医院名:近江清秀公認会計士税理士事務所 
住所:〒651-0087 兵庫県神戸市中央区御幸通8丁目1-6神戸国際会館17階 
電話番号:078-959-8522
一番上に戻る
TEL:078-959-8522 メールお問い合わせ
2024.03.02

相続税の申告書に添付する印鑑証明書の入手日について

遺産分割協議書と印鑑証明書を税務署に提出する理由

遺言書が作成されている場合以外は

相続税の申告書には、遺産分割協議書と印鑑証明書を

添付する必要があります

 

相続税額の計算に当たって適用される特例には

いくつか種類がありますが

小規模宅地の特例などは、遺産分割の内容によって

摘要の可否が判定されます

 

そのため、相続税の申告書には必ず遺産分割協議書と

印鑑証明書を添付する必要があります

提出する書類の入手日付

お客様から、相続税の申告書に添付する印鑑証明書の入手日について

お問い合わせをいただくことがありますが、

税務署に提出する書類は、相続開始の日以降であれば

いつでもOKです。これは、印鑑証明書だけではなくて

戸籍・住民票などの書類も同様です

効率のいい遺産収集

印鑑証明書は、最終的に土地の名義変更や

預金の解約などで必要になります

ですから、相続開始直後に印鑑証明書を

入手する必要はありません。

むしろ遺産分割協議が成立する頃に

入手すれば、不動産の名義変更や預金の

解約手続きを済ませた後で

印鑑証明書を税務署に提出することができます

 

相続税の申告業務・遺産収集業務は

効率よく作業を進めないと相続人の皆さんに大きな

ストレスが負担になります

相続税の申告業務は、神戸・芦屋・西宮で

相続専門税理士として24年営業を続けている

私の事務所にお任せください

******************

近江清秀公認会計士税理士事務所

651-0087神戸市中央区御幸通8-1-6

神戸国際会館17

(Tel)078-959-8522

(Fax)078-959-8533

kiyohide@kh.rim.or.jp

 

オフィシャルHP

https://www.marlconsulting2.com/

AI搭載クラウドシステムfreeeの導入兵庫県第1位のHP

https://www.freee-kessan.com/

累計800件以上の相続税申告実績!相続税専門税理士のHP

https://www.kobesouzoku.com/

不動産賃貸専門税理士のHP

http://www.不動産賃貸税理士.com/

******************

 

2023.11.03

代償分割が行われた場合の相続税・贈与税の課税関係

[相談]

甲株式会社の前社長(父)が死亡し、現社長(A:長男)とB(長女)

の2名がその遺産を相続することになりました。

AとBによる遺産分割協議の結果、甲株式会社の株式(相続税評価額1億円)は

Aがそのすべてを相続することとなりましたが、代わりに、AはBに対し

その2分の1相当である5,000万円を現金で渡しています(代償分割)。

この場合、Bが受け取った現金5,000万円については、相続税と贈与税

どちらの課税対象となるのでしょうか。

[回答]

Bが受け取った現金5,000万円は、相続税の課税対象となります。

[解説]

1.代償分割とは

代償分割とは、共同相続人又は包括受遺者のうち1人又は数人が

相続又は包括遺贈により取得した財産の現物を取得し

その現物を取得した者が他の共同相続人又は包括受遺者に対して債務

(代償債務)を負担する分割の方法をいいます。

2.相続税法上の「分割」の意義

相続税法上の「分割」とは、相続開始後において相続又は包括遺贈により

取得した財産を現実に共同相続人又は包括受遺者に分属させることをいい

その分割の方法が現物分割、代償分割もしくは換価分割(※)であるか

またその分割の手続が協議、調停若しくは審判による分割

であるかを問わないこととされています。

  1. ※換価分割とは、共同相続人又は包括受遺者のうちの1人又は数人が
  2. 相続又は包括遺贈により取得した財産の全部又は一部を金銭に換価し
  3. その換価代金を分割する方法をいいます。

したがって、今回のご相談の場合、Bが受け取った現金5,000万円については

相続税が課税されることとなります。

なお、代償財産の価額は、原則として、代償分割の対象となった財産を現物で

取得した者が他の共同相続人又は包括受遺者に対して負担した債務(代償債務)

の額の相続開始の時における金額によるものとされていますので、ご留意ください。

2023.10.27

相続する財産より引き継ぐ債務の方が多い場合

[相談]

父が経営している会社を数年前に私が引き継ぎ

現在は父が会長で、私が社長になっています。

父は会社から5億円の資金を借り入れ

不動産投資(賃貸ビルの投資)をしています。

この不動産も会社経営に影響することから、父が亡くなったときには

会社からの借金とともにこの不動産を相続する予定です。

現状、不動産の財産評価額として、賃貸ビルが5,000万円

賃貸ビルの敷地部分は2億円となります。

 

他方、借金の残高は4億円あると聞いています。

今、父の相続が開始した場合、2.5億円(5,000万円+2億円)の財産に対して

借金4億円を相続することとなり、引き継ぐ債務の方が多くなります。このようなとき

他の相続人の相続財産から引ききれない債務1.5億円(4億円-2.5億円)を控除することができるのでしょうか?

[回答]

ご相談のような相続した財産よりも引き継ぐ債務の方が大きい場合

他の相続人の相続財産から引ききれない債務を控除することはできません。

[詳細]

1.納付すべき相続税額の計算
納付すべき相続税額の計算は、まず課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き

その差額(課税遺産総額)に対して、法定相続人ごとに法定相続分に従って

取得したものとして“相続税の総額”を計算します。

この相続税の総額を実際に取得した人ごとに割り振り、納付すべき相続税額を計算します。

2.課税価格の計算

 上記1.の計算において、まず課税価格の合計額を計算することになりますが

「課税価格の合計額」とは、相続又は遺贈などにより財産を取得した人ごと

計算した課税価格の合計額を指します。

課税価格は、各人ごとに以下の算式により計算します。

相続又は遺贈により取得した財産の価額 + みなし相続等により取得した財産の価額

ー 非課税財産の価額 + 相続時精算課税に係る贈与財産の価額 ー 債務及び葬式費用の額

= 純資産価額(赤字のときは0)

 

純資産価額 + 生前贈与加算 = 課税価格(1,000円未満切捨て)

 上記のとおり、各人ごとに課税価格を計算する過程において

純資産価額の計算時に赤字(マイナス)となった場合には「0」となることから

マイナス部分を他の相続人の相続財産から差し引くことはできません。

 ご相談の場合、相続財産から引ききれない債務1.5億円は

純資産価額の計算において0円となりますので

他の相続人の相続財産から差し引くことはできません。

また、仮にご相談者様が生前贈与加算を活用して生前贈与を実行したとしても

相続財産から引ききれない債務1.5億円を生前贈与加算分と相殺することもできませんので、ご注意ください。

2023.10.21

改正後の相続時精算課税制度/災害による被害が発生した場合

[相談]

相続時精算課税制度の使い勝手が良くなったと聞いて、活用を検討しています。

ただ、何十年も前の贈与について、相続時に加算することを考えると二の足を踏んでいます。

たとえば相続時精算課税制度を利用して生前贈与していた建物について

受贈者が所有している間に災害により被害が発生した場合でも

贈与時の価額を相続時に加算しなければならないのでしょうか?

