医院名:近江清秀公認会計士税理士事務所 
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相続税、節税に役立つブログ

2019.01.20

【事業承継税制の特例措置~経営者から後継者(子)への贈与】

[相談]
私は創業40年の小さな会社を経営して
おります。そろそろ後継者(子)に事業を
承継したいと考えていたところ、

事業承継税制というものがあると知りました。
特に平成30年度税制改正で創設された

特例措置が気になっています。例えば
私が保有する会社の株式を子供達に贈与

する場合の当該特例措置の適用について
教えてください。

[回答]
平成30年度税制改正で創設された事業承継税制
の特例措置は、10年間の期間限定措置として

設けられた制度です。従来からの事業承継税制
よりも優遇されているため

事業承継対策の1つの手法として考慮すべきですが
将来のリスクも踏まえ慎重な検討が求められます。

[詳細解説]
平成30年度税制改正で新しく創設された
事業承継税制の特例措置について
贈与のケースを中心にご説明いたします。

1.概要
事業承継税制とは、中小企業の先代経営者等
から後継者へ株式を承継する際の相続税や

贈与税の負担を軽減させる制度です。
これまでの事業承継税制(以下、一般措置)

に加え、平成30年1月1日から平成39年(2027年)
12月31日までの10年間の措置として

納税猶予の対象となる非上場株式等の制限
(総株式数の最大3分の2まで)の撤廃や

納税猶予割合の引き上げ(80%から100%)
等がされた特例措置(以下、特例措置)が
創設されました。

2.贈与の場合の主な要件

贈与について特例措置の適用を受けるためには
一定の要件を満たす必要があります。

主な要件は、次の通りです。

○先代経営者である贈与者の主な要件

1.会社の代表権を有していたこと
 (贈与までに代表権を返上する必要がある)

2.贈与の直前において、贈与者及び同族関係者で
 総議決権数の50%超の議決権数を保有し、
 かつ、後継者を除いて最も多くの議決権数を保有していたこと

○後継者である受贈者の主な要件(贈与時)

1.会社の代表権を有していること
 (代表者はその者以外にいてもよい)

2.20歳以上であり、かつ、役員の就任から
 3年以上経過していること

3.後継者と同族関係者で総議決件数の50%超を有し
 かつ、同族内で筆頭株主となること

4.3名まで適用可能

○事業継続要件

1.5年間の事業継続(後継者が引き続き代表者となり
 納税猶予対象株式を継続保有すること)

2.5年間の雇用確保要件(雇用の8割以上を5年間維持
 できない場合でも、一定の書類を都道府県に提出すれば継続可)

○認定対象会社の要件

1.以下のような会社に該当しないこと
 上場会社
 中小企業に該当しない会社
 風俗営業会社
 資産保有型会社または資産運用型会社(一定の要件を満たすものを除く)
 直近の事業年度における総収入金額が1円未満の会社
 常時使用する従業員数が1人未満の会社 等

○担保要件

 納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に
 見合う担保を税務署に提出する必要あり

3.贈与税が免除されるケース

納税猶予されている贈与税が免除されるケースとしては
例えば次のようなものが考えられます。

1.先代経営者等(贈与者)が死亡した場合

2.後継者(受贈者)が死亡した場合

上記の通り、贈与について特例措置の適用を受ける場合には
様々な要件を満たす必要があります。

これまで業績が伸びて純資産が増加している会社は
株価が高くなることにより多額の税負担が生じ

事業承継が困難でしたが、特例措置の適用を受けることが
できる一定の要件を満たしている場合は

税金の負担を生じさせずに後継者へ事業を承継することができます。
なお、適用を受けるためには、上記の要件以外の細かな要件を

満たす必要や、一定の事務手続きが生じます。
また、将来におけるリスクも踏まえ慎重な検討が求められます。

2019.01.14

【平成31年の資産税関連税制改正】

平成31年度税制改正大綱に記載
されている資産税関連の内容を
簡単にまとめてみました。

今後の相続税対策に影響します
是非一度ご確認ください

[1] 個人版事業承継税制 

資産課税関係の改正の目玉となるのが
個人版事業承継税制です。

不動産貸付業等を除いて、個人事業主が多い
医師や税理士等の士業・農業など・幅広く

対象となり、事業用の土地や建物・機械等
の一定の減価償却資産に係る相続税及び

贈与税の納税を全額猶予できる制度が
創設されました。

この制度は、事業用の小規模宅地特例との
選択適用となります

また、猶予税額の全額の“免除”を受ける
ためには原則として、後継者が死亡する

まで事業を継続することなどが必要と
なります。

そのため承継後の事業継続の見通し等
も考慮する必要があります。

[2] 事業用小宅特例 

個人版事業承継税制と選択適用となる特定事業用
宅地等の小規模宅地特例については、

相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等が
除外されます。30年度改正で相続開始前3年以内の

貸付けを貸付事業用宅地の対象から除外しており
事業用宅地についても相続開始前の駆け込み的な

事業供用による適用を防ぐ見直しがされます。
ただ、当該宅地で事業供用されている減価償却資産

の価額がその宅地等の相続時の価額の15%以上
である場合は、相続開始前3年以内に事業の用に

供しても適用対象となります。また、本改正は
31年4月1日以後の相続等に適用されますが

同日前から事業の用に供されている宅地等には
適用されません。

[3] 配偶者居住権の評価額を建物
 ・敷地所有権の評価額から控除

民法改正に伴い2020年4月から施行される
配偶者居住権(配偶者が相続開始時に居住

していた被相続人の所有建物を対象に終身
又は一定期間配偶者にその使用収益を認める

権利)等の評価方法を定めます。
配偶者居住権が設定された建物やその敷地の

所有権の評価額については、その配偶者居住権
に係る部分を控除して算出することになります。

相続税法で配偶者居住権の評価方法を法定化し
財産評価基本通達で詳細な取扱いを示すことになります

[4] 相続時精算課税等の年齢要件が18歳になります

民法改正で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる
ため、税制上の年齢要件も20歳から18歳に引き下がります。

改正民法の施行に併せ34年(2022年)4月1日以後の相続等
贈与に適用されます。

⇒これに関連して年齢要件を現行の20歳から
 18歳に引き下げる制度をまとめました

①相続税の未成年者控除
②相続時精算課税制度
③直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例
④相続時精算課税適用者の特例
⑤非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度(特例制度も同様)

[5] 教育資金等の非課税贈与に1,000万円の所得制限

教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置
についてはそれぞれ,平成33年(2021年)3月31日まで
適用期限を2年延長する。

一方,受贈者の合計所得金額が1,000万円超の場合は
適用できないといった縮減措置がとられます。

2019.01.12

【相続税の脱税は、金額によっては懲役刑です!!!】

1月から相続税が改正され課税が強化されたことが改めて
マスコミ各社で報道されています。

また、相続税改正によって相続税のご相談も増えています
しかし、その相談の中には安易に『節税対策』という
脱税行為を考えている方もいらっしゃいます

一番多いのが、亡くなるまでに預貯金を子・孫の口座に
振替えておく、あるいは現金で引き出しして隠しておく
という安易な行動です

ほとんどの方が、相続税の申告に当たって過去の預金口座の
資金移動もチェックすることをご存じありません。

単純に亡くなった日の預金残高だけを申告すれば
それで足りるとお考えのようです。

上記のような脱税まがいの節税対策も、やりすぎると
懲役刑になりますので、認識を改めていただく必要があります
下記は、最近の中日新聞からの抜粋です。

(中日新聞の記事より)
愛知県武豊町ですし店を営んでいた父親の遺産を隠して
相続税9500万円を免れたとして、相続税法違反の罪に
問われた長女と長男の両被告に対し、

名古屋地裁は7日、それぞれ懲役1年6月、執行猶予3年、
罰金1500万円(求刑懲役1年6月、罰金1500万円)
の判決を言い渡した。

裁判官は判決理由で「父親の死亡直前に貯金を解約し、
多額の現金を隠した。税理士にも虚偽の説明をするなど、
強固な犯意に基づく悪質な犯行」と指摘。

一方で「修正申告し、反省の態度を示している」とも述べた。
判決によると、2人は父親が2010年8月に死亡した後、
相続した遺産の一部をすし店を兼ねた住宅に隠すなどし、
2億8300万円を除外して税務申告した。
(以上、中日新聞記事より抜粋)

相続税の節税対策は、相続税の申告実務に
精通した相続税専門の税理士に、早い時期からご相談ください
資産内容・家族構成など、ご要望に応じた節税プランを
ご提案させていただきます

2019.01.05

【遡って受給した公的年金の所得の帰属年度】

【遡って受給した公的年金の所得の帰属年度】

[相談]
 私は、ある会社の役員をしております
(60歳のときに役員に就任しました)。

役員就任以降、毎月50万円の役員給与を受給し
厚生年金に加入していたことから公的年金は

一切受給できない(在職老齢年金)ものと思い
これまで公的年金を受給するための手続き
(裁定請求)をしていませんでした。

ところが、70歳になる今年
役員を退任することとなったため

管轄の年金事務所に裁定請求をしたところ
「老齢基礎年金(国民年金)」は役員給与

を受給していても支給停止されないので
65歳になってからの過去5年分の老齢基礎
年金を支給する、との説明を受けました。

この場合、私は一度に5年分の老齢基礎
年金を受給することになりますが

この5年分の年金収入は
受給した年の所得となるのでしょうか。

[回答]
ご相談の場合、一度に支給された老齢基礎年金は
それぞれ本来の支給期日の属する年分の収入金額

となるため、過去それぞれの年分の課税所得が
再計算されることになります。

[解説]
1.在職老齢年金とは
 我が国の公的年金制度は、基本的には、国内に
住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する

「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務してい
る人が加入する「厚生年金」の2階建ての構造になっています。

一定の年齢に達したことを支給自由とする公的年金
(老齢基礎年金、老齢厚生年金)の受給開始年齢は

原則的には65歳からですが、今回のご相談の場合のように
公的年金を受給できる70歳未満の人が会社に勤務し

厚生年金保険に加入している場合など一定の場合には
「老齢厚生年金の額+給与やボーナスの額」に応じて

老齢厚生年金の一部または全額が支給停止となることがあります。
この年金の仕組みのことを、「在職老齢年金」といいます。

ただし、この在職老齢年金によって支給停止となるのは
「厚生年金(2階)」部分だけで、「国民年金(1階)」
部分はその対象とはされていません。

このため、給与を受給すると公的年金すべてが
支給停止になると勘違いをしてしまっていた場合

後になって、過年度において受給できた年金
(国民年金)をまとめて支給されることがあるのです。

2.公的年金収入による所得の帰属する年度
 公的年金給付の受給権は、法律の定める受給要件
(年齢など)を満たした時点で年金を受給する

基本的な権利(権利)が発生し、その後
法律に定める各支給期日が到来することによって

実際に年金を受け取る権利(支分権)が発生します。
公的年金の受給権者は、裁定請求をすればいつでも

年金の支給を受けることができることから
税務上は、その支給期日が到来した時点の所得

として計上することを原則としています。
また、裁定請求の遅延によって過去にさかのぼって

支払われる公的年金については、法律で定められた
公的年金の各支給日の所得として計上することと

されています。
したがって、今回のご相談の場合のように

過年度に受給すべきであった公的年金を一時に
受給した場合には、それぞれ本来の支給期日の属

する年分の収入金額とされ
それぞれの年分の課税所得を再計算することになります。

2019.01.03

相続税額から障害者控除額が引ききれないとき

[相談]

 先日、私の父が他界しました。
 相続人は父の子である私と弟(30歳)の2人ですが
弟は身体障害者手帳(1級)の交付を受けています。

 この場合、弟は相続税額の計算にあたって、
何らかの控除を受けられるのでしょうか。
なお、父も弟も国外に居住していたことはありません。

[回答]

 ご相談の場合、弟が相続により財産を取得していれば
障害者控除として相続税額から一定額を控除すること
が可能です。

[解説]

1.相続税法上の障害者控除とは

 相続又は遺贈により財産を取得した人が、被相続人
(亡くなった人)の法定相続人に該当し、かつ、障害者
である場合には、その障害者である法定相続人については

相続税法の規定により算出した相続税額から、10万円(※)
にその人が85歳に達するまでの年数を乗じて算出した金額
を控除することができます。

※その人が特別障害者(精神障害者保健福祉手帳に記載
されている障害等級が1級の人や、身体障害者手帳に記載
されている障害等級が1級・2級の人など)である場合には
20万円となります。

このため、ご相談の場合、ご相談者の弟は被相続人の
法定相続人に該当しますので、今回の相続で財産を取得
していれば、相続税法上の障害者控除の規定の適用を
受けることができます。

今回の場合の障害者控除額は
20万円×(85歳-30歳)=1,100万円となります。

2.障害者控除額が本人の税額から引ききれない場合

上記1.の障害者控除を受けることができる金額が
障害者控除の適用を受ける人について算出した相続税額
を超える場合

(障害者控除額が相続税額よりも多い場合)には
障害者控除額のうち相続税額から引ききれなかった金額は
障害者控除の適用を受ける人の扶養義務者(※)
の相続税額から控除することができます。

※扶養義務者とは、配偶者及び民法877条に規定する親族
(直系血族・兄弟姉妹・生計を一にする三親等内の親族)
をいいます。

このため、ご相談の場合において、弟の相続税額から
引ききれなかった障害者控除額がある場合には
扶養義務者であるご相談者(兄)の相続税額から
その引ききれなかった障害者控除額を差し引くことができます。

なお、今回の相続以前の相続において、障害者控除の適用
を受けたことがある場合には、障害者控除額が制限される
ことがありますので

今回の相続で実際に障害者控除の規定の適用を受けること
ができるのかどうかについては
税理士にご確認いただくことをおすすめいたします。

2018.07.30

【平成30年度 税制改正に対応した通達が公表されました】

国税庁から平成30年度税制改正に対応した通達が
公表されました。今年の税制改正は企業オーナーに関連する

相続税関係の改正が多かったため今回の通達の公表が
待たれていました。その中から企業オーナーに関連する
相続税関連の通達の一部をご紹介します

≪事業承継税制の特例措置関係≫
30年度税制改正で事業承継税制に特例措置が設けられました
最大3人の後継者への贈与に対象を広げる等の手当がされた

特例措置について、特例贈与者(適用対象となる贈与者)
の範囲から「既に…適用に係る贈与をしているもの」
は除かれます。

特例経営承継受贈者(適用対象となる受贈者)が複数いる
場合に同一年中に行う贈与については

「既に…適用に係る贈与をしているもの」に含まれない
ものとして、いずれも特例措置の対象になる旨が示されました

≪相続時精算課税適用者の特例関係≫
相続時精算課税制度の適用対象者は、20歳以上の
「推定相続人」とされています。

ただし、平成30年度改正による事業承継税制の特例措置の
適用を促すため、この特例措置の適用を受ける場合は

「推定相続人以外の者」も相続時精算課税を適用
(特例措置と併用)できることとされました。

この点、特例措置に係る特例贈与者から非上場株式等の
贈与を受ける前に、当該特例贈与者から既に他の財産の

贈与を受けたため相続時精算課税が適用されない
贈与がある場合、その贈与で取得した財産に係る

贈与税額は暦年課税(基礎控除110万円)で計算する
こととしました。

≪一般社団法人等への相続税の課税関係≫
平成30年度改正で、特定一般社団法人等の理事が死亡した
場合には、特定一般社団法人等の「純資産額」を

その同族理事の数に1を加えた数で除した金額を
遺贈で取得したものとみなし

その特定一般社団法人等に相続税を課税することとされました。

「純資産額」について被相続人の相続開始時に
特定一般社団法人が有する財産及び債務に基づき
算定するなどとしました

平成30年税制改正で『事業承継税制』は大きく改正され
従来よりも適用できる幅が広がりました。

株式が分散している
株価が高い
安定株主対策と事業承継を同時に実現したい
など、企業オーナー様の悩みを解決しやすい改正です

事業承継でお悩みの企業オーナー様は
是非一度お問い合わせください

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2018.07.16

【小宅特例 3月までの駆込需要もアパートの建築中等では適用不可】

 

平成30年度改正で小規模宅地特例の貸付事業用宅地等において
相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は対象外
とされました

30年4月1日以後の相続等から適用されますが、経過措置として
30年3月31日までに貸し付けた宅地等については、
その3年以内に相続があっても適用対象となります

このため、昨年末の30年度税制改正大綱が公表されてから
3月31日にかけて賃貸アパート等の駆込需要が見込まれていましたが

同日までに賃貸アパート等を取得するだけでは足りず
実際に貸付事業の用に供されたといえる状態でないと
経過措置の適用は認められません。

30年4月1日以後の相続等から「相続開始前3年以内」に
「新たに貸付事業の用に供された宅地等」は貸付事業用宅地等
の対象から除外されます。

ただし、30年4月1日から33年3月31日までに生じた相続等については
経過措置によって上記の「相続開始前3年以内」を「30年4月1日以後」

と読み替えることで、30年4月1日より前に貸付事業の用に供された
宅地等は相続開始前3年以内の貸付けであっても
従来どおり貸付事業用宅地等として特例の対象となります

30年4月1日より前に貸付事業の用に供された宅地等は
経過措置の対象となりますが、あくまでも貸付事業の用に
“供された”宅地等であることがポイントです。

賃貸アパート等の建築等をしている段階で、貸付事業を行う意思が
あると言えますが、その敷地が貸付事業の用に供されたというためには
その賃貸アパート等を他者に貸し付けている状態であることが
原則となります。

アパート等の貸付事業を行う際に不動産管理会社等と結ぶ
サブリース契約については、オーナーが不動産管理会社等に建物を貸し付け

その不動産管理会社等が各入居者に貸し付ける、要は建物の“又貸し”
といった形と考えられる。

そのため、オーナーが不動産管理会社等に建物を貸し付けていれば
その敷地はオーナーである被相続人の貸付事業の用に供されたといえます。

ただ、この場合も建物が建築中だとその敷地が貸付事業の用に
供されたとは言えません

経過措置を適用するに当たり、30年3月31日までに貸付事業の用に供されていた
ことを証する書類の提出義務はありません。ただし、制度変更の過渡期であり

同日までに貸付けが行われたのか税務調査で指摘されることも考えられます
その場合、所得税の確定申告に係る不動産所得用の「収支内訳書」や
不動産の賃貸借契約書などによって事業実態を確認できます。

上記のとおり今回の改正で、相続開始前3年以内の貸付け
(30年4月1日から33年3月31日までの相続等の場合は,30年4月1日以後の貸付け)
は貸付事業用宅地等の対象から除外されました。

ただ、相続開始まで3年を超えて事業的規模で貸付けを行っている者が行う
貸付けについては、相続開始前3年又は30年4月1日以後の貸付けでも対象となります。

例えば、Aアパートを平成25年から事業的規模で貸し付けており
30年1月にBアパートを貸し付け30年12月にCアパートをそれぞれ貸付事業の用に供した。

そして31年2月に相続が生じたとする。30年4月1日から33年3月31日までに相続が生じているため
30年4月1日以後の貸付けであるCアパートの敷地は対象外となると考えられます。

しかし、相続開始まで3年を超えて事業的規模で貸付けを行っている者の貸付けであるため
Aアパートはもちろん、BアパートだけでなくCアパートの敷地を含め全て特例の適用対象となります

なお、相続開始まで3年を超えて事業的規模で貸付けを行う者の相続開始前3年以内の
貸付けに特例の適用をする場合

3年を超えて事業的規模であったことを明らかにする書類
(例えば,相続までの4年分の不動産所得用の収支内訳書など)を
相続税の申告の際に提出する必要があります( 措規23の2 ⑧五ロ)。

2018.06.30

別居中の配偶者への贈与に係る配偶者控除の特例の適用

[相談]

 

婚姻期間45年ですが、諸事情により別居(約30年)をしております。

夫・妻がそれぞれ生活をしている不動産は、いずれも夫名義ですが

 

この度、妻が居住している夫名義の不動産について、夫から妻に贈与をしたいと考えております。

夫婦が別居中であっても、贈与税の配偶者控除の適用を受けることは可能でしょうか。

 

贈与税の配偶者控除について、以下の適用要件は全て満たしております。

①婚姻期間が20年以上であること。
②贈与される不動産が、居住用不動産であり国内にあるものであること。
③贈与を受けた居住用不動産に居住しており、贈与後も引き続き居住すること。

 

[回答]

 

相続税法第21条の6の贈与税の配偶者控除を適用するにあたり

夫婦同居の有無や、贈与者による贈与対象不動産の居住の有無は

要件に含まれていません。

 

したがって

ご質問の前提条件であれば、贈与税の配偶者控除の適用は可能であると考えます。

 

関係法令通達等
 相続税法第21条の6

2018.02.11

【借地権の転貸に対する借地権の認定課税】

[相談]

母親が地主(他人)から土地を借り受け、そこに母親所有の建物が立っています。
この建物を同族会社である法人に贈与しました。

母親の借地人の地位に変更はありません。
この場合、法人が母親から建物の贈与を受けた時に権利金の
支払いがなかったとしても、「土地の無償返還に関する届出書」

を提出していれば、法人に権利金の課税は認定されませんか。

[回答]

個人(母)から法人への贈与した場合、借地権は建物に付随して法人に
移っていると考えられるため、個人(母)には譲渡の課税、

法人には借地権の認定課税等がされるものと考えます。
個人間であれば「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」

により課税をさけることが可能であると考えられますが
取引の一方が法人である場合には適用されないと考えます。

なお、法人が個人から敷地を利用する時に提出する
「土地の無償返還に関する届出書」の記載要領等に

2.この届出書は、土地所有者(借地権の転貸の場合における借地権者を含みます。…)
 
と記載されていますが、一般的に、建物を所有するためには
その敷地利用権(借地権)が不可欠とされるため、建物を贈与した場合

その時に権利金の支払いがなかった場合には
通常は借地権の認定課税の問題が生じると考えます。

しかし、地主の了解を得て、借地権に転借権を設定し建物を
移転する方法をとった場合には無償返還の届出を提出して

認定課税をさけることが可能であると考えます。
したがって、届出を提出するのみでは足りず

転借権の設定等が必要になると考えます。

2018.02.04

【生命保険の権利評価額の申告漏れを税務署が把握しやすくなります】

平成30年1月1日から保険契約の変更に関する情報が
税務署に把握されるようになります。

平成27年度改正で行われた保険に関する調書の見直しによるもので
保険会社は、保険契約者の死亡により契約者の変更が行われた場合や

保険契約の一時金の支払いが行われた際に、契約変更等の
情報を記載した調書を作成し税務署に提出することになります。

これらの調書の提出により、税務署側は契約者変更等の
事実を的確に把握し申告漏れの問題に対応することになります。

国税庁が公表した「平成28事務年度における相続税の調査の状況」
によると、生命保険関係の申告漏れが相変わらず散見されるようです。

そのなかには、保険契約者の変更に伴い相続税又は贈与税の納税義務が
生じるにもかかわらず申告から漏れていたケースも多いようです。

保険料の調書の見直しは、30年1月1日以後に変更の効力が
生じるものから対象となります。

新たに創設された「保険契約者等の異動に関する調書」は
契約者の死亡により契約者の変更の手続きが行われた場合に

その変更の効力が生じた日の属する年の翌年1月31日までに
保険会社等が税務署へ提出するものです
(解約返戻金相当額が100万円以下である生命保険契約及び損害保険契約等を除きます)

同調書は、新保険契約者等・死亡した保険契約者等・被保険者等の住所や氏名のほか
解約返戻金相当額や死亡した保険契約者等の払込保険料等の金額などを記載します

他方で保険金等の支払いが行われた際に保険会社が作成する
「生命保険契約等の一時金の支払調書」は、改正により
直前の保険契約者等・その契約に係る現契約者が払い込んだ保険料の額
契約者変更の回数を記載する欄が追加されています

生命保険契約の権利の評価額は
相続税の申告漏れが多かったようです

平成30年1月以降は、今まで以上に
要注意です

2018.01.28

【民法改正で配偶者優遇か?!】

配偶者居住権等を創設へ

法制審議会民法(相続関係)部会は平成28年6月に
「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」
をとりまとめました

その後,民法(相続関係)等の改正に関する要綱案の
たたき台が検討されてきました。

今回、要綱案がとりまとめらましたが 
たたき台から内容を修正した項目もあります

例えば要綱案のたたき台では“配偶者居住権”について
建物所有者の承諾があればその譲渡を認めていましたが
要綱案では配偶者居住権の譲渡を禁止しています。

以下で、民法改正の要綱案の一部を抜粋して
ご紹介します

配偶者の居住権を保護するための方策

〇配偶者の居住権を長期的に保護するための方策
(配偶者居住権の創設)

配偶者は、被相続人の財産に属した建物に
相続開始時に居住していた場合において

配偶者居住権が遺贈の目的とされたときなどは
その居住していた建物の全部を無償で使用収益
する権利(配偶者居住権)を取得する。

遺産分割に関する見直し等

〇配偶者保護のための方策
(持戻し免除の意思表示の推定規定)

婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が
他の一方に対してその居住の用に供する建物又は敷地を

遺贈又は贈与したときは、民法第903条第3項の持戻し
免除の意思表示があったものと推定し

遺産分割において原則として当該居住用不動産の価額
を特別受益として扱わずに計算できるものとする。

〇家庭裁判所の判断を経ないで預貯金の払戻しを認める方策

共同相続された預貯金債権の権利行使について
各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち

相続開始時の債権額の3分の1に共同相続人の
法定相続分を乗じた額

(預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする)
については単独でその権利を行使できる。

その権利行使した預貯金債権は、共同相続人が
遺産の一部分割により取得したものとみなす。

遺留分制度に関する見直し

〇遺留分減殺請求権の効力及び法的性質の見直し
遺留分権利者及びその承継人は受遺者又は受贈者に対し
遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

〇遺留分の算定方法の見直し
相続人に対する贈与は相続開始前の10年間にされたものに限り
その価額を,遺留分を算定するための財産の価額に算入する。

2018.01.21

【死亡保険金で代償分割金を支払った場合の相続税の取扱あつかい】

[相談]

父が亡くなりました。遺産は、父名義の不動産(1億5000万円)
その他の財産(2億円)、相続人である三男が保険金受取人と
なっている生命保険(1億円)です。

相続人は長男(=今回の相談者)、次男、三男の3人です。
相続人3人で分割協議したところ、
次のようにまとまりそうです。

①父名義の不動産は三男が全て相続する。
②その他の財産は長男と次男が1億円ずつ相続する。
③三男が受け取った生命保険金を代償分割として
 長男と次男へ5000万円ずつ分ける。

この場合、長男と次男が受け取った5000万円は
生命保険金を受け取ったものとして相続税を
計算するのでしょうか?

[回答]

長男と次男は生命保険ではなく代償債権を相続により取得したため
みなし相続財産ではなく本来の財産として相続税が課税されます。

[詳細解説]

相続に際して予め指定された保険金受取人が
被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金
を受け取った場合、

みなし相続財産として相続税の対象となります。
ただし非課税枠(500万円×法定相続人数)があります。

つまり、生命保険金請求権は、予め指定された保険金受取人の
固有の財産であり、例外を除き遺産分割の対象となりません。
 
したがって、三男が代償金を払うために使用することも
自由です。

ここにいう、保険金受取人とは、保険契約に係る保険約款等
の規定に基づいて保険金を受け取る権利を有する人をいいます

ただし、このような保険金受取人以外の人が現実に保険金を
取得している場合において、保険金受取人の変更手続きが

なされていなかったことについてやむを得ない事情がある
と認められる場合等、現実に保険金を取得したものが

その保険金を取得することについて相当な理由があると
認められるときは、その現実に保険金を取得した人が
保険金受取人であるとされます

今回の場合、三男以外の相続人2人が生命保険金を
受け取ることについて相当の理由があるとは認められず

あくまでも保険金受取人は三男ということになります。
したがって、三男が受け取った生命保険金の中から

相続人2人に各々5000万円を代償財産として交付したことになり
長男と次男は代償債権の5000万円を相続により取得したもの

として相続税が課税されます。

2018.01.06

【相次相続控除適用時の留意点】

[相談]

母がこの度亡くなりました。3年前に父が亡くなった際に
母は相続放棄の手続きをしましたが、父を被保険者とする
生命保険金は受取っています

この場合の相次相続控除適用時の留意点について
ご教示ください

[回答]

相次相続控除とは、祖父から父への“一次相続”から10年以内に
父から子への“二次相続”が生じた場合、父に課された一次相続
に係る相続税の一定額を子の相続税から控除できる制度を言います。

二次相続で子本人が相続放棄した場合はもちろん、
一次相続において父が相続放棄していた際も
その子は本制度を適用できないことになります。

この制度は「二次相続に係る被相続人が当該相続開始前10年以内に
“相続”で財産を取得している場合」等の要件を満たせば適用できます。

ここで言う“相続”には,「被相続人からの相続人に対する遺贈」
も含まれます。

しかし見落としがちなのが“相続人に対する”遺贈という点です。

例えば、父と母、子1人で,父が亡くなった一次相続において
母が相続放棄し子が父の財産を相続で取得して10年以内に今度は
母が亡くなり二次相続が生じた場合。

一次相続で母は相続放棄していますが、父が契約者の生命保険金
の受取人は母になっていたものとします。

相続放棄をした者は“相続人”には当たらないため
父の死亡に伴う生命保険金は父から母への遺贈により取得した
ものとみなされます。

しかし、“相続人に対する”遺贈ではないため一次相続に係る
生命保険金の受取りは「被相続人(一次相続の父)からの相続人
(一次相続の母)に対する遺贈」には該当しないことになります。

従いまして、本制度の適用要件である「二次相続に係る被相続人
(母)が当該相続開始前10年以内に“相続”で財産を取得している場合」
には該当せず,母から子への二次相続に本制度を適用できません。

なお、「相続放棄をした者」とは家庭裁判所への申述により相続の放棄
をした者のことを言います。

事実上相続で財産を取得しなかっただけの者は、“相続人”に含まれるため
本ケースで母が相続放棄をせず、単に父の財産を相続しなかっただけ
という場合は二次相続で子は本制度を適用できます。

2018.01.01

【贈与なのに譲渡所得税が発生?】

[相談]

私はマンション1室を所有しています
(購入したのは10年ほど前です)。
そのマンションを子に贈与することで私の相続財産を減少させ、
子の相続税負担を軽減したいと考えています。

その贈与について贈与者である私に関して
税務上留意すべき点はあるでしょうか?

