医院名:近江清秀公認会計士税理士事務所 
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2022.05.21

預金の相続手続きと遺産の未分割申告

[相談]

被相続人は父親、相続人は長男と長女の2名です。

相続財産は預貯金と土地(宅地)です。

相続開始後、長女の承諾のもと、長男は預貯金のすべてについて

相続による名義替えを行い、自身の口座に入金しました。

現在、相続財産目録を作成して分割協議の途中ですが

納税額が多額になること、今後の土地の管理(売却等)について考えがまとまら

未分割のままで相続税の申告を行うことを検討しています。

この場合、既に長男の口座に入金した預貯金について

「代償金の振替額が未定の預り金」として未分割財産として取り扱うことはできますか。

[回答]

金融機関が被相続人口座からの預貯金の払戻し手続きに際し

どのようなケースで認めるのかやどのような書類を要求するのかは

各金融機関で異なります。

ご相談のケースでは、金融機関は、遺産分割協議はまだ済んではないものの

特定の相続人が他の相続人全員の委任を受けて払戻すことを許容しており

その結果、遺産分割協議は未了だが、他の相続人全員からの委任を受けた

払戻であることが確認できたことから、長男口座にすべて入金されている

という状態となっているのではないかと推測されます。

(少額の預金であれば、例外的に相続人の代表者だけの手続きで

 処理できることがありますが、相応の金額の場合、相続人全員の署名押印

 (印鑑証明)は必要と思います。)

この場合、長男口座への入金は、あくまで相続人全員の共有財産としての

預貯金の管理としての意味しかなく、法律上預り金にすぎないため

その後に遺産分割協議をして、預貯金について誰が相続するか

決めることが予定されていると考えられます。

したがって、長男口座に入金されている被相続人の預貯金を

未分割の遺産として扱うことは可能であり

遺産分割は未了として相続税申告を行うということで問題ないと思われます。

なお、相続人が上記の意図で払戻(長男口座で管理)を選択したのであれば

特に残すべき書類もないと思いますが、この点が明確でないのであれば

被相続人名義の口座を解約して払い戻した金額は、未分割の遺産として

長男名義の口座で管理する、という覚書のようなものを相続人で残しておいた方が良いかもしれません。

(この書面が調印できるのであれば、そもそも未分割という認識があるので

 問題になることもないと思いますが。)

2022.05.14

遺言による保険金の受取人の変更

[相談]

下記の生命保険について

仮に妻が先に亡くなった場合には、世話になっている姪に受け取って欲しいと思っています。

妻が先に亡くなった時点で、私が死亡保険金の受取人を変更できればよいのですが

そうでない状況を想定して、遺言で受取人を姪に変更しておきたいと思っています。

これは、可能でしょうか?

【生命保険の契約内容】

  1. 契約者(保険料負担者):私
  2. 被保険者:私
  3. 死亡保険金受取人:妻

[回答]

遺言で生命保険金の受取人を変更することは可能ですが

諸条件を満たしている必要があります。

[詳細]

1.保険法改正により可能となった遺言による保険金受取人の変更

2010年4月1日に施行された「保険法」で、遺言による保険金受取人の変更が可能となりました。

原則、保険法施行後の契約が対象となりますが、保険会社によってその取扱いは異なります。

2.留意点

遺言によって保険金受取人を変更するときの、主な留意点は以下の通りです。

(1)変更の可否を確認
 多くの保険会社は「法律上有効な遺言であれば

受取人に指定できる方の範囲に定めはない」としているようですが

変更可能な受取人の範囲を約款で決めている保険会社もあります。

遺言書を作成する前に、必ず受取人として指定できるかどうか、確認するようにしましょう。

(2)遺言書の記載内容
 遺言によって保険金受取人を変更するときは

どの保険契約か特定できるような情報を遺言書に記載します。

この場合の「情報」とは、保険会社、証券番号、契約者、被保険者

保険種類、契約日などが該当しますが、特定できれば複数の情報の記載は必要ありません。

遺言書の例文

第〇条 私は、私が契約者となっている次の生命保険契約における

死亡保険金受取人として、姪◇◇を指定する。

(保険契約の表示)
①〇〇生命:証券番号00000000000
②■■生命:証券番号11111111111
③▼▼生命:証券番号22222222222

(3)遺言による保険金受取人の変更手続き
 遺言による保険金受取人の変更手続きを行うには

保険契約者の相続人が遺言による保険金受取人変更について

保険会社に申し出なければなりません。

その際に、一定の書類の提出が必要な場合があります。

必要となる主な書類は以下のとおりですが、保険会社によって異なるため

予め約款などで確認したり、保険会社へ問い合わせをしたりするとよいでしょう。

  1. 申し出をするための書類
  2. 遺言書の写し
  3. 検認済証明書の写し(遺言が公正証書遺言でない場合)
  4. 保険契約者の戸籍謄本
  5. 相続人もしくは遺言執行人の印鑑証明書
  6. これらの他にも、被保険者の同意が必要であること、保険会社の取扱要件を満たすことや
  7. 遺言書自体が法律上有効でなければならないなど、遺言による保険金受取人の変更には留意点があります。
2022.05.07

大学へ入学する孫に対する住宅取得等資金の贈与

[相談]

2022年4月に孫が大学へ入学するために、上京することになりそうです。

一人暮らしを希望していることから、マンション一室を孫が購入する予定です

通学中は孫自身が利用し、卒業して他に引っ越す場合は賃貸用へ

転用できる立地の良い物件を検討しています。

購入資金は私から孫に贈与して、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を

適用したいと考えていますが、適用は可能でしょうか。

気になっている点は、孫の年齢が2022年1月1日時点で18歳6ヶ月であることと

購入予定であるマンションはリノベーション済みですが築25年を超えている点です。

なお、その他の要件はすべて満たすと仮定してください。

[回答]

懸念されている2点のうち、少なくとも受贈者であるお孫さんの年齢については

令和4年度税制改正により改正されることで要件を満たすことができます。

ただし、適用開始日が2022年4月1日以後の贈与となる点にご留意ください。

詳細は以下、解説をご参照ください。

[詳細]

1.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置とは

父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築

取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(以下、住宅取得等資金)を取得した場合において

一定の要件を満たすときは、一定の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。

これを「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置(以下、非課税措置)」といいます。

この非課税措置については適用期間が定められており

これまでは令和3年(2021年)12月31日が適用期限でしたが

これが令和4年度税制改正により2年延長され、令和5年(2023年)12月31日となります。

2.懸念されている2点について

(1)受贈者の年齢要件
これまで受贈者の年齢要件は、「贈与を受けた年の1月1日において

20歳以上であること」でした。

これが令和4年度税制改正により、令和4年(2022年)4月1日以後の贈与から

“20歳以上”が“18歳以上”に引き下げられました。

そのため、住宅取得等資金の贈与が令和4年(2022年)4月1日以後であれば

お孫さんの年齢が18歳でも問題ありませんが、それより前ですと適用することはできません。

(2)築年数の要件
建築後使用されたことのある住宅用の家屋については

これまで「その取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築されたもの」

という、築年数の要件がありました。

これが令和4年度税制改正により、令和4年(2022年)1月1日以後の贈与から

築年数要件の廃止とともに、新耐震基準に適合している住宅用家屋

(登記簿上の建築日付が昭和57年(1982年)1月1日以後の家屋は

新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす。)であることの要件が加わります。

そのため、令和4年(2022年)1月1日以後の贈与であれば、たとえ築25年を超えていたとしても

新耐震基準に適合している住宅用家屋であれば、適用することは可能です。

なお、これまで上記築年数を超えていても、一定の書類により証明されたもの等があれば

これまでも適用することは可能でした。この点は今後も変更はないため

一定の書類により証明がされれば、これまでと同様、要件を満たすことができます。

懸念されている点については、以上のようになります。

非課税措置の適用を希望される場合には少なくとも年齢要件を満たせるように

住宅取得等資金の贈与が令和4年(2022年)4月1日以後である必要があります。

上記以外にも令和4年度税制改正により、非課税措置の内容が改正される点があります。

2022.05.03

遺産分割前における預貯金の払戻し制度

[相談]

父が先日亡くなり、私が喪主として葬儀を執り行い、葬儀費用も負担しましたが

相続人間での遺産分割協議は時間がかかりそうです。

父の預金で葬儀費用の負担分を賄いたいと考えていますが

「相続人全員で遺産分割協議が成立しなければ、故人の預貯金は凍結され、引き出すことはできない」

と聞きました。

遺産分割協議が成立するまで預貯金の引き出しは全くできないのでしょうか?

[回答]

 ご相談の通り、金融機関が預貯金の名義人の死亡を知ることにより

故人の預貯金の口座の入出金は停止、凍結され、故人の預貯金は

相続の手続きが終わるまで基本的に動かすことができなくなります。

 しかし、このことにより、相続人が過大な負担を強いられたり

迅速な被相続人の債務の弁済に支障を生じたりすることがあるため

令和元年7月1日施行の改正民法で仮払い制度が創設されました。

当面の費用を必要とする各相続人への簡易迅速な払戻しのため、遺産分割が確定する前でも

他の相続人の同意を得ることなく被相続人の預貯金を引き出すことができようになりました(民法909条の2)。

 これにより各相続人は、相続預貯金のうち口座ごとに以下の計算式で求められる額については

家庭裁判所の判断を経ずに、金融機関から他の相続人の同意なしで払戻しを受けることができます。

ただし、同一の金融機関(同一の金融機関の複数の支店に相続預金がある場合はその全支店)

からの払戻しは150万円が上限になります。

 

(相続開始時の預貯金債権の額)×(3分の1)×(当該払戻しを求める共同相続人の法定相続分)

  <計算例>
    普通預金720万円の場合、法定相続分2分の1の相続人(配偶者)への払戻額
    720万円×1/3×1/2=120万円 < 150万円
    払戻限度額 120万円

 

なお、これらの制度により払い戻された預貯金は、後日の遺産分割において
調整が図られることになります。
この制度の利用を考えられた場合は、金融機関へのご相談又は
お近くの弁護士などの専門家へご相談をお願いいたします。

 

 

2022.04.22

成年年齢引き下げによる暦年贈与の特例税率への影響

[相談]

民法改正により、令和4年(2022年)4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが

贈与税(暦年課税)の特例税率の適用については、どのような影響が生じるのでしょうか。

[回答]

令和4年(2022年)4月1日から、暦年贈与の特例税率の適用を受けられる受贈者の年齢要件が

成年年齢の引き下げに合わせて、18歳以上に改正されました。

[解説]

1. 贈与税額の基本的な計算方法

相続税法上、平成13年1月1日以後に贈与により財産を取得した者に係る贈与税については

課税価格から110万円(基礎控除額)を控除すると定められています。

また、贈与税の額は、基礎控除額の控除後の課税価格を、次の表

(一般贈与財産用の贈与税の速算表)の上欄に掲げる金額に区分して

それぞれの金額に同表の中欄に掲げる税率を乗じて計算した金額から

下欄の控除額を控除して計算した金額となります。

2. 直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例

上記1.にかかわらず、相続税法上、平成27年1月1日以後に直系尊属からの贈与により財産を取得した者の

の年中のその財産に係る贈与税の額は、基礎控除額の控除後の課税価格を次の表

(特例贈与財産用の贈与税の速算表)の上欄に掲げる金額に区分して

それぞれの金額に同表の中欄に掲げる税率を乗じて計算した金額から

下欄の控除額を控除して計算した金額となります。

上記の特例における「贈与により財産を取得した者」については年齢要件が設けられており

今般の成年年齢引き下げ前は「20歳以上」と定められていましたが

令和4年(2022年)4月1日からは「18歳以上」と改正されました。

 なお、上記の年齢の判定日は、贈与年の1月1日と定められていますので、ご留意ください。

2022.04.16

納税のための相続不動産売却

[相談]