[回答]

確かにご懸念のとおり

何十年前の贈与であっても相続時精算課税制度を適用した場合には

贈与時の価額を相続時に加算する必要が生じます。

ただし、災害による被害については、令和5年度税制改正により

一定の控除が受けられる改正がされています。

[詳細]

1.相続時精算課税制度とは

 相続時精算課税制度とは、贈与を受けたときの贈与税の計算において

自ら選択することで適用することができる制度です。

一度選択した後は、暦年課税を選択することはできません。

 また、贈与者が亡くなった場合には

相続時精算課税制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の価額)の

合計額を相続財産として、相続等により取得した他の財産と合算して

相続税を計算した上で、すでに納めた贈与税額がある場合には

相続税額から控除して相続税額を算出します。

その際、控除しきれない贈与税額があるときは

相続税の申告をすることで還付を受けることができます。

2.令和5年度税制改正

 令和5年度税制改正により、相続時精算課税制度が見直されました。

ご相談の内容ですと、以下の改正が該当します。


相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した一定の土地又は建物が

当該贈与の日から当該特定贈与者の死亡に係る相続税の申告書の提出期限までの間に

災害によって一定の被害を受けた場合には

当該相続税の課税価格への加算等の基礎となる当該土地又は建物の価額は

当該贈与の時における価額から当該価額のうち

当該災害によって被害を受けた部分に相当する額を控除した残額とする


 この改正は、令和6年(2024年)1月1日以後に生ずる災害により

被害を受ける場合について適用されます。

 つまり、令和5年(2023年)12月31日以前の贈与であっても

適用対象となる点に注意しましょう。

3.ご相談の内容について

 ご相談は、相続時精算課税制度を利用して生前贈与していた建物について

受贈者が所有している間に災害により被害が発生した場合でも

贈与時の価額を相続時に加算するのか、になります。

 この点は上記2.にあるとおり、一定の被害を受けた場合には

贈与時の価額からその災害による被災価額を控除することができます。

 この場合の“一定の被害”とは、その建物の想定価額(※1)のうちに

その建物の被災価額(※2)の占める割合が10%以上となる被害をいいます。

  1. ※1 想定価額…その建物の災害発生日における一定の算式により求めた価額
  2. ※2 被災価額…被害額から保険金などにより補塡される金額を差し引いた金額(建物の想定価額が限度)

 なお、この控除を適用するには、別途手続が必要となります。

   この他、災害減免法による贈与税の軽減等の適用との重複適用はできないなど

   適用に関しては留意点があります。

2023.09.17

誤りやすい事例/教育資金の非課税の特例を受けていた場合の相続財産への加算(令和3年4月1日以後)

税務処理における誤りやすい項目について、大阪国税局が作成した

「資産課税関係 誤りやすい事例 相続税関係 令和4年分用」より

ピックアップしてご紹介します。

今回は、教育資金の贈与税の非課税の特例についてです。

誤った取扱い

令和3年5月に祖母から1,500万円の贈与を受け

教育資金の非課税制度の適用を受けたその後、令和4年11月に祖母が死亡した。

なお、受贈者は祖母の死亡日において20歳であり

学校等には在学していなかった。

上記1,500万円のうち学校等へ支払った100万円を控除した残額1,400万円について

相続税の課税価格に算入する必要があると指導した。

正しい取扱い

教育資金管理契約の期間中に贈与者が死亡した場合において

令和3年4月1日以後に贈与者から信託受益権等の取得をし

この非課税制度の適用を受けた場合

管理残額については相続等により取得したものとみなされる(措法70の2の2⑫二)。

しかし、受贈者が贈与者の死亡日において

①23歳未満である場合

②学校等に在学している場合又は

③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合

のいずれかに該当するときは

相続等によって取得したものとはみなされない

(令和5年4月1日以後の取得については取扱いが一部異なる。)(措法70の2の2⑬)。

したがって、受贈者が20歳であるため

管理残額について、相続税の課税対象とはならない

なお

②又は③に該当する場合は、その旨を明らかにする書類を

贈与者が死亡した旨の届出と併せて金融機関等へ提出した場合に限る。

令和3年3月31日以前)の場合の正しい取扱い

教育資金管理契約の期間中に贈与者が死亡した場合

死亡日における管理残額は、原則として

その贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ

相続財産に加算する必要があるが

次の時期に贈与により拠出された金銭等については

管理残額の計算から除外されるため、相続財産に加算する必要はない

(措法70の2の2⑫、措令40の4の3㉑、平成31年改正令附則38②、令和3年改正令附則29②)。

①平成31年3月31日以前に取得をしたもの
②平成31年4月1日から令和3年3月31日までの間に取得をしたもののうちその贈与者の死亡前3年以内に取得をしたものではないもの

また、受贈者が死亡日において

①23歳未満である場合

②学校等に在学している場合又は③教育訓練を受けている場合のいずれかに該当するとき

(②又は③については所定の手続を行った場合に限る。)には

管理残額が相続又は遺贈によって取得したものとみなされることはなく

相続税の課税関係は生じない(措法70の2の2⑬)

 

2023.09.09

改正後の相続時精算課税制度/110万円の基礎控除

[相談]

先日、ある相続セミナーに参加したところ

令和6年(2024年)1月1日以後の贈与について相続時精算課税制度を適用した場合

毎年110万円までは贈与税もかからず

将来の相続でも加算する必要がないと聞きました。本当でしょうか?

[回答]

令和5年度税制改正で相続時精算課税制度が見直され

令和6年(2024年)1月1日以後の贈与について特別控除の2,500万円だけでなく

毎年基礎控除として110万円を控除することができるようになりました。

そのため、ご相談のとおり、毎年110万円までは贈与税が課税されません。

また、将来の相続時において加算することとなる金額は

この基礎控除を控除した残額となるため、毎年の贈与が110万円に満たない場合には

結果として加算する金額がないこととなります。

[詳細]

1.改正前の相続時精算課税制度

 相続時精算課税制度とは、贈与を受けたときの贈与税の計算において

自ら選択することで適用することができる制度です。

改正前における制度の特徴としては、主に以下のとおりです。

  1. 通常の贈与税の計算(暦年課税による計算)とは違い、原則
  2. この制度を選択して贈与を受けた財産の合計額が累積で2,500万円を
  3. 超えるまで贈与税は課されず超えた段階から一律20%の税率で贈与税が課されます。
  4. 暦年課税とは違い、基礎控除はありません。この制度を適用することができるのは
  5. 原則、父母又は祖父母から贈与を受けた子又は孫であり
  6. それぞれに年齢制限があります。
  7. この制度を選択した場合には、その後の相続時精算課税に係る贈与者
  8. (以下、特定贈与者)からの贈与については
  9. 相続時精算課税制度を適用して贈与税の計算をしなければなりません。
  10. 特定贈与者が亡くなった場合には、相続時精算課税制度を適用した
  11. 贈与財産の価額(贈与時の価額)の合計額を相続財産として
  12. 相続等により取得した他の財産と合算して相続税を計算した上で
  13. すでに納めた贈与税額がある場合には、相続税額から控除して相続税額を算出します。
  14. その際、控除しきれない贈与税額があるときは
  15. 相続税の申告をすることで還付を受けることができます。

2.令和5年度税制改正

令和5年度税制改正により、相続時精算課税制度が見直されました。

ご相談の内容ですと、以下の改正が該当します。

  1. 相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した
  2. 財産に係るその年分の贈与税については、改正前の基礎控除とは別途
  3. 課税価格から基礎控除110万円を控除できることとする
  4. 特定贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算等をされる
  5. 当該特定贈与者から贈与により取得した財産の価額は
  6. 上記の控除をした後の残額とする

 

この改正は、令和6年(2024年)1月1日以後に

贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。

3.ご相談の内容について

 ご質問は、以下の真否を問うものでした。

  1. ①改正後の相続時精算課税制度について、毎年110万円までなら贈与税が課税されない
  2. ②改正後の相続時精算課税制度について、毎年110万円までなら
  3.  将来の相続において加算する必要がない