なお、贈与しようとしている土地に関する特記事項は
下記の通りです。

・マンションの購入時の価格は3,000万円
現在の帳簿価額(未償却残高)は2,200万円です。
・マンション購入についてのローンの残債は2,400万円で
全額を子に引き継がせるつもりです。

[回答]

ご相談の贈与は「負担付贈与」に該当します。
この場合、ローン残債相当額の2,400万円で
マンションをお子様に売却したことになります。

このためご相談の内容でお子様への贈与を実行されますと
ローン残債相当額2,400万円から帳簿価額2,200万円を控除した
残額の200万円に対して、

譲渡に対する所得税・復興特別所得税・住民税
が課されることとなります。

このように、資産を「贈与」する場合であっても
「所得税」などが課税されることがあります。

思わぬ税負担が発生しないようにするためにも、
資産の贈与を検討される場合には、
事前に顧問税理士にご相談ください。

2017.12.23

【小規模宅地の特例の改正の続き・・・】

先週のブログで小規模宅地の特例の改正について
ご案内しました。しかし、改正内容について若干解説が
不足していたようなので今週はその説明を追加します

先週ご紹介した小規模宅地の特例の改正は
いわゆる『家なき子』の場合の特例適用要件の改正でした

『家なき子』とは、
自己あるいは配偶者名義の居住用不動産を直近3年以内は
所有していない相続人を言います。

実はこの『家なき子』の特例を悪用する事例が多かったようです
例えば

一人暮らしの父と持ち家がある子のケースで、子は特例を適用するために
兄弟に持ち家を売却したが、子自身はその家に賃貸として住み続けた。
4年後に父が他界し、“家なき子”の条件を満たす子は
軽い税負担で父の家を相続する、というケースです

このように、相続人が持ち家を売却すること等によって
特例が適用可能な状態を意図的に作り出す例があったようです。

こうした動きは制度の本来の趣旨に沿わないとして、
平成30年度税制改正大綱には、

1.相続開始時に居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者
2.相続開始前3年以内に3親等内の親族等が所有する国内にある家屋に居住
  したことがある者は,

特例の適用を認めないとの見直しが盛り込まれました。

以上の改正は、平成30年4月1日以後の相続又は遺贈に適用します。
ただし、貸付事業用宅地等の見直しについては,
同日前から貸付事業の用に供されている宅地等には適用しません。

2017.12.17

【小規模宅地の特例の範囲が縮小されます】

平成30年度税制改正大綱が自民党HPで公表されました

https://www.jimin.jp/news/policy/136400.html

そのなかから相続税に関連する内容を紹介します

 

『小規模宅地特例』について,貸付事業用宅地等の範囲から,
相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等
(相続開始前3年を超えて事業的規模で行う貸付けを除く)
を除外します。

 

また,持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の
対象者の範囲から,下記イ・ロに掲げる者を除外します。

イ 相続開始前3年以内に,その者の3親等内の親族又は
 その者と特別の関係のある法人が所有する国内にある
 家屋に居住したことがある者

ロ 相続開始時において居住の用に供していた家屋を
 過去に所有していたことがある者

 

以上の改正は、平成30年4月1日以後の相続又は遺贈に適用します。
ただし、貸付事業用宅地等の見直しについては,
同日前から貸付事業の用に供されている宅地等には適用しません。

2017.12.10

地積規模の大きな宅地の評価にあたっての留意点

広大地の評価は平成29年で廃止され平成30年1月からは

『地積規模の大きな宅地の評価』の適用が始まります

 

広大地の評価では、マンションが既に建っている土地には

適用されませんでしたが、地積規模の大きな宅地の評価は

一定の要件を満たせば適用することができますので留意が

必要です

 

地積規模の大きな宅地の評価では、その敷地の上にどんな

建物が建っていても適用の可否に影響しません。

地積要件・地区要件・容積率要件について一定の要件を

満たすかどうかで適用の可否を判断することになります。

 

例えば、マンションやオフィスビルの1室を区分所有する場合

その敷地が地積要件等の一定の要件を満たせば、そのマンションや

オフィスビルの敷地に関して地積規模の大きな宅地の評価を

適用することができることになります。

 

したがって具体的な適用に当たっては

地積要件・地区要件・容積率要件等の一定の要件に該当するかどうか

を慎重に検討する必要があるようです。

 

地積規模の大きな宅地の評価に当たっては

相続税を専門にしている税理士に相談することを

お勧めします

2016.07.18

【空き家対策税制と小規模宅地の特例の併用で節税できます】

平成28年度の税制改正で創設されたいわゆる空き家対策税制は
適用要件がまだ周知されていないために、間違って不動産の売却を
決定している事例が多く発生しているようです

空き家対策税制を適用する初めての確定申告が29年1月から
始まりますが、確定申告で所得税額を計算して初めて
間違いに気づく事例も多いと思います

そこで今回は、空き家対策税制を適用して最大限節税できる
方法を確認しておきたいと思います。

まず最初に確認すべき点は、
『空き家に係る譲渡所得の3000万円控除の特例』の趣旨ですが
昭和56年3月31日以前に建てられた住宅を中古住宅市場で
流通させないという趣旨です

昭和56年3月31日以前に建てられた住宅というのは
旧耐震基準で建てられた住宅ということです

旧耐震基準で建てられた住宅を中古市場で流通させないために
この特例では、相続で取得した住宅を売却するにあたって

①耐震改修して売却するか
②解体し更地にして売却する

場合に限り、譲渡所得から3000万円を控除できるという
特例を適用できます

そのため、相続により旧耐震基準で建てられた住宅を
取得した場合には、①②に要する費用と特例を適用しない場合の
税額とを比較したうえで、特例を適用するかどうかを
売却前に判断する必要があります

実際にはこの3000万円特例が適用できるからという
だけで解体して更地にしてから売却している事例が多いようです

しかし、それらの事例には特例を適用しない場合の
所得税額の方が、①②に要した費用よりも金額が少ない
場合が散見されます。

くれぐれも、売却前に①②の費用と特例を適用する前の
所得税額の比較検討を行ってください

更に、この空き家対策税制と小規模宅地の特例は
併用して適用できます。

そのため、遺産分割に当たっては小規模宅地の特例の適用
要件をみたす相続人が、空き家対策税制の要件を満たす
住宅を取得すると、ダブルで節税できます。

これらの税務上の判断は、相続税と不動産の譲渡所得税に
詳しい税理士に是非事前に相談することをおすすめします。

2016.01.09

老朽化した工場を移転する場合の立退料と借地権の問題

<質問>

今回移転予定の老朽化した工場は、当社の会長所有の土地に建っています。

契約当初は会長に対して相当の地代を支払っていましたが、

10年以上は地代の改訂を行っていません。

工場周辺の土地の時価はこの10年で倍以上に上昇しています。

現在の会長所有の当該土地の路線価評価額は2億円で借地権割合は60%です。

なお会長と当社の土地賃貸借契約の締結に当たって無償返還の取り決めが

明記されていましたが、所轄税務署に対して届出は行っていませんでした。

今回の工場移転に伴って、立退き料の必要はないと考えていますが

いかがでしょうか。

また、相当地代よりも低い地代を支払っていることについて、

借地人である当社及び地主である会長に課税上問題はありますか。

さらに前期より会長の健康状態が悪化していて工場移転までに

相続が開始する可能性も考えられます。

その場合、当社の決算書に借地権を計上する必要はあるでしょうかご教示ください。

<回答>

借地権の設定時にその対価として通常権利金その他の一時金を支払う取引上の

慣行のある地域において、当該権利金の支払に代え、当該土地の自用地として

の評価額に対しておおむね年6%程度の地代[1]を支払っている場合は、

当該借地権の設定による利益はないものとして取り扱います。

しかし、会長との不動産賃貸借契約後に土地の時価が倍以上に上昇している

にもかかわらず地代の改訂を行っていないのであれば、

自然発生借地権が借地人に帰属することになります。

このような状況で借地の返還に当たって借地権の価額に相当する立退料を

授受する取引上の慣行があるにもかかわらず、その額の全部又は一部に

相当する金額を収受しなかった場合には、原則として通常収受すべき借地権の

対価の額又は立退料等の額と実際に収受した借地権の対価の額又は

立退料等の額との差額に相当する金額について課税の問題が発生します。[2]

つまり地主は本来立退料を支払うべきですが、支払わずに済んだ場合は

その経済的利益を借地人である会社から無償で受けたことになります。

今回のような同族会社とその会長という特別な関係の場合には会長に

対して認定賞与の問題が発生します。

さらに借地人である法人には役人賞与の損金不算入の課税関係[3]

が発生することになります。

そもそも借地権を無償で返還するのは、一般的な取引とは言えないため、

支払うべき立退料があったものとして上記のような課税関係が

発生することになります。

しかし立退料の授受がない場合でも以下のような合理的な理由がある場合には、

上記のような課税関係が発生しないとされています[4]。

①借地権の設定等に係る契約書において将来借地を無償で返還することが

定められていること又はその土地の使用が使用貸借契約によるものであること[5]。

②土地の使用の目的が、単に物品置場、駐車場等として土地を更地のまま使用し、

又は仮営業所、仮店舗等の簡易な建物の敷地として使用するものであること。

③借地上の建物が著しく老朽化したことその他これに類する事由により、

借地権が消滅し、又はこれを存続させることが困難であると認められる事情が生じたこと。

上記の合理的理由を今回の事例に当てはめると、借地権の設定時に借地を無償で

返還する旨を不動産賃貸借契約書に明記していますが、所轄税務署に届出を行っていないため、

①は該当しないと考えます。今回の事例のように老朽化した工場を移転する場合

③の理由が該当すると考えられます。

建物の朽廃により借地権が消滅することを認めた国税不服審判所の裁決事例[6]もあります。

以上より、今回の事例では相当の地代の改訂を行っていなかったために、

自然発生借地権が借地人に帰属するため立退料の授受が本来は必要ですが、

老朽化した工場の移転という合理的な理由のために、

立退料の授受がなくても課税上も問題は発生しないと考えます。

次に地代の改訂を行っていないことについて借地人である法人と地主である会長に

関する課税上の問題ですが、何ら問題ないと考えます。

借地人である法人については、相当の地代を下回る地代を支払うことによる

経済的利益については、既に毎期の決算で法人税が課税されているので問題ありません。

一方で、地主である会長は、相当の地代と実際の地代との差額を不動産所得に

加算すべきとも考えられますが、個人については使用貸借も認められるので、

課税上問題ありません。

さらに、このような状態で会長の相続が開始した場合、

借地権が設定されている土地について、支払っている地代の額が相当の地代の額に

満たない場合の当該土地に係る借地権の価額は個別通達[7]に定める方法に

従って計算した借地権の価額を控除した評価額とします。

一方で、借地人の借地権の評価は地主の底地の評価額と表裏の関係ですが、

借地人である法人の決算書に借地権を計上する必要はありません。

相続開始時に地主名義の土地を評価するにあたって、借地権相当額を控除するのは

相続税の評価上の問題です。借地人である法人は、地主である会長の相続開始が

あったとしても、借地権という資産を計上する根拠にならないからです。

仮に相続開始の事業年度で借地権を資産計上した場合でも、

借地権相当額の評価益は益金不算入の処理をします。

[1]「以下(相当の地代)」個別通達『相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて』1
[2]基本通達13-1-14前段
[3]会長と同族会社という特別な関係でない場合には、地主に対しては一時所得課税、借地人である法人には寄付金課税の問題が発生します。
[4]基本通達13-1-14後段
[5]いずれも基本通達13-1-7に定めるところによりその旨が所轄税務署長に届け出られている場合に限ります
[6]裁決年月日昭和48年 8月8日『借地権の期間の定めのない工場建物について、工場移設後に旧工場は全く保守されなかったことから老朽化がすすみ、廃屋同様の状態になったことが認められ借地権は消滅したものと認めることができる。』
[7]個別通達『相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて』4及び2

2015.07.14

【相続税対策で悲しい改正と嬉しい改正】

相続税対策で悲しい改正が7月1日から施行される
一方で嬉しい改正が実現するかもしれませんので
ご紹介します

(悲しい改正)
日本の相続税の課税が強化されたため、海外に居住地を
移転させる富裕層も増えつつあります

そんな富裕層が海外に出国する前に保有する有価証券の
含み益に課税する税制が7月1日から施行されています

この税制は以前から欧米諸国で導入されていて
わが国でも遅ればせながら導入されることになりました

制度の概要は、金融財産1億円以上の方が出国する際に
株式・投資信託・デリバティブ取引などの金融財産の
含み益に対して15%の所得税を課税するという制度です

通常は、有価証券の売却益に所得税は課税されるため
含み益に対する所得税の課税は特例となります。

租税条約上、有価証券の売却益に対する課税権は
居住地にあるため、有価証券売却益に対して非課税の
国に居住地を移転するという課税逃れを防止するためです。

所得税も相続税も27年からは最高税率が高くなりました
また、マイナンバー制度も28年から導入されます
金融資産を多額に保有する富裕層の節税対策のニーズが
ますます増えそうです

(嬉しい改正?)
その一方で、政府は嬉しい税制改正も検討しているようです。
政府は、相続税の減額措置として「遺言控除」という
制度の創設を検討しているようです

この制度の概要は、遺言書を作成すると相続税の基礎控除
(3000万円+600万円×法定相続人)に控除金額を
上乗せするという内容です

基礎控除に上乗せする金額については、現時点では
未定ですが、確実に節税できることは間違いありません

現在、相続税の申告案件で遺言書の作成割合は20%~30%
程度のようです。このために遺産分割がまとまらず
無駄なコストが発生したり、空き家が増加する原因と
なっているようです

政府は、遺産相続をめぐるトラブルを抑え、若い世帯
へのスムーズな資産移転を図ることを目指しているようです。

早ければ2017年度税制改正での実施を目指している
ようです。

相続税の節税対策は、実績豊富な相続税専門税理士に
是非、ご相談ください

2015.06.28

【平成26年の贈与税の申告状況・・・過去最高額でした】

国税庁が平成26年の贈与税の申告状況を公表しましたので
その概要をご紹介します

<平成26年の贈与税の申告状況>

平成27年1月からの相続税改正(増税)の対策として
平成26年中の贈与税の申告が増加することは予想されて
いましたが。。。結果は、以下の通りでした

・贈与税の申告書を提出した人は51万9千人で、平成25年分
(49万1千人)から2万8千人増加(+5.6%)しました。

 そのうち、申告納税額のある人は36万6千人で、平成25年分
(33万人)から3万7千人増加(+11.1%)、

 申告納税額は2,803億円で、平成25年分(1,718億円)
 から1,084億円増加(+63.1%)しました。

 この結果は、贈与税の基礎控除額が110万円となった
 2001年以降では最高額となりました。

 平成27年1月からの相続税改正前の駈込みで贈与する
 人が増えた結果と考えられます

<暦年課税・相続時精算課税等の申告実績>

贈与税には、暦年課税(110万円基礎控除)と相続時精算課税
と住宅取得資金非課税の概ね3種類あります。それぞれの
26年中の申告及び納税の状況は以下の通りでした

・贈与税の申告書を提出した人のうち、暦年課税を適用した
 人は47万人で、平成25年分(43万9千人)から3万人増加
(+6.9%)しました。

 そのうち、納税した人は36万3千人で、平成25年分
(32万6千人)から3万7千人増加(+11.2%)、

 申告納税額は2,584億円で、平成25年分(1,513億円)
 から1,071億円増加(+70.8%)しました。

・相続時精算課税を適用した人は5万人で、平成25年分
(5万2千人)から3千人減少(-5.0%)しました。

 そのうち、納税した人は3千4百人で、平成25年分(3千5百人)
 から百人減少(-3.0%)、申告納税額は218億円で、
 平成25年分(205億円)から13億円増加(+6.5%)しました。

・住宅取得等資金の非課税を適用した申告人員は6万5千人で、
 平成25年分(7万5千人)から1万人減少(-13.7%)、

 住宅取得等資金の金額は5,023億円で、平成25年分(6, 587億円)
 から1,564億円減少(-23.7%)、住宅取得等資金のうち非課税
 の適用を受けた金額は4,318億円で、平成25年分(5,767億円)
 から1,449億円減少(-25.1%)しました。

相続財産の概要を把握したうえで、相続税額の概算計算を行うと
予想される相続税の実効税率が把握できます

その実効税率未満の贈与税率であれば、先に暦年贈与で
贈与するほうが、ご家族全体で相続税の節税ができますので
贈与を積極的に活用することで、相続税を節税することが
できます。

相続税の節税対策は、実績豊富な相続税専門税理士に
是非、ご相談ください

2015.06.21

【結婚・子育て資金の一括贈与資金の非課税制度についてQ&Aの更新】

内閣府が結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の
非課税措置についてQ&Aを更新しましたのでご紹介します

<今回更新されたQ&Aの概要>
今回更新されたQ&Aの一覧は下記URLで確認できます

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/rireki.pdf

主な更新は以下の通りです

Q3-2:金融機関に提出する書類は原本を提出する
必要がありますか。

A3-2:原本を提出する必要があります。ただし、原本を他の申告で
必要とする場合(例:医療費控除の申告で必要とする場合)等は、
金融機関が原本を確認し、本特例の適用を受けた旨の表示をした上で
コピーをとり、原本をお返しする場合もあります。
詳しくは金融機関へお問い合わせください。
なお、領収書等以外に金融機関に提出する必要のある戸籍謄本や
賃貸借契約書の写しなどの書類は、既に金融機関に提出している場合、
改めての提出は不要です。

Q4-2-1:非課税の対象となる費目はどのようなものですか。

A4-2-1:結婚を機に受贈者が新たに物件を賃借する際に要した
費用で、賃料(契約更新後は更新後の賃料)、敷金、共益費、
礼金(保証金などこれに類する費用を含みます。)
仲介手数料、契約更新料が対象になります。

ただし、賃貸借契約書の締結の日が入籍日の前後各1年の期間内で、
受贈者名義で締結した賃貸借契約に基づくもののみが対象となります。
また、当該契約締結日から3年を経過する日までの間に支払われた
ものが対象となります。

社宅(いわゆる借上げ社宅を含みます。)に住む場合でも、
受贈者名義で賃貸借契約が締結されている場合は、
非課税の対象となります。

Q4―9―2:育児に係る費用の支払い先として認められるのは
どこですか。

A4-9-2:具体的には、学校教育法や児童福祉法等に基づく
施設が対象となります。
なお、海外の施設は学校教育法や児童福祉法等に基づく施設ではない
ため、対象になりません。

詳細は本文でご確認ください。今回の更新で追記された内容は
以下の通りです

・届出を行っている認可外保育施設であって、文部科学大臣及び
厚生労働大臣が定める事項に該当するものへの支払いは認められます。

(具体的には、認可外保育施設のうち、都道府県知
事、指定都市市長又は中核市市長から認可外保育施設指導監督基準を
満たす旨の証明書の交付を受けている施設が該当します。
なお、この施設は、利用料に係る消費税が非課税とされている
認可外保育施設と同じ範囲を指すものです。)

今回の更新内容を含めてすべてのQ&Aは
下記URLでご確認ください

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/qa.pdf

2015.06.13

【2世帯住宅に小規模宅地の特例を適用する場合の留意点】

小規模宅地の特例を適用できると、相続税が確実に節税できます
しかし、小規模宅地の特例に関しては適用要件が複雑で
改正が多いために、相続税の申告時に適用誤りが多いようです

今回は、2世帯住宅に小規模宅地の特例を適用する場合の
留意点をご紹介します

<事例>
Aさんは、1人暮らしをしていましたが将来の介護の不安が
あるので、Aさん名義の土地に2世帯住宅を建てて長女Bさん
家族と同居することにしました。

Aさん名義の土地は、路線価の高い地域で面積も330㎡
だったために、小規模宅地の特例による節税効果も狙って
2世帯住宅を建てたつもりでした。。。

しかし、Aさんが顧問税理士に確認したところ今のままでは
せっかく建てたAさんの自宅に小規模宅地の特例は適用
できないと、指摘されました。

<解説>
今回のAさんの2世帯住宅に小規模宅地の特例が適用できない
原因は、2世帯住宅の所有権が1階部分をAさん2階部分をBさんで
区分所有していたためです。

そもそもBさんの夫Cさんは、2世帯住宅に反対だったために
自分たちの生活空間である2階部分についてまで、Aさんの資金で
建てることに反対だったようです。

小規模宅地の特例は、被相続人(Aさん)の居住の用に
供していた1棟の建物に居住していた生計別親族(Bさん)
が、その建物を相続で取得する場合、その親族(Bさん)が
被相続人の居住部分に居住している事が適用要件となっています。

今回の事例では、1階と2階が区分所有になっていたために
1階のAさんと2階のBさんは別居扱いとなり、小規模宅地の
適用要件に該当しませんでした

<解決策>
このように、2世帯住宅が区分所有になってしまっている場合
で小規模宅地の特例を適用できない場合、

解決策としては、Aさんが2階部分のBさん家族の居住部分を
買取るしかありません。

しかし、そもそも区分所有にした理由が上記のCさんのような
理由のような場合には、簡単にAさんが買取ることもできない
かもしれません。

小規模宅地の特例を適用して節税するという税務上のメリット
をとるか、円満な家族関係をとるか。。。

相続税対策は、それぞれのご家庭の事情を考慮して
検討する必要があります。

なお、小規模宅地の特例の解説は以下のURLでご確認ください

https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

2015.05.16

【改正後の住宅取得資金贈与は、再適用できる場合があります】

<事例>

平成27年税制改正で住宅取得資金贈与の制度が一部改正されました

改正後の住宅取得資金贈与の制度をうまく活用すると、一人で
2回この制度を利用することができます

例えば、平成27年5月に1500万円の住宅取得資金贈与を受けて
良質な住宅用家屋を取得したAさんが、

平成30年8月にこの自宅を売却したうえで、再度住宅取得資金贈与
1500万円を受けて良質な住宅用家屋を取得することができます。

<解説>

詳細は、以下の通りです

改正後の住宅取得資金贈与の年度別の非課税枠は以下の通ように
消費税が10%であるか否かによって、2種類設けられています。

イ 住宅用家屋の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる
  消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の取得等に係る  良質な     左記以外の
契約の締結期間       住宅用家屋   住宅用家屋
              
平成28年10月~平成29年9月  3,000万円    2,500万円
平成29年10月~平成30年9月  1,500万円    1,000万円
平成30年10月~平成31年6月  1,200万円     700万円

ロ 上記イ以外の場合

住宅用家屋の取得等に係る    良質な     左記以外の
契約の締結期間           住宅用家屋   住宅用家屋

    ~平成27年12月         1,500万円    1,000万円
平成28年1月~平成29年9月    1,200万円     700万円
平成29年10月~平成30年9月  1,000万円     500万円
平成30年10月~平成31年6月   800万円     300万円

さらに、平成27年1月1日から平成28年9月末までに契約を締結した
住宅用家屋について上記1ロに掲げる非課税限度額の適用を受けた
者であっても、上記1イに掲げる非課税限度額を適用できることとする。

と、定めています。

ですから、平成27年1月以降に上記制度を利用して住宅を取得した
人が、平成28年10月以降に再度この制度を利用して住宅を取得
することができます。

<リフォーム>

また、今回の改正によって適用対象となる増改築等の範囲に、
一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事及び給排水管又
は雨水の浸入を防止する部分に係る工事が加えられましたので
この制度の活用範囲が広くなりました。

27年税制改正で、贈与税の非課税枠をうまく利用して、
住宅取得やリフォームがしやすくなっているようです。 

2015.05.10

【教育資金贈与の特例に関するQ&Aが更新されました】

平成27年の税制改正で、教育資金贈与の制度についても
一部改正があったことをご存知でしょうか。

その改正に伴いまして、文部科学省から教育資金贈与制度
に関するQ&Aの改訂版がHPで公表されました

Q&Aの原文は、下記URLでご確認ください

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2015/04/01/1337560_1_2.pdf

<平成27年税制改正>
教育資金贈与の特例の改正点については、平成27年税制改正大綱
46ページに記述があります

『直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の
 非課税措置について、次の見直しを行った上、
 その適用期限を平成 31 年3月 31 日まで延長する。
 
 ①  特例の対象となる教育資金の使途の範囲に、通学定期券代、
 留学渡航費等を加える。

 ②  金融機関への領収書等の提出について、領収書等に記載された
 支払金額が1万円以下で、かつ、その年中における合計支払金額が
  24 万円に達するまでのものについては、当該領収書等に代えて
 支払先、支払金額等の明細を記載した書類を提出することができる
 こととする。

 (注)上記②の改正は、平成 28 年1月1日以後に提出する
 書類について適用する。

<文部科学省のQ&A改訂版のポイント>
上記の税制改正の内容を反映した、文部科学省のQ&Aの
改訂版のポイントは以下の通りです

Q3-4:通勤定期代には自転車通学の際の駐輪場代や
交通系電子マネーのチャージ料金は対象外となります

Q3-5:留学の場合、1留学につき1回分の渡航費だけが
特例対象となります。また、空港までの交通費は特例対象外
となります。

Q3-6:大学等への進学時で転居を伴う場合の、移動交通費は
特例対象外となります

その他の、詳細については上記文部科学省のURLで
ご確認ください

2015.04.26

【保険の解約返戻金の支払請求権で相続税が課税される場合】

保険契約に係る相続税の課税関係には、様々な論点があります
今回は、保険会社が新しい保険商品を企画するにあたって
東京国税局に、相続税の課税関係を文章で問い合わせた内容が
東京国税局のHPで公開されましたので、ご紹介します

保険会社が東京国税局に問い合わせた内容は下記URLで
確認できます

http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/souzoku/150302/index.htm

その内容を簡単に紹介すると以下の通りです

保険の内容:医療保険
保険契約者:Aさん
被保険者 :Aさん
受取人  :Aさん

この保険は、約款によると『被保険者が入院した場合、
手術を受けた場合又は放射線治療を受けた場合を所定の
給付金の給付事由』としています。

また約款では、保険契約の被保険者が死亡した場合には、
本件契約は消滅し、解約返戻金があるとき本件契約の保険契約者
に解約返戻金相当額の返戻金を支払う旨を定めています。

しかし、事例のように保険契約者と被保険者が同一人物である
場合の課税上の取扱について保険会社が、国税局に問い合わせ
しました。

国税局の回答は以下の通りです

結論:この保険の解約返戻金の支払請求権はAさんの相続財産
として相続税の課税対象となる。

結論の背景:通常の生命保険であればAさんの死亡によって
相続人が取得する生命保険金は、みなし相続財産として
相続税の課税対象となります

しかし、今回はAさんの死亡は保険金の給付事由に該当する
しません。そればかりかAさんの死亡によって保険契約は
消滅し、解約返戻金があるときは保険契約者に支払うという
内容です。

そのため、Aさんは死亡と同時に上記保険の解約返戻金
請求権を取得すると考えるからです。

保険に関する税務は、相続税・所得税・贈与税が複雑に
関係しますので、契約内容と税務との関係は事前に
確認しておかれることをおすすめします

2015.04.18

【結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度Q&Aが公表されました】

平成27年度税制改正で創設された
「結婚子育て資金一括贈与非課税制度」について内閣府HPで
Q&Aが公表されましたので、ご紹介します

この制度は、将来の経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇
させる大きな要因の一つとなっていることを踏まえ、

両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の
結婚・出産・子育てを支援することを目的としています。

祖父母や両親(贈与者)は、20歳以上50歳未満の子・孫(受贈者)
名義の金融機関の口座等に、結婚・子育て資金を一括して拠出した
場合、子・孫ごとに1,000万円までを非課税とします。

しかし、この制度は教育資金一括贈与の非課税制度と比べると
分かりにくく利用しづらいという声が多いようです

そこで、内閣府がHPでQ&Aを公表しましたので
関心のある方は是非一度ご確認ください

Q&Aの詳細は下記URLです

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/qa.pdf

婚礼費用・出産費用の具体例を明示した別表は下記URL

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/b1.pdf

一括贈与した場合に非課税となる支払先一覧を明示した別表は下記URL

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/b2-1.pdf

非課税となる育児費用の支払先一覧を明示した別表は下記URL

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/b2-2.pdf

結婚費用の領収書の確認事項は下記URL

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/b3-1.pdf

子育て費用の領収書の確認事項は下記URL

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/b3-2.pdf

領収書等以外の必要な資料は下記URL

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/b4.pdf

領主書等のチェックのルールは下記URL

http://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/check.pdf

2015.04.16

【あまりにもずさんな相続税対策すると大失敗しますよ!!】

先日マスコミで、Y社の創業者一族の相続税の税務調査結果が
報道されました。申告漏れ金額3億1000万円だそうです。
私が記事を読んで驚いたのは、あまりにもずさんな
『相続税対策』の手口です。。。