父親の財産のほとんどが不動産であるため、相続が発生したら相続税は

相続する不動産を売却して納める予定です。

不動産を売却して相続税を納める際の注意事項を教えてください。

[回答]

相続税は、相続開始後10ヶ月以内に納付することが原則となっていますので

その期間内に納税に充てるための不動産の決定や分割協議を行い

不動産の売買契約から決済までを終え、納税まで完了する必要があります。

相続人が1人である場合やあらかじめ買い手が決まっている場合でない限り

非常に厳しいスケジュールになるとお考えください。

[詳細解説]

1.基本的な流れ

遺産分割協議から不動産の引渡しまでの基本的な流れは、以下の通りです。

(1) 遺産分割協議を経て相続財産から売却する不動産を決める

(2) 不動産業者へ売却を依頼し、不動産の売り出しを開始する

(3) 買い手が見つかれば、買い手と不動産売買契約を締結する

(4) 不動産の引渡しをするための準備をする

  1.   売り手:相続登記、土地の境界確定、古家の解体工事など
  2.   買い手:融資の契約など

(5) 不動産の引渡し(代金最終決済)

 

2.注意点

上記1.の基本的な流れに沿ったスケジュール感や、主な注意点は以下のとおりです。

(1) 遺産分割協議
相続発生後、遺産分割協議を経て売却する不動産を決めることになりますが

遺産を分割するためには相続人の確定や、相続財産の調査などがあるため

遺産分割協議を開始するまでに数ヶ月必要になることもあります。

(2) 売り出し
相続人間での意見が一致しなければ

不動産の売り出し開始時期は大幅に遅れることになります。

(3) 契約締結
不動産の売り出しが始まれば、1~3ヶ月程度で買い手が見つかるケースもありますが

買い手がなかなか見つからないケースもあります。

(4) 引渡しの準備
買い手が見つかっても、すぐには不動産の引渡しはできません。

売り手は境界確定などの準備が必要になります。

境界を確定するためには、1~2ヶ月程度必要です。

他方、買い手が売買代金について金融機関へ融資を依頼する場合

手続きに1ヶ月程度かかります。

 

上記のとおり、不動産を売却するためには、不動産の売り出しから

2~6ヶ月程度は必要になります。相続税がどの程度課税されるのかを調べ

相続税を納めるために、どの不動産を売却するか決めておくなど

あらかじめ準備をしておく必要があります。

あわてて不動産を売却すると、市場価格を下回るなど

不本意な結果になりかねませんので注意しましょう。

2022.04.08

遺産分割に関する民法改正の内容について

民法改正前は・・・

 これまで、遺産分割については、相続開始(被相続人の死亡)時から

何年経過した後に行っても、分割方法に違いが生じなかったことから

早期に遺産分割の協議または請求をすることにつき

インセンティブが働きにくい状態でした。

 しかし、遺産分割がされないまま相続が繰り返され

多数の相続人により遺産が共有されると、遺産の管理や処分が困難となり

そのような状態下で相続人の一部が所在不明となることが、所有者不明土地が生じる

原因の一つとなっていました。

 そこで、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しとして

遺産分割に関する民法の規定が改正されることになりました。

改正のポイント①

 改正の最も重要なポイントは、具体的相続分(※)による遺産分割に時的限界が設けられ

相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として具体的相続分ではなく

法定相続分によることになったことです。

 すなわち、具体的相続分によれば、法定相続分による場合よりも

多くの財産を取得することができると考える相続人は

他の相続人が得た贈与が特別受益に該当する

あるいは自分が被相続人に行った労務等の提供が寄与分にあたると主張することになりますが

遺産分割の合意ができず、そのような具体的相続分に沿った遺産分割の審判を求める場合には

相続開始時から10年以内に、家庭裁判所に遺産分割請求を行うことが必要となります

(具体的相続分による遺産分割の合意は、相続開始時から10年を経過した後でも可能です)。

改正のポイント②

 なお、上記改正部分の施行日は、令和5年(2023年)4月1日となっていますが

施行日前に被相続人が死亡した場合の遺産分割についても

改正法の適用がある点に留意する必要があります

 但し、経過措置により、相続開始時から10年経過時または改正法施行時から

5年経過時のいずれか遅い時までに、遺産分割請求がされた場合には

具体的相続分による分割は可能とされていますので、少なくとも5年の猶予期間があります。

改正のポイント③

 他にも、現行法では、遺産共有と通常共有が併存する場合において

共有関係を裁判で解消するには、地方裁判所等での共有物分割訴訟と

家庭裁判所での遺産分割請求を別個に実施する必要がありましたが

 改正法では、相続開始時から10年を経過したときは

遺産共有関係の解消も共有物分割訴訟において実施することができるようになります。

 また、相続により不動産が遺産共有状態となったものの

相続人の中に所在等の不明なものがいて、共有関係を解消できないようなケースについて

相続開始時から10年を経過したときは、裁判所の決定を得て

相当額の金銭を供託することにより

所在等不明共有者の不動産の持分を取得することができるようになります。

 

このように、改正法では遺産共有関係の解消の促進

円滑化、合理化が図られていますので、有効に活用されることが期待されます。

 

2022.04.03

[相談]

ここのところ、雑誌等で贈与税の生前贈与分が相続時に取り込まれる

いわゆる“相続税と贈与税が一体化”されるような情報を目にするようになりました。

令和4年度の税制改正大綱が発表され、税制改正関連の法律が成立しましたが

改正項目として含まれたのでしょうか?

[回答]

 令和4年度税制改正では、具体的な改正項目はありませんでした。

ただし、今後の税制改正にあたっての基本的な考え方の中で

「相続税・贈与税のあり方」としての方向性が示されました。

[詳細]

1.政府与党が公表した令和4年度税制改正大綱
2021年12月10日付で、政府与党が令和4年度税制改正大綱を公表しました。

この中で、今後の税制改正にあたっての基本的な考え方として

以下のとおり述べています。

相続税・贈与税のあり方:
 高齢化等に伴い、高齢世代に資産が偏在するとともに

相続による資産の世代間移転の時期がより高齢期にシフトしており

結果として若年世代への資産移転が進みにくい状況にある。

 高齢世代が保有する資産がより早いタイミングで若年世代に移転することになれば

その有効活用を通じた経済の活性化が期待される。

 一方、相続税・贈与税は、税制が資産の再分配機能を果たす上で重要な役割を担っている。

高齢世代の資産が、適切な負担を伴うことなく世代を超えて引き継がれることとなれば

格差の固定化につながりかねない。

 このため、資産の再分配機能の確保を図りつつ

資産の早期の世代間移転を促進するための税制を構築していくことが重要である。

 わが国では、相続税と贈与税が別個の税体系として存在しており、

贈与税は、相続税の累進回避を防止する観点から高い税率が設定されている。

このため、将来の相続財産が比較的少ない層にとっては

生前贈与に対し抑制的に働いている面がある一方で

相当に高額な相続財産を有する層にとっては

財産の分割贈与を通じて相続税の累進負担を回避しながら

多額の財産を移転することが可能となっている。

今後、諸外国の制度も参考にしつつ

相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から

現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど

格差の固定化防止等の観点も踏まえながら

資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて

本格的な検討を進める。

 あわせて、経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置

限度額の範囲内では家族内における資産の移転に対して

何らの税負担も求めない制度となっていることから、そのあり方について

格差の固定化防止等の観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある。

2.資産移転時期の選択に中立的な税制

 『資産移転時期の選択に中立的な税制』とは、どのような税制でしょうか。

この点については、2020年11月13日開催の第4回税制調査会内で

財務省が作成した説明資料が参考になります。

この資料の中で財務省は、「資産移転の時期の選択に中立的」とは

“資産の移転の時期(回数・金額含む)にかかわらず、納税義務者にとって

生前贈与と相続を通じた資産の総額に係る税負担が一定となることをいう”と記しています。

具体的なイメージは、下図のとおりです。

出典:内閣府HP「説明資料〔資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築等について〕

これによって、いつ贈与しても税負担は変わらない、というのが財務省の意見です。

特に暦年課税は、相続時に持ち戻されて相続税が課されるのは

死亡前3年以内の贈与分のみであって、それよりも前の暦年課税による贈与分は

持ち戻されず相続税は課税されません。この点について財務省は

資産移転の時期に中立的でないと示しています。

3.経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置

 現状、経済対策として講じられている主な贈与税の非課税措置は、以下のとおりです。

  1. 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
    [平成25年(2013年)4月1日から令和5年(2023年)3月31日までの措置]
  2. 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
    [平成27年(2015年)4月1日から令和5年(2023年)3月31日までの措置]
  3. 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
    [平成27年(2015年)1月1日から令和5年(2023年)12月31日までの措置]

 これらの措置について、今後どういった見直しがされていくのか注視していきましょう。

 

2022.03.26

45万人が活用する贈与税の暦年課税

【1】暦年課税の申告者は45万人弱

相続対策として生前贈与を活用することがあります。

ここでは2021年6月に国税庁が発表した資料(※)から

暦年課税による贈与税の申告状況をみていきます。

 

(※)国税庁「令和2年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
 2021年(令和3年)6月に発表された資料です。

申告人員は2019年分と2020年分が翌年4月末まで

それ以前の年は翌年3月末日までに提出された申告書の計数です。

 

直近5年分の暦年課税(1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から基礎控除額

(110万円)を控除した残額(基礎控除後の課税価格)について

贈与者と受贈者との続柄及び受贈者の年齢に応じて贈与税額を計算するもの)

の申告状況をまとめると、下表のとおりです。

 

2020年分の申告人員は44.6万人で前年と同程度となりました。

うち申告納税額有が35.1万人、申告納税額無が9.5万人です。

2018年分以降は申告納税額有が35万人台で推移しています。

申告納税額がある割合は78.7%で2年連続の低下となりました。

 

【2】申告納税額は2,000億円台で推移

2020年分の申告納税額は2,177億円で前年より増加し

3年連続で2,000億円を超えました。1人当たり申告納税額は62万円で申告納税額と同様

前年に比べ増加しました。

2018年分以降の申告納税額は、2017年分以前より高い水準で推移しています。

暦年課税を実行するにあたっては注意点等がございます。

また、贈与税の改正の動きにも注目が集まっています。ご留意ください。

 

 

2022.03.19

相続登記の義務化等の施行日が決まりました

[質問]

相続登記の義務化がスタートすると聞きましたが

具体的に、いつから何が変わりますか?