上記①については、上記2.にあるとおり

改正後は課税価格から基礎控除110万円を控除することができるため

毎年110万円までの贈与について、贈与税はかかりません。

また相続時精算課税制度は相続時において相続財産に加算して

相続税額を計算することになりますが、上記②についても上記2.にあるとおり

改正後は加算する額は基礎控除110万円を控除した後の残額となることから

毎年110万円までの贈与について加算する金額がない、ということになります。

同じく令和5年度税制改正では、相続税の計算上

相続財産に加算される“生前贈与加算”の対象となる期間が3年から7年へと延長されました。

生前贈与加算の場合に加算される贈与財産の額は

基礎控除110万円を控除するの金額であるため

過去の贈与が毎年110万円未満であっても基本的には控除前の金額を加算することとなります。

そういった意味において、相続時精算課税制度を利用した節税は

今後検討する余地があるのかもしれません。

2023.08.25

誤りやすい事例/結婚・子育て資金の非課税の特例を受けていた場合の相続税の加算

大阪国税局が作成した「資産課税関係 誤りやすい事例 相続税関係 令和4年分用」より

ピックアップしてご紹介します。

今回は、結婚・子育て資金の贈与税の非課税の特例についてです。

誤った取扱い

孫は、祖父から令和2年4月に1,000万円の贈与を受け

結婚・子育て資金の非課税制度の適用を受けていたが

令和4年1月に祖父が死亡した。

死亡日における結婚・子育て資金口座の管理残額は300万円

(700万円は子育て資金として支出済み)であったため

相続税の計算にあたっては、管理残額300万円を相続財産に加算した。

また、受贈者(孫)は祖父の一親等の血族(その被相続人の直系卑属が相続開始前に死亡し

又は相続権を失ったため、代襲して相続人となったその被相続人の直系卑属を含む。)ではないので

相続税の計算にあたり、相続税額の2割に相当する金額を加算した。

なお、受贈者(孫)は祖父から相続又は遺贈により管理残額以外の財産を取得していない。

正しい取扱い

令和3年3月31日以前に贈与により取得した金額に係る管理残額については

受贈者が被相続人の一親等の血族に該当するか否かにかかわらず

当該管理残額に対応する相続税額について、相続税額の2割加算の規定(措法18)は適用されない

(令和3年改正法附則75⑤、令和3年改正令附則29⑦)。

したがって、事例の場合、管理残額300万円に対応する相続税額については

相続税額の加算は不要である。

ただし、令和3年4月1日以後に贈与者から金銭等を取得したものがある場合における

その取得分に対応する管理残額に相当する相続税額については

相続税額の2割加算の規定が適用される(措法70の2の3⑫)。

※教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の規定により

管理残額を相続又は遺贈により取得したものとみなされる場合の

管理残額に対応する相続税額についても同様となる(措法70の2の2⑫)。

2023.08.18

いつの相続から改正が影響しますか?/生前贈与加算の改正

[相談]

生前に贈与した財産について、死亡の日からさかのぼって相続財産に加算

(以下、生前贈与加算)される期間が7年に延長されたと聞きました。

令和6年(2024年)からの適用だと雑誌に書いてありましたが

令和6年の相続から適用になるのでしょう?

[回答]

生前贈与加算の改正である、加算期間の3年超7年以内については

令和6年1月1日以後の贈与に係る相続税の計算から適用されます。

つまり、令和9年1月2日以後の相続から順次この改正の影響を受けることとなります。

[詳細]

1.生前贈与の加算

相続又は遺贈により財産を取得した人が、その相続開始前一定期間内に暦年課税に

係る贈与によって被相続人から取得した財産があるときは

その人の相続税の計算上、相続財産に当該財産の価額を加算します。

この場合の加算対象となる“一定期間内”とは、改正前は、3年以内

(その相続に係る被相続人の死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)

とされていました。

これが令和5年度税制改正により、7年以内に延長されました。

ただし、今般の改正部分である3年超7年以内に関しては

その間の生前贈与の価額の合計額から100万円を控除した残額が加算対象となります。

なお、“暦年課税”とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間のうちに

もらった(贈与を受けた)財産の合計額から基礎控除額(110万円)を

差し引いた残額に対して贈与税を計算する方式です。

2.生前贈与加算期間の推移

上記1.の令和5年度税制改正は、令和6年1月1日以後に贈与により

取得する財産に係る相続税から適用されることとなります。

具体的には、令和9年1月2日以後の相続から改正の影響を受けることとなり

徐々に加算する期間が延びていきます。

そして、令和13年1月1日以後の相続から「7年以内」となります。

2023.08.03

相続税額の2割加算と孫養子

[相談]

先日、私の祖母が他界し、その祖母の遺産のうち一部を私(孫)が相続することになりました。

このような場合、私が納付する相続税額が一定額増額されるというルールがあると聞きましたので

そのルールの概要と、私がその適用対象となるのかについて教えてください。

なお、祖母の相続人は、私の父・叔父(2名とも祖母の実子で存命です)と

私(祖母と養子縁組をしています)の3名です。

[回答]

ご相談の場合、相続税額の2割加算の規定が適用されるものと考えられます。

詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.相続税額の2割加算の規定の概要

相続税法では、相続又は遺贈により財産を取得した人が

その相続又は遺贈に係る被相続人の1親等の血族(※1)及び配偶者以外

人である場合においては、その人に係る相続税額は、その人について

算出した相続税額の20%に相当する金額を加算した金額とすると定められています

(相続税額の2割加算)。

  1. ※1 この1親等の血族には、その被相続人の直系卑属(※2)が相続開始以前に死亡し
  2.        又は相続権を失ったため、代襲して相続人となった(※3)
  3.       その被相続人の直系卑属を含むと定められています。
  4. ※2 直系卑属とは、基準となる人(今回のご相談の場合は、祖母)からみて
  5.        子・孫・曾孫など、その基準となる人より後の世代で直通する
  6.       系統の親族のことをいいます。また、養子も含まれますが、(基準となる人の)
  7.       兄弟姉妹、甥、姪、子の配偶者などは含まれません。
  8. ※3 民法では、被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき
  9.        又は相続人の欠格事由の規定に該当し、もしくは廃除によって、その相続権を失ったときは
  10.       その人の子がこれを代襲して相続人となると定められています(代襲相続)。
  11.       ただし、被相続人の直系卑属でない人(被相続人と養子が、養子縁組をするに生まれた孫
  12.      (養子の子))は、代襲相続はできません。

2.被相続人の直系卑属が被相続人の養子(孫養子)となっている場合

養子が相続又は遺贈により被相続人である養親の財産を取得した場合においては

その養子は被相続人の1親等の法定血族(養子縁組による法律上の血族)として

原則として上記1.の相続税額の2割加算の規定の適用がないこととなります。

ただし、相続税法では、被相続人の直系卑属がその被相続人の養子となっている場合には

その被相続人の直系卑属が、相続開始以前に死亡し又は相続権を失ったため

代襲して相続人になっている場合を除き、相続税額の2割加算の規定が適用されると定められています。

したがって、今回のご相談の場合は、上記1.の相続税額の2割加算の規定が適用されるものと考えられます。

2023.07.28

いつまで適用できますか?/空き家の3,000万円特別控除

[相談]

父が生前住んでいた家(私にとって実家)を相続することになったのですが

相続人である子3人とも自宅を所有していることもあり、誰も欲しがりません。

そのため一旦、子3人の共有名義とし、売却後に売却代金(諸費用を除いた手取分)

を等分することになりそうです。

たしか、相続した居住用財産を一定期間内に売った場合は

特別控除が適用できると聞いています。

この制度は当分の間、適用できるでしょうか?