今回の報道によると国税局の税務調査で否認されたのは
2009年10月にお亡くなりになった母親の相続税の申告内容です

Y社創業者の相続税対策で、国税庁から否認された方法は
以下の2つです

1.2009年に母親が、親族が経営する法人に6000万円を贈与し
 同時に同額の6000万円を同じ法人から借りた

2.2009年10月に、別の親族が経営する法人から3億7000万円を
 借りて3億7000万円の賃貸マンションを買った

このやり方があまりにもずさんな相続税対策でした。
長男は、国税庁の否認に対して国税不服審判所に訴えていましたが
全面敗訴だったようです

判決の概要は以下のとおりです(報道記事より)
1.法人に6000万円を贈与し、同法人から同額の借入を行ったと
ありますが、帳簿操作だけで実際の資金移動はなかったようです。
つまり、架空伝票だったということです。

実際に資金を動かして上記方法を実行すると、母親の預金残高は
まったく変わらないので、架空伝票にすることによって母親の
預金残高はそのままで、母親が同族会社から6000万円借金して
いるように見せかけたということです。これによって財産が
6000万円減ったことになります

2.母親が亡くなる直前に同族会社から3億7000万円借りて
賃貸マンションを買いました。 報道によると、この賃貸
マンションは時価は3億7000万円ですが、相続税評価額が
1億2000万円だったそうです。つまり、マンション評価額と
借入金の差額2億5000万円財産を圧縮できたことになります。

これだけであれば何の問題もありませんが、この取引ついて
国税局は2つの指摘をしているようです

①.母親の病状がかなり進行していた時期の取引であること
 つまり本人の意思能力がすでに無い状態だったということ

②.母親の死後、直ちにこのマンションを売却していること

この①②の指摘は、高層マンションによる節税対策でも
よく議論になるところです。 ①は、本人の意思能力がない
ことが医学的に明らかであれば、節税対策としては認められ
ません。

②は、亡くなる直前に購入して、死後直ちに売却すると
過去の事例ではすべて税務調査で否認されています。

高層マンションの節税対策でも税務調査で否認される事例は
②のパターンです

いずれにしましても、Y社創業者一族の節税対策は
あまりにもずさんすぎます。

相続税の節税対策は、時間をかけてじっくりと
専門家に相談して慎重に取組むことをおすすめします。

2015.02.28

【民法改正で相続は配偶者有利になりそうです】

改正相続税法が施行されて、急遽その対策に追われている
方も多くいらっしゃると思いますが、
2016年には相続に関する民法が改正されるようです

民法改正の内容のポイントは、「配偶者に手厚く」
という内容のようです

主な改正点は以下のような項目です
1.自宅は誰が相続したのかに係らず、配偶者であれば
 一定期間の居住権を保証するという内容です
 現在の民法では、自宅は配偶者が相続して所有権を
 得るか、あるいは相続した人との賃貸借契約を締結する
 必要があります。

 しかし、高齢の配偶者の居住権を保証する必要があること
 から今回の改正案となったようです

2.夫婦がともに築き上げた財産については、実質的には
 夫婦共有財産として遺産分割の対象から切り分けることを
 検討しているようです。 その代わり、切り分けた他の
 財産については、配偶者の法定相続割合を減らす方向で
 検討されているようです

2013年中に家庭裁判所の遺産分割事件は12000件で
10年前と比較すると3000件増加しているそうです

今後高齢化が進み、遺産分割事件の増加が予想されることを
背景に今回の民法改正が検討されているようです

2016年の民法改正に注目する必要があるようです

2015.02.15

【生命保険を活用した相続税の節税対策にも注意が必要かもしれません】

平成27年から相続税の課税が強化されて、様々な節税対策への取組が
話題となっています

しかし、この節税対策も正しい知識に基づいて実行しなければ
相続税の申告後に税務調査があった場合に、申告内容の誤りを
してきされることとなり、追加で納税が必要な場合もあります

生命保険の契約は、保険の対象となる人・保険料を負担する人
保険金を受取る人の関係によって課税される税金が異なります


保険の対象となる人:父
保険料を負担する人:父
保険金を受け取る人:子
の場合には、受取る保険金は一定の限度額以上であれば
相続税の課税対象となります


保険の対象となる人:父
保険料を負担する人:子
保険金を受け取る人:子
の場合には、受取る保険金は子の所得税の課税対象と
なります。保険金を一時金として受取る場合と年金で受取る
場合で、同じ所得税でも税額計算が若干異なります


保険の対象となる人:父
保険料を負担する人:母
保険金を受け取る人:子
の場合には、保険金を受取る子は保険料を負担していませんので
保険金を受取った時点で子に対して贈与税が課税されます

①の契約パターンは、相続税の計算上の非課税枠を活用した
相続税の節税方法として活用されます

②の契約パターンでは、子の保険料自体を親から子へ資金贈与
し、最終的には受取保険金を相続税の納税資金として準備する
方法として活用されます

③の契約パターンは、家族全体の相続税の実効税率が
かなり高くなることが明らかな場合に、相続税の実効税率
よりも低い贈与税の実効税率で、相続税の納税資金を
準備する方法として活用されます

どのパターンを検討する場合でも
ただしい税務の知識に基づいて正しい税務申告が必要です
実際の相続税の申告実務では、間違った対策と間違った申告
が散見されるようです

相続税の節税対策は、正しい知識に基づいて実行する必要が
あります。

今週の他のブログの更新は以下の通りです
ご覧ください

◎不動産賃貸専門税理士のブログ
【女性向け賃貸住宅が増えているようです】
 http://www.不動産賃貸税理士.com/57f4ea47/

◎信頼できる神戸経営支援Naviのブログ
【クラウド会計ソフトfreeで確定申告ができます】
 http://www.oumi-tax.jp/blog/2015/02/free-1091123.html
***************************
確定申告のご相談は、お気軽にお尋ねください

http://確定申告.biz/

2015.02.01

【世界40か国以上の海外預金情報を国税庁は監視しています】

平成27年1月からいよいよ相続税の課税が強化されました。
WEB検索をすると、相続税対策に関連するコンテンツが
盛りだくさんです。 その中には、正しくない情報もあるようです
情報の真偽については、各自自己責任で判断する必要が
あるようです。

特に、海外の預金口座を利用した節税対策については
古い情報に基づくコンテンツが多いようです

政府は、日本人の海外の預金情報を漏れなく補足するために
海外40ヶ国以上の税務当局との情報交換に関する連携を
2018年をめどに行います。

この情報交換の連携によっては、G20と先進国を中心とした
OECDの加盟34カ国に加え、英領バージン諸島、
ケイマン諸島、バミューダ、マン島など英領のいわゆる
「タックスヘイブン」からも日本人の海外口座の情報
を得られることになります。

国税庁は、海外財産が5000万円を超えている場合に
海外財産調書制度に基づいて、申告しているかどうかを
確認します。

次に、海外の口座で得た利子や配当などを正しく
確定申告しているかどうかを確認します。

さらに、口座の保有者が亡くなったときに相続人が
正しく相続財産として申告し相続税を納めているかも
調査の対象とします。

近い将来は、日本国内の預金残高はマイナンバーで捕捉され
海外財産の預金残高も、海外の税務当局から国税庁に
情報提供されることになります。

ますます、相続税対策は長期的に慎重に検討する必要が
あるようです。

2015.01.18

【特例資産の買換え特例が延長される見込みです】

昨年末に27年税制改正大綱が公表されて
27年の税制改正の概要が明らかになりました

その中で、注目されるのが
「特定資産の買換え特例の延長」です
そもそもこの特例は、平成26年12月末で期限切れとなる予定でした

しかし、国土交通省からの延長要望があり
税制改正大綱に織り込まれました

この特例の概要は、国税庁の下記URLをご覧ください
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3405.htm

簡単に申し上げると
個人・法人が事業で使っている土地などの資産を売却して、
資産を買換えた場合に、一定の要件を満たせば、
本来は支払うべき税金の80%を繰延べることができるという
特例ですを繰り延べるという特例です。

この特例を活用して
相続税対策のために不動産を買換えたり
法人の事業展開のために不動産を買換えるという
取引が27年以降も行われることを狙って
適用期限が延長される見込みです

ただし、今回の改正案では買換え資産から
機械装置及びコンテナ用の貨物が除外される見込みです

税制改正をうまく活用して
不動産の買換えを検討するチャンスが増えました。

ただし、27年3月末にこの特例の適用期限の延長が
可決することを確認するまでは慎重に行動する必要が
あります。

2015.01.04

【相続税の申告が必要か否かの簡易判定シートです】

改正後の相続税法に基づいて、我が家は相続税が課税
されるのかどうか? そういうご相談が増えています。

国税庁では、そのようなご相談に簡易に対応するために
簡易判定シートをHPで公開しました

https://www.nta.go.jp/souzoku-tokushu/souzok-kanihanteih27.pdf

この「相続税の申告要否の簡易判定シート」は、
法定相続人の数及びおおよその財産価額を入力する
ことにより、相続税の申告の要否を確認するものです。

ご利用の際は、国税庁HPの
「相続税のあらまし(平成27年分用」と併せてご利用ください。

https://www.nta.go.jp/souzoku-tokushu/souzoku-aramashih27.pdf

なお、入力したおおよその財産価額を基に申告の要否を
確認しますので、確認結果は、あくまでも目安(概算)
となることにご留意ください

2014.12.30

【日本一早い27年度相続税改正の解説<ただし税制改正大綱ベースです>】

衆議院選挙が12月に行われた影響で、税制改正大綱の発表が遅れて
いましたが、12月30日午後に発表されました

その中から、相続税・贈与税に関連する部分のみを抽出して
税制改正のポイントをご案内します

①高齢者層から若年層への資産の早期移転を通じた住宅市場の活性化

・直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置
 について、適用期限を31年6月30日まで延長する

 非課税限度額については、消費税の税率が10%になる平成
 28年10月からの1年については、最高で3000万円まで
 非課税となります

②結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

・教育資金の一括贈与とまったく同じパターンで、結婚・子育て資金の
 一括贈与制度が創設されます。

 個人(20 歳以上 50 歳未満の者に限る。以下「受贈者」という。)
 の結婚・子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、
 金融機関(信託会社(信託銀行を含む。)、銀行等及び金融商品取引業者
(第一種金融商品取引業を行う者に限る。)をいう。)に信託等をした場合には、

 信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者 1 人につき
 1,000 万円(結婚に際して支出する費用については 300 万円を限度とする。)
 までの金額に相当する部分の価額については、平成 27 年4月1日から平成
 31 年3月 31 日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないこととする。

今回の税制改正大綱は、デフレ脱却・経済再生をより確実なものにするための
改正内容が中心になっています。

相続税・贈与税についてインパクトのある改正点は無いようです。

2014.12.19

【9号買換特例が存続するかどうか注目されています】

衆議院選挙が12月中旬にあったおかげで今年は税制改正大綱の
公表が遅れています。 例年では12月20日前後には公表され
ましたが、今年は年内に間に合わない可能性があります

そのため、『9号買換特例』が継続するかどうか
注目されています

『9号買換』というのは、長期保有(10年超)の土地等
を譲渡し、新たに事業用資産(買換資産)を取得した場合
において、譲渡した事業用資産の譲渡益について課税の繰延べ
(繰延率80%)を認めている制度です

この制度は、平成26年12月31日までを期限としていますが
国土交通省は、3年3ヶ月間延長する旨の税制改正要望を
財務省に提出しています。

資料の原文は下記URLでご確認ください

http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2015/request/milt/27y_mlit_k_24.pdf

この『9号買換特例』をうまく活用すると
法人・個人ともに不動産の買換えで多額の節税が実現可能
となります。

そのため、この制度の存続が注目されています。
なお、この制度が12月31日の期限で廃止になる場合
不動産の譲渡契約書が12月31日までに締結されていれば
9号買換えが適用されます。

特例の適用要件は、不動産の引渡日基準ではありませんので
ご注意ください。

今週のblogは下記の通りです。是非ご覧ください。
神戸経営支援naviより
http://www.oumi-tax.jp/blog/blog_01/

・【神戸市のセーフティーネット融資の対象者が拡充されました】
・【近畿で初めて姫路で青年等就農資金融資が実行されました】
・【合同会社を設立する理由は???】

2014.12.13

【<最高裁判決>遺産分割協議が成立する前に投資信託を分割引出できません】

明日はいよいよ衆議院選挙ですが
昨日の最高裁判決で故人の未分割の投資信託の満期償還金の引出
について興味深い判決がありましたのでご紹介いたします

最高裁の判決文の原文は以下のURLでご確認ください
短い文章なので、興味のある方は是非原文でご確認ください
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/688/084688_hanrei.pdf 
今回の事件は、
故人の相続人3名のうち1名が故人が証券会社に預けていた投資信託の
満期償還金を未分割の状態のままで法定分割割合である1/3だけ
分割して引出すことを証券会社に請求するという内容です

この点につきまして、最高裁判所は相続人の訴えを棄却しました。

そもそも、「共同相続された委託者指図型投資信託の受益権は,
相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない」
との過去の最高裁判例があるようです

(最高裁平成23年(受)第2250号同26年
 2月25日第三小法廷判決・民集68巻2号173頁参照)

この考え方を本件について当てはめてみると

共同相続された投信受益権について故人の相続開始後に
元本償還金及び収益分配金が発生して預り金として本件

投信受益権の販売会社であるB証券の故人名義の口座に
入金されましたが

共同相続人の1人である上告人は,B証券会社にに対し,
自己の相続分に相当する投資信託の解約金の支払を請求する
ことができない、という判決となりました。

相続税が多額になる場合は、相続税の納税資金の準備が
必要となります

遺産の金融財産を円滑に遺産分割できれば問題ありませんが
遺産に占める不動産の比率が高い場合や
遺産分割が全く成立しない場合には、
相続人の全員あるいは一部の方が納税資金の準備で困ることになります

納税資金の確保のために、納税資金相当額の金融財産だけを
先に遺産分割するという方法もあります

平成27年から相続税の課税が強化されますので
納税資金の準備も視野に入れた遺産分割を早期に成立しなければ
ならない事例が増えそうです。

2014.12.10

【資産管理会社の株主は誰がいいですか?】

資産管理会社の株主は誰がいいですか?
という質問は、税務相談でよく尋ねられます

検討すべきポイントは以下の2点です
1.資産を保有するオーナー様は持ち株比率をできるだけ
  少なくすること

2.資産管理会社の保有する資産を承継させたい相続人の
  持ち株比率を高くすること

この2点はどなたでも該当する回答だと思います

1.は、相続税対策のための資産管理会社である以上は
オーナー様の資産を減らすために、オーナー様の持ち株比率
は当然に引下げる必要があります

2.は、資産管理会社を通じて間接的に相続人が
資産を保有することになるわけですから、誰がどの資産を
どれだけの比率で引き継ぐのかという点が不明確なタイミング

では、資産管理会社を設立するのは早すぎる場合もあるという
ことです。

また、1,2に共通する論点ですが、オーナー様の持ち株比率
が低くなり相続人の持ち株比率が高くなることによって
資産管理会社の経営も相続人に支配されるという心配が
あります

しかし、その論点につきましては種類株で対応することが
できますのでご安心ください

資産管理会社を設立するに当たっては
事前に検討すべき課題が多くありますので、
充分にご検討ください

不動産管理会社(資産管理会社)の設立に当たっては
不動産専門税理士に、是非一度ご相談ください

2014.12.08

【所有不動産の時価を知らない経営者が36%】

国土交通省が9月に発表した「平成26年都道府県地価調査」
によると、地価の全国平均は、依然として下落しているものの、
下落率の縮小傾向が継続している。

三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)では
住宅地・商業地ともに上昇している

なかでも、中古マンション価格も堅調に推移している
ようです。

2014年10月の首都圏の中古マンション市場は、
前月比0,9%増となったようです。

地域によって格差はあるものの、
不動産価格は総じて上昇傾向にあるようです。

不動産価格の上昇は、不動産を所有する企業にとって、
企業価値を上昇させる機会となります。

しかし、そのことを十分認識していない経営陣が
実は多いようです。

ある調査によると
管理・所有している企業不動産の有無については
「ある」は70.3%
「ない」は26.3%
「わからない」3.3%

次に、物件の所在地を把握しているかを聞いたところ、
「ほぼ全部の物件について知っている」は78.2%
「半分程度の物件について知っている」は15.6%、
「ほとんど知らない」は6.2%

また、物件の時価や簿価にいたっては、
「ほぼ全部の物件について知っている」は35.1%
「半分程度の物件について知っている」は28.4%
「ほとんど知らない」は36.5%

企業の保有する不動産の時価を正しく知ることで
時価と税務上の評価額の乖離を正しく認識できます

それによって、自社株に関する事業承継対策も
幅広い選択肢を考えることができます

全体として不動産の価格が上昇する局面では
自社の所有不動産の時価については
正しく認識することが重要です

2014.12.05

【タワーマンション購入による相続税の節税対策にご注意ください】

おはようございます
マラソンを走る神戸の不動産賃貸税理士の近江です

いよいよ平成27年1月から改正相続税法が施行されます
それに向けてタワーマンションを購入するという
節税対策が一部では流行っているようです

しかし、この方法にも留意事項が必要ですので
今回はそのポイントについて、ご案内いたします

確かに、タワーマンションの高額なお部屋を
購入すると購入時の時価に対して、相続税申告時の
評価額が大幅に乖離するために、一定の節税効果が
得られることは事実です

しかし、そこだけを『悪用』して過度の節税対策は
後日の調査で否認されるリスクがあるのでご注意ください

たとえば、以下の様な事例では否認されるようです

1.父親が亡くなる4ヶ月前にタワーマンションの1室を
  3億円で購入

2.所有権移転登記後に父親は無くなりました

3.翌年にこのマンションを財産評価基本通達に基づき
  6000万円で評価し、父親の相続税を申告

4.このマンションを相続により取得した長男が
  相続税申告直後に2億9000万円でマンションを売却

このような事例が実際にあって
長男は、マンションの評価額として6000万円を主張しましたが
最終的には、父親の購入価格3億円で相続税の申告をするべき
という結論になったようです

その趣旨は以下のとおりです
相続税の申告に当たって不動産は財産評価基本通達に
従って評価すべきです

今回は、それによると6000万円の評価額となりました
しかし、特別な事情がある場合には他の特別な方法による
評価額の算定も許されます

ではなぜ、父親の購入価格3億円で相続税を申告しなければ
ならないか。。。

1.父親の購入時期と亡くなった日が極めて近いこと
2.長男がマンションを売却するに当たっての価格も
  それほど下落していなかったこと
3.当該マンションの周辺の基準地価もほぼ横ばいであること

簡単にまとめると以上のような理由で
財産評価基本通達による評価額が否認されました

過度な節税対策は、上記のように否認されるリスクがありますので
くれぐれもご注意ください

2014.11.24

【法定相続割合を主張すると『もらいすぎ』って???】

相続財産の遺産分割では、まず第一に法定相続割合を
イメージする場合が多いと思いますが

意外と、法定相続割合を主張すると『もらいすぎ』と
他の相続人から指摘する場合があります。

 
その一つが『特別受益』です
例えば、3人兄弟のうち長男だけが自宅を購入する際に
父親から資金援助を受けていた場合、

あるいは、父親が開業医ではないにもかかわらず
長男だけが私立大学医学部を卒業するまでの学費を
すべて父親が負担したような場合

などです。これらのように特定の相続人だけが特別に
生前に多額の贈与を受けていた場合、それらを遺産分割
において考慮すべきという考え方です

このほか「寄与分」という考え方もあります。
例えば、長女だけが生親を看病した場合
次男だけが事業を手伝った場合など

親の財産の維持・増加に特に貢献した場合に
その度合いに応じて遺産分割時に考慮されます。

参考資料として、民法903条の解説を
リンクでご紹介します
http://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC903%E6%9D%A1

2014.11.22

【民法改正で敷金の返還義務が明文化されそうです】

おはようございます
マラソンを走る神戸の不動産賃貸税理士の近江です

不動産賃貸契約では、敷金を巡って様々なトラブルがありました
そこで、民法が改正されて敷金に関する定義及び返還義務
について明文化される見通しとなりましたので
ご紹介いたします。

これについては現在政府で民法の改正案を検討中で
その中に記載されている内容を簡単にまとめると

1.敷金を「家賃の担保」と定義しています

2.契約が終了し、物件を引き渡した時に貸主から借主へ
  返還義務が生じます

3.通常の使用による室内の傷みや経年変化などについて
  借り主は原状回復の義務を負うことはありません。

詳細つきましては
法務省の下記HPをご覧ください

http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900227.html

2014.11.20

保険料を贈与する相続税対策にはご注意ください

生命保険を利用した相続税対策に、保険料の贈与プランがあります

相続税の生命保険料控除は、500万円×法定相続人の人数という
上限があります。

しかし、生命保険を利用した相続税の節税プランはまだほかにも
あります

以下のような方法です
例えば、父親が長男に保険料110万円を贈与します
長男は、その110万円で

契約者:長男
被保険者:父親
受取人:長男

という生命保険契約を締結します

父親が死亡した場合に、長男は上記生命保険契約に基づいて
保険金を受取ります

この保険金には、相続税は課税されませんが
長男に所得税が課税されます

この場合の所得税は一時所得として課税されます
例えば、保険料の支払いが1500万円で受取保険金が
3000万円の場合

(3000万円-1500万円-50万円)÷2=1450万円が
所得税の課税対象となります

ですから、このプランを実行せずに保険料相当額の
1500万円を父親の財産として課税される相続税額と

一時所得として1450万円に課税される所得税額とを
比較して、所得税額のほうが少なければ
家族全体としての節税対策になります

しかし、長男が高額所得者で所得税が最高税率の
場合、所得税+住民税の税額を考慮すると
このプランは実行しないほうが有利となります

くれぐれもこのプランを実行する際には
トータルの税額を慎重に計算して
ご検討ください

2014.11.19

相続税申告漏れ、海外関連が最多に 13事務年度

国税庁から、海外の相続財産の申告漏れについて2013年事務年度のデータが公表されました

2013事務年度の相続税の税務調査で、海外関連の申告漏れは
124件(前年度比9.7%増)でした。

海外関連の税務調査件数は753件、でそのうち申告漏れ総額は
163億円でした。 海外関連の税務調査件数及び申告漏れ財産の総額
いずれも過去最多の件数及び金額となりました

国税庁は背景として「納税者の資産運用が国際化している」と指摘しています

国税庁によると、
1.相続財産から海外の財産を除外した申告のうち約1億5千万円が租税条約に
  基づく情報交換で発覚し、約6600万円を追徴課税された調査事例があったようです。

2.遺族が海外預金約600万円の存在を知りながら申告から除外していたとして、
  約240万円を追徴課税されたケースもあったようです

今後、相続税の税務調査に関しては海外財産に関しても重点的に
調査が行われるようです。

相続税の申告にあたっては十分にご注意ください
≪以上の「文章は日本経済新聞から一部引用しています≫

2014.11.15

【歯科医師会の死亡共済金は、相続税???所得税??? 】

今回は、○○県歯科医師会の福祉共済制度に係る死亡共済金は
相続税が課税されるのか? 所得税が課税されるのか?
間違いやすい論点についてご紹介します

【事例】
歯科医師Aは本年死亡し、社団法人○○県歯科医師会から福祉共済金
(死亡共済金)400万円が、妻Bに支給された。
福祉共済制度の概要は次のとおりである。

○ 負担金(月額)    9,000円
○ 支給原因  会員の死亡、火災等の災害及び重度障害
○ 中途脱会でも負担金の返還はない(掛け捨て)
○ 死亡共済金の支給は会員の指定した受給権者又は法定相続人
○ 当制度の負担金は、「○○県歯科医師会福祉共済基金」として別会計とする

【回答】
この死亡共済金は、受取った妻Bの一時所得に該当し
妻Bは、所得税の確定申告の必要があります。
なお、妻Bの一時所得の計算にあたって、Aの支払った負担金は
控除できません

【解説】
今回の歯科医師会の死亡共済金は、受給権は会員の指定した者
(指定した者がいない場合は法定相続人)にあり、死亡した会員に
帰属した後に相続されるものではありませんので、
本来の相続財産ではありません。

また、相続又は遺贈により取得したと見なされる生命保険金
については、相続税法に規定するものに限定されていますが、
本件死亡共済金はいずれにも該当しないため、みなし相続財産
にも該当しません。

⇒つまり、相続税の課税対象財産ではないという事です
そこで、受取人である相続人Bの所得税の課税対象となります

1.相続人Bの所得区分について
この共済一時金は、会員の死亡という偶発的な事由により
会員ではなく受給権者に支給されるものであり、労務や役務の対価性
もなく資産の譲渡の対価としての性質も有していないことから、
受給者の一時所得に該当するものと考えられます(所法34条)。

2 一時所得の収入金額から共済掛金を控除することの可否について
一時所得は、その発生原因が単発で個別性が強いので、
一般的な必要経費の概念はありません。そこで、当該共済掛金の性質は、
中途返戻金のないいわゆる掛け捨てであり、
火災や重度の障害に対しても共済金が支払われることになっています。

そうしますと、この掛金の内、死亡共済金の原資として積み立てられて
いる部分の金額とそれ以外の部分の金額(災害や重度障害の給付積立金)
とに明確に区分できるかどうかが判断基準になろうかと思われます。

一般の生命保険金等の場合は、積立金部分を掛金として一時所得の収入
金額から控除するのですが、掛け捨てという性質上、この掛金(負担金)
を積立金と見なすことはできず、火災等の災害等にも支払われることから
個別対応(死亡共済金と掛け金)は無理となります。

また、所基通34-4において、支払を受ける者以外の者が負担した
保険料等であっても、一時所得の収入金額から控除できる取扱いになって
いますが、これは所令183条3項に規定される生命保険契約等について
の取扱いですので、本件の共済金は該当しません。

したがって、本件共済金の掛金は所法34条2項の「収入を得るために
支出した金額」には該当せず、本件の死亡共済金に係る一時所得の収入金額
から控除することはできないものと考えます。
 
<参考文献:TKC税研データベース>
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2014.09.12

【老人ホームに入居した場合の相続税の節税にご注意!!】

相続税を計算するに当たって、自宅の土地の評価については一定の条件を
満たす場合に限り、80%評価減できるという特例があります
この特例を、『小規模宅地の特例』といいます。

平成25年度税制改正で、この小規模宅地の特例についても
改正がありました。

ただし、小規模宅地の特例に関する税制改正はいずれも税額が
引下げられる内容です。

そのひとつに、老人ホームに入居して居住しなくなった家屋の
敷地についても一定の条件を満たす場合に限り、小規模宅地の
特例が適用できるという改正があります。

改正前は、有料老人ホームに入居している場合はたとえ戸籍住民票が
自宅にあったとしても、相続税の計算上は生活の拠点は有料老人ホーム
に移っているため、自宅の土地に対する小規模宅地の特例は
適用できませんでした。

そこで、25年の税制改正では
・要介護又は要支援の認定を受けている方が
・老人福祉法第29条第1項に規定する有料老人ホームに入居し
・自宅土地を貸付していない場合

には、自宅土地についても小規模宅地の特例が適用できるように
改正されました

この改正は平成26年1月1日から適用されています。

ここで注意すべき点は、あくまでも老人福祉法に規定する有料老人ホーム
ですから、都道府県知事に届出がされていなければなりません

しかし、全国の約1割の有料老人ホームが届出を提出していない
違法な施設だそうです

この結果を受けて、厚生労働省では有料老人ホームの運営に関して
指導の強化が必要と考えているようです
(厚生労働省が公表している資料は以下のURLで確認できます)

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12304250-Roukenkyoku-Koureishashienka/0000050188.pdf

例えば、私の地元兵庫県の場合は届け出済みの有料老人ホームは
兵庫県庁の下記URLで確認できます。

https://web.pref.hyogo.lg.jp/hw18/documents/ichiran260401.pdf

今後、有料老人ホームへの入居及び相続税の申告に当たっては
都道府県知事への届出の有無を確認する必要がありそうです。
ご注意ください。

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2014.08.23

【個人の国外財産は、2兆5000億円???】

国外財産調書制度が、平成26年1月から施行されてました。
今年の確定申告の提出と同じ申告期限で
初めての国外財産調書が、各税務署に提出されました。

国外財産調書制度の概要は、以下のURLでご確認ください
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/kokugai_zaisan/pdf/01.pdf

ポイントは、海外に5000万円以上の財産を所有する方は、
毎年確定申告時期に、国外財産の概要を申告しなければならない制度です

施行後初めての今年の提出状況は以下のとおりでした

○ 総提出件数は、全国で 5,539 件
局別の件数は、東京局、大阪局、名古屋局の順に多く、この3局で全体の
約9割(88%)を占めています。

○   国外財産の価額の総合計額は、約2兆5千億円
局別の総財産額に占める割合についても、東京局、大阪局、名古屋局の3
局で約9割(94%)となっています。

財産の種類別については、

有価証券   1兆5,603億円
預貯金     3,770億円
建 物         1,852億円
土 地            821億円
貸付金      699億円
その他の財産   2,396億円
合 計     2兆5,142億円

となっています。

国外財産調書制度に関する国税庁のFAQは以下のURLで
ご確認ください

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/kokugai_zaisan/pdf/kokugai_faq.pdf

平成27年1月以降に、国外財産調書に偽りの記載をした場合
あるいは、正当な理由なしに故意に国外財産調書を期限内に提出しない場合
1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処することとされています
(国外送金等調書法 10①②本文)