[回答]

長年相続登記がされていないことにより

現在の所有者が不明となっている土地の問題を解消するために

不動産に関するルールの見直しがされ、今般、施行日が定められました。

相続登記に関連する改正については、以下のとおり施行(スタート)されます。

1.相続登記の義務化(令和6年4月1日施行)

相続や遺贈により不動産を取得した相続人は

自己のために相続の開始があったことを知り
かつ、その所有権を取得したことを知った日から
3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

施行日(令和6年4月1日)よりも前の相続開始の場合についても

適用されます。

令和6年4月1日よりも前に相続人として所有権を取得したことを

知っていた場合には、令和6年4月1日から3年以内に
相続登記の申請をしなければなりません。

また、遺産分割が3年以内に整わない場合は

3年以内に相続人申告登記の申出(法定相続分での相続登記の申請でも可)
を行った上で、遺産分割が成立した日から3年以内に
その内容を踏まえた相続登記の申請をしなければなりません。

2.相続人申告登記(令和6年4月1日施行)

①所有権の登記名義人について相続が開始した旨と

②自らがその相続人である旨を申請義務の履行期間内(3年以内)
  に登記官に対して申し出ることで、相続登記申請義務を履行したものと
   みなされます(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ
  履行したことになります)。

この手続きは、所有権を取得したことを登記するものではありませんので

遺産分割が整った場合には、相続登記の申請が必要となります。

3.遺産分割に関する民法のルール変更(令和5年4月1日施行)

相続開始から10年を経過した後にする遺産分割は

原則、具体的相続分(特別受益や寄与分を考慮した相続分)ではなく
法定相続分(又は指定相続分)によることとなります。

10年を経過した後であっても、相続人全員の合意があれば

具体的相続分による遺産分割(寄与分等を考慮して法定相続分と異なる分割をすること)
を行うことは可能です。

4.その他

その他、主な改正の施行日は以下のとおりです。

  1. 相続土地国庫帰属制度(令和5年4月27日施行)
  2. 所有不動産記録証明制度(未定ですが令和8年4月までに施行)
  3. 住所等変更登記の義務化(未定ですが令和8年4月までに施行)
  4. 職権による住所等の変更登記(未定ですが令和8年4月までに施行)
2022.03.06

住宅取得資金の贈与 贈与者との関係

[相談]

マイホームを取得するために親族から受けた資金援助については

一定の金額まで贈与税がかからない特例があると聞いています。

私は年内にマイホームの取得を予定しており

その取得資金の一部について義父から援助を受ける予定です。

この場合、この特例は使えますか?

なお、義父と養子縁組はしていません。

[回答]

ご相談のケースにおける義父からの贈与は、マイホームを取得するための資金援助に係る贈与税の特例

「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」は適用できません。

[詳細]

1.住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例

 マイホームを取得するための資金援助に係る贈与税の特例

(住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例、以下、特例)は

様々な要件があります。そのうちの1つに贈与者と受贈者との間柄があります。


贈与者と受贈者との間柄(要件):

受贈者は、贈与を受けたときに贈与者の直系卑属であること
→言い換えると、
贈与者は、贈与をしたときに受贈者の直系尊属であること」

2.直系尊属、直系卑属

直系尊属(卑属)の“直系”とは、自分を中心に縦の関係にある者をいいます。

(1)直系尊属

 “尊属”は、自分を中心に上の者、つまり前の世代を指します。

よって直系尊属とは、自分からみて父・母・祖父・祖母などを指します。

(2)直系卑属

“卑属”は、自分を中心に下の者、つまり次の世代を指します。

よって直系卑属とは、自分からみて子・孫などを指します。

3.義父は直系尊属?

ご相談のケースは、“義父”からの贈与でした。

“義父”は、受贈者と養子縁組をしている場合を除き

受贈者からみて直系尊属には該当しません。

そのため特例の要件に該当せず、適用を受けることはできないことになります。

この“義父”との間の贈与については

暦年課税による贈与税の計算の際の贈与税率にも影響があります。

暦年課税による贈与税の計算の際の贈与税率は

『一般税率』と『特例税率』があり、特例税率の方が

『一般税率』に比べて税率が低い傾向にあるのが特徴ですが

“義父”との間の贈与は『一般税率』を適用することとなります。

なお、この特例を適用するための要件は、上記以外にもたくさんあります。

マイホームを取得するための資金贈与をお考えの場合には、ご留意ください。

 

 

2022.02.25

障碍のあるご家族のためのサポート体制

 今回は、障碍への法律におけるサポート体制として、「成年後見制度」や「任意後見契約」

「家族信託」について、会話形式でご紹介します。

 

Q1.

私たち夫婦の長男は知的障碍を持っています。私たち夫婦が元気なうちは私たちが

長男をサポートすることができますが、私たちが病気などでサポートを受ける立場に

なってしまったときに、長男のことをどのようにサポートをしていけば良いかわかりません。

何か良い方法はないのでしょうか。

A1.

いわゆる「親亡き後問題」ですね。とても悩ましい課題です。

ご両親の他にご長男様のサポートをお願いできる方がいらっしゃらない場合には

「成年後見制度」を活用することをご提案いたします。

家庭裁判所が選任した司法書士や弁護士が後見人として

お子様がお持ちの財産の管理や入院や介護施設入所時の手続きをすることで

ご長男様が今後生活で困ることがないようにサポートする制度です。

 

Q2.

そうなんですね。実は私たち夫婦には子供がもう一人おります。

5歳ほど年の離れた二男がいますので、私たちがサポートできなくなった場合には

二男に長男をサポートしてもらいたいと思っています。

成年後見制度だと、専門家が後見人になってしまい

後見人への報酬がかかると聞いていますので

できれば成年後見制度は避けたいです。

A2.

二男様がいらっしゃるのですね。成年後見制度でも

ご長男様のご資産の内容やご家族との関係性次第では二男様が後見人になる場合もあり得ますが

あくまで家庭裁判所の専権事項なので確実ではないですね。

その場合は、「任意後見契約」も検討してはいかがでしょうか。

ご長男様と二男様との間で財産の管理をお願いする契約を結ぶのです。

そうしておくと、いざご長男様の財産管理が必要になったときに

二男様が財産を管理することができます。

Q3.

なるほど。ただ、長男は重度の知的障碍のためコミュニケーションをとることができません。

そうなると任意後見契約は難しそうですね。他に良い方法はありますか。

A3.

はい、「家族信託」が方法として考えられると思います。

ご両親がお持ちのご資産のうち、ご長男様の生活のために残したいと思う財産について

二男様へ信託をするのです。そうすることで、最終的には二男様がご長男様のために

財産管理をする体制を構築することができます。

ご事情によって適切な手段は異なりますので、じっくりご検討ください。

 

2022.02.19

遺言書のススメ

[相談]

私は先日夫を亡くしました。私には子がおらず、父母・祖父母はすでに他界しており

兄弟姉妹・甥姪もいないため、身寄りがありません。

私が亡くなったら、面倒を見てくれている亡夫の姪に財産を渡したいと思っていますが

どうすれば良いでしょうか。

[回答]

亡ご主人の姪御さんはあなたの法定相続人ではありません。

あなたには法定相続人がいないため、遺言書がない限りあなたの遺産は原則国庫に帰属します。

姪御さんにお世話になっていたり、今後お世話になったりなどの事情から

あなたが亡くなったあとに残った財産を姪御さんに渡したいときは

遺言書を作成されることを強くお勧めします。

[詳細解説]

法定相続人がいない(相続人不存在)場合、相続開始時から相続財産は法人となり

家庭裁判所によって選任された相続財産管理人が相続財産を管理し

相続人を捜索し、相続財産を精算する手続きを行うことになります。

あなたが亡くなったあと遺言がない場合でも、上記の一連の手続きで

姪御さんが療養看護に努めたことなどを以って、特別縁故者として相続財産の分与を家庭裁判所に請求し

認められれば相続財産の全部または一部を姪御さんが受け取ることができます。

 

ただし、姪御さんが確実に財産を受け取れる方法ではありません。

また、家庭裁判所の手続きが煩雑であり、時間もかかります。

姪御さんに遺贈する旨の遺言書を作っておくことが確実です。

遺言は、作成の方式を満たし、遺言の要旨が明らかであれば自筆証書であっても

公正証書であっても効力は同じですが、自筆証書による遺言は

法務局で遺言書の保管をしない限り家庭裁判所で検認の手続きが必要になります。

 

一方、公正証書による遺言は、検認の手続きが不要であることと

公証人が遺言者本人の遺言意思を確認して作ってくれることから遺言の要旨も明らかであるため

紛争が生じる恐れも少なくなります。

したがって、遺言をされる場合は、公正証書で作成されることをお勧めします。

その他ご参考までに、近年高齢の方たちが相続人になるケースで散見される相続の課題として

推定相続人に行方不明者や認知症の方がいる場合があります。

遺産分割協議は、全員が参加し、相続人のうち誰が

何を、どれだけ相続するかを話し合わなければ成立しません。

当事者の行方が分からない場合であっても、認知症で相続の意思を表明できない場合であっても

そのような相続人を含め、全員が参加する必要があります。

行方が分からない相続人がいるときは相続財産管理人に

認知症などで判断能力の不十分な相続人がいるときは

後見制度を利用し後見人にそれぞれ相続人の代理人になってもらい

遺産分割協議に参加してもらうことになります。

これらの制度は状況や事情によっては使えず、遺産分割が進められないこともあります。

このような相続関係が予想されるときは

遺言を作成して遺産分割協議の余地をなくすことが必要です。

2022.02.15

個人間取引で住宅を購入した場合の住宅ローン控除限度額

[相談]

私は昨年(令和3年)、築10年の中古マンションを個人(個人事業者でない個人)から

4,000万円で購入し、居住を開始しました(なお、同額の住宅ローンを利用しています)。

その購入したマンションについて、令和3年分の所得税確定申告で

住宅ローン控除の適用を受けようと考えているのですが

私の住宅ローン控除限度額はいくらになるのでしょうか。教えてください。

[回答]

ご相談の場合、住宅ローン控除限度額は20万円であると考えられます。

[解説]

1.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)制度の概要

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が、国内において住宅の取得等をして

これらの家屋を令和3年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合において

その人がその住宅の取得等に係る住宅ローンの金額を有するときは

原則として、その居住の用に供した日の属する年以後10年間の各年のうち

その人のその年分の合計所得金額が3,000万円以下である年について

その年分の所得税の額から、一定の住宅ローン控除額(住宅借入金等特別税額控除額)

を控除するという所得税法上の制度です。

2.住宅ローン控除額の計算方法の概要

上記1.の住宅ローン控除額は、原則として

その年の12月31日における住宅ローンの残高(年末残高)に一定の控除率を乗じて計算されます。

なお、住宅ローンの年末残高には上限が設けられており、具体的には、居住年が令和3年で

かつ、その居住に係る住宅の取得等が「特定取得」に該当するものであるときは

4,000万円と定められています。

上記の「特定取得」とは、購入した住宅の対価の額等に

8%または10%の税率で計算された消費税額等が含まれているものを指します。

今回のご相談の場合、個人事業者でない個人から中古マンションを購入されたとのことですが

そのような個人事業者でない個人同士での建物の売買については

消費税はかからないことと定められています。

このため、ご相談の中古マンションの購入は

上記の「特定取得」には該当しないこととなります。

「特定取得」でないマンションの購入について利用した住宅ローンの

上限額は2,000万円と定められており、その場合の控除率は1%と定められています。

したがって今回のご相談の場合、住宅ローン控除限度額は2,000万円の1%

すなわち20万円になるものと考えられます。

2022.02.06

借金をしてアパート建築。これは相続税対策になるの?