[回答]

ご相談の特別控除(被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例)については

令和5年度税制改正で一部見直しの上、適用期限が4年延長されました。

そのため、2027年(令和9年)12月31日までの間に売って

一定の要件に該当することで当該制度を利用することができます。

[詳細]

1.被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例とは

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例とは

相続又は遺贈により取得した一定の被相続人の居住用家屋又はその敷地等

(以下、空き家)を、一定期間内に売り、一定の要件に該当するときに

所得税の計算上、譲渡所得の金額から最高で3,000万円まで控除することができる制度です

(以下、空き家の3,000万円特別控除)。

一定の要件とは、主として次のとおりです。

  1. (1)売却対象となった空き家について、一定の要件に該当していること
  2. (2)空き家を取得(家屋と敷地の両方を取得)した人が売っていること
  3. (3)相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  4. (4)売却代金が1億円以下であること
  5. (5)売却対象となった空き家について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除などの、一定の特例の適用を受けていないこと
  6. (6)この空き家について、すでにこの特例の適用を受けていないこと
  7. (7)親子や夫婦、内縁関係者など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

2.令和5年度税制改正

令和5年度税制改正において、空き家の3,000万円特別控除は主に次の改正がされた上で

適用期限が4年延長されました。これにより改正後の適用期限は

2027年(令和9年)12月31日となりました。

  1. 適用対象となる空き家の要件について、一部見直しがされた
  2. 空き家を取得した相続人の数が3人以上である場合は、特別控除額を最高で2,000万円とする
  3. この改正は、2024年(令和6年)1月1日以後に行う空き家の売却について適用されます。

3.ご相談のケース

ご相談のケースは、ご実家が一定の要件に該当し、かつ

一定の要件に該当する売却を行っていれば、2027年12月31日までの売却について

空き家の3,000万円特別控除の適用は受けられるものと思われます。

売却日の留意点として、この改正による適用期限よりも前に

「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日」

が到来する場合には、その到来する日までに売却する必要があります。

その点にご注意ください。

なお、2024年1月1日以後の空き家の売却については、上記改正のとおり

「空き家を取得した相続人の数が3人以上である場合は、特別控除額を最高で2,000万円とする」

こととなります。

ご相談のケースはまさにこの制限の対象となるため、2023年中の売却であれば3人で

最高9,000万円(3,000万円×3人)控除できるものが、2024年以降の売却になると最高6,000万円

(2,000万円×3人)の控除に減ります。

この点もご留意いただきながら、売却時期をご検討いただければ幸いです。

2023.07.22

認知症と公正遺言証書

[相談]

母には法定相続人として私(長男)と弟の2人がいるのですが

最近、私や私の家族と同居している母が私に財産を残すために遺言を作成したいと言っております。

ただ、他方で母は軽度ではありますが認知症を患っており

主治医からは今後も症状は進行していくだろうといわれています。

母には、今のうちに上記の内容にしたがって公正証書遺言を作成してもらいたいと考えているのですが

可能でしょうか。

[回答]

1.遺言能力について

遺言者において公正証書遺言を含めて遺言を作成するにあたっては

遺言能力が必要になります(民法963条)

この遺言能力の有無は、遺言者の精神上の障害の存否・内容・程度、遺言者の年齢

遺言作成の動機や理由、相続人又は受遺者との関係といった諸般の事情が考慮されて判断されます。

そのため、認知症であることをもって直ちに遺言者の遺言能力が

否定されるわけではありませんが、症状の進行度によっては遺言能力がないと判断され
公正証書遺言を作成することができない可能性もあります。
したがって、本件のような場合には
可能な限り早めに作成に取り掛かることをお勧めいたします。

2.公正証書遺言の作成に関して

公正証書遺言を作成する場合、作成に先立ち公証人が遺言者の遺言能力を確認しますので

通常の自筆証書遺言による場合に比べて、相続開始後における遺言の有効性に関する
争いの発生を抑えることが期待できます
ただし、公正証書遺言の方法によっても遺言者の遺言能力が欠如しているとして
当該遺言が無効であると判断されたケースもあります。
東京高裁平成25年3月6日判決、東京地裁平成28年8月25日判決等。

そして、公証人による遺言者の遺言能力の確認方法については

公証人によって異なりますが、口頭で遺言者の氏名・生年月日
相続人又は受遺者と遺言者の関係、これから作成する遺言の内容の概要の聞き取りを行い
これらについて遺言者自身が理解できていれば作成可能と判断することが多いように思われます。

したがって、お母様におかれまして

この点をクリアできるのであれば公正証書遺言を作成できる可能性があります。

3.公正証書遺言の有効性を争われるリスクに備えて

相続人間で当該公正証書遺言の有効性について争いになる場合に備え

公正証書遺言作成当時における遺言者の医療記録の保管や
公正証書遺言作成時における作成過程を動画にて撮影するといった方法により
当時の遺言者の遺言能力に問題がないことを裏付ける資料を残しておくことも
紛争の早期解決に向けて有用だと考えます。
2023.07.14

相続における生命保険の有効性

[相談]

70歳になり相続について真剣に考えるようになりました。

保有している財産状況から相続税は避けられそうにありません。

先日、同世代の知人から、納税資金の準備は預金より生命保険の方が

有効なので加入した方がよいとアドバイスを受け、保険代理店を紹介されました。

預金と家賃収入が十分あり生命保険は不要と考えていたため

これまで加入した経験がありません。

相続対策として預金にはない効果を期待できるなら加入しようと思いますが

営業担当者の説明だけで決断することに不安があります。

客観的な立場から相続における生命保険の有効性

生命保険と預金の違い、注意点について教えてください。

 相続人は妻と子2人の予定です。

受取人は子2人5割ずつ指定すればよいといわれました。

 【保険代理店からの提案プラン】

  1. 契約者、被保険者:私
  2. 死亡保険金受取人:長男、長女 5割ずつ
  3. 保険種類:一時払終身保険
  4. 保険金額:1,000万円
  5. 一時払保険料:9,623,000円
  6. [回答]

  7. 生命保険は預金よりも有効とされるポイントがいくつかあり
  8. 相続において有効と考えられます。
  9. 預金との違いと注意点については詳細解説をご確認ください。

 

[解説]

提案された契約形態で死亡時に子が受け取る死亡保険金は受取人固有の財産ですが

相続税の計算上は、みなし相続財産と扱われ課税対象となります。

相続税の対象となる点は預金と同じですが、以下の点で違いがあり

生命保険は相続において有効と考えられます。

1.生命保険の特徴

  1. ◆非課税枠がある
    契約者(保険料負担者)、被保険者ともに被相続人となる生命保険契約で
  2. 相続人が受け取る死亡保険金は、非課税枠「500万円×法定相続人の数」を適用できる。
  3. ◆生前に死亡保険金受取人を指定できる
    生前に契約者が死亡保険金受取人を指定するため
  4. 契約者の意思により遺したい人に確実に遺せる。
  5. ◆被相続人の預金の払戻しより手間なく受取人の口座に入金できる
    生命保険の死亡保険金は、一般的に保険会社所定の保険金請求書、死亡診断書
  6. 死亡日を証明できる公的書類(除籍謄本など)があれば請求手続きができ
  7. 書類提出から1~2週間で受取人指定の口座に入金されます。
  8. 一方、預金は亡くなった旨の通知があったときから口座が凍結され
  9. 遺産分割が終了するまでの間、相続人単独では払戻しを受けられないことがあります。
  10. そのため、平成30年の民法改正(平成31年7月施行)により
  11. 遺産分割前に相続預金口座の払戻し制度が設けられ
  12. 相続人単独で払戻しを受けることができるようになりました。
  13. しかし、その手続きには被相続人の除籍謄本以外に相続人全員の戸籍謄本が
  14. 金融機関ごとに必要など、死亡保険金請求よりも必要書類が多く
  15. 払戻し額は一定の範囲内に制限されています。
  16. ◆遺産分割協議の対象にならない
    上記のとおり死亡保険金はあくまでも受取人固有の財産であり
  17. 相続財産ではないため通常は、遺産分割協議の対象にはなりません。
  18. そのため、原則として遺留分を計算する際も対象に含まれません。

 

このように預金よりも有効とされるポイントがいくつかある一方で

次のような注意点もあります。

2.生命保険の注意点

  1. 預金より流動性が劣る
  2. 契約から早期に解約すると元本割れする可能性が高い
  3. 税制が変わり、期待した効果が得られない可能性がある
  4. インフレにより保険金の資産価値が下がる可能性がある