ただし、国外財産調書の自主的な提出を促進するために
以下のようなインセンティブ措置を設けています

・申告期限内に調書を提出した場合には、調書に記載の国外財産に係る
 所得税あるいは相続税に申告漏れがあった場合でも過少申告加算税
 が5%減額されます

・一方で、調書に記載の無い国外財産に係る所得税あるいは相続税に
 申告漏れがあった場合には過少申告加算税が5%増額となります。

近年、国外財産の保有が増加傾向にある中で、国外財産に係る所得税や相続
税の課税の適正化が喫緊の課題となっていることから、この制度が
創設されました。

国外に財産を保有する場合にはご注意ください

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2014.07.24

【平成27年1月からの事業承継税制の適用要件が簡素化されます】

非上場企業の株式に関する事業承継税制(贈与税・相続税の納税猶予
及び免除の制度)について、平成25年の税制改正で適用要件が
緩和されました。 適用要件緩和後の新税制は、平成27年1月1日以後
適用されます。

来年に向けて新税制が適用できるかどうか、あるいは適用するためには
どのような対策が必要なのかを、新税制でご確認ください

適用要件がどのように緩和されたのかについて、詳細は
以下のURL(国税庁HP)でご確認ください

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku/aramashi/pdf/04.pdf

主な改正点について簡単に説明します

1.旧税制では、最もハードルが高いと言われていた継続雇用確保の要件ですが
 経営承継期間(5年間)の雇用割合が8割以上でなければならないという要件が
 「5年間毎年」から「5年間平均」に緩和されました。

2.後継者の要件については、被相続人等の親族であることの要件が廃止
 されます。そのため、親族以外への事業承継も対象になります。

3.先代の代表者は、贈与時に代表権を有していなければ役員として
 残っていても贈与税の特例を適用することができます。

4.利子税の免除:経営承継期間の経過後に、納税猶予額の一部または
 全部を納税する場合には、経営承継期間中の利子税が免税となります

5.延納・物納:雇用確保要件を満たさなくなった場合には、相続税
 については延納・物納、贈与税については、延納を選択できます。

6.資産管理会社に対する要件は、厳しくなりました。
  ⇒後継者と生計を一にする親族以外の常時雇用従業員が5人以上いること
  ⇒同族関係者以外への貸付を3年以上行っていること

7.納税猶予制度の打ち切りの判定
  ⇒納税猶予制度の打ち切りの判定は、本業での売上高のみで判定する
 ことになりました。

上記改正は27年1月からの相続に適用されます。新しい適用要件で
事業承継税制が適用できるかどうか、一度ご確認ください

2014.07.20

【2世帯住宅を建てる場合の節税方法】

【2世帯住宅を建てる場合の節税方法】

25年度税制改正で、2世帯住宅に関する小規模宅地の特例について
改正がありました。

最大のポイントとしては、構造上内部で行き来ができないタイプの
2世帯住宅にも小規模宅地の特例の適用範囲が広がったことです

しかし、従来から適用されていた構造上内部で行き来ができる
タイプの2世帯住宅について小規模宅地の特例の適用範囲が
限定的となったので注意が必要です

25年度税制改正以前は

▽内部で行き来ができる2世帯住宅は、区分所有登記の有無にかかわらず
同居親族の要件を満たしているとして、敷地の全体が特定居住用宅地
に該当し、80%評価減の対象としていました

▽内部で行き来できない2世帯住宅は、独立した住居として考える
ため、同居親族の要件を満たさないとされていました。
そのため、被相続人の居住用部分以外は小規模宅地の適用対象外と
されていました

25年度税制改正以後は(26年1月以降の相続から適用)

▽2世帯住宅への小規模宅地の適用要件を、内部で行き来が可能かどうか
という構造で判定するのではなく、区分登記の有無で1棟の建物か
どうかを判定する考え方となりました

▽内部で行き来できる2世帯住宅でも、区分所有登記されている
場合には、被相続人の居住用の部分のみに小規模宅地の特例の
適用対象面積が縮小されました

▽内部で行き来できない2世帯住宅でも、区分所有登記されていなければ
1棟の建物全体に小規模宅地の特例の適用対象が拡大されました

これから2世帯住宅を建てる場合には、相続税の節税対策として
区分所有登記をしないことをおすすめします。

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2014.04.27

【7月1日以降税務調査の手続きが改正されます】

税務調査といえば誰でも嫌なものですが。。。
その手続きの一部が7月1日以降改正されます

実は、平成23年税制改正で税務調査手続きが
大幅に改正されました。

その際に、税務調査の事前通知を納税者と税務代理人の双方に
連絡するという旨が定められました。

しかし、実務において様々な問題があったようです。
そこで26年度改正で、「税務代理権限証書」に
納税者の同意が記載されている場合には

納税者ではなく、税務代理人(税理士)に通知すれば
足りると改正されます。

つまり、税務署が税務調査を行う旨を税務代理人である税理士に
連絡し、税理士から納税者に連絡するという流れに一本化するという
ことです。

現在は、税務署が納税者と税理士の双方に連絡をしなければならないため
その連絡の順序によってはトラブルが発生する場合があります

今回の改正は7月1日以降に提出する税務代理権限証書から
適用されます

しかし、7月1日以前に提出している税務代理権限証書であっても
7月1日以降に「納税者の同意がある場合」に新しい書式で
再提出すれば、改正後の税務調査手続きが適用されます。

なお、税務調査手続きに関する一般納税者向けFAQが
国税庁のHPで公開されています

全部で30問のQ&Aとなっています
詳細は下記URLでご確認ください

https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/pdf/02.pdf

2013.10.16

【相続税質疑応答編-39 平成27年からの贈与税は税率が2種類あるんですか?】

平成25年度の税制改正で、平成27年から贈与税率の変更が明らかになりました
従来、贈与税率は1種類しかありませんでしたが、平成27年1月1日以降の
贈与からは、2種類の税率が適用されます

具体的には、一般贈与財産と特例贈与財産によって税率が異なります
ここで、一般贈与財産に適用される税率は従来の贈与税の税率です

次に、「特例贈与財産」というのが平成25年税制改正で明らかになった
平成27年1月から適用される新しい税率です。

この税率は、直系尊属から20歳以上の子・孫へ贈与した場合に適用
される税率です。

日本国内のすべての財産の世代別保有割合では、60歳代以上が
日本国民の全財産の50%以上を保有しているという統計データがあります

このデータにより、資産保有額の世代間格差が明らかになったため
世代間ギャップを少しでも是正するため、特例贈与財産に対する
贈与税率は、従来の一般贈与財産と比べて低い税率が適用されます

では、贈与財産に一般贈与財産と特例贈与財産が含まれている場合の
贈与税の計算は、どうなるのでしょうか?

〈事例〉
25歳のA君は、平成27年中に父親から600万円の預貯金を贈与してもらい
また、27年中に叔母さんから400万円の預貯金を贈与してもらいました。
その結果A君は、平成27年中に1000万円の財産を贈与してもらいました。

計算は以下のとおりです
1.まず1000万円から110万円を控除します(基礎控除)
2.次に特例贈与財産の税額を計算します
 (890万円×30%―90万円)×600万円÷1000万円=106万円
3.最後に一般贈与財産の税額を計算します
 (890万円×40%―125万円)×400万円÷1000万円=92万円
4.2と3の計算結果を合算して198万円が、A君の贈与税となります

この記事以外にも、下記URLのAll ABOUT JAPANの私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

http://profile.ne.jp/pf/oumi/c/

2013.09.29

【相続税質疑応答編-43 今週の国税庁からの情報です 】

今週は、国税庁からの情報を2項目ご案内いたします
第1は、最近の最高裁判決に基づく情報です

既にマスコミで報道されていますが、非嫡出子の法定相続分の
民法規定が違憲と判断されました。

最高裁の見解としては、遺産分割協議が確定した事案にまで
今回の違憲判決は影響しない旨を示しています

そこで、実務上問題になるのは以下の論点です

1.申告済みの相続税の事案で、今回の違憲判決に基づき
相続税額の再計算を行うと税額が過大となる場合に
更正の請求が認められるのかどうか

2.民法の改正が未だ行われていない現状において
相続税の申告期限を迎えるケースでは、現行の民法に基づく
法定相続分で相続税の計算を行うのか、あるいは最高裁判決に
基づいて相続税の計算を行うのか。

これらの論点について、国税庁の見解が明らかになり次第
国税庁のHPで情報が公表されることになりますので今後の動向に
ご注意ください

国税庁からの第2の情報は、国税庁のHPで
「NISAの手続きに関するQ&A」が公表されました。

詳細につきましては、下記URLの国税庁HPをご確認ください
http://www.nta.go.jp/gensen/nisa/pdf/toshikaqa.pdf

内容は、Q&A形式で全24問です。目次も含めて10ページ以内に
コンパクトにまとめられていますのでNISAに関心のある方は
是非一度ご確認ください。

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2013.08.11

【相続税質疑応答編-42 直系尊属からの贈与財産が国外財産で有る場合】

平成27年1月から贈与税の税率が、2種類になることは以前のメルマガで
ご紹介しました。

詳細は、下記URLでご確認ください
https://www.kobesouzoku.com//menu16/#__qa_21__

前回のメルマガでは、一般の贈与と直系尊属からの贈与がある場合の
基礎控除の調整計算の方法をご紹介しました。

そこで、今回は直系尊属からの贈与財産の中に国外財産があるの取扱
をご紹介します。

そもそも、国外財産を贈与に取得した場合でその財産について外国の
法令で『贈与税』相当の税金が課税されている場合には、贈与税について
外国税額控除がで適用されます

具体的事例は、国税庁の下記URLでご確認ください
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/16b/01.htm

この制度は、外国税額控除の限度額を
『受贈者の贈与税額×国外財産の額/その年分の贈与税の課税価格』
と定めています

〈事例〉
25歳のA君は、平成27年中に父親から600万円の預貯金を贈与してもらい
また、27年中に叔母さんから400万円の預貯金を贈与してもらいました。

その結果A君は、平成27年中に1000万円の財産を贈与してもらいました。
ただし、父親からの贈与財産600万円のうち300万円は国外の預貯金で
この300万円については、その外国で60万円の贈与税を納税済みです

計算は以下のとおりです

1.まず1000万円から110万円を控除します(基礎控除)

2.次に特例贈与財産の税額を計算します
 (890万円×30%―90万円)×600万円÷1000万円=106万円

3.次に一般贈与財産の税額を計算します
 (890万円×40%―125万円)×400万円÷1000万円=92万円

4.次に贈与税の外国税額控除限度額を計算します
  106万円×300万円/600万円=53万円

5.最後に贈与税額を計算します
 106万円+92万円-53万円=145万円

27年以降の直系尊属からの贈与に当たっては上記のような
事例もありうるのでご注意ください。

この記事以外にも、下記URLのAll ABOUT JAPANの私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

http://profile.ne.jp/pf/oumi/c/

2013.07.28

【相続税質疑応答編-41 教育資金一括贈与特例に関する新しい通達が公表されました】

今年の4月から始まった教育資金一括贈与の特例は、話題性もあって
贈与資金の残高が全国でかなりの金額に膨らんでいるようです

実際に実務が始まると、立法時点では想定しえなかった実務上の問題点が
あきらかになります。 それらの問題点に対応するために国税庁が
通達を公表しその取扱いについても明らかにしています

国税庁のHPで以下のURLで確認できますので
関心のある方は、ご確認ください。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/130709/pdf/01.pdf

そのなかからいくつかを抜粋してご案内いたします

・受贈者あるいは贈与者が外国籍を有する場合であっても一定の要件を
 満たせば特例を適用できることが明示されています

・教育費を外貨で支払った場合の換算ですが、領収書記載日の
 最終対顧客直物電信売相場で邦貨換算することになります

・管理契約終了後に教育費として利用していない残高について
 贈与者が生存中であれば、相続時精算課税の対象となるが贈与者が
 死亡していれば暦年課税の対象となる

・この特例を適用した金額は、贈与者が死亡した場合でも
 3年以内の生前贈与加算の対象外となるが、契約終了後に
 教育資金としての未了残高がある場合には、3年以内の
 生前贈与加算の対象となる

また、同じ書面に「特定障がい者の贈与税の非課税措置」に関する
新しい通達について取り扱いが記載されています

25年度改正で、障がい者に係る信託受益権について一般障害者の場合
でも3000万円までは非課税枠が定められました。

今回新たに通達で定められたのは、一般障害者としてこの特例の
適用を受けた後に特別障がい者に該当することになった場合

既に、一般障がい者として特例適用を受けた金額と6000万円との
差額を新たに特例障がい者の非課税枠として特例を適用できる
旨を明示しています。

現政権ではアベノミクスの経済政策だけでなく、相続税・贈与税についても
きめ細かな改正が迅速に行われているようです。

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2013.07.21

【相続税質疑応答編-40 国外財産調書制度について教えてください】

平成24年税制改正で平成25年12月31日以降毎年12月31日の国外財産
について国外財産調書を税務署に提出する制度が始まります。

(提出しなければならない方)
居住者(「非永住者」の方を除きます。)の方で、その年の12月31日
において、その価額の合計額が 5 千万円を超える国外財産を有する方は、
その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、
その年の翌年の3月15日までに提出しなければならないこととされました。

(注 1)「非永住者」とは、日本の国籍を有しておらず、かつ、
過去 10 年以内において国内に住所又は居所を有していた期間が
5年以下である方をいいます。

(注 2)「国外財産」とは、「国外にある財産をいう」こととされています。
ここでいう「国外にある」かどうかの判定については、財産の種類ごとに
行うこととされ、

例えば次のように、その財産の所在、その財産の受入れをした営業所
又は事業所の所在などによることとされています。

なお、平成 25 年度の税制改正において、国外財産調書に記載すべき
国外財産の所在の判定について、その取扱いが一部変更されました。

(国外財産の価額)
国外財産の「価額」は、その年の 12 月 31 日における「時価」又は
時価に準ずるものとして「見積価額」によることとされています。

また、「邦貨換算」は、同日における「外国為替の売買相場」による
こととされています。

(国外財産調書の記載事項)
国外財産調書には、提出者の氏名、住所(又は居所)に加え、国外財産の種類、
数量、価額、所在等を記載することとされています

(国外財産に関する事項については、「種類別」、「用途別」
(一般用及び事業用)、「所在別」に記載する必要があります。)

詳細につきましては、国税庁の下記HPでご確認ください
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hotei/130329/pdf/01.pdf

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2013.07.07

【相続税質疑応答編-38 国税不服審判所の事例から財産評価のポイントは?】

国税不服審判所が平成24年下半期分の再掲津事例を
下記URLで公表しました

http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/89.html

その中から10月9日の採決の中から「取引相場の無い株式の評価」に
関連して借地権評価の問題点を解説します

<事例>
簡単に解説するために、事例を簡略化して紹介します
地主:同族会社オーナー
借主:同族会社
契約:不動産賃貸借契約
権利金:収受無し
地代:相当地代の収受無し
このような契約状態で無償返還の届け出を提出しています

この場合、土地の評価は自用地の評価額の80%となります
その根拠は、いわゆる「相当地代通達」の8です。

以下で本文を引用します

(「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価)
借地権が設定されている土地について、無償返還届出書が提出されている場合
の当該土地に係る貸宅地の価額は、当該土地の自用地としての価額の100分の80
に相当する金額によって評価する。

なお、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対し土地を貸し付けて
いる場合には、43年直資3-22通達の適用があることに留意する。

この場合において、同通達中「相当の地代を収受している」とあるのは
「「土地の無償返還に関する届出書」の提出されている」と読み替えるものとする。

さらに、ここで上記の43年直資3-22通達によると
「相当の地代を収受している貸宅地の評価について課税時期における被相続人
所有の貸宅地は、自用地としての価額から、その価額の20%に相当する金額
(借地権の価額)を控除した金額により、評価されたい。」

と記載されています。ここで注意すべきポイントは
上記で『相当の地代を収受している』とあるのは『無償返還の届出
を提出している』と読み替える点です。

これらの通達から、
上記契約形態であれば、土地は自用地評価の80%で評価し
借主である法人には借地権として自用地評価の20%が計上される
ことになります。

ここで、論点となったのが借主である法人に計上される20%は
「土地等の評価」に該当するのか否かという点です。

この点について、借地借家法の制約賃貸借契約にもとづく利用の制約等
を勘案すれば、現在借地慣行のない地区についても20%の借地権を認容
していることとの権衡上、本件における土地の評価についても借地権割合
を20%とすることが適当である。

と通達に記述がありますので、法人の資産として計上する
借地権の20%は、「土地等の価額」に含まれることになります。

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2013.06.27

【相続税質疑応答編-37 小規模宅地の特例の改正<2世帯住宅>】

平成25年の税制改正で小規模宅地の特例に関する改正が
あったことは既にご存知のことと思います

しかし、その詳細な内容・要件等については改正政令が発表されるまで
明らかにはされていませんでした。

平成25年5月31日に財務省HPで租税特別措置法施行令の改正
新旧対照表が公表されたことによって、小規模宅地の特例の
改正点について詳細な内容が明らかにされました

詳細な内容を確認したい方は、下記URLの財務省HPを
ご確認ください

http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2013/seirei/shinkyu/sotoku211-225_2.pdf

以下で改正政令のポイントをご案内します
1.小規模宅地の特例の適用対象に、被相続人の親族の居住の用に
 供していた部分も含めることになりました
 (租税特別措置法施行令40条の2)

⇒この部分について、従来は被相続人の居住の用に供していた
1棟の建物である場合、建物の敷地のうち被相続人の居住部分に
対応する部分だけが特例の適用対象でした。

ただし、区分所有の建物の場合は小規模宅地の特例の
適用対象外であることにご注意ください
(租税特別措置法施行令40条の2但し書)

例えば、2世帯住宅で完全に内部で分離しているような構造で
1階と2階を区分所有で登記してしまうと、被相続人の
居住の用に供していた部分のみが特例適用対象になってしまいます
充分にご注意ください

2.被相続人の居住の用に供されていた1棟の建物が区分所有建物
以外の場合には、被相続人の親族の居住の用に供されていた部分も
小規模宅地の特例の適用対象となることが明記されました
(租税特別措置法施行令40条の2)

これによって、内部で相互に行き来できない完全分離型の
2世帯住宅であっても区分所有でなければ、被相続人の
親族の居住の用に供されていた部分まで小規模宅地の特例の
適用対象となります

いずれも適用は、平成26年1月からの適用となりますので
ご注意ください

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書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

2013.06.16

【バリアフリー改修工事投資減税の税制改正でミスがありました。】

バリアフリー改修工事投資減税の税制改正でミスがあり、財務省のHPで
謝罪文が公表されました。珍しいことですので関心のある方は下記URLで
内容をご確認ください。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/250530shotoku_teisei.htm

簡単に内容を解説すると、
平成25年度税制改正大綱では、25年1月から26年3月末まで間に入居した場合の
工事限度額を平成24年分と同様の150万円(減税枠は最大15万円)とし、
消費税増税後の26年4月以降入居は原則200万円(同20万円)となることが記載
されていました。

しかし、財務省が政令改定作業において、25年1月から26年3月末まで入居分は
150万円とすることの経過措置規定をもらしてしまいました。

その結果条文上では、25年1月入居から200万円が工事限度額(減税枠は最大20万円)
として読めてしまうことになってしまいました。

財務省の判断は以下のとおりです
・法律が既に公布されている以上、現行の条文を前提に、既に経済取引の判断が
 なされている可能性があること、
・現行の条文により、当初想定していた措置より納税者が不利になるものではない
 こと、などを勘案し、平成25年1月1日から平成26年3月31日までの間の入居
 について、自己資金でバリアフリー改修工事をした場合の改修工事の限度額を
 「200万円」とする現行の条文の通りに実施することと致しました。

この財務省の発表に基づいて追って国税庁からも資料の修正が公表されました。

○「平成25年分 所得税の改正のあらまし」の修正について
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shotoku/kaisei_aramashi/index.htm

 納税者にとっては不利ではない状況にありますが、大綱その他これまでに
 公表されてきた情報とは違う点に注意が必要です。

この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
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http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

2013.06.02

【相続税質疑応答編-36 遺留分の減殺請求と相続税】

<事例>
被相続人A(相続開始の日:平成18年10月)の相続人は配偶者Bと
長男Cでした。当初の申告ですべての財産をBが相続しました。
Bは、小規模宅地の特例と配偶者の税額軽減の特例を適用したため
納税額は発生しませんでした。

平成25年1月になってからBCの話し合いにより遺留分の減殺請求
による価格弁償としてBからCに5000万円支払うことになりました

この場合Cは相続税の納税義務はありますか?

<解説>
まず大前提として、遺留分の減殺請求権は相続の開始を知った日から
1年間行使しない場合には時効により消滅します

従って、今回BからCへ支払う5000万円が遺留分の減殺請求による
価格弁償として認められない場合には、贈与税の課税対象となります

今回の事例で贈与税の課税対象とならないためには、
価格弁償の額の確定に、18年10月に相続が開始してから平成25年1月
まで長引いた事情を明らかにする資料を整えておく必要があります。

次に、遺留分の減殺請求により相続税の納税義務者になるCについて
は当初申告の期限後の申告になりますが、正当な事由があるので
無申告加算税の対象とはなりません。

また、今回のBは納税すべき税額が発生していませんでしたが
仮に、当初申告でBが相続税を納税している場合で今回の価格弁償に
より納税額が減少する場合には、価格弁償の確定から4ヵ月以内に
相続税の更正の請求を行うことができます(相続税法32条)

更に、上記の場合で新たに納税義務者となったCが相続税の
申告をしない場合に税務署は、Cの相続税額を決定することが
できます。

つまり、Bに税額が発生している場合にB+Cの全体の税額は
一定の金額のはずなのでBが更正の請求を行い還付する税額は、
Cが申告納税しなければならないということです。

上記のような事情が無い場合に、相続税の申告期限から
5年を経過すると、税務署は相続税について決定することが
できません。

ですから、今回の事例ではもともとBに納税額が発生していなかった
ことと、当初申告期限から5年を経過しているので新たに納税
義務者となったCが相続税の申告納税をしなくても
税務署がCの相続税額を決定できないという結論です。

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2013.05.19

【相続税質疑応答編-35 外国に住む外国籍の孫への遺贈って節税?】

【相続税質疑応答編-35 外国に住む外国籍の孫への遺贈って節税?】

平成25年の税制改正では、基礎控除の引下げと教育資金贈与が大きな
改正点でしたが、それ以外にも影響の大きな改正があります

そのひとつが、「外国に住む外国籍の相続人への課税」です。

そもそも、先進諸国の多くは自国の国籍を持たずに国外に住む相続人
であっても、国内外の財産を相続税の課税対象としているようです。

しかし、日本の相続税法は日本国籍を持たない相続人を想定して
いませんでした。

そのため、一部の富裕層は法定相続人や孫に外国籍を取得させるという
節税対策が行われていました。

例えば、父親がアメリカに預貯金や不動産を多額に所有している場合で
法定相続人である長男がアメリカ在住でアメリカ国籍を取得している
場合、改正前の相続税法ではアメリカの預貯金と不動産は課税対象外でした。

しかし、日本経済のグローバル化に伴い課税の公平を維持するために
このような租税回避を防ぐ必要が高まりました。

そこで、「日本国内に住所を有しない個人で日本国籍を有しないものが、
日本国内に住所を有する者から相続若しくは遺贈又は贈与により取得した
国外財産を、相続税又は贈与税の課税対象に加える。」と改正されました。

(注)上記の改正は、平成25年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は
贈与により取得する国外財産に係る相続税又は贈与税について適用します。

今後、日本の税制も国際的な視点からの改正が予想されます
海外を利用した節税プランはこれから先は、役に立たなくなる可能性が
高いと考えたほうがいいと思われます

あまり極端な節税プランには慎重に取り組んだほうが賢明かもしれません。
 

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2013.05.05

【相続税質疑応答編-34 小規模企業共済契約者死亡により相続人が承継通算した場合】

個人事業主の方は、将来廃業をしても退職金を受取ることが
出来ないので、節税対策を兼ねて小規模企業共済を掛けている
方が多いと思います

 小規模企業共済の毎年の掛金は、その全額が所得控除として
扱われるため所得税の節税効果があります

 一方、小規模企業共済の契約者(個人事業主)が契約途中で
死亡した場合、その小規模企業共済契約に基づく一時金を、
相続人は受け取ることができます。

 また、契約者(個人事業主)の相続人がこの契約者の事業を
1人で相続によりすべて承継した場合には、上記一時金の支給を
請求しないで契約者が掛けていた納付月数を子に承継通算する
ことができます(共済法第13条第2項)。

 通常、この小規模企業共済契約に基づく一時金は、相続税の
計算をする時の相続財産にみなし相続財産(退職手当金等)
として含まれ、一定の金額について非課税として取り扱われます。

(500万円×法定相続人の人数までは非課税です。
 遺族が受取る退職金について、国税庁のHPでご確認ください
 http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4117.htm )

 もし、上記のように一時金の請求をせず、相続人の契約に承継
通算することとなった場合には、契約者の相続税の計算をする際
の相続財産として、どのように評価をすればよいのでしょうか。

このことについて国税庁で照会事例が公表されていますので
ご紹介します。

<国税庁HP:東京国税局の文書回答事例集より>
小規模企業共済契約者の死亡に伴い小規模企業共済掛金及び
掛金納付月数を相続人が承継通算した場合の相続税の課税関係について

http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/souzoku/250125/01.htm

結論を簡単に申し上げますと、

1.上記承継通算されたとしても退職手当金等として
  みなし相続財産として取り扱われます。

2.評価額は一時金の支給を請求した場合に受け取ることができる金額
  
3.さらに、みなし相続財産として一定の金額について非課税として
  取り扱われる

詳細は、上記リンク先よりご確認ください。

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2013.04.21

【相続税改正情報:教育資金贈与のQ&A】

今年の税制改正の目玉の一つである教育資金贈与に関する
Q&Aが、国税庁と文部科学省のそれぞれのHPで公表され
ましたのでご案内いたします

国税庁のQ&Aは、下記URLです

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/130401/pdf/130401_01.pdf

国税庁のQ&Aは、教育資金贈与に関する一般的な疑問について
図解で説明されています。 わかりやすい内容になっています
ので是非一度ご確認ください

また、文部科学省でも下記URLでQ&Aを公表しています

http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/zeisei/__icsFiles/afieldfile/2013/04/01/1332772_1.pdf

文部科学省のQ&Aは、国税庁のQ&Aよりもコンパクトにまとまっています
詳細については、是非国税庁のQ&Aでご確認ください

また、この制度の大まかな概要については国税庁作成の
下記パンフレットでご確認ください
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku-zoyo/201304/pdf/01.pdf

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2013.03.31

【相続税質疑応答編-33 相続開始の日の判定】

【質問】
相続開始の時期は、人の死亡と同時に開始しますが、
社会問題化しつつある独居老人等のような場合で警察等からの
連絡で死亡の事実を知らされるというような事例(孤独死)
も発生しています。

では次のように戸籍の記載がある事例での相続税の課税時期
(相続開始の日)は、どのように判定されるのでしょうか。

(1)戸籍に記載された年月が明らかで、推定日に幅がある場合
   例:「12月1日から10日の間」
(2)戸籍では、推定月までしか記載がない場合
   例:「平成23年12月」
(3)戸籍に記載された年が明らかで、推定月に幅がある場合
   例:「平成24年1月から6月の間」
(4)戸籍では、推定年までしか記載がない場合
   例:「平成24年」
(5)戸籍の記載では、推定年に幅がある場合
   例:「平成23年から平成24年の間」

【回答】
(1)「12月1日から10日の間」の場合は、最後の推定日である
   「12月10日」となります。
  
(2)「平成24年12月」の場合は、推定月の末日である
   「平成24年12月31日」となります。

(3)「平成24年1月から6月の間」の場合は、最後の月の末日である
   「平成24年6月30日」となります。

(4)「平成24年」の場合は、その年の最終日である
   「平成24年12月31日」となります。

(5)「平成23年から平成24年の間」の場合は、最終の年の末日である
   「平成24年12月31日」となります。

【解説】
 相続開始の時期については、民法882条(相続開始の原因)では、
「相続は、死亡によって開始する。」旨規定していますし、この人の
死亡については、現実に死亡という事実が発生した時とされています。

 この相続開始の時期の判定は、相続税での課税年分や申告期限の
確定等の基準とされていることや相続人の範囲、資格、相続する順位の
決定や相続財産や遺留分の決定などにおいて、相続税法上で発生する
各種の問題の解決にも影響する重要な基準要素とされています。

 このことから実務的な対応としては、医学的な死亡の時として
判定されていることから、一般的には、その事実が戸籍に記載されている
死亡の年・月・日・時であるとして推定されています。

 また、事例のように戸籍の記載において、死亡推定時刻に時間的な
幅がある場合には、民法上は、その時間の終期をもって死亡推定時刻
とするものと解されています

 ちなみに、相続税の取扱いにおいても、これと異なる考え方を採る
とする合理的な理由はないので、特に明確な反証がない限り、民法の
考え方にならって相続開始の時期すなわち相続税の課税時期とするのが
妥当とされています。

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2013.03.17

【相続税質疑応答編-32 25年度税制改正のポイント:小規模宅地の特例】

25年度税制改正法案では相続税法の基礎控除引下げが織込まれているのは
すでにご案内の通りです。

この増税策に対応して、第2の基礎控除ともいわれる小規模宅地の特例が
大幅に拡大されていますのでポイントを説明いたします

まず現在(改正前)の小規模宅地の特例の概要については以下の国税庁HP
でご確認ください

http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

次に、25年度改正案のポイントは以下のとおりです

1.特定居住用の場合の面積制限が240㎡から330㎡へ拡大されました。
この改正は、路線価の高い地域での相続税増税に対応した改正案です

また、この面積拡大は特定事業用宅地等と併用できるので
小規模宅地の適用対象となると宅地が特定居住用と特定事業用等のみの
場合は、特定居住用で330㎡+特定事業用等で400㎡=合計で730㎡の
小規模宅地の特例が適用できることになる予定です

ここで、留意すべきポイントは貸付事業用宅地は従来通り200㎡であることと
貸付事業用宅地等について特定居住用宅地等と併用する場合には
200㎡+330㎡=530㎡の適用はできないということです

貸付事業用宅地等のある場合のみ、適用対象面積の計算については
計算して調整しなければなりませんので十分にご留意ください

2.2世帯住宅の適用要件を緩和します
現行の税制では、2世帯住宅の場合建物の構造上それぞれ区分がある
場合には、内部で相互に行き来ができなければ、小規模宅地の特例を
適用できませんでした。

今回の改正では、内部の行き来ができるかどうかにかかわらず
2世帯住宅の場合に同居しているものとして、特例の適用ができる
予定です

3.終身利用権のある老人ホームに入居した場合
現行の税制では、終身利用権のある老人ホームに入居した場合には
特定居住用宅地等に該当しなくなっていました。
路線価の高い地域に自宅のある場合、この取り扱いは大きな税負担に
つながっていました。

そこで、今回の改正では一定の要件の下で終身利用権のある
老人ホームに入居した場合でも、特定居住用宅地等として
小規模宅地の特例を適用できる扱いに改正される予定です

なお、1の改正は平成27年1月からですが、2と3の改正は平成26年1月から
適用される予定です

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http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

2013.02.11

【譲渡所得質疑応答-11保証債務の履行と譲渡所得税】

<事例>
Aさんは、弟Bの経営する株式会社Cが銀行から資金調達を
行うに当たって、保証人となっていました

Aさんは、保証人のまま死亡しました。Aさんの相続人は
長男Dのみです。

C社永年にわたり多額の債務超過に陥って
いたため業績の回復の見込みがなくなり、今年になって
解散しました。現在清算の手続き中です。

その後Aさんは亡くなりました

金融機関との交渉の結果、C社の債務5000万円については
今後1年以内に保証債務の履行としてAさんの相続人である
長男Dが返済することになりました。

さて、このような場合長男Dの相続税を計算するに当たって
保証債務5000万円を債務控除できますか?