[相談]

昔は家庭菜園として利用していたものの、現在は放置している土地があります。

先日、とある業者から、その土地の上にアパートを建てることを提案されました。

そのような資金は手元にないと断ったところ、ローンを組めば相続税対策にもなる

と言われたのですが、本当でしょうか?

[回答]

恐らく、資産となるアパートの相続税評価額と債務となる借入金の相続税評価を比べて

資産の方が評価額が下がること、また、現在更地となっている土地をアパートの敷地と

することで相続税評価額が下がることからそのような話があったのかと推測されます。

ただし、相続発生時期により、アパートの相続税評価額と借入金の残額とのバランスは

変動するため相続税対策になるとは一概に言い切れないことと

仮に相続税が下がったとしてもそのアパートの収益性に問題があるような場合には

「負」の財産になりかねません。よく検討されることをお勧めします。

[詳細]

1.アパート(貸家)の相続税評価額
   アパート等の貸家の用に供されている家屋の相続税評価額は

   原則、以下の算式により計算します。

貸家の固定資産税評価額ー(貸家の固定資産税評価額×借家権割合×賃貸割合)

2.債務
   アパート建築をするために借り入れた金額は

   相続開始日現在の借入金残額を債務として相続財産から控除します。

3.敷地の評価額

 敷地の相続税評価について、アパート用の敷地である場合の宅地の評価額は

   貸家建付地として、原則、以下の算式により計算します。

自用地評価額ー(自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

4.事例検証

アパート(貸家)の固定資産税評価額5,000万円、借家権割合30%、賃貸割合100%(満室)

相続開始日現在の借入金残高8,000万円

  1. アパート用の敷地の自用地評価額1億円、借地権割合80%、借家権割合30%

 上記の場合の相続税評価額は、

  1. 財産(貸家):5,000万円ー(5,000万円×30%×100%)=3,500万円
  2. 財産(宅地):1億円ー(1億円×80%×30%×100%)=7,600万円
  3. 債務(借入金残高):8,000万円

となり、

(3,500万円+7,600万円-8,000万円)=3,100万円が相続財産の額となります。

また、アパート用の敷地が仮に小規模宅地等の特例を適用できる

貸付事業用宅地等に該当してすべて適用できた場合には

3,800万円(7,600万円×50%)をさらに減額することができます。

他方、何もしなければ、宅地の自用地評価額1億円が相続税評価額となるため

その差は歴然です。

相続税額の軽減という視点では得ですが、借金8,000万円を相続人が今後

返済していかなければならない、という点に着目をした場合

この借金を完済できる収益性がそのアパートにあるのか

をよく考えなければなりません。

アパートは、建築年数や立地等によっては入居人が立ち退いた後の

次の入居人が即時に決まらないケースがあるなど、収益性の検討とともに

経年劣化等による修繕費の発生なども考慮する必要があります。

今回は分かりやすく相続税額が軽減する事例をご紹介しましたが、目先の相続税対策だけにとらわれることなく

総合的に考えることが肝要です。借金をしてまでアパート建築をすべきかどうか、慎重に検討されるとよいでしょう。

2022.01.30

所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制見直しの概要

経緯

従前より、不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない、あるいは判明しても

その所在が不明で連絡がつかない「所有者不明土地」について

管理がされず放置される、あるいは民間取引が阻害されるなどの問題が発生しており

高齢化による死亡者数の増加により、今後ますます深刻化するおそれが指摘されていました。

趣旨

このような所有者不明土地が生じる主な原因が、相続登記の申請が義務ではなく

相続登記や所有者の住所変更登記がされないことにあったことから

所有者不明土地の発生予防とすでに発生している所有者不明土地の利用円滑化の観点から

総合的に民事基本法制が見直されることとなり、2021年4月28日、民法等の一部を改正する法律

及び相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

(相続土地国庫帰属法)が公布されました。

改正のポイント

両法律による改正のポイントは、

 ①不動産登記制度の見直し
 ②相続土地国庫帰属制度の創設
 ③土地利用に関連する民法の規律の見直し

の三点にあります。

一つ目の不動産登記制度の見直しの主な内容は、相続登記・住所変更登記申請を義務化すると同時に

義務履行の負担を軽減する観点から、相続人申告登記という従前より簡易な登記手続が新設されたことです。

相続人申告登記では、登記名義人たる被相続人(亡くなられた方)の出生から

死亡に至るまでの戸除籍謄本等の提出は不要となり、申出をする相続人自身が被相続人の相続人

であることがわかる戸籍謄本を提出することで足りるようになります。

令和6年4月1日より施行されます。

住所変更登記申請の義務化の施行日は現時点では未定です

(公布後5年を超えない範囲で政令で定めるとされています)。

また、二つ目の相続土地国庫帰属制度とは、相続等により土地所有権を取得した相続人が

一定の要件のもと法務大臣の承認を受け、当該土地所有権を国庫に帰属させることができる制度です。

ただし、建物が存する土地等、通常の管理又は処分をするにあたり過分の費用又は労力

を要する土地に該当する場合には、却下・不承認となることや、土地管理費相当額の負担金を

納付する必要があることに注意が必要です

(参考として、原野で20万円、市街地の宅地(200㎡)で80万円程度とされています)。

令和5年4月27日に施行されます。

三つ目の土地利用に関連する民法の規律の見直しの主な内容は

所有者不明土地・建物管理制度が創設されたことや、遺産分割に時的限界が設けられたことです。

前者について、現行法上の不在者財産管理人、相続財産管理人等が

対象者の財産全般を管理する人単位の仕組みだったのに対し

特定の土地・建物に特化して管理を行う管理人を選任してもらうことができるのが

所有者不明土地・建物管理制度です。

また、後者について、相続開始から10年を経過した後にする遺産分割は

原則として法定相続分によることになります。令和5年4月1日に施行されます。

以上のとおり、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しの内容は多岐にわたり

実務に与える影響も小さくないものと思われますので

不動産や相続手続に関与する専門家は十分に理解しておく必要がありそうです。

2022.01.22

相続登記の義務化等の施行日が決まりました

[質問]

相続登記の義務化がスタートすると聞きましたが、具体的に、いつから何が変わりますか?

[回答]

長年相続登記がされていないことにより、現在の所有者が不明となっている土地の問題を解消するために

不動産に関するルールの見直しがされ、今般、施行日が定められました。

相続登記に関連する改正については、以下のとおり施行(スタート)されます。

 

1.相続登記の義務化(令和6年4月1日施行)

相続や遺贈により不動産を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り

かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

施行日(令和6年4月1日)よりも前の相続開始の場合についても、適用されます。

令和6年4月1日よりも前に相続人として所有権を取得したことを知っていた場合には

令和6年4月1日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

 

また、遺産分割が3年以内に整わない場合は、3年以内に相続人申告登記の申出

(法定相続分での相続登記の申請でも可)を行った上で、遺産分割が成立した日から3年以内に

その内容を踏まえた相続登記の申請をしなければなりません。

2.相続人申告登記(令和6年4月1日施行)

①所有権の登記名義人について相続が開始した旨と

②自らがその相続人である旨を申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることで

相続登記申請義務を履行したものとみなされます

(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ履行したことになります)。

この手続きは、所有権を取得したことを登記するものではありませんので

遺産分割が整った場合には、相続登記の申請が必要となります。

3.遺産分割に関する民法のルール変更(令和5年4月1日施行)

相続開始から10年を経過した後にする遺産分割は

原則、具体的相続分(特別受益や寄与分を考慮した相続分)ではなく

法定相続分(又は指定相続分)によることとなります。

10年を経過した後であっても、相続人全員の合意があれば

具体的相続分による遺産分割(寄与分等を考慮して法定相続分と異なる分割をすること)

を行うことは可能です。

4.その他

その他、主な改正の施行日は以下のとおりです。

  1. 相続土地国庫帰属制度(令和5年4月27日施行)
  2. 所有不動産記録証明制度(未定ですが令和8年4月までに施行)
  3. 住所等変更登記の義務化(未定ですが令和8年4月までに施行)
  4. 職権による住所等の変更登記(未定ですが令和8年4月までに施行)
2022.01.14

姪を保険金受取人に指定できますか

[相談]

近所に住んでいる姪(以下、Aさん)に、日頃から私の生活の介助をしてもらっています。

私が死んだ後にお礼の意味も込めて、私が自らを被保険者として掛けている生命保険の

受取人になってもらおうと思うのですが、可能でしょうか。

可能であれば、この生命保険の受取人を子から変更をしようと思います。

何か問題があれば教えてください。

【生命保険の契約内容】

  1. 契約者(保険料負担者):私
  2. 被保険者:私
  3. 死亡保険金受取人:子
  4. [回答]

  5. ご相談者の“姪”であるAさんを、受取人とすることは可能ですので
  6. 変更できるかと思いますが、念のため契約されている生命保険会社へ
  7. 事前に問い合わせていただくといいと考えます。
  8. なお、ご相談者の相続時には、この生命保険金は相続財産とみなされて
  9. 相続税の課税対象となります。
  10. その際に、仮にお子さん等が存命であれば、Aさんはご相談者の養子でなければ
  11. 相続人にはなれませんので、この生命保険金に係る非課税の適用を受けることができません。
  12. また、受取人変更に伴うトラブルにもご注意ください。

[詳細解説]

1.保険金の受取人

保険金の受取人となることができるのは、保険会社によって異なりますが

「被保険者の戸籍上の配偶者および二親等内の血族」の範囲内と定められていることが一般的です。

具体的には、被保険者からみて、祖父母、父母、子、兄弟姉妹、孫が該当します。

ご相談のケースでは、受取人としたいAさんが被保険者であるご相談者からみて

姪の立場であることから、受取人となることは可能だと考えます。

この受取人の指定は、加入時に契約者が行いますが

契約後も被保険者の同意を得て途中で変更することが可能です。

したがって、ご相談のケースでは受取人の変更も可能かと思われますが

念のため、契約された保険会社へ事前にお問合わせいただくといいと考えます。

なお、保険会社によっては、個別事情の詳細を報告することで

内縁関係にある者、婚約者、共同経営者等の指定を認める場合もあります。

上述の範囲外の人を指定したい場合は、個別に保険会社や取扱代理店などに確認が必要です。

2.税務上の取扱い

受取人を指定・変更する際は、受取人を誰にするかで

税務上の取扱いが変わることもあるため、注意が必要です。

例えば、契約者=保険料負担者=被保険者=被相続人の契約において

死亡保険金受取人が相続人の場合、受け取った死亡保険金は、相続税の計算上

死亡保険金の非課税(500万円×法定相続人の数)を適用できます。

他方、受取人が相続人以外の場合は、死亡保険金の非課税を適用することができません。

ご相談のケースでは、お子さんがいらっしゃるようですので

仮にお子さんが存命である中で相続が発生した場合には

Aさんがご相談者の養子にならなければ相続人となることはできません。

仮にAさんが相続人とならなければ、上記の非課税は適用できないことにご注意ください。

なお、受取人を変更されるのであれば、変更後の受取人となるAさんへの事前説明や

今回の生命保険についてお子さんが受取人だと知っている場合には

お子さんへの説明も同時にご検討ください。

特に、死亡保険金は相続税の課税財産となるため、相続税を計算する上で加算しなければならず

他の相続人にも当然知られます。

そうなることによって、親族間でのトラブルに発展する可能性も考えられるため

受取人の変更は慎重に検討されることをお勧めします。

2021.12.25

配偶者居住権等が設定された土地建物を相続した場合

[相談]

30年前、父が建売住宅を購入して、そこに家族で住んでいました。

弟はすでに独立し、長男である私は結婚後に、この家をリフォームして現在二世帯で暮らしています。

先月、父が死亡し、これから遺産分割協議をするのですが、母が死亡した後の相続を考えると

この家は母が存命の間に私が相続しておきたいと考えています。

とはいえ、母としても何かあったときにこの家から追い出されるのではないか

との懸念もあるようなので、配偶者居住権を設定しておきつつ

建物と土地は私が相続することでどうか、と提案したところ

母から了承を得ました。

弟には弟の相続分も考えて伝えたところ、母がいる手前か

概ね了承してくれています。

この相続によって相続税がいくらかかるのか試算したいのですが

仮に私がこの土地建物を相続した場合、相続税評価額はどうやって計算するのでしょうか?