相続対策の検討は、保有している財産全体を踏まえて

納税見込額や財産の分け方などを整理しておく必要があります。

保険金額や受取人についても慎重に検討した方がよいでしょう。

******************

近江清秀公認会計士税理士事務所

651-0087神戸市中央区御幸通8-1-6

神戸国際会館17

(Tel)078-959-8522

(Fax)078-959-8533

kiyohide@kh.rim.or.jp

 

オフィシャルHP

https://www.marlconsulting2.com/

AI搭載クラウドシステムfreeeの導入兵庫県第1位のHP

https://www.freee-kessan.com/

累計800件以上の相続税申告実績!相続税専門税理士のHP

https://www.kobesouzoku.com/

不動産賃貸専門税理士のHP

http://www.不動産賃貸税理士.com/

兵庫M&A・事業承継支援センターのHP

https://www.ma-hyogo.com/

******************

 

2023.07.07

誤りやすい事例/遺留分侵害額請求の訴訟が提起されている場合の特例の適用

税務処理における誤りやすい項目について、大阪国税局が作成した

「資産課税関係 誤りやすい事例 相続税関係 令和4年分用」より

ピックアップしてご紹介します。

今回は、小規模宅地等の課税価格の特例についてです。

 

誤った取扱い

令和4年3月に死亡した父は

相続財産をすべて長男に相続させる旨の公正証書遺言を作成していたが

他の相続人から、遺留分侵害額請求の訴訟が提起された。

そのため、小規模宅地等の特例の適用対象宅地等の選択についての

同意が得られないとして、同特例を適用せず期限内申告書を提出した。

 

正しい取扱い

他の相続人から遺留分侵害額請求の訴訟が提起されていたとしても

長男は、遺言により不動産も含め相続財産のすべてを取得しているのであり

小規模宅地等の特例の適用対象宅地等の選択について他の相続人の同意を要しないから

同特例を適用して申告することができる(措令40の2⑤、相基通⑪の2-4)。

なお、相続税の申告期限後に

長男が他の相続人に対し遺留分侵害額に相当する金銭を支払うこととなり

長男がこれに代えて小規模宅地等の特例の適用を受けた宅地

(以下「特例宅地」という)の所有権を他の相続人に移転させたとしても

当該所有権の移転は、遺留分侵害額に相当する金銭を支払うための譲渡

(代物弁済)と考えられ、長男が遺贈により特例宅地を取得した事実に異動は生じないことから

長男が小規模宅地等の特例の適用を受けることができなくなるということはない。

また、長男から特例宅地の所有権の移転を受けた他の相続人については

上記のとおり、相続又は遺贈により取得したものとはいえないため

特例の適用を受けることはできない。

よって、長男は原則として、遺留分侵害額に相当する価額により

特例宅地を譲渡したとして、所得税が課税される(所法33-1の6)。

2023.06.10

教育資金、結婚・子育て資金贈与Q&Aの改訂版が公表されました

国税庁は5月26日に

「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A」と

「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A」について

令和5年度改正を反映した改訂版を公表しました

 

今回の改正では、教育資金贈与の非課税制度について

教育資金管理契約期間中に贈与者が死亡し

その相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは

受贈者が23歳未満である場合等であっても

死亡日における管理残額が相続税の課税対象とされました

令和5年4月1日以後に取得した信託受益権等に適用されます。

 

教育資金贈与Q&Aでは、改正に伴い管理残額の計算等に関する問などが改訂されたほか

取扱金融機関に相続税の課税価格に関する確認書類等を提出したが

相続税の申告期限後に修正申告書等の提出等により相続税の課税価格の

合計額が5億円超又は5億円以下となる場合には

税務署長から取扱金融機関に通知されることから

受贈者は取扱金融機関への手続が不要であること等が示されました

 

また、両制度について、資金管理契約終了時の残額に

暦年課税の贈与税が課されるときは、一般税率(改正前:特例税率)

を適用するという見直しを受け

両Q&Aでは、資金管理契約終了時の贈与税の計算方法に関する問が追加されました

(教育資金贈与Q5-4、結婚・子育て資金贈与Q5-3)

 

加えて、両制度の資金管理契約の終了に関する調書について一部様式が変更され

「一般贈与財産とみなされる金額」の欄が追加されました

 

2023.05.26

相続開始の同年中に被相続人から贈与を受けた相続人が相続又は遺贈により財産を取得しない場合

今回も、大阪国税局の資料から

『相続開始の同年中に被相続人から贈与を受けた相続人が

相続又は遺贈により財産を取得しない場合』の相続税の申告について

ご紹介します

間違った取扱い

甲は、令和4年6月に死亡した父から相続財産を

取得しなかったが、同年5年に父から財産の贈与を受けていたことから

当該贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格とみなして

相続税の申告を行った

正しい取扱い

相続又は遺贈により財産を取得した者が

相続開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から

贈与を受けていた場合、その贈与により取得した財産の

価額を加算した価額が相続税の課税価格とみなされ

その者が相続開始の年に贈与を受けていた場合

贈与税の申告は不要となる

 

しかしながら、相続又は遺贈により財産を取得していない者には

これらの規定は適用されない

 

したがって、甲は相続税の申告は不要であり

贈与については令和4年分の贈与税の申告の対象となる

 

ただし、甲が相続時精算課税適用者であった場合

又は当該贈与について相続時精算課税を適用する場合には

贈与税の申告は不要であり、相続税の課税対象となる

2023.05.19

住宅取得等資金の贈与税の特例と令和5年度税制改正

[相談]

孫が結婚を機に、マイホームを取得しようか検討しています。

そこで、結婚祝いとしてマイホームを取得するための金銭の贈与を予定していますが

マイホームの取得がいつになるか現時点ではわからないため

贈与するタイミングを待っています。

マイホームを取得するための金銭の贈与については

一定額まで贈与税が非課税となると聞いています。

これが今年(2023年)の年末までと聞きましたが

令和5年度税制改正で延長はされないのでしょうか?

[回答]

ご相談の非課税は、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度と考えられますが

こちらについては、令和5年度税制改正で延長は予定されていないため

2023年12月31日の適用期限をもって廃止となります。

[詳細]

1.住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

父母や祖父母など直系尊属からの贈与により

自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築

取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(以下、住宅取得等資金)を取得した場合において

一定の要件を満たすときは、一定の非課税限度額までの金額について

贈与税が非課税となります。

これを「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

(以下、非課税制度)」といいます。

この非課税制度については適用期間が定められており

令和4年(2022年)1月1日から令和5年(2023年)12月31日となっています。

2.令和5年度税制改正

2022年12月23日に閣議決定された「令和5年度税制改正の大綱」には

この非課税制度について何ら記載されていません。

そのため、この非課税制度は適用期限である令和5年(2023年)

12月31日の到来をもって、廃止されることが予定されます。

なお、今回の贈与について“結婚祝い”が背景にあるのならば

令和5年度税制改正により適用期限が2年延長される

「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」について

ご検討いただくとよいでしょう。

適用対象となる資金の範囲に、マイホーム取得のための金銭は含まれていませんが

結婚・子育てに要する一定の資金が対象となります。

ただし、この制度には様々な要件があります。

******************

近江清秀公認会計士税理士事務所

651-0087神戸市中央区御幸通8-1-6

神戸国際会館17

(Tel)078-959-8522

(Fax)078-959-8533

kiyohide@kh.rim.or.jp

 

オフィシャルHP

https://www.marlconsulting2.com/

AI搭載クラウドシステムfreeeの導入兵庫県第1位のHP

https://www.freee-kessan.com/

累計800件以上の相続税申告実績!相続税専門税理士のHP

https://www.kobesouzoku.com/

不動産賃貸専門税理士のHP

http://www.不動産賃貸税理士.com/

兵庫M&A・事業承継支援センターのHP

https://www.ma-hyogo.com/

******************

 

2023.05.12

米ドル建て終身保険を活用した贈与は、ほんとに節税???