また、長男Dが土地を売却して、その売却代金で5000万円の
保証債務を履行した場合、譲渡所得に計算に当たって
何らかの特例を適用することはできますか?

<解説>

上記事例の保証債務の債務控除については、過去のメルマガで
ご紹介しています。下記URLでご確認ください

https://www.kobesouzoku.com//menu11/#__qa_22__

『保証債務は、一般的には債務控除の対象になりません。
債務控除の要件として、『確実と認められる』債務でなければ
ならないからです。

(根拠条文:相続税法第14条)『前条の規定によりその金額を
控除すべき債務は、確実と認められるものに限る。』

しかし、例外的に保証債務でも債務控除の対象になる場合があります。

(根拠条文:相続税基本通達14-3(1)但書『ただし、主たる債務者が
弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければ
ならない場合で、かつ、主たる債務者に求償して返還を受ける見込みが
ない場合には、主たる債務者が弁済不能の部分の金額は、当該保証
債務者の債務として控除すること。』

今回の事例の場合、C社は債務超過状態であり、かつC社は
清算手続き中であるため上記要件に該当すると考えられますので
債務控除は適用可能と考えられます

では、長男Dの譲渡所得の計算に当たって特例の適用は
できるでしょうか?

ここで相続人が保証債務を債務控除の対象にした場合において、
相続人が相続後に当該保証債務を履行するためにした
不動産の譲渡につき所得税法第64条第2項の保証債務の特例を
適用できるかどうかが問題になります。

結論は、適用可能です。
下記URLの国税庁HPで質疑応答事例集の回答をご確認ください。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/11/07.htm

根拠条文は、所得税法基本通達64-5の3です。
『被相続人の保証債務を承継した相続人が、当該保証債務を履行するために
資産を譲渡した場合には、当該資産の譲渡は、その保証債務を被相続人の
債務として相続税法第13条《債務控除》の規定の適用を受けるときであっても、
法第64条第2項に規定する「保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合」
に該当するものとする。(昭56直資3-2、直所3-3追加)

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2013.02.03

【譲渡所得質疑応答-10 共有持分を別個の時期に相続と売買により取得した場合における譲渡所得の取得費の計算について】

<事例>
今回の事例は、名古屋国税局が平成24年12月11日に国税庁のHPで
回答を公開している内容です

詳細につきましては、下記URLをご確認ください
今回のメルマガでは、その要点をご紹介いたします
http://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/joto-sanrin/121211/index.htm

事例は、以下のとおりです

甲さんは、平成13年4月にA土地の共有持分1/3を父から相続により取得
しました。その後同じA土地の残りの2/3を甲の兄から2500万円で買取りました

つまり、甲さんはA土地について相続で1/3を取得しその後売買で2/3
を取得しました。 このように1筆の土地の共有持分について
それぞれ別個の原因で取得した結果単独所有となりました

この度、甲さんはこのA土地について地元の不動産業者に
6000万円で売却することになりました。

さて、この場合のA土地の取得費(取得原価)の金額は
いくらになるでしょうか?

<解説>
結論から申し上げますと、A土地の取得費は2600万円となります

まず、A土地の2/3部分つまり甲さんが兄から2500万円で買取った
部分については、兄からの買取価格2500万円が取得費であること
に問題はありません

さて、次に残りの1/3部分つまり甲さんが相続により取得した
部分ですが、この部分については昭和30年代に甲さんの父が
売買により取得した土地ですが、売買価格を証明する書類が
発見できませんでした。

その場合の取得費の考え方としては
6000万円×1/3×5%=100万円となります

以上より、A土地全体の取得費は
2500万円+100万円=2600万円となります。

名古屋国税局の回答の詳細については、上記URLで
ご確認ください

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2012.12.24

【相続税質疑応答編-31 相続税の申告漏れ財産の傾向】

今回は、年末も近いので簡単な内容の情報をご紹介します
先月、このメルマガで平成23年度中の相続税税務調査の傾向を
ご紹介いたしました。

今日は、その内容に若干追加いたします。

まず、平成23年度中の相続税の税務調査件数は全国で13,787件
でした。 その結果申告漏れとして指摘された金額は3,993億円
平均すると、1件当たり2,896万円の申告漏れとなります。

上記申告漏れ財産3,993億円のうち

現預金  1426億円
有価証券  631億円
土地    630億円

となっています。

特に、現預金の申告漏れが申告漏れ財産全体の36%と際立っています
なおかでも、借名財産の申告漏れが多いようです

借名財産とは、以下のような財産のことです
例えば、親が生前に子あるいは孫の名義で預金して入る場合で
親と子孫との間で贈与が認められないケースの預金を言います。

この場合、名義は親ではないので相続財産として申告しない場合が
多いようです。

しかし、相続税の税務調査では配偶者・子・孫の預貯金
の中に借名財産が混ざっていないかどうかを徹底的に調査します。

『親からもらったことにすれば大丈夫』という甘い判断は
税務調査で痛い目にあってしまうリスクがあります。

相続税の申告の際には、借名財産は正直に申告したほうが
よさそうです

預貯金と同様に、証券会社の口座でも借名財産が散見される
ようです。

次に、土地の申告漏れの具体例としては
1.登記簿面積よりも実測面積の方が大きい場合に登記簿面積で
財産評価を実施しているケース

⇒この事例は、稀に発生しているようです。登記簿記載の面積が
必ずしも正しいとは限りませんので注意が必要です。

2.曽祖父等の名義の不動産で名義変更漏れの土地があった場合に
相続財産として申告が漏れているケース

⇒この事例も、うっかりしていると漏れてしまうケースです。
不動産の所有者が亡くなっても名義変更をしないことも多いので
要注意です。

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2012.12.02

【相続税質疑応答編-30 1次相続が未分割の場合の2次相続の申告】

今日の事例は、できるようで実はできない制度をご紹介します

<事例>
甲と乙の夫婦にはABの子がいました。
今年、夫の甲が亡くなりその3カ月後に妻の乙が死亡しました。
甲乙ともに遺言書を作成していなかったので、ABは遺産分割で
悩みました。

その結果、妻乙の相続税の申告期限までに夫甲の遺産について未分割
でした。 つまり、2次相続(妻乙の相続)に係る相続税の申告に
当たっては、妻乙の固有の財産に加えて、夫甲の遺産のうちの
妻乙の法定相続分に相当する部分も妻乙の遺産として申告をしました

しかし、第2次相続(妻乙の相続)に係る相続税の申告書の提出後に
第1次相続(夫甲)の相続財産が、妻乙の法定相続分よりも少なく
決まりました。

この場合、相続人であるABは第2次相続について払い過ぎの税額を
還付するための更正の請求をすることはできますか?

<解説>
結論から申し上げると、できません。

論点を改めて整理すると

今回の事例は、夫甲が妻乙よりも先に死亡しましたが妻乙の相続税の
申告期限まで夫甲の遺産分割が成立しなかったために妻乙の相続財産
に夫甲の遺産の1/2が必然的に加算されました。

つまり、ABの兄弟は妻乙の相続税の申告に当たって妻乙の遺産を
以下の算式で計算した金額で計上しました

<妻乙の遺産=妻乙の固有の財産+夫甲の遺産の1/2(法定相続分)>

しかし、その後夫甲の遺産分割が成立したところ妻乙の遺産は

<妻乙の遺産=妻乙の固有の財産+夫甲の遺産の1/2より少ない金額>
となりました。

このとき、妻乙の遺産を過大に計上したことによって当初支払過ぎている
ABの相続税額を、還付できるのか?というのが今回の論点ですが、
できません。

それは、相続税法32条に定められていないからです。
相続税法32条の細かな解説は、ここでは割愛させていただきます

上記のような事例は、実務では時々あります。
でも、過払いの相続税額を還付請求できないのでご注意ください

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2012.11.10

【今年の税制調査会の会議資料から税制改正の方向性を確認します】

衆議院の解散総選挙の時期を巡って駆け引きが行われていますが
その一方で、税制調査会では平成25年度の税制改正の議論が行われて
います。

 この時期から税制改正の議事録を読んでいると25年度税制改正の
方向性がある程度予想できます

 そこで、今回は平成24年10月31の税制調査会議事録の添付資料から
25年税制改正のポイントを紹介いたします

10月31日の税制調査会資料では、税制改正の課題として以下の点が
挙げられています

(イ)個人所得課税⇒所得税の最高税率引上げを検討しています

「所得税については、格差の是正及び所得再分配機能の回復の観点から、
最高税率の引上げ等による累進性の強化に係る具体的な措置について
検討を加え、その結果に基づき、平成 24 年度中に必要な法制上の措
置を講ずる。」【税制抜本改革法附則第 20 条】

・ 金融所得課税

「金融所得課税については、平成 26 年1月から所得税並びに個人の
道府県民税及び市町村民税をあわせて100 分の 20 の税率が適用される
ことを踏まえ、その前提の下、平成 24 年度中に公社債等に対する
課税方式の変更及び損益通算の範囲の拡大を検討する。」
【税制抜本改革法第7条第2号イ】

(ロ)資産課税⇒基礎控除の引下げ等の増税案を再度検討しています

・相続税、贈与税の見直しの検討

「相続税の課税ベース、税率構造等、及び贈与税の見直しについて検討し、
その結果に基づき平成 25 年度改正において必要な法制上の措置を講ずる
旨の規定を附則に設ける。

具体化にあたっては、バブル後の地価の大幅下落等に対応して基礎控除
の水準を引き下げる等としている今回の政府案を踏まえつつ検討を進める。

資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化
の進展への対処等の観点からの相続税の課税ベース、税率構造等の見直し
及び高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促し、消費拡大を
通じた経済活性化を図る観点からの贈与税の見直しについて検討を加え、
その結果に基づき、平成 24 年度中に必要な法制上の措置を講ずる。」

・事業承継税制 ⇒まったく使われていない税制なので条件緩和を検討
 します

「事業承継税制について、中小企業における経営の承継の円滑化に関
する法律に基づく認定の運用状況等を踏まえ、その活用を促進する
ための方策や課税の一層の適正化を図る措置について検討を行い、
相続税の課税ベース、税率構造等の見直しの結果に基づき講ぜられる
措置の施行に併せて見直しを行う。」

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2012.10.28

【相続税質疑応答編-29 親から子への学費・生活費の援助は、無条件で贈与税非課税なの??? 】

<事例>

親が子の生活費あるいは教育費を負担するのは、あたりまえのことです。
したがって、生活費・学費の名目で親から子への資金送金には一切贈与税が
課税されません。

しかし、息子の大学生活の生活費と学費のために、大学入学時に500万円を一括で
息子の口座に入金し、それを生活費や学費に使うように指示しました。

この場合、贈与税の課税対象となるでしょうか?

<解説>

扶養義務者からの生活費又は教育費で通常必要と認められるもの
につきましては、非課税財産として贈与税の課税対象とならないことが
相続税法で定められています。
(相法21の3(1)二)

しかし、上記非課税財産の対象となるためには、生活費又は教育費として
必要な都度、直接これらに充てるためのものに限られます
(相基通21の3-5)。

今回のケースですと、大学入学時において500万円が生活費又は教育費
として必要な金額かどうかが問題となります。

入学時において、500万円が生活費又は教育費として必要な金額であれば、
非課税となり、贈与税の課税対象とはなりません。

ただし、生活費又は教育費という名目で取得した財産を貯金した場合
又は株式の購入代金に充てた場合などは課税対象となります
(相基通21の3-5)。

入学時において、500万円が生活費又は教育費として必要な金額であれば、
非課税財産として認められると考えられますが、大学生活の生活費又は
学費として4年間分を贈与した場合等、一括して贈与した場合については、
贈与税の課税対象となります。

子・孫の学費という名目で一括で資金を送金している事例が実際には
多いようです。 その都度必要な金額以上に送金した結果、子・孫の
預金残高が増加しているような場合には、贈与税の課税対象となります。

重要な根拠条文となりますので、以下に「相続税法基本通達」の原文を
紹介いたします。

贈与の実務で、間違いやすいポイントですので原文を読んで正しく
理解してください。

≪参考:相続税基本通達21の3-5≫

『法第21条の3第1項の規定により生活費又は教育費に充てるためのもの
として贈与税の課税価格に算入しない財産は、生活費又は教育費として
必要な都度直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産を
いうものとする。
 したがって、生活費又は教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合
又は株式の買入代金若しくは家屋の買入代金に充当したような場合
における当該預貯金又は買入代金等の金額は、通常必要と認められるもの
以外のものとして取り扱うものとする。(平15課資2-1改正)』

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2012.10.21

【譲渡所得質疑応答-9 自宅売却後もその自宅で居住を継続する場合の特別控除の適用について】

<事例>

株式会社Aの代表取締役Bは、会社の業績が悪化して運転資金が
足りなくなりました。

しかし、金融機関からの借入金はこれ以上残高を増やしたくないので
自宅を売却することにしました

Bは、自宅の土地建物を売却して、譲渡所得の3000万円控除と譲渡所得の
軽減税率の適用を受けることにより、売却に関わる税額を減らすことを
検討してます

そこで、自宅の土地建物の売却案として次の2案を考えました。

1.Bの娘婿であるXに自宅土地建物を時価で売却し、Bさんは
自宅の土地建物でそのまま生活を継続する。ただしXに適正な家賃を
毎月支払う

2.株式会社Aの外注先で買掛金の支払いが滞っているY社に時価で
売却し、その後Bさんは自宅の土地建物でそのまま生活を継続する。
ただし、この場合もYに対して適正な家賃を毎月支払います

1案2案の場合で税務上の扱いは異なるのでしょうか?

<解説>

生活の拠点となっている自宅を売却した場合の所得税については
所得税の負担を軽減するためのいくつかの特例があります

その中でも一般的なのが3000万円の特別控除です
これは、所得税の課税対象となる自宅の売却益(譲渡所得)から
3000万円を控除することのできる特例です
(所法33、措法35、措令20の3、23)

この特例を適用するためには、以下の様な要件を満たす必要があります
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
 なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から
 3年目の年の12月31日までに売ること。

(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えや
 マイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての
 損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

(3) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など
 他の特例の適用を受けていないこと。

(4) ~省略~

(5) ~省略~

(6) 売手と買手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。
 特別な間柄には、このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、
 特殊な関係のある法人なども含まれます。

さて、今回の1案を上記要件に当てはめてみると
娘婿のXさんは直系血族でも生計を一にする親族でもないので
譲渡先の要件としてはクリアーです

また、自宅売却後もその家屋で生活を継続することによって
特例の適用は否認されません。 したがって売却先としてXを選択した
場合でも3000万円の特別控除は適用できます。

さらに、周辺の適正な相場から算出した家賃の相場の年間総額が例えば
贈与税の基礎控除(110万円)未満の金額である場合、課税上弊害が
無いと考えられるので、実際に家賃の支払いをしていない場合でも
贈与税の課税対象とはなりません(相続税基本通達9-10但書)

次に、2案の場合もY社は3000万円特別控除適用除外の譲渡先には該当しません。
また、自宅売却後もBさんがその家屋で生活を継続することによって
特例の適用が否認されることはありません。

さらには、BからY社への売却が譲渡担保の設定であるような場合には
一定の手続きを行うことによって譲渡所得税も課税されません

<参考>(所得税基本通達33-2 譲渡担保に係る資産の移転)

債務者が、債務の弁済の担保としてその有する資産を譲渡した場合において、
その契約書に次のすべての事項を明らかにしており、かつ、当該譲渡が
債権担保のみを目的として形式的にされたものである旨の債務者及び
債権者の連署に係る申立書を提出したときは、当該譲渡はなかったものとする。

この場合において、その後その要件のいずれかを欠くに至ったとき又は
債務不履行のためその弁済に充てられたときは、これらの事実の生じた時
において譲渡があったものとする。(昭52直資3-14、直所3-22改正)

(1) 当該担保に係る資産を債務者が従来どおり使用収益すること。

(2) 通常支払うと認められる当該債務に係る利子又は
  これに相当する使用料の支払に関する定めがあること。

(注)形式上、買戻条件付譲渡又は再売買の予約とされているものであっても、
 上記のような要件を具備しているものは、譲渡担保に該当する。

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2012.10.14

【相続税質疑応答編-27 オフィスビルの建物付属設備の未償却残高と株価の関係 】

<事例>
A社代表取締役B氏の相続税申告に当たって、A社の株価評価を
実施する必要があります。資産を精査していると財産評価でひとつだけ
問題が発生しました。

A社の本社は、第三者と賃貸借契約を締結しているオフィスビルの1室に
あります。

A社は、オフィスの利用に当たってA社の負担で内装工事の模様替え
付帯設備の改修工事を行いました。

A社の決算書には、上記工事の未償却残高が建物付属設備として
4000万円計上されています。

上記建物付属設備は、賃借したオフィスビルの一部を構成するモノであり
その追加工事部分だけを独立して取引の対象となる経済的価値は
ありません。

さて、上記のような場合でA社株式の評価を純財産額法で計算する
にあたって、上記建物付属設備の未償却残高4000万円は株価にどのように
影響を与えるでしょうか?

<解説>
結論から申し上げますと、上記の建物付属設備4000万円は
A社の株価算定上は、A社の財産として認識しない場合がありうるという
ことです

まず、上記建物付属設備4000万円をA社財産として認識するかどうか
という論点の前にA社が賃貸借契約をしている借家権そのもののが
客観的交換価値のある財産であるかどうかを検討する必要があります

そもそも財産評価基本通達94但し書きには
「ただし、この権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のない
 地域にあるものについては、評価しない。」と定めています

特殊な地域を除いては、一般的には借家権そのものを客観的交換価値
のあるものとして取引する慣行がなく、相続財産として評価する対象と
なりません。

さらに、A社の決算書に計上される建物付属設備4000万円は
会社の期間損益計算の適正化のために、未償却残高が計上されている
にすぎず、その建物付属設備に4000万円の交換価値は無いと
考えるのが一般的です。

また、建物の賃借人が賃借中の建物に付属設備の工事を行った場合
その付属設備の所有権は建物所有者に帰属することになります

(民法第242条 「不動産の所有者は、その不動産に従として付合
 した物の所有権を取得する。)

したがって、賃借人は付属設備の経済価値について賃貸人に対して
償還請求権を所得することになるようです(民法608条)

ただし、一般的には上記償還請求権も建物の賃貸借契約書の中で
放棄している場合が多いようです。

上記より、賃借人であるA社が上記償還請求権を賃貸借契約書の
中で放棄していない場合には、上記償還請求権が債権として
A社の株価に影響を及ぼしますが

償還請求権を放棄している場合で、借家権そのものを
取引する慣行の無い地域であれば、建物の付属設備4000万円は
A社の株価算定上は、貸借対照表から除外することができます。

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2012.09.17

【譲渡所得質疑応答-8 ゴルフ会員権の譲渡所得の取得費に関する取扱が改正されました】

預託金会員制ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱いが変更されました。
  譲渡所得に関する税額が少なくなる改正なので、ご注意ください!!!

 1.従来の取扱い

(1)譲渡所得の基因となる預託金会員制ゴルフ会員権とは、契約上の地位であり、優先的施設
   利用権(いわゆるプレー権)と預託金返還請求権をその内容とする資産(事実上の権利)を
   いうものとされます。

(2)一方、預託金会員制ゴルフ場の経営会社においては、預託金の償還問題等に対して、民事
   再生法等による再建型処理つまり再生計画、更生計画及び整理計画に基づき、預託金債権を
   切り捨てた上、優先的施設利用権を保障する方策(自主再建型)を採ることがあります。

(3)自主再建型の場合、すなわち、

   ① 会社更生法に基づく更生計画による更生手続等により、預託金債権を切り捨てた上、ゴ
    ルフ場経営会社は営業を存続するというもので、単に契約内容の変更があったものにすぎ
    ず、ゴルフ会員権としての性質は維持するというものであり、その場合における譲渡所得
    の計算においては、切り捨てられた損失の金額は認識せず、取得価額も減額(付け替え)
    しないという取扱いがされてきました。

   ② また、預託金債権を100%切り捨てた上、優先的施設利用権だけが継続されるケース
    においては、上記(1)に述べたように、預託金会員制ゴルフ会員権は、優先的施設利用
    権と預託金返還請求権を内容とするものですから、優先的施設利用権のみのゴルフ会員権
    の取得価額とそのゴルフ会員権の時価相当額との差額としての損失は、譲渡所得等の各種
    所得の金額の計算上考慮されないものとされてきました(平成15年7月4日付国税庁資
    産課税課情報第13号「個人所有の預託金制ゴルフ会員権を巡る課税上の問題について
    (情報))。
 
2.今後の取扱い
   上記1の(3)②の場合、すなわち、預託金会員制ゴルフ会員権が上記の更生手続等(会社
  更生法に基づく更生計画による更生手続と同等の法的効果を有する民事再生法に基づく再生計
  画による再生手続等を含みます。)により、預託金債権の全額を切り捨てられたことにより、

  優先的施設利用権(年会費等納入義務等を含みます。以下同じです。)のみのゴルフ会員権と
  なったときであっても、当該更生手続等により優先的施設利用権が、次に掲げる状況その他の
  事情を総合勘案し、更生手続等の前後で変更なく存続し、同一性を有していると認められる場

  合には、その後に当該優先的施設利用権のみのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の
  計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費については、更生手続等前の預託
  金会員制ゴルフ会員権を取得したときの優先的施設利用権部分に相当する取得価額とするとい
  うものです。

  ① 当該更生計画等の内容から、優先的施設利用権が会員の選択等にかかわらず、当該更生手
   続等の前後で変更がなく存続することが明示的に定められていること。

  ② 当該更生手続等により優先的施設利用権のみのゴルフ会員権となるときに、新たに入会金
   の支払いがなく、かつ、年会費等納入義務等を約束する新たな入会手続が執られていないこ
   と。
 
 3.所得税の還付手続

   上記2の取扱いの変更は、過去に遡って適用することとされます。
   したがって、これにより、過去の所得税の申告内容に異動が生じ、所得税が納めすぎとなる
  場合には、国税通則法第23条第2項の規定に基づき、この取扱いの変更を知った日の翌日か

  ら2月以内に所轄税務署長に更正の請求をすることにより、当該納めすぎとなっている所得税
  が還付されます(国税通則法23②三、同法施行令6①五)。

   更正の請求をする場合には、更生計画等上記2に掲げた内容が分かる書類を併せて提出する
  必要があります(国税通則法23③)。

   なお、法定申告期限等から既に5年を経過している年分の所得税については、法令上、減額
  することはできないこととされています(国税通則法70①一)。
 

◎ 国税庁ホームページ>調達・その他の情報>お知らせ>「ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取
得費の取扱いについて」でご確認ください。
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/golf/01.htm

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2012.09.02

【相続税質疑応答編-26 離婚の財産分与・養育費・慰謝料と贈与税の関係】

<事例>
A(夫)とB(妻)は、家庭裁判所で離婚の調停が成立しました。
調停の結果、次のとおり話し合いがまとまりました

1.財産分与は3000万円
2.AからBへの慰謝料は1000万円
3.ABの娘Cは、Bが引取ることになったが大学卒業までの養育費と教育費
  はAが負担する

この場合のABの税務について教えてください
また、AからBへの分与を現金ではなく時価3000万円相当の土地の譲渡で
行った場合の税務も教えてください

<解説>

家庭裁判所の調停等によって財産分与や慰謝料の支払いを行った場合
支払い側・受取り側どちらにも課税関係は発生しません。

従って、上記1.2についてはABともに一切の課税はありません。

ただし、金銭の支払いにかえて時価3000万円相当の土地を譲渡した場合には
Aには譲渡所得税が課税されます。

根拠は:所得税基本通達33-1の4です
『(財産分与による資産の移転)民法第768条《財産分与》の規定による
財産の分与として資産の移転があった場合には、その分与をした者は、
その分与をした時においてその時の価額により当該資産を譲渡したこととなる。
(昭50直資3-11、直所3-19追加、平18課資3-6、課個2-11、課審6-5改正)』

つまりAが財産分与として時価3000万円の土地を譲渡した場合に、その取得費が
2000万円であれば、差額の1000万円が譲渡所得の課税対象となります。

次に、時価3000万円相当の土地の取得したBですが贈与税は課税されません。

根拠は:所得税基本通達33-1の4の(注)1です。
『(注)1.財産分与による資産の移転は、財産分与義務の消滅という経済的利益
を対価とする譲渡であり、贈与ではないから、法第59条第1項《みなし譲渡課税》
の規定は適用されない。』

さらに、Bが今回取得した土地を第三者に売却する際の取得費は
今回の財産分与の金額である3000万円となります。

根拠は:所得税基本通達38-6です。
『民法第768条《財産分与》の規定による財産の分与により取得した財産は、
その取得した者がその分与を受けた時においてその時の価額により取得した
こととなることに留意する。(平18課資3-6、課個2-11、課審6-5改正』

最後に、Aが負担するCの養育費と教育費ですが離婚後も父親であるAの
扶養義務が消滅しないので、Cに贈与税は課税されません。

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2012.08.19

【譲渡所得質疑応答-7 生計を一にする母親が買換住宅に居住する場合の節税は?】

<事例>
今回は、生計を一にする母親のために住宅を買換えた場合の買換特例の
摘要について確認します。

Aは平成元年にに父親から相続により取得した自宅で母親と同居していました。
その後、平成20年にAは転勤のため会社の社宅に転居をしましたが
母親の生活費はすべてAが負担していました。

しかし、最近では母親が生活しているA名義の自宅も老朽化が進んだことと
Aの転勤生活もあと5年の目途がついていることから、現在のA名義の自宅
近くに自宅を買換えることにしました。

新しい自宅には引続き母親だけが生活しますが、5年後に転勤生活が
終わればAの家族とともに母親と同居する予定でいます。

さて、このような事例の場合に居住用財産の買換特例は適用できるでしょうか・

<解説>
今回の事例では、論点が以下のとおり2つあります
1.生計を一にする母親が一人暮らしをしているA名義の自宅は、
  買換特例の適用対象になるか?

2.買換える新居は、当分の間母親が一人暮らしをする予定で
  いつからAが同居するのかはまだ確定していない状況で
  買換特例の適用対象になるか?