[回答]

まず、建物部分については、建物全体の相続税評価額から

配偶者居住権の価額を控除した金額が相続税評価額となります。

土地部分も同じく、土地全体の相続税評価額から敷地利用権の価額を

控除した金額が相続税評価額となります。

なお、土地部分については一定の要件を満たした場合

小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

[詳細]

1.配偶者居住権・敷地利用権とは

配偶者居住権とは、被相続人の所有する建物に相続開始時点で配偶者が居住していた場合に

相続後も配偶者がそのままその建物に無償で住み続けることができる権利です。

この配偶者居住権を配偶者が相続等により取得した場合

その配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利も付随して

配偶者が相続等により取得したものと考えられています。

この配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利を、敷地利用権といいます。

2.配偶者居住権等が設定された土地建物を相続した場合

ご相談のケースで、お父様(以下、被相続人)が所有していた

居住用の土地建物について、配偶者居住権・敷地利用権(以下、配偶者居住権等)

を設定した上で相続した場合の相続税評価額は

それぞれ次の算式により計算します。

建物の相続税評価額:建物全体の相続税評価額 - 配偶者居住権の価額
土地の相続税評価額:土地全体の相続税評価額 - 敷地利用権の価額

いずれも

まずは配偶者居住権等の価額を計算した上で控除することとなる点にご留意ください。

なお、土地については、小規模宅地等の特例の要件を満たした場合には

小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。その点もあわせてご注意ください。

2021.12.18

賃貸住宅と電気自動車用の充電設備

[相談]

賃貸住宅の大家業を営んでいます。今回、新たに賃貸住宅を建築することになったのですが

付加価値を高めるためEV(電気自動車)用の充電設備を設置することを業者から勧められています。

しかし、EVの普及はそれほど進んでいないようにも思われ、

なによりも設置費用がかかるのでどうしようか迷っています。

賃貸住宅に電気自動車用の充電設備を設置することのメリットとデメリットを教えてください。

[回答]

「EV」というと純粋にバッテリーの電気だけで走る車をイメージしがちですが

広い意味では「ハイブリッド自動車(HV)」、「プラグインハイブリッド自動車(PHV)」

「燃料電池自動車(FCV)」も「EV」に含まれます。

このため、純粋にバッテリーの電気だけで走る自動車を「BEV(Battery Electric Vehicle)

」ということもあります。これらのうち、外部の充電設備を必要とするものが「BEV」と「PHV」です。

この「BEV」と「PHV」ですが、現時点での普及率は両者を合わせても1%強に過ぎず

我が国でエコカーといえば「HV」が代名詞という状況が続いています。

これは「BEV」と「PHV」の車種が国産車ではコンパクトカーやセダンタイプ

外国車では高級車に限られるため消費者が選択できる車種が少ない一方

「HV」はコンパクトカーから売れ筋のミニバンやSUVまで幅広い車種が揃っているという

商品選択上の理由という側面もありますが

なによりも住宅事情が大きいものと思われます。

 

一戸建て住宅であれば、最近では大手ハウスメーカーを中心に

EV用の200Vのコンセントが標準装備となるなどEVと親和性が高いのですが

既存の分譲マンションの場合は、管理組合の同意が必要となり充電器を設置するハードルが高く

新築でも充電設備を設置している分譲マンションはまだまだ少数です。

賃貸住宅の場合も、借主が設置を希望しても結局は家主次第ということになります。

したがって、人口が多く共同住宅の比率が高い大都市部では

住宅事情により「BEV」や「PHV」に乗りたくても乗れないという人も多く

結果的に普及の足かせとなっています。

現状のように「BEV」や「PHV」の普及が進んでいないなかで

ご質問にある新たな賃貸住宅に充電設備を導入するメリットとデメリットは以下のように考えられます。

(メリット)

  1. ①現時点でEV用の充電設備を導入している賃貸住宅は少ないので
  2.  BEVやPHVを所有する入居希望者に対してはアピールポイントとなる。
  3. ②設置の際、国などの補助金を活用できる可能性がある。

(デメリット)

  1. ①現在の「BEV」や「PHV」の普及率では、充電設備を設置したとしても
  2.  使用を希望する入居者がなかなか現れず、費用倒れになる可能性がある。
  3. ②誰がどれだけ電力を使用したかの把握に工夫が必要となるとともに
  4.  使用料を徴収するための手間とコストがかかる。

 国も共同住宅における充電設備の増加が「BEV」や「PHV」の普及の鍵と考えているようですし

 電力事業者なども設置者の負担にならない形での導入を促進する施策を講じるようになっています。

 賃貸住宅は今後20年、30年と稼働を続けるものですし

 なによりも大切なことは長期間に渡って入居率を維持し、物件の価値を保っていくことです。
 そのなかでEV用の充電設備の導入がそれにどう資するのか。

 それは、立地や入居者のターゲットにより異なってきます。

 したがって、自身が建てられる物件の特性をよく分析された上で導入の是非を判断されるのがよいのではないでしょうか。

2021.12.11

未登記の建物を相続した場合

[相談]

相続した実家の建物が登記されていないことが分かりました。

建物が登記されていない理由は何が考えられるのでしょうか。

また、そのまま登記しない場合、何か問題はありますか?

[回答]

建物の未登記の要因としては、

“登記は任意である”と誤った認識をお持ちであった

という可能性が考えられます。

また、未登記の状態であると、法律上の問題の他、第三者への対抗などで

デメリットが生じると考えます。

[詳細解説]

1.建物の未登記

 建物を建築等した場合には、主に以下①→②の順に登記を行います。

  1. ①建物表題登記:建物の構造・床面積等の物理的状況を明らかにする登記
  2. ②所有権保存登記:所有権の登記のない不動産について、最初に行う所有権の登記
  3. ①は、不動産登記法により、その建物の所有権を取得してから1ヶ月以内に
  4. 登記を行わなければならないと定められており、登記を行う必要があります。
  5. 他方、②は、①のように義務ではなく任意となりますが、
  6. 住宅ローンを利用する場合は、金融機関が当該建物に抵当権を設定するため
  7. ②の登記が必須となります。

したがって、建物が未登記の理由の一つとしては、住宅ローンを利用せず建物を建築したため

②の登記が任意となり、①の登記も行う必要がないといった誤った認識のもと

未登記の状態になっていることが考えられます。実際、未登記建物は数多く存在します。

なお、登記されていない建物は、「未登記建物」といわれています。

2.未登記建物であることでの問題点

(1)法律上の問題
未登記建物であることの問題については、法律上の義務である上記1.

①の建物表題登記がなされていない

厳密にいえば罰則が科せられる可能性がある状態であることとなります。

また、相続による所有権の移転登記や住所変更登記に関しては

法律で義務付けられる改正がなされています。その点もあわせてご注意ください。

(2)第三者への対抗
未登記建物であると、その建物の所有について第三者へ主張することが困難です。

(3)税務上の問題
建物が未登記であるということは、その建物が建っている敷地部分に

建物がない状態で固定資産税が課税されている可能性が考えられます。

通常、土地の上に住宅が建っている場合の当該土地に係る固定資産税は

更地である状態よりも軽減措置が設けられています。

3.未登記建物の登記手続き

相続した未登記建物を第三者へ売却する際、上記1.①及び②の登記が必須となります。

将来の売却を予定されている場合は、予め登記しておくとよいでしょう。

なお、上記1.①には、登録免許税は課税されませんが

上記1.②の登記には課税(固定資産税評価額の4%)されますので、ご注意ください。

また、この登記手続きは、通常、土地家屋調査士もしくは司法書士

(以下、専門家)に依頼しますが、ご自身で行うことも可能です。

なお、専門家に依頼される場合は、建築当時の設計図面などがあれば

費用を軽減できる可能性がありますので

設計図面の有無について、事前に確認されるとよいでしょう。

建物全体が未登記であることの他、増築や改築部分が登記されていないこともあります。

建物が登記されている場合でも、建築当時の設計図面があれば

現状と比較し、増築や改築による未登記部分が生じていないか確認されるとよいでしょう。

未登記建物を相続された場合は、専門家に相談の上、適切に対処されることをお勧めします。

2021.11.20

生前贈与で節税ができなくなるかもしれません

相続税対策としてポピュラーな生前贈与。

現金や自社株を毎年少しずつ移している方もいらっしゃる

かと思います。この生前贈与で相続税対策ができなくなると

巷で噂されていますが、一体どういうことでしょうか。

Ⅰ 相続税対策としての生前贈与とは?

そもそも、なぜ生前贈与が相続税対策となるのでしょうか。

例えば5,000万円財産をお持ちの方がいたとします。

相続人は子供2人のみ、毎年子供それぞれに110万円ずつ贈与する前提です。

(もらう人1人あたり、年間110万円まで贈与税がかからないため)

上図のように、生前にまったく贈与をしない場合

基礎控除(3,000万円+600万円×相続人の人数)を引いた後の

課税遺産額が800万円となり、相続税額は80万円かかります。

対して、220万円の贈与を4年間行ったのちに3年が経過すると

遺産の総額が基礎控除以下となるため、相続税の申告は不要

相続税額は0円となります。

Ⅱ なぜ改正されるのか

贈与税は、生前に財産を減らして相続税を免れることを防止するために

同じ財産額であれば、相続税より高い税率が設定されています。

しかし、少額の贈与から課税すると徴税事務が煩雑なため

年間110万円まで贈与税がかからないとされているわけです

そのため、複数年にわたり贈与することで相続税を節税することが

可能になってしまっています。政府の税制調査会では

相続税の最高税率は55%だが、贈与税の申告をする方の90%以上が

贈与税率10%~20%の少額の贈与となっており

贈与税が相続税逃れの抑制になっていないと問題視しています。

そのため、以下のような改正を検討しているのではないかと考えられます。

早ければ来年度予算の開始時期の令和4年4月以降、改正・適用される可能性があり

生前贈与は今年がラストチャンスかもしれません。

Ⅲ 暦年贈与を行う際の注意点とは?