[相談]

3年前に父が亡くなったとき、母(現在70歳)は預金約1億円と賃貸アパート

(相続税評価額2億円)を相続しました。以後、母は二次相続の税負担を心配して

母の相続人となる私と妹に毎年100万円ずつ預金を贈与しています。

先日、母が「贈与に有効な生命保険の活用方法がある。預金にしておくよりもよい」

と銀行から生命保険の提案を受け、私と妹で検討することになりました。

先に亡くなった父は、私と妹を受取人に指定して父が保険料を払う形で契約していました。

父が契約していた形態とどのような違いがあるのか

また、今回銀行から提案されている内容について検討のポイントを教えてください。

  【銀行からの提案プラン(保険料贈与プラン)】

  1. 保険種類:米ドル建て終身保険
  2. 契約者・保険料負担者:私、妹(それぞれ同じ契約1件ずつ)
  3. 被保険者:母
  4. 死亡保険金受取人:契約者
  5. 保険金額:100,000$
  6. 保険料:年払8,600$(払込期間 10年)

 

[回答]

お父様が契約されていた生命保険は

支払われる死亡保険金がみなし相続財産と扱われるため

相続税の対象となります。

他方、今回銀行から提案されている保険料贈与プランについて

支払われる死亡保険金は

受贈者の所得税の対象(一時所得)となります。

今回銀行から提案されている内容についての検討のポイントは、

詳細をご確認ください。

[詳細]

1.お父様が契約されていた生命保険

お父様のように自らが契約者(保険料負担者)となる生命保険契約では

支払われる死亡保険金はみなし相続財産と扱われ

他の財産と合算して相続税の対象になります。

また、受取人が相続人であれば、相続税の計算上、一定の非課税枠が適用できます。

2.保険料贈与プラン

保険料贈与プランにおける契約者(保険料負担者)は受贈者です。

お母様が亡くなったときに支払われる死亡保険金は

受贈者の所得税(一時所得)の対象として扱われます。

一時所得は以下の計算方法で算出します。

課税が発生する場合は、課税対象額を他の所得と合算して税金を計算します。

保険料贈与プランは、贈与によりすでにお母様の財産から切り離された

子の資金を保険料に充てた契約であるため

受け取る死亡保険金はお母様の相続財産や相続税の計算に影響を及ぼしません。

一般的に被相続人の相続財産が多額で相続税が高く

相続人の所得が低いなど、それぞれに適用される税率の差が大きいほど

保険料贈与プランの効果が出やすいと考えられます。

 

3.今回のプランでの検討ポイント

  1. ➡想定されるお母様の相続財産全体と税率
  2. ➡子2人(相談者様と妹様)の所得、税率
  3. ➡納税資金の準備状況
  4. ➡為替変動リスク許容度
  5. ➡払込期間中にお母様からの贈与が途絶える可能性

銀行からの提案プラン(保険料贈与プラン)は米ドル建てであり

相続発生時の為替レートは予測不能です。そのため

支払保険料累計と死亡保険金を円で計算すると

死亡保険金が支払保険料累計を下回る可能性があります。

米ドルで受け取ることもできますが

この保険を納税資金に充てる場合は円に交換する必要があります。

為替変動に左右されるため、結果的に税金面の効果も期待したほど出ないかもしれません。

上記のポイントをおさえて、専門家に相談しながら判断されることをお勧めします。

2023.05.05

贈与税における誤りやすい事例/店舗兼住宅の場合の床面積基準の判定

贈与税の処理における誤りやすい項目について

大阪国税局が作成した「資産課税関係 誤りやすい事例 贈与税関係 令和4年分用」より

ピックアップしてご紹介します。

今回は、住宅取得等資金の非課税制度についてです。

誤った取扱い

親から住宅取得等資金の贈与を受け、店舗兼住宅を購入した。

その家屋の居住用部分の床面積が200㎡(家屋全体の床面積300㎡)

であることから、面積制限(40㎡以上240㎡以下)の要件を満たしているため

住宅取得等資金の贈与の特例の適用があるとして申告を行った。

 

正しい取扱い

店舗兼住宅の場合の床面積基準の判定については

居住の用以外の用に供されている部分の床面積を含めた

家屋全体の床面積で判定することになる。

このことから、居住用部分の200㎡ではなく

家屋全体の床面積300㎡で判定することになる

(措通70の2-6で準用する70の3-6(1))。

したがって、特例の適用を受けられない。

※2人以上の者で共有されている家屋の床面積基準の判定についても

持分に対応する床面積で判定するのではなく

家屋全体の床面積で判定することになる

(措通70の2-6、70の3-6(2))。

2023.04.21

相続時精算課税制度の贈与額から基礎控除を控除

[相談]

相続時精算課税制度を適用して贈与をした場合でも、令和5年度税制改正により

基礎控除が控除できるようになると聞きました。

これまでは基礎控除がなかったと思いますが、本当でしょうか?

 

[回答]

改正前の相続時精算課税制度は、非課税贈与額は累計で2,500万円とし

これを超えた場合に一律で20%の贈与税が課される制度で

基礎控除はありませんでした。

これが、令和5年度税制改正において

基礎控除として毎年110万円を控除できるように改正が行われました。

 

[詳細]

1.相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、贈与を受けたときの贈与税の計算において

自ら選択することで適用することができる制度です。

改正前における特徴としては、主に以下のとおりです。

  1. 通常の贈与税の計算(暦年課税による計算)とは違い、原則
  2. この制度を選択して贈与を受けた財産の合計額が累積で2,500万円を
  3. 超えるまで贈与税は課されず
  4. 超えた段階から一律20%の税率で贈与税が課されます。
  5. 暦年課税とは違い、基礎控除はありません。
  6. この制度を適用することができるのは
  7. 原則、父母又は祖父母から贈与を受けた子又は孫であり
  8. それぞれに年齢制限があります。

 

  1. この制度を選択した場合には
  2. その後の相続時精算課税に係る贈与者(以下、特定贈与者)
  3. からの贈与については、相続時精算課税制度を適用して
  4. 贈与税の計算をしなければなりません。

 

  1. 特定贈与者が亡くなった場合には
  2. 相続時精算課税制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の価額)
  3. の合計額を相続財産として
  4. 相続等により取得した他の財産と合算して相続税を計算した上で
  5. すでに納めた贈与税額がある場合には、相続税額から控除して相続税額を算出します。
  6. その際、控除しきれない贈与税額があるときは
  7. 相続税の申告をすることで還付を受けることができます。

なお、特定贈与者と受贈者の年齢制限については

以下のとおりです。

2.令和5年度税制改正

2022年12月23日に閣議決定された「令和5年度税制改正の大綱」には

次の改正が記載されました。

  1. 相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した財産に係る
  2. その年分の贈与税については、現行の基礎控除とは別途
  3. 課税価格から基礎控除110万円を控除できることとする
  4. 特定贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算等をされる
  5. 当該特定贈与者から贈与により取得した財産の価額は
  6. 上記の控除をした後の残額とする

そしてこの改正は、2023年3月28日に法案が成立したことで

2024年(令和6年)1月1日以後に贈与により取得する財産に

係る相続税又は贈与税について適用されることとなりました。

2023.04.14

贈与税における誤りやすい事例/教育資金非課税申告書は複数の銀行で提出できるか?