まず、1つ目の論点ですが生計を一にするAの母親が生活をしている
A名義の自宅は、買換特例の適用対象となります。
根拠は、措置法通達31の3-6に規定されています

ポイントは以下の2点です
(1) 当該家屋は、当該所有者が従来その所有者としてその居住の用に供して
   いた家屋であること。
⇒Aは父親から相続により取得して平成元年から20年まで居住の用に供していました。
  

(2) 当該家屋は、当該所有者が当該家屋をその居住の用に供さなくなった日
   以後引き続きその生計を一にする親族の居住の用に供している家屋であること。
⇒Aは母親の生活費をすべて負担していました。

(3)(4)の内容は今回は割愛します

次に2つ目の論点ですが、今回の事例の場合は残念ながら該当しません
根拠は、措置法通達36の2-17に規定されています

ポイントは以下のとおりです

『買換資産を当該個人の居住の用に供したかどうかについては、
 買換資産である土地等については、当該土地等の上にあるその者の有する家屋
 をその者が居住の用に供したときに、当該個人の居住の用に供したことになる
 ことに留意する。』
⇒今回の事例では、Aが新居で生活するのは5年以上先の予定なので該当しません

以上より、今回の事例では買換特例を適用できません。
自宅を買換えする際の税務は、複雑ですので十分にご注意ください

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2012.08.11

【譲渡所得質疑応答-6 共有の居住用不動産を売却した場合の所得税の特例は?】

<事例>
消費税増税が成立しました。消費税が増税になる前に自宅の買換えを
検討する方が増えると思います。そこで今回は、すこし複雑な買換え特例の
パターンを検討してみます

ABの兄弟は、15年前に2階建ての2世帯住宅共有名義で購入しました。
その後15年間兄のAは、1階で家族とともに生活をしていました。

ところが、弟のBは5年目に関東へ転勤することになったため
家族とともに転勤先で賃貸マンション生活をすることになりました。
転勤の期間中、2階部分についてはBが他人に賃貸し家賃収入を得ていました。

その後Bは8年間の転勤生活を終えて、家族とともに2階部分での生活を
再開しました。 しかし、その2年後にABともにこの2世帯住宅を売却して
それぞれが新居を購入することになりました。

このような事例の場合に、どのような所得税の特例を適用できるのでしょうか

<解説>
一般的に、居住用不動産を売却する場合に適用できる特例としては

・3000万円の特別控除
・長期居住用不動産の軽減税率
・特定居住用財産の買換え特例

この3項目が考えられます。ABそれぞれの立場で上記特例が適用可能か
どうかの確認をします

・まず特定居住用財産の買換え特例ですが最初に確認すべき適用要件は
『売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において
 売った家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えるものであること。』

この点に着目すると、兄のAは15年間引越しをしていないので適用できますが
Bは、途中で転勤があったため居住期間が7年間しかなく適用できません。

なお、詳細な適用要件は下記URLでご確認ください
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3355.htm
(措法36の2、36の3、措令24の2、措規18の4)

・次に3000万円の特別控除ですが、
この制度には居住用不動産の所有期間・居住期間の制限がありませんので
Bは、3000万円の特別控除を適用することができます。

一方でAは、上記の特定居住用財産の買換え特例と3000万円特別控除の
重複適用は認められていませんので、どちらかを選択する必要があります

詳細な適用要件は下記URLでご確認ください
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm
(所法33、措法35、措令20の3、23、措規18の2、措通31の3-2)

・最後に長期居住用不動産の軽減税率ですが
この特例の適用要件のポイントは、所有期間であって居住期間ではありません
『売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間が
 ともに10年を超えていること。』

したがって、弟Bは3000万円の特別控除と、この長期居住用不動産の
軽減税率を併せて適用することができます

しかし、この特例も特定居住用財産の買換えとの併用ができません。
兄Aは、ここでもどの特例を適用するのかを選択する必要があります

詳細な適用要件は下記URLでご確認ください
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3305.htm

このように、居住用不動産を売却した場合の所得税の計算には
複雑な特例の適用要件の判断が必要となってきます。

実際に売却を検討する際には、事前に特例の適用要件を
充分に確認の上で資金繰りを計算する必要があります。

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2012.08.05

【相続税質疑応答編-25 介護付有料老人ホームの入居一時金の返還請求権と相続税】

<事例>
甲と乙の夫婦は、夫である甲所有の自宅で甲の収入で生活を営んでいました
妻である乙は、国民年金の収入のみです

乙は、数年前から軽度の認知症となったため甲だけでは介護が難しくなったため
近所の介護付き有料老人ホームの単身用の部屋に入居しました。

このホームは、入居者が死亡するか契約を解除するまで継続して介護を受けて
生活することができるので、甲は安心して任せることにしました

入居に関する一時金1000万円と、その後の月額サービス料20万円はすべて
夫である甲の預貯金から支払っていました。

入居一時金は、60ヶ月で均等償却する契約になっています。60ヶ月未満で
死亡あるいは解約すると未償却残高が返還されます。一方、60ヶ月を超えて
死亡あるいは解約すると一切返還金はありません。

しかし、夫である甲は妻乙が有料老人ホームに入居後まもなく死亡しました
さて、この場合妻乙の有料邦人ホームの入居一時金に関する相続税・贈与税の
扱いはを教えてください

<解説>
有料老人ホームに入居している場合の入居一時金の取扱や
小規模宅地の特例の適用については、様々な論点がありますが今回は
入居一時金を負担した夫が先に死亡した場合の論点を解説いたします

まず、夫甲が死亡した場合でも妻乙は引き続きホームで生活を継続しています
ので入居一時金の返還はありえません。

従いまして、入居一時金の未償却残高を甲の相続財産として算入する必要は
ありません。

次に、甲が乙の入居一時金を負担した事実が贈与税の課税対象として扱われるか
どうかが論点になります

つまり甲が乙の入居一時金を負担した事実が

1.扶養義務の履行に該当するかどうか
2.扶養義務の履行の範囲を超えるものであっても扶養義務者相互間において
  生活費に充てるために通常必要と認められるものであるかどうか

という2つのポイントを確認する必要があります。

まず相続税法第1条で配偶者は扶養義務者であることを定めています
しかし、有料老人ホームの入居一時金の全額を負担する行為が扶養義務の履行の
範囲であるかどうかは意見が分かれるようです

次に、仮に入居一時金が扶養義務の範囲を超えた行為であると考えた
場合であっても、相続税法21条の3第1項第2号に以下のように定めています

『扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした
 贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの』は、贈与税の課税価格
に算入しない。

つまり、今回の甲が乙の入居一時金を負担した行為が、扶養義務者間相互において
生活費に充てるために通常必要と認められるものの範囲と考えられれば
贈与税の課税対象となりません。

この点につきましては、裁決事例としては上記条文を適用して
贈与税の非課税財産と判断した事例と、上記条文の適用外として
贈与税を課税した事例と見解が分かれているようです

なお、上記条文の適用外として贈与税の課税対象とした事例では
入居一時金が1億円を超えている事例です

入居一時金の負担については、税務の判断によって贈与税・相続税の
税額に大きく影響を与えますので事前に税の専門家である税理士に
ご相談ください

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2012.07.28

【相続税質疑応答編-24 売買契約中の土地を相続した場合の課税関係】

<事例>
Aさんは所有する土地XをBさんに売却する契約を7月1日に締結しました。
売買価格は5000万円でしたが、契約当日は手付金の1000万円しか
受け取りませんでした。

残金の4000万円は、2週間後に受け取る約束でした。
しかし、Aさんは残金4000万円を受け取る期日の前に急死しました。

その後、Aさんの相続人であるCさんは残金4000万円を受け取り
土地XをBさんに引き渡しました。

この場合、土地Xに関する相続税の申告と所得税の申告について
教えてください

<解説>
今回の事例では、相続税に関する論点と譲渡所得に関する論点がありますので
別々に解説いたします

まず、相続税に関する論点ですがそもそも相続税の課税対象となる財産は
土地Xなのか、未収代金4000万円の請求権なのかという点がポイントになります

つまり、未収代金の請求権であれば相続財産の評価は4000万円になりますが
土地Xが課税対象の財産であれば路線価に基づき評価すると評価額が
4000万円を下回る可能性が高いと考えられます。

相続人Cさんとしては、少しでも相続税を少なくしたいと考えるので
当然土地Xを相続税の課税対象財産と考えたいところです。

しかし、この点につきましてはバブル期に問題となったために
昭和61年に相続税の課税対象財産は、「残代金請求権」であるとの
最高裁の判例があります。

従いまして、今回の事例では4000万円の残代金請求権を
相続税の課税対象財産とします

次に、譲渡所得の申告ですがAさんの準確定申告として申告する
方法と、相続人Cさんが確定申告で申告する方法と2通りあります

Aさんの準確定申告として申告する場合の留意点は以下のとおりです
1.準確定申告の結果計算された所得税額は、相続税の計算上債務として
  扱われます。
2.次に住民税の課税ですが、住民税は翌年1月1日にAさんは生存していません
  ので土地Xの譲渡に伴う住民税の課税はされません

次に土地Xの譲渡所得を引渡日を基準としてCが確定申告する場合の
留意点は以下の通りです
1.Aさんの相続税の一部を土地Xの取得費に加算できます
  この特例の詳細につきましては下記URLでご確認ください

  http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3267.htm

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2012.07.21

【相続税質疑応答編-23 納税資金確保のために未分割の不動産を売却する際の注意点】

【相続税質疑応答編-23 納税資金確保のために未分割の不動産を売却する際の注意点】

<事例>
Aの妻Bと長男C次男Dは、Aの遺産分割協議がまだ成立していません。
しかし、納税資金を確保するためA名義の不動産の一部を売却することを
検討していました。

そこでBCDは協議の結果、Aのすべての財産を未分割のままで
A名義の土地Zを不動産会社Yに6000万円で売却することにしました。

土地Zの売却代金は、一旦全額を配偶者であるBが保管し
その後、売却代金の分割は協議の結果B3000万円、C2000万円、
D1000万円の割合で分割することとなりました。

この場合、譲渡所得の申告とCの贈与税について解説してください

<解説>
相続財産である不動産を売却する場合、分割協議が成立してから
売却する場合と、未分割のままで売却する場合で課税関係が異なります

今回の事例の場合、未分割の状態で売却することになりますから
売却時には、法定相続割合で仮に登記したうえで売却することになります

この時、売却代金を一括して共同相続人の一人に保管させて遺産分割の
対象に含める合意を予め行っている場合には、不動産の換価分割が行われた
と考えられます。(最高裁昭和54年2月22日第一小法廷判決)

今回の事例も、売却代金の全額を一旦Bが保管した後に、分割協議に
よってそれぞれの取得金額がB3000万円、C2000万円、D1000万円と
決まりましたので、土地Zを換価分割したと考えられます

この場合、土地Zの譲渡所得は売却代金の分割比率つまり
B:C:D=3:2:1の割合で申告することになります。

また、CとDの法定相続割合は本来50%づつですが、換価分割によって
C:D=2:1の分割割合が成立しているため、50%を超えるCの所得割合
については、贈与税は課税されません。

納税資金を確保するために不動産を分割協議成立前に売却する際には
譲渡所得及び相続税への影響も考慮する必要があります。

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2012.07.15

【譲渡所得質疑応答-5 交換の特例の適用要件って???】

<事例>
兄弟ABは、15年前に父親から相続した土地甲と乙をそれぞれ
1/2づつ割合で共有しています。

土地甲と乙は、それぞれ月極め駐車場として利用しており
サラリーマンであるABの副収入となっています。

土地甲と乙は、ほぼ同じ面積で所在地も近いことから時価も
ほぼ同額です。

この度長男Aは、2世帯住宅建築資金を得るために土地の売却
を検討しています。しかし、甲乙いずれも共有持分であるため
ABの所有する甲乙の持分を、それぞれ交換してから売却しようと
考えています。

このような場合に、交換の特例の適用は可能でしょうか?

<解説>
所得税法58条の交換特例の適用要件につきましては
前回のメルマガでご案内いたしました。

詳しくは、下記URLでご確認ください。
http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/28544/

さて、今回の事例についてあてはめてみますと
問題になるのは、土地甲乙を交換後に長男Aが売却を考えている
ということです。

この場合に、前回の記事で紹介した交換特例適用要件の(5)
つまり、「交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の
用途と同じ用途に使用すること。」という要件を満たさないのでは
ないか、という心配があります。

この点について、所得税基本通達58-8には以下の様に定めています。
『固定資産を交換した場合において、取得資産をその交換の日の属する
年分の確定申告書の提出期限までに譲渡資産の譲渡直前の用途と同一
の用途に供したときは、交換特例の規定を適用することができるもの
とする。』

したがって、今回の事例の場合では長男Aは甲乙土地の持分を
交換した後に、いったん月極め駐車場の経営を継続しておけば
その後、売却したとしても交換特例は適用できると考えられます。

さらに、今回の様な事例の場合には「特定事業用資産の交換の
特例」を適用できる場合もあるので検討しておく必要があります。

ただし、所得税法58条の交換特例では交換資産の時価がほぼ
同額である今回の場合、所得税は課税されませんが

「特定事業用資産の交換の特例」では、交換差金のない等価交換
であっても収入および取得費を譲渡資産の20%で計算した金額
で譲渡所得を計算することに留意する必要があります。

(等価交換の場合でも必ず税額発生してしまうということです。)

また、交換により取得した資産を取得した日から1年以内に事業
(今回は月極め駐車場)として使わなければなりません。
さらに、交換により取得した資産を取得してから1年以内に事業に
使用しなくなった場合は、原則として特例は受けられません。

つまり、今回のように交換後直ちに売却を予定している場合には
「特定事業用資産の交換の特例」は、適用できません。

固定資産の交換・買換えの特例は複雑な税法の判断が必要です
実際に実行するに当たっては、慎重な判断が必要となります。

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2012.07.08

【相続税質疑応答編-22 贈与をしても贈与税が課税されない場合って? 】

<事例>
A(母)とB(娘)は、X(Aの亡夫)から土地甲を1/2づつ相続しました。
その後、Bが事業に失敗し多額の負債を負うことになりました。

ABがそれぞれXから相続した土地甲を売却しても負債の全額返済には
足りませんが、それでも土地甲を有効活用して少しでも返済したいと
考えています。

そこで、Aが甲土地の持分を売却する方法・Aが甲土地持分を放棄する
方法が考えれらえますが、それぞれの場合の課税関係を教えてください

<解説>
まず、一般的に考えられるのがAが甲持分を売却して売却代金をBに
贈与する方法だと思います。

しかし、この場合Aの譲渡所得には所得税が課税されます。
事例の場合、Xから相続により取得した土地なので長期譲渡所得としても
譲渡所得に対して20%が課税されます

そこで、Aが持分を放棄する方法が考えられます。
全体のストーリーとしては、以下のとおりです

Aが相続により取得した甲の持分を放棄します。この場合放棄した持分は
Bに帰属することになります(民法255条)

『共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人が
 ないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。』

この場合、Aの持分放棄については譲渡所得の課税はありません。
さて、次にBに対する課税関係を確認すると

一般的には、Aの持分放棄によりBに帰属した甲土地の持分について
贈与税が課税されます。

しかし、今回の事例では贈与税も課税されません
BはAから得た経済的利益によっても負債の全額を返済することが
できず、BとAは扶養義務の関係にあるからです
(相続税法9条但書、民法877条)

なお、この場合Bに対して贈与税は課税されませんが
所得税も課税されないと考えられます。

相続税法9条但書
『ただし、当該行為が、当該利益を受ける者が資力を喪失して債務を
弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から
当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、
その贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうち
その債務を弁済することが困難である部分の金額については、
この限りでない。』

民法877条
『直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。』

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2012.07.01

判断が困難な交換特例の適用要件の確認

<事例>AさんとBさんは、Aさんが長期にわたり保有しているX土地500㎡
とBさんの保有しているY土地350㎡との交換を話し合っています

Aさんの土地は、バブル期以前から保有している土地ですがBさんの土地は
2年前に取得した土地です

AさんとBさんは、地目がいずれも宅地で時価もほぼ等価なので交換の特例
が適用できると考えています。

しかし、BさんがX土地を2年前に取得していて、そのことについて
「Bさんが交換のために取得したことではないこと」の立証が困難であると
考えています。

このような場合に、交換の特例は適用できるでしょうか。

<解説>
今回は、交換特例の適用要件のひとつである
「交換のために取得したものではないこと」という要件について確認します。

結論から申し上げますと、今回の事例で交換特例は問題なく適用できます。

交換特例を適用するに当たって、交換の対象となる資産について
双方ともに1年以上の所有期間で、交換目的で取得したものではないこと、
という条件を満たさなければなりません。

しかし、「交換目的で取得したものではないこと」という要件を
客観的に立証することは困難です。

そこで、昭和40年の改正時に「1年以上所有していること」という要件を
追加することによって、客観的に「交換目的で取得したものではないこと」
を判定することにしました。

交換の特例を適用するに当たっては、留意すべき事項が数多くありますので
税の専門家である税理士に是非相談してください。

固定資産の交換特例の概要については、国税庁の下記HPで
ご確認ください

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3502.htm

1 制度の概要
 個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、
譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。

2 特例を受けるための適用要件
(1) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
 不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、
  特例の対象になりません。

(2) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物
  のように互いに同じ種類の資産であること。この場合、借地権は土地の種類に含まれ、
  建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。

(3) 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。

(4) 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、
     かつ交換のために取得したものでないこと。

(5) 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
 この用途については、次のように区分されます。

 交換譲渡資産の種類と区分

 土地⇒ 宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他
 建物⇒ 居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他用

(6) 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、
これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。

また、交換の適用要件の(5)については所得税法基本通達58-6で以下のように
定められています

(取得資産を譲渡資産の譲渡直前の用途と同一の用途に供したかどうかの判定)
法第58条第1項に規定する資産を交換した場合において、取得資産を譲渡資産
の譲渡直前の用途と同一の用途に供したかどうかは、その資産の種類に応じ、
おおむね次に掲げる区分により判定する。
(平20課資3-4、課個2-33、課審6-18改正)

(1) 土地 宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他の区分

(2) 建物 居住の用、店舗又は事務所の用、工場の用、倉庫の用、その他の用の区分

(注) 店舗又は事務所と住宅とに供用されている家屋は、居住専用又は店舗専用若しくは
 事務所専用の家屋と認めて差し支えない。

(3) 機械及び装置 その機械及び装置の属する減価償却資産の耐用年数等に関する
 省令の一部を改正する省令(平成20年財務省令第32号)による改正前の
耐用年数省令別表第2に掲げる設備の種類の区分

(4) 船舶 漁船、運送船(貨物船、油そう船、薬品そう船、客船等をいう。)、
 作業船(しゅんせつ船及び砂利採取船を含む。)、その他の区分

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2012.06.23

【最新情報です、相続税改正案が削除されました!!! 】

来週早々には、消費税法改正法案が可決されるかもしれません
そこで、最新の改正法案を確認してみると、

驚いたことに、相続税改正法案が削除されていました。
昨年から、相続税法改正法案は浮上しては消えてましたが
今回も、見事に削除されています

基礎控除の引下げによって、相続税の増税という
改正法案が削除されていることは、下記URLの
民主党HPの

『消費税法等改正案修正案新旧対照表』でご確認ください

http://www.dpj.or.jp/article/101171/%E3%80%90%E8%A1%86%E9%99%A2%E7%
A4%BE%E4%BF%9D%E3%83%BB%E7%A8%8E%E4%B8%80%E4%BD%93%E6%94%B9%E9%9D%A9
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E6%97%A8%E8%AA%AC%E6%98%8E
 
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2012.06.16

土地売却時の宅地造成費用の取扱

<事例>
Aさんは、祖父の代から(60年前)所有し続けているX土地100㎡
を父親から相続により取得しました。
AさんはX土地を月極め駐車場として利用していました。

その後3年前になって、X土地の西隣のY土地100㎡を購入すること
ができたため、XYを併せて月極駐車場として駐車場経営を
行っていました。

この度、Aさんは自宅購入資金等が必要となったために
X土地とY土地を宅地として造成したうえで一括して売却する
ことに決めました。

土地の造成費用は1000万円でした。

そこで、譲渡所得を計算するに当たってXYの土地造成費用の
取扱について教えてください

<解説>
今回の事例を検討するに当たっては、所有期間の異なるXとYを
別々に検討する必要があります。

まず、所有期間が3年で短期譲渡所得に該当するY土地については
Y土地購入時に金額に今回の造成費用の1/2を取得費として加算する
ことに問題はありません。

問題となるのは、X土地です。
X土地の当初の取得費が契約書等で証明できる場合と、取得費が
不明の場合に分けて検討する必要があります。

1.X土地の当初の取得費が契約書等で判明する場合には、Y土地と
同じ考え方で譲渡所得を計算します。

つまり、X土地の当初の取得費に今回の造成費用の1/2を取得費に
加算することができます。

2.問題となるのは、X土地の当初取得費が判明しない場合です。

税法では、昭和27年以前から所有している土地で取得費が判明しない
場合には土地売却代金の収入金額の5%を取得費とする旨の定めが
あります

今回の場合X土地の売却代金の5%を取得費として計算することが
できます。

そこで問題となるのが、
・5%の取得費に今回の造成費用の1/2を加算することができるか?
・あるいは、造瀬費用の1/2を取得費に加算せずに譲渡時の費用とする
 ことができるか?

という二つの論点です。
結論から申し上げますと、2つともに×です。

そもそも5%の取得費には、その土地の取得及び改良に要した一切の
費用を含むと考えられますので、5%に今回の造成費を加算することは
できません。

また、造成費用は本来取得費の一部を構成する支出と考えられるので
譲渡時の費用(仲介手数料等)の一部と考えることはできません。

譲渡時に造成工事を行う場合には、譲渡所得の計算に留意する
必要があります。

参考:租税特別措置法第31条の4 
『個人が昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地等又は
建物等を譲渡した場合における長期譲渡所得の金額の計算上収入金額
から控除する取得費は、所得税法第38条及び第61条の規定にかかわらず、
当該収入金額の100分の5に相当する金額とする。』

なお、上記5%の概算取得費に関する租税特別措置法第31条の4は、
昭和28年以降に取得した土地についても適用できます

参考:租税特別措置法通達31の4-1 
『措置法第31条の4第1項の規定は、昭和27年12月31日以前から引き続き
所有していた土地建物等の譲渡所得の金額の計算につき適用されるのであるが、
昭和28年1月1日以後に取得した土地建物等の取得費についても、
同項の規定に準じて計算して差し支えないものとする。』

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2012.06.09

【譲渡所得質疑応答-2 居住用不動産を譲渡した場合の3000万円特別控除について】

<事例>
 マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から
最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
 これを、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例といいます。
この制度の詳細については、下記URLの国税庁HPの解説でご確認ください

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

 この制度の適用は、マイホームの土地と建物の所有者が一人の場合には簡単に
判断できるのですが、マイホームの土地と建物の所有者が異なる場合の適用に
当たっては慎重な判断が必要となります。

 今回は、中小企業等(個人事業を含む)でよくあるパターンでこの制度の適用
について概略を説明いたします。たとえば、次のような事例です

 AとBは夫婦で、Cはその長男です。土地XはA・B・Cがそれぞれ1/3づつ所有して
います。 土地Xの上に建つ3階建ての建物は1階がAが営む事業の事務所として
利用しています。2階はAとBの居住スペースです。Bは専業主婦です。
3階は、長男Cの家族の居住スペースです。 
 この建物の所有権も土地と同様にA・B・Cそれぞれ1/3づつです。
また、AとBは生計が一ですが、AとCは生計が一ではありません。

 このような場合に、土地Xと建物を売却した際の譲渡益が土地Xについて
A,B,Cそれぞれ2000万円づつ、建物についてはA,B,Cそれぞれ200万円づつ
発生したとします。 この場合の3000万円特別控除は、どのように適用されますか。

<解説>
今回は複雑な事例なので結論から申し上げますと
妻Bは、2000万円+200万円
夫Aは、800万円
長男Cは、2000万円+200万円 となります。

長男Cについては、A,Bと生計が別であるため土地と建物の譲渡益全体の2200万円について
3000万円控除を適用できることになります

夫婦であるABについて若干問題となります。
まず、BはCと同様に土地と建物の譲渡益2200万円について3000万円控除を適用できます
しかし、特別控除が800万円控除不足となります。

この控除不足は、一定の条件を満たす場合に夫Aからも控除できます。
その条件が、租税特別措置法通達35-4で明記されていますので下記で引用いたします

『居住用家屋の所有者以外の者がその家屋の敷地の用に供されている土地等の全部又は
一部を有している場合において、その家屋の譲渡に係る長期譲渡所得の金額又は短期譲渡
所得の金額(以下この項において「長期譲渡所得の金額等」という。)が措置法第35条第1項
の3,000万円の特別控除額に満たないときは、その満たない金額は、次に掲げる要件の全てに
該当する場合に限り、その家屋の所有者以外の者が有するその土地等の譲渡に係る長期譲渡所得
の金額等の範囲内において、当該長期譲渡所得の金額等から控除できるものとする。

(1)その家屋とともにその敷地の用に供されている土地等の譲渡があったこと。

(2)その家屋の所有者とその土地等の所有者とが親族関係を有し、かつ、生計を一にしていること。

(3)その土地等の所有者は、その家屋の所有者とともにその家屋を居住の用に供していること。

今回のABは、上記のすべての条件を満たしていますのでAからも800万円の控除を適用できます。
土地と建物の所有関係が複雑な居住用財産の譲渡に当たっては、ご注意ください

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2012.06.03

非上場株式を相続して会社に譲渡した場合のみなし配当課税について

【相続税質疑応答編-21 非上場株式を相続して会社に譲渡した場合のみなし配当課税について 】

<事例>
 今回は、国税庁HPより東京国税局での実際にあった相談事例を
紹介いたします。

詳細については下記URLより国税庁HPでご確認ください
http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/joto-sanrin/120417/index.htm
今回はその概要を解説いたします

具体的な事案は、以下の通りです

『甲は、非上場会社であるA社の株式20,000株を所有していたところ、平成22年○月14日に
母が死亡し、母が所有していたA社株式40,000株のうち13,333株を相続により取得したため、
現在は33,333株を所有しています。
 甲は、その所有するA社株式のうち3,600株を、母の相続に係る相続税の申告書の提出期限
の翌日以後3年を経過する日までの間に、譲渡時の時価でA社へ譲渡する予定です。

 なお、母の相続に係る相続税の申告において、甲には納付すべき税額が生じています。
このように、甲が、その所有するA社株式のうち3,600株を譲渡した場合には、
本件譲渡予定株式の全てが母から相続により取得したものからなるものとして、
租税特別措置法第9条の7《相続財産に係る株式をその発行した非上場会社に譲渡した場合
のみなし配当課税の特例》第1項に規定する特例の適用があると解してよろしいかお伺いいたします。』

以上が国税庁で紹介されている実際の事案です

<解説>

今回の事案をさらに簡単に解説すると

まず上記の事案が仮に相続による取得ではない場合の課税関係を確認しておく必要があります。
上記3600株が相続により取得した株式ではない場合には、A社に売却した1株当たりの売買金額が
A社の1株当たりの資本金等を上回る金額には、みなし配当課税が適用されます。

配当金に対する課税と同じ扱いになりますので、甲さんのその他の給与所得等と合算されて
所得税が課税されます。 その場合甲さんの所得に応じて税率も高い税率が課税されますので
最高で40%の税率で課税されます

しかし、今回のように相続により取得した非上場株式を株式の発行会社であるA社へ売却するのは
多くの場合納税資金の資金調達の必要がある場合が多いと考えられます。

そのような場合にまで最高税率を課税するのは適切な課税ではないので
今回の事例のような場合、みなし配当課税の適用をせずに通常の譲渡所得として課税される
という特例があります。つまり最高で15%の所得税率となるので25%も税率が下がることになります。

≪根拠条文:租税特別措置法9-7≫

(詳細な解説は、下記の国税庁HPでご確認ください
   http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1477.htm)
 
ただし、この特例にも一つだけ問題があります。
今回の具体的事案でも問題になっていますがもともと20,000株所有してた甲さんが相続により
13,333株を取得して、その後3,600株を売却した場合に売却した3600株が、当初より甲さんが
所有してた20,000株からの売却からなのかあるいは相続により取得した13,333株からの売却なのか、
明らかではないために、特例の適用が可能かどうか判断できないという問題です。

そこで今回の東京国税局の回答では、甲さんの3600株の売却は相続により取得した
13,333株からの売却であるとみなして、特例の適用を認めるという判断でした。

その根拠は、措置法通達39-20です。

内容は以下の通りです。相続により取得した財産を譲渡する場合に、相続税の一部が
財産を譲渡する際の経費の一部として認められるという規定です。

その規定の中で今回のように、すでに所有している株式から譲渡したのか、相続により
新たに取得した株式から譲渡したのかが、明らかでない場合には相続により取得した株式から
優先的に譲渡したとみなす規定が明らかになっているからです。

そのため、みなし配当課税を適用しないというぞ脆特別措置法9-7についても
相続により取得した株式から優先的に譲渡したとみなされます。
 
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2012.05.27

【相続税質疑応答編-20 相続開始後に被相続人の配偶者が受領した被相続人の入院に係る給付金の課税関係 】

<事例>
 被相続人の配偶者が、被相続人に係る入院給付金(生命保険契約に基づく給付金)
を相続開始後に受取った。
 なお、配偶者は、当該保険契約における死亡保険金及び入院給付金の受取人と
なっていた。この場合、配偶者が受取った入院給付金に係る課税関係はどうなるか

<解説>
 配偶者が受取った入金給付金は、被相続人に係る相続税の課税対象とならない
また、配偶者の所得として所得税が課税されることもない(非課税となる)

この事例には、いくつかの論点があります。
まず、入院給付金の受取人が被相続人以外であれば相続税の課税対象となりません

【相続税法基本通達3-7】
「法第3条第1項第1号の生命保険契約又は損害保険契約の保険金は、
被保険者の死亡を保険事故として支払われるいわゆる死亡保険金に限られ、
被保険者の傷害疾病その他これらに類するもので死亡を伴わないものを保険事故
として支払われる保険金又は給付金は、当該被保険者の死亡後に支払われたもの
であっても、これに含まれないのであるから留意する。」

ただし、同じ基本通達3-7の注意書きでは以下のように定めている
『被保険者の傷害、疾病その他これらに類するもので死亡を伴わないものを
保険事故として被保険者に支払われる保険金又は給付金が、当該被保険者の
死亡後に支払われた場合には、当該被保険者たる被相続人の本来の相続財産
になるのであるから留意する。』

従って、相続税基本通達3-7注意書が根拠となって今回の事例の入院給付金は
相続税の課税対象となりません

次に、入院給付金が配偶者の所得税の課税対象とならないという
根拠は、所得税法基本通達9-20です

【所得税法基本通達9-20】
令第30条第1号の規定により非課税とされる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」は、
自己の身体の傷害に基因して支払を受けるものをいうのであるが、その支払を受ける者と
身体に傷害を受けた者とが異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害
を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、
当該保険金又は給付金についても同号の規定の適用があるものとする

 
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2012.05.19

土地は代償分割と換価分割どっちが得?

