしても
非課税財産に該当しないため、贈与税の申告が必要となります
この事例では、住宅の評価額が2000万円未満ですから
贈与税の申告をしても贈与税額は0円となります
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近江清秀公認会計士税理士事務所
651-0087神戸市中央区御幸通8-1-6
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遺産分割協議が成立する前に土地を売却した場合に、所得税の申告は???
事例
Xさんが亡くなり、相続人はA・B・Cの3人です
Xの相続財産に占める不動産の比率は80%を
越えている為、X名義の預貯金だけでは納税資金が
不足しています。また、相続人のB・Cは不動産よりも
預貯金を相続したいと考えています。
そこで、AはX名義の不動産を全部売却してその売却代金を
法定割合で1/3づつ確定申告すればいいと考えています
しかし、BとCは売却代金を法定割合で分割することに
同意するかどうかわかりません
質問
上記のような場合、不動産譲渡所得の確定申告は売却代金の
1/3づつで申告すればいいですか?
回答
お尋ねの件について、一般的には不動産の相続登記割合
つまり1/3づつ売却代金を分配して、確定申告も
同じ比率で提出することになります
しかし、相続人が「土地の売却代金を一括して共同相続人の
1人に保管させて遺産分割の対象に含めることに
合意する」場合は、最終的な遺産分割協議書に記載の比率で
売却代金を分割して、相続税及び所得税の申告を行うことになります
【参考】最高裁昭和54年2月22日第一小法廷・・・
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古い木造アパートを相続したんですが・・・交換ってできるんですか?
事例
私は、親から古い木造アパートを相続しました。
相続から5年経過しましたが、建物劣化が激しく建て替えるか
売却するか検討していました。
しかし、不動産業者の担当者から「隣の街の月極駐車場と交換して
その土地で新しく賃貸住宅を建設することができる」と
言われました。そんな都合のいい話は本当に実現するのでしょうか?
回答
要件を満たせば、税務上の問題をクリアできます
解説
いわゆる交換の特例を適用するための要件は以下の通りです
1.交換譲渡資産と交換取得資産はいずれもこ定子さんであること
2.交換譲渡資産を1年以上所有していたこと
3.交換取得資産は相手方が1年以上所有していたこと
4.交換譲渡資産と交換取得資産は同一種類の資産であること
5.交換後は、交換取得資産を交換譲渡資産の交換直前の用途と
同一の用途に供すること
6.交換譲渡資産と交換取得資産の時価の差額が、これらの時価のうち
高い金額の20%以下であること
これらの要件のうち、今回論点となるのは5番の要件です
交換譲渡資産は木造賃貸アパートの敷地で
交換取得資産は月極駐車場の土地です
単純に、これだけでは同一用途とならないため
交換の要件は満たしません
しかし、今回の交換取得資産である駐車場の立地が住宅地であり
既存の構築物を取壊したり造成工事をすることなく
いつでも建物を建設が可能な土地であれば宅地と同様に
取り扱うことができると考えられます
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換価分割の留意点 3月10日の続き
このHPで換価分割の概要については3月10日に
解説しましたが、今日は前回書ききれなかった留意点を
記載します
事例
例えば、先祖代々の土地に父親Aさんが住んでいました
Aさんの配偶者は以前に亡くなっていましたが、Aさんの長女Xさんは
同居していました。またAさんにはXさん以外に長男Yさんと次男Zさんの
相続人がいます。
Aさんの遺産は、AさんとXさんが住んでいた自宅の不動産100坪(評価9000万)
と預貯金1億2000万です。遺産分割に当たっては兄弟で喧嘩はしていませんが
いろんなパターンを考えているようです
兄弟全員が、自宅をいずれ売却することについて賛成しています
そこで、分割パターン別に留意点を検討することになりました
検討
留意点1:XさんはAさんと同居していたので小規模宅地の特例が適用できます
小規模宅地の特例のメリットを最大限活かすためにはXさんが単独で
自宅不動産を相続する必要があります。しかしその場合、相続割合が
法定割合と大きく乖離するという問題があります
留意点2:留意点1の論点を解消するために、自宅不動産を換価分割する場合
法定分割となります。しかし、小規模宅地の特例のメリットを1/3しか
活かすことができません。今回の相続税ではXさんの単独相続と法定割合の相続では
3兄弟の相続税総額に700万円の差額が発生します。これは大きな問題です
留意点3:留意点2の分割パターンは、小規模宅地の特例のメリットが1/3となり
なおかつ相続税も700万円増加しますが、3兄弟平等というメリットがあります
これが換価分割の最大のメリットです
しかし、この方法も一つ問題があります。換価分割の為に自宅を売却した際の
所得税の金額について、XさんとYZさんとでは大きな差額が発生します
つまり、Xさんは実家でAさんと同居していたので譲渡所得税の計算にあたって
●居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例と
●長期譲渡所得に軽減税率の特例を適用できるのです
せっかく仲のいい兄弟が遺産分割を平等にしても、譲渡所得税で大きく
差額が発生します。
このように、換価分割を実施する際には様々な論点が発生します
税理士は、分割案のパターン別に税額計算を行うことはできます
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