贈与税の処理における誤りやすい項目について

大阪国税局が作成した「資産課税関係 誤りやすい事例 贈与税関係 令和4年分用」

より、ピックアップしてご紹介します。

今回は、教育資金の非課税制度についてです。

誤った取扱い

本年、祖父から1,000万円の教育資金の贈与を受け

A銀行で教育資金非課税申告書を提出した。

その後、祖母から500万円の教育資金の贈与を受け

B銀行で教育資金非課税申告書を提出した。

教育資金非課税申告書を提出しているため

それぞれについて教育資金の非課税の特例を受けることができるとした。

正しい取扱い

教育資金非課税申告書は

受贈者がすでに教育資金非課税申告書を提出している場合には提出することはできない

(措法70の2の2⑥)。

したがって、A銀行に提出した分については

教育資金の非課税の特例を受けることができるが、B銀行に提出した分については

教育資金非税申告書を重ねて提出することができないため

教育資金の非課税の特例を受けることができない。

また、この場合は

贈与を受けた500万円が本年分の贈与税の課税価格に算入されることとなる。

なお、非課税限度額(1,500万円)までであれば

最初に教育資金非課税申告書を提出した金融機関に「追加教育資金非課税申告書」を提出すれば

教育資金の非課税の特例を受けることができる(措法70の2の2④)。

 

 

2023.04.06

贈与税における誤りやすい事例/贈与者死亡時の子育て資金口座の残額の取扱い

贈与税の処理における誤りやすい項目について、大阪国税局が作成した

「資産課税関係 誤りやすい事例 贈与税関係 令和4年分用」より

ピックアップしてご紹介します。

今回は、結婚・子育て資金の非課税制度関係についてです。

 

誤った取扱い

令和元年6月に祖父から1,000万円の贈与を受け

結婚・子育て資金の非課税制度の適用を受けていたが

その後、本年10月に祖父が亡くなった。

1,000万円のうち700万円は子育て資金として使用し

結婚・子育て資金口座には300万円の残額(「管理残額」という)があったが

何も手続きをしなかった。

 

正しい取扱い

贈与者が死亡した事実を知ったときは

速やかに贈与者が死亡した旨を取扱金融機関の営業所等に届け出なければならない

(措法70の2の3⑫一)。

また、贈与者が死亡した日において管理残額があるときはその管理残額は

その贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされる

(措法70の2の3⑫二)。

したがって、受贈者は取扱金融機関の営業所等に管理残額を確認し

この残額と祖父から相続又は遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって

財産を取得した各人の課税価格の合計が

遺産に係る基礎控除額を超える場合は

相続税の申告をする必要がある。

2023.03.04

贈与税における誤りやすい事例/住宅取得等資金の贈与の特例と住宅借入金等特別控除

贈与税の処理における誤りやすい項目について
大阪国税局が作成した「資産課税関係 誤りやすい事例 贈与税関係 令和3年分用」より
ピックアップしてご紹介します。
今回は、住宅借入金等特別控除の適用についてです。

誤った取扱い

令和3年中に親から贈与を受けた住宅取得等資金と住宅ローンにより

一戸建てを購入したことから、住宅取得等資金の贈与の特例を受ける贈与税の申告と

住宅借入金等特別控除の適用を受ける所得税の申告をした。

この申告に当たって、住宅借入金等特別控除額の対象となる金額は

住宅借入金等の年末残高と家屋等の取得対価の額のどちらか少ない方で判定し

住宅借入金等特別控除額の計算を行った。

 

正しい取扱い

住宅取得等資金の贈与の特例を受けた場合における

住宅借入金等特別控除額の計算については、住宅借入金等の金額が

家屋等の取得対価の額から住宅取得等資金の贈与の特例の適用を

受ける金額を控除した金額を超える場合には

この控除後の家屋等の取得対価の額が限度となる(措令26⑥㉕、措通41-23)。

よって、申告に当たって、住宅借入金等特別控除額の対象となる金額は

家屋等の取得対価の額から住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受ける金額を控除した金額と

住宅借入金等の年末残高のどちらか少ない方で判定し

住宅借入金等特別控除額の計算を行うこととなる。

2023.02.25

贈与税における誤りやすい事例/贈与資金で土地を先行取得した場合

 贈与税の処理における誤りやすい項目について

大阪国税局が作成した「資産課税関係 誤りやすい事例 贈与税関係 令和3年分用」

より、ピックアップしてご紹介します。

今回は、住宅取得等のための金銭の贈与の特例についてです。

 

誤った取扱い

令和3年10月に父から2,000万円の贈与を受けて土地を購入し

令和4年2月に自己資金で家屋を建てた。

今回の土地購入契約は、「家屋の新築請負契約と同時になされたもの」ではなく

また、「家屋の新築請負契約を締結することを条件とするもの」でもなかったため

「住宅用家屋の新築若しくは取得とともに取得する土地等」に当たらず

特例の適用は受けられないとした。

 

正しい取扱い

 土地の購入に充てた2,000万円の贈与について

特例の適用を受けることができる。

 特例の適用対象となる住宅取得等資金の範囲には

住宅用家屋の新築(住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の

翌年3月15日までに行われたものに限る。)

先行してするその敷地の用に供される

土地等の取得のための資金が含まれる(措法70の2①一、70の3①一)。

 また、贈与により取得した金銭が、土地等の取得の対価に充てられ

住宅用家屋の新築の対価に充てられた金銭がない場合であっても

当該土地等の取得の対価に充てられた金銭は住宅取得等資金に該当することとなる。

 ただし、当該贈与があった日の属する年の翌年3月15日までに

住宅用家屋の新築(新築に準ずる場合を含む。)をしていない場合には

当該贈与により取得した金銭については特例の適用はない

(措通70の2-3、70の3-2(注)1)。

2023.02.11

高齢者が加入する一時払終身保険と相続税対策

[相談]

父(78歳)が銀行から相続税対策として生命保険を勧められ

よく理解しないまま契約手続きの約束をしてしまいました。

現在、父は既往症があり生命保険に加入していません。

今回、高齢者でも健康状態の告知なく加入できるといわれ契約することにしたようです。

父の理解が乏しいため、契約手続きに長男である私も同席する予定です。

相続が発生したときに相続税が非課税になると説明を受けたようですが

私もよくわかりません。

一般的に相続税対策としてどのような効果が期待できるのか

また、契約前に確認しておくことなどを教えてください。

想定する父の法定相続人は、母(配偶者)、私(長男)、弟(次男)の3人です。

【銀行からの提案プラン】

  1. 保険種類:一時払終身保険(円建て)
  2. 契約者:父
  3. 被保険者:父
  4. 死亡保険金受取人:私(長男)、弟(次男)
  5. 保険金額:1,500万円
  6. 一時払保険料:1,495万円

[回答]

預金を一時払終身保険の保険料に一括して充当することで資産が生命保険に変わり

上手く設計すれば相続税の非課税枠が適用できます。

お父様の資産が多く、他に加入する生命保険がない場合

非課税枠の確保は相続税対策として有効と考えられます。

また、契約前に確認しておくことについては、詳細解説をご参照ください。

 

[詳細]

1.相続税対策としてどのような効果があるのか

  亡くなった人が契約者、被保険者となっている生命保険で

相続人が受け取る死亡保険金は、相続税の計算上

みなし相続財産として相続税の対象となりますが

受け取る金額が「500万円×法定相続人の数」までは非課税(非課税枠)として扱われます。

  今回の提案プランは、お父様が他に生命保険に加入していないことを前提に

想定されるお父様の法定相続人の数にあわせて非課税枠分の1,500万円で設定されたものと考えられます。

 一般的に、下記の背景が明確なケースであれば

生命保険の非課税枠確保は相続税対策として有効と考えられます。

  1. お父様の資産が多く、保有状況から相続税の対象となることが見込まれる
  2. 他に非課税枠が適用できる生命保険に加入していない

2.契約前に確認しておくこと

 契約にあたっては、主に次の点に注意、確認しておきましょう。

  1. ①生命保険は預金と比べて流動性が低く、途中解約時の返戻金は
  2.  払い込んだ保険料より少ないことが多いため、経過ごとに返戻金がどれくらいになるか確認しておく
  3. ②契約手続き時に渡される「注意喚起情報」の内容をしっかり確認する
  4. ③預金を保険料に充当することでお父様の手元資金が減るため
  5.  生活設計に支障がないか十分に検討しておく
  6. ④保険会社の健全性を示す指標を確認しておく
  7. ⑤契約手続き後にお父様の意思が急に変わったときに備え
  8.  クーリングオフの流れを確認しておく
  9. ⑥法改正により期待した税対策効果が得られない可能性や、経済情勢や金利変動によって
  10.  相対的に生命保険の資産価値が下がる可能性についても理解しておく