<事例>
Aさんの相続人は、長男Bと長女Cです。Aさんの相続財産は
駐車場経営をしている土地Xだけでした。

この土地Xは、路線価評価8000万円(時価1億円)です

長男B長女CともにAさんの住む関西から遠く離れた街で生活を
してるため、土地Xを相続して駐車場経営を継続する予定は
全くありません。

そこで、BCが相談した結果以下のように遺産分割が成立しました。

土地XをBが相続し、売却代金1億円から長女Cの法定相続分である
5000万円(1億円の1/2)をCに対して支払う。

さて、この場合の課税関係について教えてください。
また、これ以外の方法で節税できる方法があれば教えてください

<解説>
 今回、BCが相談によって成立した遺産分割の方法を「代償分割」
といいます。

『代償分割とは、遺産の分割に当たって共同相続人などのうちの1人
又は数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が他の
共同相続人などに対して債務を負担するもので現物分割が困難な場合
に行われる方法です。』   <国税庁HPより>

今回のような代償分割の場合、Bが土地Xを単独で取得して売却する
ことになります。 さらに、BからCへ支払われる5000万円の代償金は
所得税の計算上取得費としても譲渡費用として扱われることはありません。

その結果、土地Xの売却から発生する所得税はBのみが負担することに
なりまります。最終的には長男Bは、土地売却に伴う所得税分だけ
Cよりも手取り金が少なくなってしまいます。

しかし今回のような事例で一般的には不動産の売却を予定している場合には、
「換価分割」という方法を選択したほうが節税できます

換価分割の場合以下のようなプロセスになります
1.不動産を遺産分割協議書に基づいて登記します
2.BCの共有名義で土地Xを売却します

『代償分割』と『換価分割』との違いは以下の2点です
1.土地X売却に伴う所得税をBCともに負担すること
2.相続税の取得費加算をBCともに適用できるので節税できる

相続により取得した不動産を分割するに当たっては充分にご注意ください

なお、今回の質疑応答事例に類似した論点として

【相続税質疑応答編-7 遺留分の減殺請求と相続税・譲渡所得税の関係 】
があります。下記URLで詳細に解説をしていますので
併せてご確認ください。

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/24659/

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2012.05.13

【譲渡所得質疑応答 オーナー社長が土地を自社に安く土地を譲渡した場合の課税】

<事例>
オーナー社長であるX氏は、自らが代表取締である甲社の経営基盤を強化するため
X氏所有の土地を、売却することにしました。

そこで甲氏は、できるだけ安く売却することを考えた結果
時価が5000万円の土地を2600万円で売却することに決めました。

この場合の課税関係について教えてください
なお、甲社の株主構成はX氏が60%・残りの40%の株主は配偶者と長男です。

<解説>
X氏名義の時価5000万円の土地を、2600万円で甲社に譲渡することについては
実際の売買金額である2600万円を基にした所得税が課税されます。

ここで、注意すべきポイントは個人から法人へ時価の1/2未満の対価で資産を譲渡した
場合には、時価で譲渡したとみなして所得税が課税されます。(所得税法59条)

つまり、今回の場合X氏がこの土地を甲社に対して2000万円(時価の40%)で
譲渡した場合は、5000万円で譲渡したとみまして所得税が課税されるということです。

次に、時価が5000万円の土地を2600万円で取得した場合の甲社の他の株主に対する
影響を検討すると、時価と実際の売買価額との差額が株価の上昇要因となります。

株価の立場からすると、X氏の配偶者と長男の所有する甲社株の株価の上昇分は
X氏から配偶者と長男へ贈与されたものとして扱われます。

根拠は、相続税法基本通達9-2です(参考のために以下で全文を紹介します)

(相続税法基本通達9-2)
同族会社の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したとき
においては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当
する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うも
のとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、
債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。

(1) 会社に対し無償で財産の提供があった場合 当該財産を提供した者

(2) 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 当該現物出資をした者

(3) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 
   当該債務の免除、引受け又は弁済をした者

(4) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 
   当該財産の譲渡をした者

ここで注意すべきポイントは、時価の50% 以上の売買価額であっても上記の相続税法
基本通達9-2に記載されている「著しく低い価額」に該当する場合があるということです。

さらに、冒頭で時価の50%以上の価額で売買すればみなし所得税は課税されないという
所得税法59条をご紹介しましたが、たとえ50%以上の価格による売買でも

X氏の所得税を不当に減少される行為であると税務署長から認定されると
時価による売買があったものとして、所得税の再計算を行わなければなりません。

(所得税法基本通達59-3)
山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産を
法人に対し時価の2分の1以上の対価で譲渡した場合には、法第59条第1項第2号の規定の
適用はないが、時価の2分の1以上の対価による法人に対する譲渡であっても、
その譲渡が法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認》の規定に該当する場合には、
同条の規定により、税務署長の認めるところによって、当該資産の時価に相当する
金額により山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算することができる。

オーナー一族と同族会社との不動産取引には、様々な税務上の問題があります。
実際の取引に当たっては、事前に充分に検討する必要があります。

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2012.05.04

遺留分の減殺請求とその後の相続税の申告

<事例>
Aさんは妻を10年前に亡くし、相続人は長女B次女C長男Dの3人が
相続人となっている。
 BとCは、Aの近所に住んでいたこともあって妻亡き後のAの
日常生活を支えていた。一方でDは、就職もせずAの財産をあてに
生活を続けていた。
 そのため、Aは自宅及び預貯金のすべての財産をBCに半分づつ
相続させる旨の遺言書を作成していた。

 Aの死後、BCは遺言書に基づき不動産の名義変更を行いました。
預貯金については、解約及び名義変更に当たってDの実印も必要と
なることから、名義変更手続きは仕掛中です。 
 相続税の申告については、遺言書の内容に基づいてBC二人で
申告・納税ともに済ませました。

 そのことを知ったDは、遺留分の減殺請求の訴えを起こしました。
その結果Dは、「遺産総額の1/6に相当する金銭をBCから受取る」
という内容で和解しました。

 この場合、BC、Dの税務上の対応はどのようにすればいいでしょうか。

<解説>
 今回の事例は、実務では非常によくあるパターンですので
基本事項の確認も含めて解説をいたします

 まず、Dの合意なくBCが不動産の相続登記を行うことができるのか
という問題です。 

 これは過去の最高裁判例で「特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」
趣旨の遺言は、特段の事情のない限り、何らの行為を要せずに、被相続人
死亡の時に直ちに当該遺産当該相続人に相続により承継される」
(最判平成3年4月19日民集45巻4号477頁参照)という考え方
が明示されています。

 従いまして不動産の相続登記自体に問題はありません。
しかしDは、遺留分(つまり法定相続割合の半分なので1/6)の主張を
当然に行うことができます。

 そこで、今回の和解のように遺留分相当額の金銭を支払うことで
BCvsDは、合意することになります。

 実務上の留意点としては、法的に有効な遺言書が存在しても
法定相続人全員の合意がなければ、金融機関は被相続人の口座の名義
変更は行ってくれません。 

 したがって、今回の事例の場合もBCがDの訴えに応じて和解しない限り、
A名義の預金口座は凍結されたままになってしまうという問題が発生します。

 さて、この場合の相続税上の対応ですが、当初は遺言書に基づいて
Aの全財産を半分づつ相続していたBCですが、Dの訴えにより
和解することにより、相続財産が1/12づつ減ることになりました。

 そこで、和解の翌日から4ヵ月以内に更正の請求(税金の還付手続)
をすることができます(相続税法32条3項)
 また、Dは相続による財産を取得したわけですから、相続税の申告
をすることができます

 ただし、BCDいずれも更正の請求や相続税の申告をすることが
できるという規定になっていますから、何もしなくても税務上
問題はありません。 

 しかし、実務上はBCが払い過ぎの相続税を還付する手続きを
するのが一般的です。 その場合、Dは相続税の申告納税を
しなければ、税務署から相続税額の決定をされてしまいます。

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2012.04.28

相続税精算課税が適用される受贈者が相続人ではなくなる場合

<事例>
Aさんは配偶者Bと長男C,長女Dが推定相続人でした。
長女Dの結婚後、Dの夫であるEとAは養子縁組をしました。

Aは、相続税対策として自らの財産を減らすため
相続時精算課税を利用してC,D,Eに均等に金融財産の贈与を
行いました(金額は2500万円以上)。

しかし、BはAの財産がCDEの3名に均等に贈与されると
長男CがAから贈与される財産よりも、DE夫婦がAから贈与される
財産の方が多くなることが納得できませんでした。
そもそもBは、DEの結婚も反対していました。

最近では、BはAE間の養子縁組を離縁するか、あるいは
Aの相続発生時にはEは相続放棄をするか、どちらかを
Eに要求するまでになりました。

さて、Bの要求に基づいて離縁するか相続放棄をする場合に
Eの課税関係はどうなるでしょうか。

<解説>
今回の事例は、相続税精算課税の適用時には推定相続人であった者が
実際の相続開始時には、相続人ではなくなった場合に相続税精算課税の適用が
どのような扱になるのか、という論点です

結論から申し上げますと、EはAさんと養子縁組を協議離縁しても
EがAさんの相続開始時に相続放棄しても、相続税精算課税を選択して
Aから贈与された金融財産(2500万円以上)については、Aの相続税計算時に
相続税の課税対象となります。

相続税精算課税制度を選択する場合、「相続時精算課税選択届出書」を
税務署に提出します。(相続税法21条の9第2項)

相続時精算課税を選択した者は、上記選択届出書を提出後に推定相続人
ではなくたったとしても、相続時精算課税制度が適用されて税額の計算を
行うことになります(相続税法21条の9第5項)

さらに相続時精算課税選択届出書は、一度提出するいかなる場合でも
撤回はできません(相続税法21条の9第6項)

このように一度選択すると後戻りできないのが、相続時精算課税制度です

一般的には、時価変動の影響を受けにくい預貯金の贈与に相続時精算課税制度を
利用する場合が多いようです。

短期的な贈与税の節税という視点だけで判断するのではなく、
財産の構成・相続税の節税対策・さらには2次相続の対策まで検討してから
相続時精算課税の選択を慎重に検討する必要があります。

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2012.04.22

【相続税質疑応答編-16 非上場企業株式の生前贈与と遺留分の関係 】

<事例>
株式会社Xの代表取締役甲には、長男乙と長女丙の二人が
法定相続人となる予定です(甲の妻は既に亡くなっています)

甲は、株式会社Xの代表取締役であり100%株主です。X社は
設立以来業績が順調に右肩上がりで、株価も上昇傾向にあります。

長男乙は、既に後継者として役員に就任していますが
長女丙は、会社経営にまったく関与していません。

甲の財産のほとんどは、株式会社X社の株式です

さて、甲は乙への事業承継と自らの相続税対策を検討するに
当たって、ひとまず株式会社Xの株式を乙に贈与することにしました。

X社株式を乙に贈与するのは、まだまだ株価が上昇する
見込みのあるX社株については、相続時精算課税で次期後継者に
贈与したほうが、乙の税負担が少ないと判断したからです。

しかし、自らの財産のほとんどがX社株式である甲は
X社株式を乙に贈与することによって、丙に遺してあげる
財産がほとんどないことが心配です。

甲が、留意すべき点を教えてください。

<解説>
まず、今後も株価が上昇する見込みのX株を相続時精算課税で
後継者乙に贈与する案は、税法上は問題ありません。

相続時精算課税は、贈与財産であるX社株の評価額が贈与時の
評価額で確定します。そのためX社の株価が、実際に甲の相続が発生
した時点で贈与時の株価よりも上昇している場合、相続税の節税対策
として有効な手段となります。

しかし、今回の事例では民法上は検討すべき課題があります。

甲の相続財産のほとんどがX社株となっているためX社株を乙に
贈与した場合、長女丙が遺留分の減殺請求を主張する
リスクがあるので留意する必要があります。

遺留分の減殺請求については、民法では以下のように
定められているようです

遺留分減殺請求の対象となる財産は、贈与については相続開始の1年前に
したもののみが算入されます。 ただし、当事者双方が遺留分権利者に
損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にした
ものについても、遺留分減殺請求の対象財産に算入します
(民法1030条)

また、特別受益に該当する財産は贈与の時点を問わず遺留分の
減殺請求の対象となる、という最高裁判例もあるようです

これらの民法の規定を考慮して、事業承継と相続税対策を同時に
実現させるためには、長女丙に遺留分の放棄を適法にしてもらう
必要があります。

(*特別受益・遺留分の放棄等については弁護士先生にご確認ください)

なお、平成20年10月から施行されている中小企業経営承継円滑化法では
後継者への株式の贈与等について、民法の遺留分の規定を緩和する
特別な措置が定められています。

ただし、適用に当たっては厳格な要件を満たす必要がありますので
事前に慎重に検討する必要があります。

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書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

2012.04.15

【相続税質疑応答編-15 遺産分割協議が成立しない場合の銀行預金の払戻し】

<事例>
被相続人Aの法定相続人は、配偶者Bと長男C・次男Dです。
相続財産は、預金2億円のみです。遺産分割協議は当初からもめていて
申告期限までに遺産分割協議が成立する見込みがありません

配偶者であるBは、当初遺産分割協議が円満に成立し「配偶者の税額の軽減」
(相法19の2)を適用し相続税額は0円になると考えていました。

(配偶者の税額の軽減は以下のURLでご確認ください)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4158.htm

遺産分割協議が成立しない場合、Bは相続税の納税資金が足りません。
配偶者Bさんは、どのような対応をするべきでしょうか。

<回答>
配偶者Bは、遺産分割協議が成立しない場合でも被相続人Aの銀行預金を
払戻ししたうえで、配偶者の税額の軽減を適用し相続税額を0円にすることが
できる場合があります

今回のように、遺産分割が成立しない場合すべての相続財産は相続人の共有財産
となります(民法898条)

しかし、金銭債権などの可分債権がある場合、その債権は、法律上当然に分割
されて各相続人がその相続分に応じて権利を承継するという最高裁判決があります
(最高裁昭和29年4月8日)

一般的に銀行の実務では、相続人全員の合意が成立している遺産分割協議書の
提出が無い場合、預金の払戻しには応じていないようです

しかし、今回の事例のように遺産分割協議が成立していない場合でも法定相続分の
相当する預金の払戻しを求めて訴訟を起こす場合があります。

その場合、上記最高裁判決に基づいて預金の払戻しが実現する場合もあるようです。

さらに、自己の法定相続分の払戻しを求めた訴訟に勝訴して1億円の払戻しを
配偶者Bが受けた場合は、「配偶者の税額の軽減」を適用することができると
考えられています。

いずれにしても遺産分割協議が申告期限までに成立する見込みがない場合には
納税資金の準備のために、できるだけ早く対策を検討する必要があります。

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2012.04.07

【相続税質疑応答編-14 平成24年度税制改正は、いつ決まるの?】

消費税の増税法案が、まだ成立していないのは連日の報道で
多くの方がご存知のことと思いますが

相続税・贈与税関連の税制改正は、いったいどうなってるの?
というお問い合わせが多くあります

そこで、現在(4月7日)までに成立している相続・贈与関連の
税制改正をご案内いたします

最新の情報をリアルタイムで詳細に知ることができるのは
財務省の「第180回国会における財務省関連法律」というHPです

http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/180diet/index.htm

その中で、消費税・相続税・所得税などの改正はどれも
成立していないことがわかります。

現時点で成立しているのは、租税特別措置法の改正だけです
その中で、相続税・贈与税に関連する内容の主な項目は
以下の通りです

「租税特別措置法等の一部を改正する法律案要綱」本文より抜粋

(1) 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置につ
いて、非課税限度額(現行 1,000 万円)を次のとおり拡充した上、その適用
期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第 70 条の2関係)

  住宅取得等資金を充てて新築等をした住宅用の家屋が省エネルギー性・耐
震性を備えた良質な住宅用の家屋である場合
イ  平成 24 年中に住宅取得等資金の贈与を受けた特定受贈者  1,500 万円
ロ  平成 25 年中に住宅取得等資金の贈与を受けた特定受贈者  1,200 万円
ハ  平成 26 年中に住宅取得等資金の贈与を受けた特定受贈者  1,000 万円

  住宅取得等資金を充てて新築等をした住宅用の家屋が上記の住宅用の家屋
以外の住宅用の家屋である場合
イ  平成 24 年中に住宅取得等資金の贈与を受けた特定受贈者  1,000 万円
ロ  平成 25 年中に住宅取得等資金の贈与を受けた特定受贈者    700 万円
ハ  平成 26 年中に住宅取得等資金の贈与を受けた特定受贈者    500 万円

(注)上記の改正は、平成24年1月1日以後に贈与により取得をする住宅取得
等資金に係る贈与税について適用する。(附則第41条関係)

(2)特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の
特例について、その適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第
70条の3関係)

以上より、「住宅取得資金の贈与制度の拡充と延長」と「住宅取得資金の
相続時精算課税制度の延長」については、3月末までに成立しています

相続税の基礎控除引下げ等はまだ、成立していません。

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2012.03.30

特別受益者がいて未分割の場合の申告は?

<事例>
Aさんは、配偶者が既に亡くなっていたので法定相続人は長男B,次男C,
三男Dが法定相続人でした。

この度、Aさんが亡くなったので3兄弟で遺産分割の話し合いを始めましたが
その際に、長男Bさんが父親Aさんの相続開始の8年前に5000万円の現金贈与を
受けていたことが明らかになりました。

この5000万円は、Bさんの生計の資本としてAさんから贈与されたものであり
Bさんは、申告期限までに贈与税の申告書を提出して贈与税の納税も済ませて
いました。

当初、Aさんの相続財産は1億3000万円と思われていて円満な遺産分割と
なるはずでしたが、特別受益が明らかになったことによって
遺産分割の話し合いが、長引く結果となってしまいました。

特別受益がある場合で、遺産分割協議が申告期限までに間に合わない場合の
相続税の申告について教えてください。

なお、父親Aさんの債務は6000万円であったとします。

<回答>
相続税の申告期限になっても未分割の場合、一旦法定相続割合で
分割して相続税の申告書を提出しなければなりません。

今回、長男Bが特別受益5000万円を受贈しているため法定相続割合の
分割の方法が問題となっていますが、結論は以下の通りです

父親Aさんの遺産総額は1億3000万円と当初は考えられていましたが
特別受益5000万円が明らかになったことによって、これらの総額
1億8000万円を遺産総額とみなします。

次に、1億8000万円を3兄弟の法定相続割合で分割しますと
各人が6000万円となります。しかし、長男Bの6000万円には
特別受益5000万円が含まれていますので、今回の相続で長男Bが取得する
財産は、1000万円となります。

つまり、未分割の相続税の申告書上では各人の取得財産は
B=1000万円,C=6000万円,D=6000万円となります。
(根拠条文:民法903条)

次に、債務控除ですが未分割の申告ですので債務もB,C,Dの各人が
3000万円づつとなります。

しかし、Bの特別受益分5000万円には債務控除の適用がないため
Bは、取得財産1000万円に対して3000万円の債務控除となり
2000万円の控除不足が発生します。

この場合、2000万円の控除不足をC,Dからそれぞれ1000万円づつ
控除することによって、債務の全額に対して債務控除を適用する
ことが可能となります。
(根拠条文:相続税基本通達13-3:本文及び但書)

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2012.03.24

【相続税質疑応答編-12 保証債務も債務控除できる場合があります。】

前回の、連帯債務に続き今回も債務控除の話題です。
今回は、保証債務の債務控除です。

保証債務は、一般的には債務控除の対象になりません。
債務控除の要件として、『確実と認められる』債務でなければならない
からです。

(根拠条文:相続税法第14条)『前条の規定によりその金額を控除すべき
債務は、確実と認められるものに限る。』

しかし、例外的に保証債務でも債務控除の対象になる場合があります。

(根拠条文:相続税基本通達14-3(1)但書『ただし、主たる債務者が
弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければ
ならない場合で、かつ、主たる債務者に求償して返還を受ける見込みが
ない場合には、主たる債務者が弁済不能の部分の金額は、当該保証
債務者の債務として控除すること。』

では、上記要件に該当するような事例としてはどのような
場合が該当するでしょうか

例えば、

被相続人甲氏は同族会社乙(株)の代表取締役社長で
乙(株)の銀行借入の連帯保証人になっています。

乙(株)は、数年前から業績が急速に悪化し銀行借入のここ数年
返済が滞っています。本業の業績不振で、債務超過の状態が
数年続いています。 乙(株)は、現在では実質的には休眠状態と
なっており、乙(株)が資金調達を行い銀行借入金を返済できる
見込みはないと考えられます。

このような、状態であれば被相続人の甲氏について
乙(株)の保証債務を債務控除できると考えられます

仮に、乙(株)の連帯保証人が複数人いる場合には
連帯保証人間で特に定めていない場合には、
債務控除できる金額は、連帯保証人の人数で均等に
割った金額となります

(民法第427条)
『数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示
がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で
権利を有し、又は義務を負う。』

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2012.03.17

【相続税質疑応答編-11 銀行借入の連帯保証がある場合相続財産から控除できる債務の割合は? 】

【相続税質疑応答編-11 銀行借入の連帯保証がある場合相続財産から控除できる債務の割合は? 】

<事例>
Aさんは、個人事業を営んでいます。
この度、事業用の設備投資のため銀行から借入をすることになりました。

しかし、融資の条件として連帯保証人が必要とのことでした。そこで
Aさんは、国家公務員である長男Bに連帯保証人を依頼しました

Bは、Aさんの事業を継ぐつもりは全くありませんが
親子であること、返済リスクの高い融資ではないことを考え
連帯保証を快諾しました。

それを受けて、Aさんは銀行から5000万円の融資を実行したがその直後
不慮の事故により無くなりました。

Aさんの相続税申告を行うに当たって
Aさんの相続財産から控除できる債務の金額は、いくらですか?

ただし、事例を単純化するため
Aさんの相続人はBのみとします。また相続財産は1億円とします

<解説>

連帯債務の場合に、相続財産から控除できる債務の金額については
銀行との金銭消費貸借契約書のどこにも記載がありません

連帯債務である以上、銀行から5000万円の返済を要求された場合
Aさん・Bさんどちらに拒むことはできません

しかし、AさんとBさんが当事者間で負担割合を明確に取り決めることは
可能です。

例えば、今回のような場合親子ですから父親であるAさんが100%負担する
という親子間の取り決めるすることも可能です。

その場合には、債務控除できる金額は5000万円全額となります

しかし、一般的にはAさんとBさんの間にそのような取り決めが無い場合が
多いと考えれらえます。

その場合には、債務の負担割合は平等となりますので
債務控除できる金額は、2500万円となります

根拠条文民法427条
『数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、
各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。』

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2012.03.11

【相続税質疑応答編-11 会社経営者が会社に対する債権を放棄した時に相続税は課税されますか? 】

<事例>

Aさんは、自らが代表取締役を務める株式会社Xに対して
1億円の貸付債権があります。(株式会社Xでは、役員借入金に計上
されています。)

Aさんは、昨今の不景気を考えると会社の業績が回復することは
困難であると考え、また長男Bが株式会社Xの代表取締役を
継いでくれることから、貸付金1億円の債権放棄を検討していました

そこで、Aさんは株式会社Xへの貸付債権1億円を放棄する旨の
公正証書遺言を作成しました。

株式会社Xには、繰越欠損金が5000万円しかありません。

さて、この場合の課税関係を教えてください
(株式会社Xは、株主全員がAさんの法定相続人とします)

<解説>

業績が悪化した場合、代表取締役が法人に資金を貸付することは
よくあることです。また、その貸付金の回収がほぼ不可能であるにも
かかわらず、残高だけは多額に膨らんでいるケースも少なからずあります。

さて、Aさんは1億円の債権放棄する旨の公正証書遺言を作成しました。
相続は、個人にしか財産の承継ができませんが遺贈であれば法人への
財産の承継も可能です。

ただし、法人の場合は相続税ではなく法人税が課税されることになります
今回の場合、Aさんの債権放棄により株式会社Xには1億円の
債務免除益が計上されます。

一方で、繰越欠損金が5000万円計上されていますので
実質的には1億円-5000万円=5000万円が法人税の課税対象となります

つまり、Aさんの配慮で行った債権放棄によって株式会社Xには
多額の法人税の納税負担を強いる結果となってしまいます。

さらに、1億円の債務免除益が計上されることによって株式会社Xの
株価の増加があり得ます。

その場合、みなし遺贈として他の株主に対して相続税が課税されます
今回の場合、Aさんの法定相続人全員が株式会社Xの株主となっていますので
法定相続人全員に、みなし遺贈が発生します

【相続税基本通達9-2】

 同族会社の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して
増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額
のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与
によって取得したものとして取り扱うものとする。

 この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供が
あった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時による
ものとする。

(1)会社に対し無償で財産の提供があった場合 
  当該財産を提供した者

(2)時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 
  当該現物出資をした者

(3)対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 
  当該債務の免除、引受け又は弁済をした者

(4)会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 
  当該財産の譲渡をした者

以上より、Aさんの公正証書遺言によって、法人も法定相続人も
すべて課税される結果となってしまいます。会社経営者が債権放棄する
場合は、課税関係も充分に考慮したうえで行ってください

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2012.03.04

【相続税質疑応答編-10 不動産を死因贈与する場合の留意事項を教えてください】

【相続税質疑応答編-10 不動産を死因贈与する場合の留意事項を教えてください】

<事例>
Aさんは、不動産賃貸業を営んでいます。将来を考えて孫にもAさん名義の
不動産を死因贈与することにしました。さて、この場合Aさんが留意すべき
項目を教えてください

<解説>
死因贈与は、Aさんが死亡することによって効力が発生する贈与です。
民法の考え方では「贈与」ですが、税金の計算上は相続税の課税対象となり
贈与税の課税対象とはなりません。

相続税の考え方としては、死因贈与を遺贈(遺言書により相続財産を取得)と
同様と考えて贈与税ではなく相続税の課税対象としています。

死因贈与も遺贈もAさんが死亡すれば、孫がAさん名義の不動産を取得する
という点で同じです。

しかし、以下の点でAさんは留意しなければなりません。

遺贈の場合、Aさんが遺贈内容について生前に孫たちに説明する
必要はありません。

死因贈与の場合、Aさんは生前に孫たちと贈与内容について合意して
おかなければなりません。

つまり、贈与なので孫たちが贈与内容について知らない場合
死因贈与が有効に成立しなくなります。

そのため、Aさんと孫たちが生前に贈与の内容について合意したこと
を客観的に証明しなければなりません。

具体的な方法としては、
・公正証書で死因贈与契約書を作成しておく
・死因贈与の対象となる不動産射、死因贈与の仮登記をしておく

上記の方法を実施し、Aさんの相続税申告時に死因贈与契約が有効に
成立していたことを明らかにする必要があります

では、死因贈与契約が有効に成立していたことを明らかにできない
場合の課税関係はどうなるのでしょうか。

孫たちは、Aさんの法定相続人ではありませんので遺言書が無い場合
Aさんの財産を一切相続できません。

そのため、Aさんが孫たちに死因贈与する予定であった不動産は
一旦Aさんの法定相続人が相続した後で、法定相続人から孫へ
贈与されることになります。

つまり、死因贈与契約が有効に成立していることを明らかにできない
場合、相続税の次に贈与税まで課税されることになってしまいます。

死因贈与契約を検討中の方は、くれぐれもご注意ください亜。

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2012.02.26

【相続税質疑応答編-9 死亡退職金の支給対象者が未定の場合の課税関係は?】

【相続税質疑応答編-9 死亡退職金の支給対象者が未定の場合の課税関係は?】

<事例>
株式会社甲の取締役Xがプライベートの旅行中の事故でこの度亡くなりました。
甲社は、退職金規定に基づいて、死亡退職金5000万円と死亡弔慰金1000万円
の支給を決定しました。

株式会社甲の退職金規定では、退職金の支給対象者を定めていないので
通常は、「ご遺族ご一同様」を対象に支給されます。

この場合の、課税関係はどうなりますか?
なお、取締役甲の月額役員給与は100万円で、甲の法定相続人は
配偶者Yと長男Zの3名です。

<解説>
今回の事例には、論点が2つあります。
1.退職金と弔慰金を支給された場合の相続税法の取扱
2.支給対象者が未定の場合の取扱

では、1つの論点から説明します。
死亡弔慰金については、相続税法基本通達3-20で以下のとおり定めています

(相続税基本通達3-20 一部省略)
『被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける弔慰金等」については、、
次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額として取り扱い、当該金額を超える
部分の金額があるときは、その超える部分に相当する金額は退職手当金等に
該当するものとして取り扱うものとする。

1.被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、その雇用主等から
受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の
普通給与の3年分に相当する金額

2.被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、その雇用主等から
受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の
普通給与の半年分に相当する金額』

今回の事例では、事故死なので上記2に該当します。その場合
会社の支給する弔慰金1000万円のうち600万円を上回る400万円が
死亡退職金として取り扱われます。その結果、相続税の対象となる
死亡退職金は、本来の退職金5000万円に400万円を加算して5400万円と
なります。