改正前の現在はまだ相続税対策として有効な生前贈与ですが

行う上で注意すべき点があります。

1. 贈与はあげた人、貰った人の認識(意思表示)が重要です。

贈与は法律上の契約とされており、あげた人の意思表示

もらう人の意思表示が必要です。

そのため

・認知症の親が贈与をする親が保管する

・子名義の銀行口座に振り込んだだけ

などは贈与と認められません。

2. 贈与額が年間110万円を超える場合、贈与税の申告が必要となります。

贈与された額が年間110万円を超える場合、贈与した年の翌年3月15日までに

贈与税の申告と納税が必要になります。ただし、生活費や学費など扶養義務の

範囲内で金銭等を贈与する場合、贈与税は非課税です。

2021.11.05

敷地利用権の相続税評価

[相談]

2020年4月1日より、主人が亡くなってもマイホームに住み続ける権利

(いわゆる「配偶者居住権」)を相続できると聞いています。

この配偶者居住権に付随する敷地利用権は、配偶者居住権と同様に

相続税が課税されると聞きました。

この敷地利用権は、具体的にどのように評価するのでしょうか?

[回答]

相続税を計算する上での敷地利用権は、敷地利用権の対象となる土地等の

相続税評価額からその価額に一定の複利現価率を乗じて計算した価額を控除した

金額により評価します。

[詳細解説]

1.敷地利用権とは

 配偶者居住権は建物に住む権利ですが、その配偶者居住権を配偶者が相続等により取得した場合

その配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利も付随して

配偶者が相続等により取得したものと考えられています。

この配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利を、敷地利用権といいます。

2.敷地利用権の評価の考え方

 国税庁から公表されている「「配偶者居住権等の評価に関する質疑応答事例」について(情報)」

によれば、敷地利用権の評価の考え方として、以下の記述があります。

・・・以下国税庁の情報から引用・・・

居住建物の敷地の所有者は、配偶者居住権存続期間終了時に居住建物の敷地を自由に

使用収益することができる状態に復帰することとなります。

この点に着目し、敷地利用権の価額は、居住建物の敷地について

所有権部分の「配偶者居住権存続期間終了時の価額(将来価値)」を求め

それを現在価値に割り戻し、居住建物の敷地の時価からその割り戻した

所有権部分の価額を控除した金額により評価します。

具体的には、

  1. ①配偶者居住権存続期間終了時の居住建物の敷地の時価を法定利率による複利現価率を
  2.  用いて現在価値に割り戻す(所有権部分の将来価値を現在価値に割り戻した価額を求める)
  3. ②居住建物の敷地の時価から①で求めた価額を控除して敷地利用権の価額を求めようとするものです。

なお、将来時点における土地等の時価を評価するのは不確実性を伴い困難な場合が多い

と考えられること等から、時価変動を捨象し、相続開始時の価額をそのまま配偶者居住権存続期間終了時の

時価として用いて計算します。

2021.10.30

離婚によって元夫が元妻に自宅マンションを財産分与した場合の税金

[相談]

夫妻の離婚が成立し、元夫は元妻へマイホームを財産分与しました。

この件に関し、その財産分与を行った元夫には経済的利益がないことから

所得税の課税は行われないとの認識でよろしいでしょうか。

[回答]

ご相談の財産分与については、譲渡所得課税が行われることとなります。

詳細は下記解説をご参照ください

[解説]

1.離婚による財産分与として不動産の移転があった場合の課税関係

民法では、「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して

財産の分与を請求することができる。」と定められています。

所得税法上、民法の規定による財産分与による資産の移転については

財産分与義務の消滅という経済的利益を対価とする譲渡であることから

その分与をした者は、その分与をした時においてその時の価額により

その資産を譲渡したこととなるものとして取り扱われています。

したがって、今回のご相談の場合、離婚による財産分与により元夫から

元妻への不動産(マイホーム)の移転が行われたことから

財産分与をした元夫に対して譲渡所得課税が行われることとなります。

2.その他留意すべき事項

離婚時の財産分与による資産の移転は贈与ではないため

所得税法上のみなし譲渡課税の規定は適用されません。

また、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例については

その適用対象となる譲渡から、その個人の配偶者その他のその個人と

一定の特別の関係(※)がある者に対してする譲渡が除かれることと定められていますが

離婚による財産分与は配偶者への譲渡には該当しないことから

他の要件を満たしていればその特例を適用することが可能となります。

  1. ※特別な関係には、生計を一にする親族、家屋の譲渡後その譲渡した家屋で
  2. 同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係にある法人などが該当します。
2021.10.23

遺産分割における不動産の評価額

[相談]

亡夫の財産について遺産分割をしたいと考えています。

私たちには子がおらず、夫の両親もすでに亡くなっているため

相続人は私と夫の姉の2人です。

主な財産は自宅不動産と預貯金で、不動産は現在居住している

私が相続したいと考えていますが、遺産分割の際

不動産はどのような評価額を基に話し合いをすればよいでしょうか。

[回答]

不動産には固定資産税評価額、相続税評価額、時価など

様々な価格の捉え方がありますが、遺産分割の際には

基本的に相続人全員の合意があればどのような評価額を

基にしても問題ありません。
各相続人が取得する遺産の割合についても

法定相続分は定められていますが(民法900条)

相続人全員の合意があれば法定相続分に関わらず

分割の内容や取得割合を自由に定めることができます(民法907条)。

2021.10.09

住宅ローン控除とマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例は併用できますか?

[相談]

私は現在、住宅ローン控除の適用を受けています。

諸般の事情により、住宅ローン控除の適用を受けているその住宅(自宅)を

今年(2021年)中に売却し、同じく今年中に新しく住宅(自宅)を

購入することを検討しています。

現在の自宅の売却については売却益が出る見込みのため

マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を

受けたいと考えています。

同時に、新たに購入する自宅について住宅ローン控除の適用も受けたいと

考えているのですが、その併用は可能でしょうか。教えてください。

[回答]

ご相談の場合、マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例と

住宅ローン控除の併用はできません。

[解説]

1.マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の概要

マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例とは

正式名称を「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

具体的には、個人が所有する居住用財産(マイホーム)を売却した場合において

その売却による利益(譲渡所得)から最高で3,000万円を控除できるという所得税法上の制度です。

なお、上記の「最高で3,000万円を控除できる」という部分について

売却したマイホームの所有期間の長短は影響を及ぼしません。

2.マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を受けるための要件

上記1.のマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を受けるための主な要件は

下記のとおりです。

  1. ①自分が住んでいる住宅等の売却であること
  2. ②過去に自分が住んでいた住宅等を売却した場合には
  3.  その住宅等に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に売却すること
  4. ③その年の前年又は前々年においてマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例等の適用を受けていないこと

3.住宅ローン控除制度の概要

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローン等を利用してマイホームの取得等をし

令和3年12月31日までにそのマイホームに実際に住んだ場合で一定の要件を満たすときにおいて

その住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を

マイホームに実際に住んだ年分以後の一定の各年分の所得税額から控除するという所得税法上の制度です。

ただし、この制度は、そのマイホームに実際に住んだ年とその前年、前々年に

上記1.のマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例等の規定の適用を受けている場合には

適用しないことと定められています。

また、そのマイホームに実際に住んだ年の翌年以後3年以内の各年において

住んでいた住宅等を売却し、上記1.のマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例等の

適用を受ける場合にも適用しないと定められています。

つまり、マイホームに実際に住んだ年とその前2年・後3年の計6年間については

住宅ローン控除とマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例は併用できないということです。

したがって、今回のご相談の場合についても、同じ年(2021年)において住宅ローン控除と

マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の併用はできないこととなります。

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近江清秀公認会計士税理士事務所

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2021.10.01

配偶者居住権の相続税評価

[相談]

2020年4月1日より、主人が亡くなってもマイホームに住み続ける権利

(いわゆる「配偶者居住権」)を相続できると聞いています。

この配偶者居住権は相続税が課税されると聞きました。

具体的にどのように評価するのでしょうか?

[回答]

相続税を計算する上での配偶者居住権は、居住建物の所有権部分の

「配偶者居住権存続期間終了時の価額(将来価値)」を算出し

それを現在価値に割り戻し計算します。

その後、居住建物の時価からその割り戻した所有権部分の価額を

控除した金額により評価します。

[詳細解説]

1.配偶者居住権とは

配偶者居住権とは、被相続人の所有する建物に相続開始時点で配偶者が居住していた場合に

相続後も配偶者がそのままその建物に無償で住み続けることができる権利です。

配偶者は、遺産分割協議や遺言(相続又は遺贈、以下、相続等)によって

配偶者居住権を取得することができます。

2.配偶者居住権の評価の考え方

国税庁から公表されている「「配偶者居住権等の評価に関する質疑応答事例」

について(情報)」によれば、配偶者居住権の評価の考え方として

以下の記述があります。

 

居住建物の所有者は、配偶者居住権存続期間終了時に居住建物を自由に使用収益することが
できる状態に復帰することとなります。この点に着目し、配偶者居住権の価額は、居住建物の所有
権部分の「配偶者居住権存続期間終了時の価額(将来価値)」を求め、それを現在価値に割り
戻し、居住建物の時価からその割り戻した所有権部分の価額を控除した金額により評価します。
具体的には、
① 配偶者居住権存続期間終了時の居住建物の時価を減価償却に類する方法を用いて計算する
② ①で計算した配偶者居住権存続期間終了時の居住建物の時価を法定利率による複利現
価率を用いて現在価値に割り戻す(所有権部分の将来価値を現在価値に割り戻した価額を求める)
③ 居住建物の時価から②で求めた価額を控除して配偶者居住権の価額を求めようとするものです。

 

また、イメージ図は以下のとおりです。

 

 

2021.09.25

住宅取得等資金贈与の非課税の期限に留意してください

現行税制は本年末までの贈与・契約締結が必要です

令和3年度改正で住宅取得等資金贈与の非課税措置について

床面積要件の緩和や非課税限度額引上げ等の見直しは行われましたが

同制度の延長は行われませんでした。

適用期限は令和3年末とされていますが、令和3年8月末公表の令和4年度税制改正要望では

国土交通省から同制度について所要の措置を講じる要望が行われています

R3改正では床面積要件の緩和等

この制度は、平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に

合計所得金額が2,000万円以下の20歳以上の受贈者が直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合に

一定額までが非課税となるという内容です。

令和3年度改正で、令和3年1月1日以後の贈与について合計所得金額1,000万円以下

の場合に床面積要件の下限が50㎡から40㎡に緩和され

同年4月以降の非課税限度額の引上げ等の見直しが行われました。

現行では、令和3年12月31日までに住宅取得等資金の贈与を受け

かつ、その資金の全額を充てて住宅の新築・取得又は増改築等に係る契約を

締結していることが要件の一つとなります。

なお、贈与と契約締結の順番は問いません。

新築等は贈与の翌年3月15日までに

贈与及び契約締結時期に係る要件のほか、住宅の新築等は贈与年の翌年3月15日までに

行わなければなりません。

住宅の新築の場合は、同日において新築工事が完了している(いわゆる棟上げまで完了している場合を含む)こと

取得の場合には同日までにその引渡しを受けていることが必要となります

原則贈与の翌年3月15日までに入居

住宅への入居期限は原則として贈与年の翌年3月15日までとされていますが

同日後遅滞なく居住することが確実であると見込まれる場合には

居住の予定時期等を記載した書類等を申告時に添付することで同制度の適用が認められます。

ただし、贈与年の翌年12月31日までに居住していない場合は

適用を受けられなくなるため修正申告が必要となります。

これら期限の要件等を満たし同制度の適用を受ける場合は

贈与税の申告期限内(贈与年の翌年2月1日から3月15日まで)に

住宅の新築に係る工事の請負契約書や

取得に係る売買契約書の写しなど一定の書類を添付して申告を行うこととなります

 

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2021.09.18

建物の固定資産税評価額が下がらない?