 

また、おそらく今回のプランでは考慮済かと思われますが、次の点にも留意しましょう。

  1. ①非課税枠を適用したい場合には、保険金受取人は相続人となる人
  2.  (=非課税枠を適用できる人)になっているか確認すること
  3. ②民法上、保険金は相続時の遺産分割の対象とならないため
  4.  誰を受取人とするか慎重に検討すること

 高齢者の生命保険契約においては、理解不十分なまま手続きを済ませ

後日、取り消したい等のトラブルが多いといわれています。

トラブルを避けるためにも、お父様の意思を確認し

同席するご家族の方も契約内容を一緒に確認していただくことをお勧めします。

2023.02.04

贈与税における誤りやすい事例/贈与の翌年3月15日までに居住しない場合の適用可否

贈与税の処理における誤りやすい項目について、大阪国税局が作成した

「資産課税関係 誤りやすい事例 贈与税関係 令和3年分用」より

ピックアップしてご紹介します。

 

誤った取扱い

令和3年中に親から住宅取得等資金の贈与を受け、翌年3月15日までに

贈与を受けた住宅取得等資金の全額を住宅用家屋の取得のための対価に充てたが

令和4年3月15日までに居住しない予定であるため、特例の適用はないとした。

 

正しい取扱い

贈与を受けた年の翌年の3月15日までに居住しない場合であっても

取得した住宅用家屋を同日後遅滞なく受贈者の居住の用に供することが

確実であると見込まれる場合には、一定の書類の添付により

特例の適用が可能である(措法70の2①、70の3①)。

ただし、贈与を受けた年の翌年の12月31日(以下「居住期限」という。)

までに受贈者の居住の用に供されていない場合は、特例の適用ができないため

修正申告書の提出が必要となる(措法70の2④、70の3④)。

※ 新型コロナウイルス感染症に関し、感染拡大防止の取組に伴う工期の見直し

資機材等の調達が困難なことや感染者の発生などにより工期が延長されるなど

自己の責めに帰さない事由により居住期限までに居住できなかった場合は

「災害に基因するやむを得ない事情」に該当するものとして

居住期限の1年の延長が認められる(措法70の2⑩、70の3⑩)。

 

 

2023.01.28

贈与税における誤りやすい事例/養子縁組の日と、孫の相続時精算課税の適用可否

 贈与税の処理における誤りやすい項目について、大阪国税局が作成した

「資産課税関係 誤りやすい事例 贈与税関係 令和3年分用」より

ピックアップしてご紹介します。今回は、相続時精算課税についてです。

 

誤った取扱い

平成10年に長男が生まれ、翌年の平成11年に私は伯父と養子縁組をした。

その後、平成12年に二男が生まれた。

令和3年に長男及び二男は伯父からそれぞれ1,000万円ずつ現金の贈与を受け

それぞれ相続時精算課税を選択して贈与税の申告をした。

 

正しい取扱い

相続時精算課税の適用に当たっては

受贈者は、贈与をした者の直系卑属である推定相続人又は孫である必要がある

(相法21の9①、措法70の2の6①)。

また、養子縁組により親族関係が生ずるのは、養子縁組の日からである(民法727)。

したがって、養子縁組前に生まれた長男については

伯父と当然に直系卑属関係になるわけではなく

また、孫にも当たらないため、相続時精算課税の適用を受けることはできない。

なお、二男については、養子縁組後に生まれているため

伯父の孫に当たり、この特例の適用を受けることができる。

2023.01.20

土地等譲渡所得における誤りやすい事例/元妻への財産分与と特例の判定時期

元妻への財産分与と特例の判定時期

土地等譲渡所得の処理における誤りやすい項目について

大阪国税局が作成した「資産課税関係 誤りやすい事例(土地等譲渡所得関係 令和3年分用)」

より、ピックアップしてご紹介します。

今回は、措法41条の5

(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)についてです。

 

誤った取扱い

令和3年中に妻と離婚し、それまで居住していたマンションを元妻へ財産分与した。

この分与により譲渡損失が生じたが、居住用財産の買換え等の譲渡損失の損益通算

及び繰越控除の特例(措法41の5)を適用できないとした。

正しい取扱い

譲渡人の配偶者及び直系血族などの特殊関係者に対する譲渡による損失については

この特例の適用はないこととされているが

その判定時期は、譲渡の時の状況によることとされている

(措通41の5-18で重用する31の3-20)。

この場合、分与時には、分与を受けた者は分与をした者の配偶者ではないので

措法41条の5の適用要件を満たすものであれば適用することができる。

2023.01.14

遺産分割に関する民法改正と相続税の申告期限

[相談]

遺産分割について「10年」を経過すると、基本的には法定相続分とする民法改正がありましたが

これに伴い相続税の申告期限が改正されましたか?

[回答]

 ご相談の民法改正に伴う相続税の申告期限の改正は、行われていません。

[詳細]

1.遺産分割に関する民法改正

これまで、遺産分割については、相続開始(被相続人の死亡)時から

何年経過した後に行っても、分割方法に違いが生じなかったことから
早期に遺産分割の協議または請求をすることにつき、インセンティブが働きにくい状態でした。

しかし、遺産分割がされないまま相続が繰り返され

多数の相続人により遺産が共有されると、遺産の管理や処分が困難となり
そのような状態下で相続人の一部が所在不明となることが
所有者不明土地が生じる原因の一つとなっていました。
 そこで、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しとして
遺産分割に関する民法の規定が改正されることになりました。

たとえば、具体的相続分(※)による遺産分割に時的限界が設けられ

相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として具体的相続分ではなく
法定相続分によることになりました
(合意があれば、10年経過後でも具体的相続分による遺産分割は可能です)。
この改正は、経過措置を除き、令和5年(2023年)4月1日に施行されます。

(※)具体的相続分とは、

民法であらかじめ定められている画一的な割合である法定相続分を
事案ごとに修正して算出する割合であり、特別受益や寄与分などを
踏まえて算定されるものをいいます。

2.相続税の申告納税期限

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日

(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内に行うこととされています。

たとえば、10月10日に死亡した場合には、翌年8月10日が申告期限となります

(この期限が土曜日・日曜日・祝日の場合には、これらの日の翌日が申告期限です)。

この「10ヶ月」という期限は、上記1.の民法改正が行われても変わりません。
なお、相続税の納税期限は、上記申告期限と同一です。

3.未分割の場合の相続税の申告納税期限

相続税の申告に際して、遺産分割協議が調わない場合(いわゆる「未分割の場合」)

であっても、申告納税期限に変更はありません。未分割のまま申告納税を行います。

未分割での申告納税とは、相続財産を法定相続分で相続したものと

みなして申告納税を行うことを指します。

その際には、相続税が減額できる「小規模宅地等の特例」や

「配偶者の税額の軽減」を適用することができません。

その後に分割が行われた場合は、実際に相続した財産、かつ

これらの減額を適用した後で相続税を計算し直すため、結果的には相続税を減額することはできますが
一時的にしろ未分割の状態での納税は、かなりの納税資金が必要となる場合があります。

その点も良く考えて、遺産分割をお考えいただければ幸いです。

近江清秀公認会計士税理士事務所専門サイトのご紹介

  • オフィシャルサイト
  • クラウド会計ソフト「freee」専門サイト
  • 兵庫M&A事業承継センター
  • 不動産賃貸専門税理士
  • Mykomon
  • 瀬号パートナーズ
  • あと法務事務所
  • 正道会館