(質問)評価替えの年なのに、建物の固定資産税評価額が下がらないのはなぜでしょうか?

令和3 年度は、固定資産税評価額の評価替えの年度ですが

建物(鉄筋コンクリート造の賃貸マンション)の固定資産税評価額が下がっていません。

建物は経年により価値が減少していくのに

なぜ固定資産税評価額が同額なのでしょうか︖

(回答)

通常であれば、経年劣化等により固定資産税評価額が減少すべき建物ですが

令和3 年度については、物価上昇を背景に建物の固定資産税評価額が

据置きとなったものと考えられます。

建物の固定資産税評価額の算定方法

建物の固定資産税評価額は、屋根・外壁・内壁・天井・床・基礎・建具・設備などにつき

それぞれに使用されている材料の種類や数量を把握し

国が定めた固定資産評価基準に基づいて算出されています

 

算式(従来分の家屋に係る固定資産税評価額)
基準年度の前年度の再建築価格 × 再建築費評点補正率 × 経年減点補正率

⇒再建築価格
再度その場所にその建物を建てるとした場合に必要とされる建築費

⇒再建築費評点補正率
基準年度と前回の基準年度との間に発⽣した物価変動の補正率

⇒経年減点補正率
建築後の年数の経過によって⽣ずる建物の傷み具合による価値の減少を
率で表したもの(初年度は1 年間経過したものとします)

据置きとなるケース

算定の結果、固定資産税評価額が前年度の額を下回った時は

建物の固定資産税評価額は引下げとなります(ケース①)。

一方、固定資産税評価額が前年度の額を上回った場合

算式では建物の固定資産税評価額は引上げとなりますが

措置が講じられて据置きとなります(ケース②)。

建築資材の高騰及び人手不足等による人件費の高騰により

近年、同等建物の建築物価は上昇しています。

おそらく令和3 年度は、措置により据置きになっているものと推測されます。

なお、令和2 年1 月2 日から令和3 年1 月1 日までの間に

増改築や一部取壊し、そのほか特別な事情があった場合は

新たに評価をし直している点にもご留意ください。

今後も現在の状況が続きますと

令和6 年度の建物の価格も据置きとなる可能性があります。

建物の収益力を高め、建物の実質的な価値を高めることを常に心掛けることが必要でしょう。

2021.09.10

配偶者居住権と相続税

[相談]

 2020年4月1日より、主人が亡くなってもマイホームに住み続ける権利

(いわゆる「配偶者居住権」)を相続できると聞いています。

この配偶者居住権は相続税が課税されるのでしょうか?

[回答]

配偶者居住権は、その配偶者居住権に付随する敷地利用権とともに

相続税の課税対象です。

[詳細解説]

1.配偶者居住権とは

 配偶者居住権とは、被相続人の所有する建物に相続開始時点で配偶者が居住していた場合に

相続後も配偶者がそのままその建物に無償で住み続けることができる権利です。

配偶者は、遺産分割協議や遺言(相続又は遺贈、以下、相続等)によって

配偶者居住権を取得することができます。

2.配偶者居住権と相続税

(1)配偶者居住権と敷地利用権

 配偶者居住権は建物に住む権利ですが、その配偶者居住権を配偶者が相続等により取得した場合

その配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利も付随して

配偶者が相続等により取得したものと考えられています。

この配偶者居住権に基づき使用する敷地の権利を、敷地利用権といいます。

(2)税務上の取扱い

 配偶者居住権も敷地利用権も相続税の課税対象となります。

それぞれ定められた一定の評価方法により算定をして、相続財産として加算します。

なお、敷地利用権については、他の宅地と同様、「小規模宅地等の特例」の適用が可能です。

 配偶者居住権は、民法改正により創設され、2020年4月1日に施行されたものです。

開始してまだ1年半も経っていませんが

遺産分割における選択肢の一つとして必ず検討すべき権利といえるでしょう。

<参考>
 国税庁「配偶者居住権等の評価に関する質疑応答事例(令和2年7月)」

2021.09.03

貸付事業用宅地等の範囲から除かれる相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等

質問

被相続人甲は,10年前から2棟のアパート(各棟10室)を所有し不動産貸付業を営んでいた。

同人は,相続税対策の一環として,当該アパートを次のとおり譲渡したが,

その1年後に事故で亡くなった。なお,その譲渡後も各アパートは,

引き続き賃借人に貸し付けられている。

(1) 被相続人甲の相続人である長男にアパート1棟を譲渡し,当該アパートの敷地の用に供されていた宅地等は,

使用貸借により長男に貸し付けていた。なお,長男は,被相続人と生計を一にしていた者であるが,

当該アパートを譲り受けるまで不動産の貸付けは営んでいなかった。

(2) 同族会社Xにアパート1棟を譲渡し,当該アパートの敷地の用に供されていた宅地等は,

相当の地代によりX社に貸し付けていた。

小規模宅地等の特例の対象となる貸付事業用宅地等の範囲からは,

被相続人等の不動産貸付の用に供されていた宅地等で,相続開始前3年以内に新たに貸し付けられた宅地等は

除かれていますが,このアパートの敷地の用に供されていた宅地等について

小規模宅地等の特例の適用は認められるでしょうか。

質問(1)の回答

(1) 長男に譲渡されたアパートの敷地の用に供されていた宅地等

貸付事業用宅地等の範囲からは 措置法69条の4 第3項4号に規定する

「新たに貸付事業の用に供された」宅地等は除かれており,

その判定は,貸付事業用宅地等の要件が貸付事業の主体

(被相続人又は被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族(以下「生計を一にしていた親族」といいます。)

ごとに定められていることからすると,

被相続人又は生計を一にしていた親族のそれぞれの利用状況により行うことが相当と考えます。

したがって,アパートの譲渡により貸付事業の主体が被相続人甲から長男に変更されていますから,

この場合は「新たに貸付事業の用に供された」場合に該当し,

当該アパートの敷地の用に供されていた宅地等は貸付事業用宅地等に該当しないと考えます。

質問(2)の回答

(2) X社に譲渡されたアパートの敷地の用に供されていた宅地等

被相続人の貸付事業は,譲渡前は建物の貸付けであったものが,

譲渡後は土地の貸付けに変更されていますが,

引き続き同人の貸付事業であることに変わりはありません。

したがって,この場合は「新たに貸付事業の用に供された」場合に該当しないことから,

当該アパートの敷地の用に供されていた宅地等については

一定の要件を満たす限り貸付事業用宅地等に該当し,

小規模宅地等の特例の適用が認められると考えます。

2021.08.28

相続で不動産を取得したときに生ずる税金

[相談]

不動産を取得すると、不動産取得税や登録免許税がかかりますが

相続が原因の取得であってもこれらの税金はかかるのでしょうか。

[回答]

相続により不動産を取得した場合、不動産取得税はかかりませんが

登録免許税はかかります。

[詳細解説]

1.不動産取得税

不動産取得税は、不動産の取得に対して課されるものです

しかし、たとえば次の原因によって不動産を取得した場合には

不動産取得税は課されません。

  1. ・相続によるもの
  2. ・包括遺贈(民法964条)によるもの
  3. ・被相続人から相続人に対してなされた遺贈によるもの
  4. したがって、相続が原因の不動産取得である場合に、不動産取得税はかからない、という判断になります。

 

2.登録免許税

 登録免許税は、不動産の登記に対して課されるものです。

相続で不動産を取得した場合には、相続によりその不動産の所有権が移転されたことになるため

登記されている名義人を変える登記(所有権移転の登記、通称「相続登記」といわれています)

を行います。この相続登記時に、登録免許税を納めます。

登録免許税は、課税標準に税率を乗じて計算します。

(1)課税標準
課税標準は、相続により取得した不動産に固定資産税評価額がある場合にはその評価額

ない場合には登記所が認定した価額となりますが

いずれの価額についても1,000円未満の端数は切捨てます。

(2)税率
相続登記の場合の税率は、売買などの登記に比べて税率が優遇されています。

 土地の代表的な登記理由による登録免許税の税率を、以下にまとめました。

・売買 ⇒ 2%(令和5年(2023年)3月31日までは1.5%)

・相続 ⇒ 0.4%

例.固定資産税評価額が2,000万円の土地を相続で取得し、その相続登記を行う場合

2,000万円 × 0.4% = 8万円

 

なお、相続登記が未了のまま放置されるケースが社会問題として表面化しており

相続登記の義務化が令和3年(2021年)4月21日に成立し

同月28日に公布(3年以内の施行)された他、相続登記を促進する措置として

以下の免税措置があります。

この適用期限は、令和3年度税制改正により1年延長され

令和4年(2022年)3月31日までとなっています。

  1. ・相続により土地を取得した個人が登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置
  2. ・少額の土地を相続により取得した場合の登録免許税の免税措置
2021.08.21

相続人に配偶者と障害者がいる場合

[相談]

我が家には、身体に重度の障害(身体障害者1級)を持った長女(52歳)がいます。

先日、夫が亡くなったのですが、長女の将来を考え、長女には夫の遺産の大部分を

相続させてやりたいと考えています。それについては、他の兄弟も納得してくれています。

しかし、相続税の負担もなるべく減らしたいと考えています。

そのためには、配偶者である私が法定相続分又は1億6,000万円までを相続し

配偶者の税額軽減の特例を最大限受けるのが一番よい選択なのでしょうか?

[回答]

配偶者の税額軽減の特例だけにこだわらなくても

障害者控除により全体の納付税額のご負担が軽減される可能性もあります。

ご長女様の将来もよく考えながら、様々なご検討をなさることをお勧めします。

[詳細解説]

配偶者の税額軽減の特例とは、被相続人の配偶者について一定の金額まで

相続税が発生しないという特例制度です。これは残された配偶者の生活保障のため

という背景がありますが、相続税の計算においては各相続人の個別事情等に配慮して

この配偶者の税額軽減の特例以外にも

算出相続税額から控除できる税額控除がいくつか設けられています

その税額控除の中の1つに、「障害者控除」という制度があります。

これは、社会的弱者である障害者が相続により財産を取得した場合には

算出相続税額から一定額を差し引くという制度です。

では、障害者控除の適用要件や控除金額などを、具体的にみてみましょう。

1.障害者控除を受けられる相続人

次の要件すべてに当てはまる人は、障害者控除の適用を受けることができます。

  1. 相続等で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一定の人を除く)
  2. 相続等で財産を取得したときに障害者である人
  3. 相続等で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、なかったものとした場合の相続人)であること
  4. 2.控除額

    1. 一般障害者  10万円 ×(85歳-相続開始時の年齢)*
    2. 特別障害者  20万円 ×(85歳-相続開始時の年齢)*
    1. * 85歳に達するまでの年数で、1年未満の期間があるときは、1年切り上げて1年として計算
    2. * 過去に他者からの相続において、障害者控除の適用を受けている場合には、控除額が制限されます。

3.障害者の区分

  1. 一般障害者
    身体障害者手帳の等級:3級~6級
    精神障害者福祉健康手帳の等級:2級、3級
  2. 特別障害者
    身体障害者手帳の等級:1級、2級
    精神障害者福祉健康手帳の等級:1級

4.留意点

(1)障害者控除額が引ききれない場合
障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が

引ききれない場合には、その引ききれない部分の金額を

その障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

この場合の扶養義務者とは、配偶者、直系血族(父母や子、孫)及び兄弟姉妹などをいいます。

なお、この扶養義務者は「同居」や「生計一」である必要はありません。

扶養義務者が2人以上ある場合の、それぞれの控除額は扶養義務者間での

協議により自由に配分することができます。

(2)その他
障害者控除は、その障害者が何も財産を相続していない場合には

控除することができません。また、この場合には他の扶養義務者

である相続人からも控除することはできません。

 

2021.08.08

相続開始後に必要な手続き

[相談]

先日、主人が亡くなりました。葬儀は終えましたが

他にどのような手続きが必要になるのでしょうか。

私たちは年金生活をしており、子は2人いますが

独立しています。住まいは持ち家で、その他若干の預金があります。

[回答]

 一般的に以下のような手続きが必要になります。

① 住所地の市区町村役場での手続
死亡届の提出(死亡の事実を知った日から7日以内/戸籍法第86条1項)

健康保険被保険者証・障がい者手帳・印鑑登録手帳等の返納、葬祭費の請求

健康保険料や介護保険料等の精算を行います

(但し、その場で現金を収めたり、受け取ることはありません)。

② 年金事務所での手続
受給していた年金の種類によっても異なりますが

基本的にはご主人が受給していた年金を止める手続と

未支給の年金をもらう手続などを行います。

あなたが遺族年金をもらう手続きも行った方が良い場合があるため

併せて確認するとよいでしょう。

③ 公共料金の引き落とし口座の変更
ご主人の銀行口座は今後相続手続きを行って解約していく必要があるため

現在ご主人名義の銀行口座から公共料金(電話、水道、電気、ガスなど)

を引き落としている場合は、口座を変更する必要があります。

変更には数ヶ月かかる場合もありますが、その前に口座が凍結されてしまった場合は

ご自宅に払込用紙が届くと思いますので、そちらで支払いが可能です。

④ 生命保険会社への保険金請求
ご主人や受取人の方の戸籍・住民票などの原本の提出が

必要な場合があります。

請求する生命保険会社に確認の上、役所手続の際に戸籍を

必要通数分取得されることをお勧めします。

上記の他

⑤火災保険・地震保険の名義変更、⑥自動車の名義変更

⑦自動車保険の名義変更、⑧携帯電話の解約、⑨クレジットカードの解約

⑩土地建物の名義変更、⑪農地法・森林法の届出、⑫預貯金の解約又は名義変更

⑬準確定申告、⑭相続税申告 などが必要な場合もあります。

上記は一般的に必要な手続であり、ご家族の状況・財産の内容・遺言の有無などによって

必要な手続は異なります。「相続手続」というと

遺産分割などを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが

遺産分割を行う前の事務手続もさまざまです。

ご不安があれば、遠慮なくお問い合わせください

2021.07.30

満期を過ぎた外貨建て保険と相続

[相談]

外貨建て養老保険に加入していた夫が、今年1月に満期を迎えた保険金の

請求手続きを行うことなく、4月に亡くなりました。

保険証券を確認したところ、死亡保険金の受取人は配偶者である私と長男

5割ずつ指定されています。外貨で受け取ることができる旨の記載もあるので

私も長男も外貨受け取りを希望しています。

満期が過ぎている契約ですが、死亡保険金として請求をするのでしょうか。
 また、税金はかかりますか?
 なお、相続人は、私(配偶者)、長男、次男の3人です。

  【外貨建て養老保険の契約内容】

  1. 保険種類:米ドル建て養老保険
  2. 契約期間:10年
  3. 契約者(保険料負担者):夫
  4. 被保険者:夫
  5. 満期保険金受取人:夫
  6. 死亡保険金受取人:配偶者・長男 各5割
  7. 死亡、満期保険金:200,000米ドル
  8. 全期前納保険料:175,000米ドル

[回答]

ご相談の契約は、ご主人がお亡くなりになる前に満期が到来しているため

保険会社への請求手続きは死亡保険金ではなく、未請求であった満期保険金となります。

この満期保険金は、ご主人の所得として所得税の課税対象となる他、ご主人の相続財産に加算します。

また、所得税が課税されることにより納付すべき所得税が発生した場合は

相続税の計算上、ご主人の債務として遺産総額から控除できます。

なお、申告上、外貨建ての財産は円建てに換算する必要があります。

換算する際の為替レートは決められており

各々適用される為替レートは詳細解説にてご確認ください。

 

1.死後に行う満期保険金の請求手続き

保険金の請求手続きが被保険者の死亡後であっても

被保険者が死亡する前に満期を迎えていれば、死亡保険金としては扱われず

満期保険金としての請求手続きとなります。

この満期保険金の課税の取扱いは、以下のとおりです。

(1)所得税
ご相談の満期保険金は、満期が到来した年分のご主人の一時所得として

所得税の課税対象となります。実務上は、ご主人に代わり相続人が準確定申告を行い

納付すべき所得税が生じた場合には納付することとなります。

(2)相続税
相続税の計算上、ご相談の満期保険金は、相続人共有の財産(未収入金)として

相続財産に加算します。死亡保険金ではないため、保険金の非課税制度

(500万円×法定相続人の数)を適用することはできません。

また、(1)により所得税を納付することとなった場合には

その所得税は相続税の計算上、債務として遺産総額から控除できます。

 

2.外貨で受け取るときの為替レート

外貨建て保険を外貨で受け取る場合、税金を計算する上では

円換算する必要があります。この際に適用される為替レートは、次のとおりです。

【所得税の評価】

  1. 全期前納保険料:原則として払込日(保険会社受領日)のTTM(※)
  2. 満期保険金:原則として支払事由発生日(満期日)のTTM(※)

【相続税の評価】

  1. 未請求であった満期保険金相当額:原則として支払事由発生日(死亡日)のTTB(※)
  1. (※)TTS…対顧客直物電信売相場、TTB…対顧客直物電信買相場、TTM…TTSとTTMの仲値

請求すべき手続きの放置期間が長くなるほど

証拠書類が探し出せずに手続きが煩雑になりがちです。

他に手続きが放置されているものがないか、確認をしましょう。

 

 

 

2021.05.27

国税庁の全国の富裕層への対応と『出国税』

全国の国税局等には,いわゆる超富裕層を対象に特別な管理体制を敷く重点管理富裕層プロジェクトチーム(PT)

が置かれています。

さらに,東京,大阪,名古屋,関東信越国税局管内では,特定の税務署で「上位富裕層」

を対象に特別な管理体制が敷かれています。

上位富裕層への管理体制を整備しています

国税当局では昨今,富裕層PTを全国税局等に置くなど,調査必要度の高い富裕層への取組に力が

入れられています。富裕層PTでは,「重点管理富裕層」という富裕層の中でも特に高位にいる者を

管理対象としていますが,重点管理富裕層とまではいかないクラスの富裕層についても

富裕層PTと同様に特別な管理体制を敷くべきと考えられています。

そこで試行的に,富裕層PTの対象となる重点管理富裕層を除き

一定の基準で抽出した者を「上位富裕層」と位置付け,特定の税務署において上位富裕層に対する

「専担者(税務署の所得税等担当の特別国税調査官のうち国税局が指定した者)」が配置されています

上位富裕層は,“9つある抽出基準”のいずれかに該当する者から重点管理富裕層を除いた者をいいます

詳細は不明ですが,一定の保有見込資産額などがその基準として想定されています

専任担当者の役割

上位富裕層に対する専担者は,上位富裕層,その関係個人や関係法人(上位富裕層グループ)の抽出を担います

そして,上位富裕層グループに係る資料情報の集積と分析,調査企画及び情報提供

調査企画事案の調査実施担当部署への引継ぎを行っています

また,決定した上位富裕層グループに係る上位富裕層名簿を作成し,国税局に提出します

収集した資料情報などを基に課税上の問題点を分析検討し,区分をして

その区分に応じた対応を図ることになります。

集積すべき資料情報として例えば,所得税申告書等,国外送金等調書,国外財産調書

財産債務調書,自動的情報交換資料(CRS情報含む),国外証券移管等調書

資産の所有等に関する資料,その他部内資料,マスコミ情報,インターネット情報などが挙げられます

体制のイメージ

富裕層の分類と富裕層への対応のイメージ図は下記のとおりです

出国税

このような税務当局の動きに対応して

海外への移住を考える方もいらっしゃいますが

いわゆる『出国税』への対応も事前に検討する必要が

あります

出国税に関するFAQは国税庁の下記URLをご覧ください

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kokugai/pdf/02.pdf

 

2021.05.19

結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置について国税庁がFAQを改訂しました

制度の概要

この制度は、父母・祖父母等の直系尊属が結婚・子育て資金を信託等の方法によって

一括して拠出した場合に、子・孫等の受贈者ごとに1,000万円までの贈与について

贈与税が非課税となる制度です

令和3年度改正により改正が行われたうえで、適用期限が令和5年3月31日まで延長されました。

令和3年改正

令和3年の主な改正内容は以下の通りです

① 贈与者死亡時の孫等への贈与に係る管理残額の一定部分について相続税額の2割加算を適用

② 受贈者の年齢要件を「20歳以上50歳未満」から「18歳以上50歳未満」に改正

③ 非課税申告書等の電子提出が可能に改正

④ 結婚・子育て資金の範囲に一定の認可外保育施設へ支払う保育料を追加

2割加算の設例を追加しています

今回公表されたFAQによりますと、上記①の贈与者死亡時の管理残額

(死亡日における非課税拠出額から結婚・子育てに支出した額を控除した一定の残高)

について、拠出時期に応じた課税関係を比較した表や

拠出時期により相続税額の2割加算の対象とならない部分の金額の計算方法を示した設例が追加されました

 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201504/pdf/04.pdf

上記URLの設例4-4を参照してください

認可外保育施設への支払いについて

④の認可外保育施設への支払いについては、

内閣府HPで公開されているFAQに記載があります

https://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/qa.pdf

上記URLの設例4-9-2を参照してください

 

 

 

2021.02.21

生命保険金で贈与税が課税される場合があります(要注意)

贈与税の対象となる生命保険金があります

生命保険金を受け取った場合に

相続税が課税されますか?というお問い合わせはありますが

贈与税が課税されますか?というお問い合わせはほとんどありません

ということは、相続税の申告実務でもそういう保険契約は

見落としやすいということです

どんな場合に贈与税が・・・

例えば・・・

保険契約者⇒母親

被保険者⇒長男

保険金受取人⇒母親

という保険契約では、長男は保険料を一切負担していません

しかし、この保険契約を遺して母親が死亡した場合

長男は、生命保険金を受け取ることができます

この時受取った保険金は、贈与税の課税対象となります

税務署からの問い合わせ

このような保険金の支払いについては

保険会社から国税庁に、支払った事実について

書類で通知しています

そのため、『贈与税の申告をしてください』っていう

お知らせのお葉書がご自宅に届きます

そういう場合は、是非私の事務所に

お問い合わせください

 

 

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