次に、論点2の説明をします。
会社の退職金規定に死亡退職金の支給対象者が明示されていない場合について
相続税基本通達3-25に、退職金の支給を受けたものを定めています

(相続税基本通達3-25 一部省略)

『被相続人に支給されるべきであった退職手当金等の支給を受けた者とは、
次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる者をいうものとする。

1.退職給与規程等の定めによりその支給を受ける者が具体的に
定められている場合当該退職給与規程等により支給を受けることとなる者

2.退職給与規程等により支給を受ける者が具体的に定められていない場合
又は当該被相続人が退職給与規程等の適用を受けない者である場合

イ 相続税の申告書を提出する時又は更正若しくは決定をする時までに
当該被相続人に係る退職手当金等を現実に取得した者があるときは、その取得した者

ロ 相続人全員の協議により当該被相続人に係る退職手当金等の支給を受ける者
を定めたときは、その定められた者

ハ イ及びロ以外のとき その被相続人に係る相続人の全員。この場合には、
各相続人は、当該被相続人に係る退職手当金等を各人均等に取得したものとして
取り扱うものとする。』

上記の定めに基づくと、今回の事例では2-ハに該当します。
そのため、X取締役の妻Yと長男Zは5,400万円の死亡退職金を
2700万円づつ受取ったとして相続税の計算を行うことになります。

ただし、死亡退職金については法定相続人1人につき500万円の非課税金額が
定められていますので、Y・Zともに2200万円づつが相続税の課税
対象金額となります。

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2012.02.20

【相続税質疑応答編-8 死亡退職金は相続税が課税されますか? 】

<事例>
Aさんは、株式会社Xの代表取締役であると同時に株式会社Yの
取締役会長でしたが、平成20年1月に死亡しました。

X社、Y社ともに諸般の事情により死亡退職金の金額がなかなか
決定できませんでした。

そのためAさんの相続人である妻Bさんは、死亡退職金については
相続税申告書に一切記載しませんでした。

その後、平成22年6月(Aさんの死後2年6ヶ月経過)にX社の
取締役会で、Aさんの死亡退職金1000万円を配偶者であるBさんに
支給することが決定しました。 

また、平成23年6月(Aさんの死後3年6ヶ月経過)にY社の
取締役会で、Aさんの死亡退職金500万円を同じくBさんに支給する
ことが決定しました。

さて、X社とY社から支給される死亡退職金に対する課税は
どのように扱われるでしょうか。

Aさんの相続人は、配偶者のBさんだけでした。
 
<解説>

X社の死亡退職金は、相続税の課税対象となります
Y社の死亡退職金は、Bさんの所得税の課税対象となります

相続税法では、死後3年以内に支給が確定した退職金等を
相続税の課税対象財産として定めています(相続税法3条1項2号)

今回の事例では、X社の死亡退職金が該当します。

ここで、注意すべきポイントがあります。
相続税法3条1項2号で定める死亡退職金には、生前に退職しその後
退職金の金額が、死亡後3年以内に確定した場合も含まれるという
点です。

(相続税法基本通達3-31)
『被相続人の生前退職による退職手当金等であっても、その支給
されるべき額が、被相続人の死亡前に確定しなかったもので、
被相続人の死亡後3年以内に確定したものについては、
法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等に該当する』

以上より、X社の死亡退職金が確定したことによってBさんは
相続税の修正申告をしなければなりません。

ただし、このような事例の場合修正申告書について「正当な
理由があると認められる」ため、過少申告加算税は課税されません。

次に、Y社の死亡退職金ですがAさんの死後3年以上経過していますので
相続税の課税対象には該当せず、配偶者であるBさんの所得税の
課税対象(一時所得)になります。

そのため、Bさんは平成23年度の所得税確定申告でY社から受取る
Aさんの死亡退職金500万円を一時所得で申告しなければなりません。

(所得税基本通達34-2)
『死亡した者に係る給与等、公的年金等及び退職手当等で、その死亡後
に支給期の到来するもののうち9-17により課税しないものとされるもの
以外のものに係る所得は、その支払を受ける遺族の一時所得に該当する』

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2012.02.05

【所得税確定申告編-6 土地と建物の名義が異なる場合の譲渡所得の節税方法】

今回は、あまり多くないですが該当した場合にうまくすると所得税が
大幅に節税できる事例をご紹介します。

<事例>
父親Xは、地主さんAから借りている土地に家を建てて生活をしていました。
また、父親Xは長男Yとこの家で同居し生計を一にしてました。
その後、長男Yは地主Aさんから父親の借地権の底地を買取りました。
と、同時に父親Xは長男Yに地代の支払いをしなくなりました。

<質問>
このような場合に、税務上で留意すべき点があったら教えてください

<回答>
今回の場合、所轄税務署に「借地権の地位に変更が無い旨の申出書」
を提出しておかなければなりません。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/38.htm

上記書類を直ちに提出しておかなければ、父親Xから長男Yに借地権が贈与
されたと扱われます。

さらに、上記のような場合に父親Xと長男Yが生活している土地建物を
売却した場合の売却益については、居住用財産を譲渡した場合の3000万円の
特別控除を最大で2人分利用することができます。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

具体的に申しあげますと、土地建物を売却することによって
Xは2500万円の、Yは1000万円の売却益があったとします。

その場合、
1.家屋とともに、その土地(借地権)の譲渡があったこと
2.家屋の所有者と、土地等の所有者が親族関係を有し、かつ、
  生計を一にしていること
3.その土地等の所有者は、その家屋の所有者とともにその家屋を
  居住の用に供していること

この3項目の条件をすべて満たす場合、父親Xの譲渡所得から3000万円を
控除し、控除しきれなかった500万円を長男Yの譲渡所得1000万円から
控除することができます。

不動産の譲渡所得は、複雑な税制が絡み合いますので
充分にご注意ください。

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書込みをしていますのでご覧ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

2012.01.28

【所得税確定申告編-5 住宅ローン控除制度の適用に当たっての留意事項を国税庁が発表しました】

確定申告のシーズンが迫ってまいりました。
皆さん、準備は整ってますでしょうか。

さて、住宅ローン控除の適用に当たっては
初年度だけ確定申告を実施しなければなりません。

住宅ローン控除も、単なる新築住宅のローンだけではなく
耐震工事、リフォームなど適用できる場面が複数あります

そのため、実際に制度の適用に当たっては
複雑な制度を正しく理解しておく必要があります

そこで、国税庁が実際に各制度の内容と
留意事項をHPで解説してくれていますので
是非、ご確認ください。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/111227_2/index.htm

また、以下の18の項目についてQ&A形式で解説もあります。

1 補助金等
2 定住奨励金
3 経済的利益の付与
4 利子補給金の取扱い
5 これらに準ずるもの
6 被災者生活再建支援金
7 補助金等の見込控除
8 住宅の取得等の対価の額等から控除する方法
9(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の増改築等における金額要件の判定
10 金額要件の判定と増改築等住宅借入金等の金額の関係
11 住宅取得等資金の控除
12 適用関係
13 計算明細書
14 家屋の取得対価等の額が記載されている年末残高等証明書
15 添付書類
16 交付を受ける補助金等の課税関係
17 住宅耐震改修特別控除の改正の概要
18 標準的な費用の額

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2012.01.26

【所得税確定申告編-4 譲渡所得の3000万円控除をうまく使う方法!】

ご自宅を売却して利益が発生した場合に、3000万円控除の制度を
活用すると、所得税が課税されないという節税の制度は、既にご案内
させていただきましたが、

今回は、その3000万円控除制度をうまく活用する方法を
ご案内いたします。

まず、3000万円控除の制度の概要の説明につきましては
下記URLで、ご確認ください

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/24372/

さて、次に今回の事例ですが

<事例>
たとえば、建物の名義は夫であるXさん100%で土地の名義は
夫であるXさんと、妻であるYさんが50%づつであった場合。
当然、夫婦なので生計は一です。

この夫婦が、将来の老老介護の準備として山の手の高級住宅街の
一戸建てを1億円で売却して、駅前の高級マンション
に引っ越ししました。

<回答>
まずはじめに事例解説に当たって、土地建物の具体的な価格設定は
話が細かくなりすぎますので、土地建物の合算価格で説明をいたします。
このメルマガでは、あくまでも節税対策のイメージをお伝えする
ことが目的ですので。

この場合、一戸建てのもともとの購入価格を5000万円とします。
売却価格が1億円であれば、土地の所有権が50%づつなので
利益も50%づつとなります。

つまりXさんとYさんともに2500万円づつの土地譲渡益が
発生しますが、Xさんには3000万円控除が適用できますが
Yさんには、3000万円控除の適用ができません。

なぜなら、この3000万円控除は居住用家屋と土地の所有者が
一致していることが基本的な適用要件だからです。

そのため、このような場合には居住用不動産の夫婦間贈与を活用して
事前に建物の名義の一部を妻Yさんに贈与しておきます。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4452.htm

そうすると、XさんだけでなくYさんも譲渡益2500万円に対して
3000万円控除が適用できます。

その結果、5000万円の譲渡益全体が非課税になるという仕組みです。

具体的な適用に当たっては、税金の専門家である
税理士に相談してください。

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2012.01.09

【相続税質疑応答編-7 遺留分の減殺請求と相続税・譲渡所得税の関係を教えてください 】

<事例>

 父親が、全財産を次男に遺贈する旨の公正証書遺言を作成
していました。次男は、公正証書遺言に基づき相続税の申告
を行ない納税も済ませていました。
 ところが、長男は父親の相続開始直後から法的手続きに基
づいて遺留分の減殺請求を行っていました。

 7年の年月が経過し、この度やっと兄弟間で話し合いがまと
まりました。その内容は以下の通りです。

『長男は、次男から価格弁償としてX土地を取得する。』

さて、この場合以下の課税関係について教えてください。

1.相続開始から7年経過して、相続財産を取得した長男は
 相続税の申告義務はありますか?

2.次男は、価格弁償のためにX土地を長男に譲渡しますが
 この場合、次男に所得税は課税されますか?

3.長男は、X土地を取得後しばらくしてから売却を考えています。
 この場合、長男の譲渡所得の課税関係は?

<解説>
今回の事例は、遺留分に関連して遺産分割を検討する際に、最終的な
手取り金額に大きく影響しますので内容を正確に理解しておく必要があります。

1.長男の相続税の申告義務についてですが、遺留分の減殺請求中
であったとはいえ、本来の申告および納付期限の延長はありません。

しかし、遺留分の減殺請求に基づき新たに財産を取得した場合の
期限後申告については、無申告加算税は課税されません。
また、申告後直ちに納税すれば延滞税も課税されません。

更に、今回の事例の長男の場合、相続税の申告期限から5年を経過して
いますので、相続税の申告書を提出する必要もありません。
(国税通則法70条3項)

2.大前提として遺留分の減殺請求より取得した財産でも
「返還された財産」と「価格弁償により取得した財産」では
性質が異なるという点です。

遺留分権利者が減殺請求に基づき受遺者等から返還を受けた財産は、
遺留分権利者が被相続人から相続により取得した財産と解する
ことができます。

一方で、遺留分権利者が減殺請求に基づき受遺者等から価格弁償
により取得した財産は、民法上の相続により取得した財産には
該当しませんが、相続税の課税対象財産になります。

これらの法的背景による違いのため、受遺者等の課税関係に
違いがあります。

つまり、
次男が土地Xを相続財産の返還に応じる場合には
次男に譲渡所得は課税されませんが、

次男が土地Xで価格弁償に応じる場合には、次男に譲渡所得が
課税されます。

(根拠条文:所得税法基本通達33-1の5『(現物による遺産の分割に代え
共同相続人の一人又は数人に他の共同相続人に対する債務を負担させる
方法により行う遺産の分割をいう。以下同じ。)により負担した債務が
資産の移転を要するものである場合において、その履行として当該資産
の移転があったときは、その履行をした者は、その履行をした時において
その時の価額により当該資産を譲渡したこととなる。』

3.長男が価格弁償により取得したX土地は、相続税の課税対象と
されますが、民法の「相続」により取得した財産ではありません。
しがたって、長男が直ちに売却すると短期譲渡所得になります。

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2012.01.01

【社会保障と税の一体改革素案が公表されました。】

新年あけましておめでとうございます。
今年もこのメルマガで、税に関する最新情報を皆様にお届けできるよう
頑張ります。

さて、新年最初のコンテンツは2011年12月30日に税制調査会のHPで
公表された、「社会保障と税の一体改革素案」です。

新年早々細かな内容を読む気にならないと思いますので
関心のある方のみ、下記URLから原文をご確認ください

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/12/30/23zen30kai2.pdf

簡単に申し上げますと、2015年に政府が実現させたいのは

1.消費税の増税
2.納税者番号制度の導入
3.給付付き税額控除の導入

この1.2.3を三位一体で導入したいのです。
それによって社会保障の不足を税によって補うというのが趣旨なのですが

納税者番号制度について、十分に国民の理解を得ているでしょうか?
給付付き税額控除制度については、国民にはまったく説明すらない状況です。

すでに給付付き税額制度を導入しているアメリカでは、給付金受給のための
確定申告の30%が不正申告という状況です。
我が国においても、給付付き税額控除の制度設計については綿密な制度設計を
しなければ、今まで以上に不公平税制となることは明からです

我が国政府は、どこを目指しているんでしょうか???

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2011.12.22

【相続税質疑応答編-6 遺産分割が成立していない場合に、死亡退職金に対する相続税の課税は? 】

被相続人Aさんは、株式会社Xの取締役でした。この度急病により
亡くなりました。Aさんの法定相続人は、配偶者のBさんと長男C長女Dです。

 株式会社Xは、役員退職金規定に基づき死亡退職金9000万円を、配偶者である
Bさんに支給することを決定しました。Bさんへの死亡退職金の支給も
申告期限までに間に合いそうです。

 しかし、他の相続財産(4億円)の遺産分割協議が相続税の申告期限までに
間に合う目途が立ちそうにありません。この場合、Aさんの死亡退職金のに
対する相続税の課税は、どのような扱いになるのでしょうか?

<解説>
 そもそも、生命保険金や退職金等は、民法上の相続財産とは考えられて
いません。しかし、相続税の計算上は生命保険金や退職金等を相続によって
所得したとみなされる財産です。このような財産を「みなし相続財産」といいます。

 「みなし相続財産」は、他の相続財産の遺産分割が成立していなくても
本来の受取人(受給者)固有の財産と考えられます。 
 
 つまり、今回の事例の場合も4億円のAさんの遺産について、遺産分割は
成立していませんが、死亡退職金9000万円は、配偶者であるBさん固有の財産で
あることから、死亡退職金9000万円について未分割と考える必要はありません。
(根拠条文:相続税法基本通達55-2)

 死亡退職金につきましては、500万円×法定相続人の数だけ非課税限度額が
設けられています。今回の事例では、500万円×3=1500万円が非課税となりますので
9000万円-1500万円=7500万円が、相続税の課税対象財産となります。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4117.htm

 従いまして、未分割財産4億円のうち配偶者であるBさんは法定相続分
2億円を取得したものとし、さらにみなし相続財産である死亡退職金
のうち7500万円を加算して相続税の申告をすることになります。

 なお、今回の事例では死亡退職金の受給者が申告期限までに決定し
支給されましたが、仮に死亡退職金の受給者を法人側で決定せず
相続人側でも決定しない場合には、相続人全員が均等に取得したものとして
取り扱います。(根拠条文:相続税法基本通達3-25)

 したがいまして、仮に今回の事例で9000万円の死亡退職金の
受給者が法人側でも相続人側でも決定していない場合には、B,C,Dが
3000万円づつ取得したものとして相続税の申告を行います。
 
 これは、死亡退職金はみなし相続財産であって民法でさだめる相続財産では
ないことから、法定相続分ではなく相続人の人数に応じて均等に分ける
ことを定めています。

 この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
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http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/

2011.12.20

【所得税確定申告編-2 所有期間が10年を超える自宅を売却した場合の税金は、安くなる!】

【所得税確定申告編-2 所有期間が10年を超える自宅を売却した場合の税金は、安くなる!】
<事例>
 Aさんは、30年前に自己が所有する山の手の住宅街にある土地に建築した建物を第三者
に賃貸していましたが、7年前から自宅として利用していました。 
 しかし、山の手にある自宅での日常生活は不便を感じるようになったので、
駅前のマンションへの引っ越しを考えるようになりました。

 自宅は、7000万円で売却できるようです。30年前の自宅土地建物の取得費は2000万円だった
ため売却益が5000万円となります。 少しでも税金を少なくしたいので、買換え特例の適用を
検討しています。 Aさんは、買換え特例は適用できますか?

<解説>
 Aさんの場合、本人の居住期間が10年以上ではないため「買換え特例」の適用はできません。

まず、買換え特例ですが平成24年度税制改正大綱18ページで適用期限が
2年延長される旨が記載されています。

買換え特例の適用要件については、下記URLの私のコラムでご確認ください
http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/24228/ 

Aさんのように、本人の居住期間が10年以上でない場合でも適用できる
特例が2つあります。

1つ目の特例は、3000万円の特別控除です。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

この制度は、本人の居住期間の長短に全く影響されません。
適用要件の詳細は、以下のとおりです

(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
 なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、
 マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

(3) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

(4) 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

(5) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の二つの要件すべてに当てはまること。

  イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から
    3年目の年の12月31日までに売ること。

  ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

(6) 売手と買手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。
 特別な間柄には、このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。
 

2つ目の特例は、マイホームを売却した場合の軽減税率の特例です
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3305.htm

(1) 日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。
 なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
 また、これらの家屋が災害により滅失した場合には、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

(2) 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。

(3) 売った年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと。

(4) 売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。
 ただし、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。

(5) 売り手と買い手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。
 特別な間柄には、このほか、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

では、上記の特例を適用した場合のAさんの税金を計算してみましょう

(7000万円-2000万円)-3000万円=2000万円←課税対象となる長期譲渡所得金額です

所得税 2000万円×10%=200万円
住民税 2000万円×4%=80万円    合計で税金の総額は280万円です

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2011.12.12

【所得税確定申告編-1 親から相続した自宅に10年以上住んでいます。売却時の所得税は?】

<事例>
 Aさんは、親から相続した住宅に10年以上住んでいます。
この度老朽化が目立つため売却して、近所の新築一戸建て住宅に買換えようと
考えています。

 しかし、親から相続した住宅は取得価格が不明なため多額の所得税が
課税されるという話を友人から聞きました。

さて、Aさんには本当に多額の所得税が課税されるのでしょうか?

<解説>
 Aさんが所得税を支払わなくてもいい場合もありえます。
Aさんのように、本人の居住期間が10年以上である場合
「特定の居住用財産の買換え特例」と呼ばれる制度を適用できる場合があります。

 この制度は、「本人が住んでいる土地建物等を売却した場合に、
売却代金以上の価額で新しい土地建物等を購入すれば、今回の買換え時には
税金はかからず新しく買った土地建物等を売却するまで、売却益に対する税金を
猶予してもらえる制度です。」

(平成24年度税制改正大綱で適用期限2年延長と記載されています。)

 この制度の適用に当たっては、以下のような厳しい要件があります。

(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
 なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目
 の12月31日までに売ること。

(2) 売った年の前年及び前々年にマイホームを譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例
 又はマイホームを売ったときの軽減税率の特例若しくはマイホームの譲渡損失について
 の損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

(3) 売ったマイホームと買い換えたマイホームは、日本国内にあるもので、
 売ったマイホームについて、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けないこと。

(4) 売却代金が2億円以下であること。この特例の適用を受けるマイホームと一体として
 利用していた部分を別途分割して売却している場合における2億円以下であるかどうかの
 判定は、マイホームを売却した年の前々年から翌々年までの5年間の分割して売却した
 部分も含めた売却代金により行います。このため、マイホームを売却した年、
 その前年及びその前々年の売却代金の合計額が2億円以下であることから、
 この特例を受けていた場合で、マイホームを売却した年の翌年又は翌々年にこの特例の
 適用を受けたマイホームの残りの部分を売却して売却代金の合計額が2億円を超えた
 場合には、その売却の日から4ヶ月以内に修正申告書の提出と納税が必要となります。

 (平成24年度税制改正大綱で、上記2億円が1.5億円に引下げられています。)

(5) 売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において
 売った家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えるものであること。

(6) 買い換える建物の床面積が50平方メートル以上のものであり、
 買い換える土地の面積が500平方メートル以下のものであること。

(7) マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホーム
 を買い換えること。また、買い換えたマイホームには、一定期限までに住むこと。
 買い換えたマイホームを住まいとして使用を開始する期限は、
 そのマイホームを取得した時期により次のようになります。

イ 売った年かその前年に取得したときは、売った年の翌年12月31日まで

ロ 売った年の翌年に取得したときは、取得した年の翌年12月31日まで

(8) 買い換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合には、
 取得の日以前25年以内に建築されたものであること。ただし、耐火建築物以外の
 中古住宅及び平成17年4月1日以後取得する耐火建築物である中古住宅のうち
 一定の耐震基準を満たすものについては、建築年数の制限はありません。

(9) マイホームを売った人とそれを買った人との関係が、
 親子や夫婦など特別な間柄でないこと。特別な間柄には、
 このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、
 特殊な関係のある法人なども含まれます。

この買換え特例は、いわゆる「3000万円の特別控除」と選択適用になります。
「3000万円の特別控除」は、次回解説いたします。

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2011.12.10

【相続税質疑応答編-5 生命保険金を相続人間で分割した場合の課税関係 】

<事例>
Aさんは、先日亡くなりました。Aさんの相続人はB,C,Dの3人兄弟
でした。 Aさんの財産は、3000万円の自宅、5000万円の預貯金でした。
それ以外に、受取人を長男Bとする生命保険7000万円でした。

仲のいい3兄弟は3000万円+5000万円+7000万円=1億5000万円
となることから、各人の相続分を5000万円とすることに決めました。

具体的には、次男Cは5000万円の預貯金全額を相続します。三男Dは
賃貸マンションに住んでいたので、父親の住んでいた自宅3000万円を
相続します。 そして長男Bは、生命保険金7000万円を取得しますが
そのうち、2000万円を三男Dに代償分割することにしました。

さて、以上のような遺産分割の課税関係はどうなるでしょうか?

<解説>
上記遺産分割の場合、長男Bから三男Dへの2000万円の代償分割は
贈与税の課税対象となります。

そもそも、生命保険金は遺産ではなく生命保険金受取人の固有の
財産となります。 そのため、今回の遺産分割案で長男Bは父親の
遺産を相続で取得することなく、生命保険金のみを受取ることになります。

その場合、B⇒Dの2000万円は厳密には代償分割ではなく、単なる
贈与に該当します。

仮に、上記のような場合に代償分割を実施するのであれば
長男Bが、生命保険金7000万円を受取るとともに自宅3000万円を
相続し、BからDへ現預金3000万円の代償分割を行うと贈与税が
課税されません。 しかし、結果として5000万円づつの遺産分割
は実現できません。

今回のポイントは、代償分割を実施する場合長男Bが相続により
取得した財産以上の金額の代償分割を行うと、越えて金額が
贈与税の課税対象になるということです。

根拠は、東京地裁平成11年2月25日の判決です。

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2011.12.04

【相続税質疑応答編-4】相続放棄した場合の生命保険と葬儀費用の負担はどうなる?

<事例>
 被相続人Aの相続人は、長男Xと次男Yでした。
Aの相続財産は、1億円でした。それ以外にXとYを受取人とする生命保険
契約がそれぞれ2000万円づつありました。
Aの葬儀費用は、XとYの兄弟が100万円づつ均等に負担しています。
Aの債務は、銀行からの借入金1000万円がありました。

 長男Xは自らの事業が成功していましたが、次男Yは勤務先が倒産したため
長男Xは、適法な手続きにより相続を放棄することにしました。

 この場合、相続税の申告に当たって死亡保険金と債務控除はどのような
計算になるでしょうか?
 
<解説>
 
 まず、生命保険についてはXYともにそれぞれを受取人とする
2000万円の生命保険金を受取ることができます。

 ただし、生命保険の非課税限度額の計算と適用に当たって注意する必要が
あります。

 つまり、非課税限度額の計算に当たっては相続放棄をしたXも
法定相続人ですから、人数にカウントされます。
つまり、今回の事例では500万円×2人=1000万円の非課税限度額となります。

 更に、この非課税限度額の適用ですが相続放棄したXは適用できませんので
相続税の課税対象となる生命保険金の額は、
長男Xの場合は、2000万円
次男Yの場合は、2000万円-500万円×2=1000万円 ということになります。

 次に、債務控除についても留意すべき点があります。
 Aの銀行借入1000万円については、長男Xが相続放棄の手続きをしていますので
次男Yの相続財産から債務控除することになります。 
 
 最後に、葬儀費用の取扱です。今回の事例では、葬儀費用をXYがそれぞれ
一旦立替払いして100万円づつ負担しています。 このような場合、
次男Yが、100万円の葬儀費用を1億円の相続財産から債務控除できることに
ついては、異論がないところです。

 問題は、相続放棄している長男Xのみなし相続財産である生命保険金
2000万円から葬儀費用100万円を債務控除できるのか?という論点です。

 この点につきましては、相続税基本通達13-1で次のように定めています

(相続を放棄した者等の債務控除)『相続を放棄した者及び相続権を失った者
については、法第13条の規定の適用はないのであるが、その者が現実に
被相続人の葬式費用を負担した場合においては、当該負担額は、
その者の遺贈によって取得した財産の価額から債務控除しても
差し支えないものとする。』

 これは、たとえ相続放棄をしていても遺族であれば社会通念上
葬儀費用を負担することはありうることなので、道義的な立場から
定められた規定です。 

 上記規定の文言で『遺贈により取得した財産』には、生命保険金も
含むと解されています。

 したがいまして、今回の長男Xは生命保険金2000万円から葬儀費用
100万円を控除した1900万円が、相続税の課税対象金額となります。

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2011.11.27

【相続税質疑応答編-3】土地の共有者が死亡し、共有者に相続人がいない場合の相続税は?

<事例>
X氏は、婚姻歴もなく養子縁組もしなかったため相続人がいません。
X氏の所有する財産のほぼすべては、X氏単独の名義です。

しかし、土地Aについては甲さんとの共有名義となっています。
甲さんとは、血縁関係はありません。土地AをX氏が取得した経緯は
Xの父親が甲さんと共有名義で所有していた土地Aを、父親の死亡により
相続により取得したものです。

さて、X氏がこの度死亡しました。遺言書はありません。
甲さんと共有名義の土地Aについて、なんらかの税金は発生しますか?

<解説>
相続人の存在しない、相続財産は最終的には国庫に帰属することになります。
今回の事例の場合、土地Aの共有者であるX氏と甲さんとは血縁関係になく
遺言書もないことから、土地AのX氏持分については相続人が存在しない
状態であると考えられます。

この場合、土地Aについては共有者である甲さんという存在がありながら
X氏持分だけが、国庫に帰属することになるのでしょうか?

結論は、X氏の持分は共有者である甲さんの持分となるということです
根拠条文は、民法255条と相続税法基本通達9-12です

民法255条では
『共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、
 その持分は、他の共有者に帰属する。』と定めています

また、相続税法基本通達9-12では
『共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄(相続の放棄を除く。)
 したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、
 その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得
 したものとして取り扱うものとする。』

つまり、土地Aの共有者である甲さんは、X氏が死亡したことにより
土地Aに関するX氏の共有持分を、相続により取得することになります。

その結果、土地Aの評価額次第では相続税が発生することになります。
今回の事例の場合、X氏の土地A以外の相続財産は、すべて国庫に帰属
することになりますので、甲さんは相続税の納税資金を自己の財産から
調達する必要があります。

上記のように共有持分のある不動産の場合、本来であれば
法定相続人でない方でも、相続税が課税されるリスクがあります。
共有名義の不動産には要注意です。

この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください

2011.11.20

【相続税対策編 平成23年度中の相続税改正は、なくなりました!!!】

以前このMLで、平成23年度中に最後の税制改正があるかもしれ
ません、という内容をお伝えしましたが、

 先日の税制調査会で、平成23年度中の相続税改正は見送られることが
決まりました。

 その結果、相続税の基礎控除引下げ等の改正は、平成24年度税制改正
に織込まれる見込みとなりました。

 そこで、今週の相続税関連のMLネタは、相続税税務調査の最近の
動向をご案内いたします。

 相続税の調査は、平成20年中及び平成21年中に発生した相続税を中心に、
国税局及び税務署において収集した資料情報に基づいて、申告額が過小と
想定されるものや、申告義務がありながら無申告となっていることが想定
されるものなどについて実施されます。
 
1.調査件数等
 その調査件数は13,668件(対前事務年度比98.6%)、そのうち、申告漏れ
等の件数は11,276件(対前事務年度比96.0%)といずれも僅かながら減少
しておりますが、申告漏れ課税価格は3,994億円と対前事務年度比1億円
の減少にとどまっております。
   
 また、重加算税賦課件数は1,897件と対前事務年度比96.3%と減少し、
重加算税賦課対象額も609億円と対前事務年度比87.2%と減少しております。
 
2.申告漏れ財産の状況
 調査により把握された申告漏れ財産の構成比をみますと、不表現資産
である現金・預貯金等及び有価証券の申告漏れウエイトが49.8%と高い
ことから、相続税の調査は、従来同様、不表現資産の把握に重点をおい
て行われているといえます。つまり、借名財産に調査のポイントが
おかれているということです
 
3.海外資産の申告漏れ
 海外資産関連事案に係る調査事績は、最近の経済の国際化と国際交流
の進展を反映して国外資産の保有が多くなっていることから、調査件数
は695件(対前事務年度比130.9%)、申告漏れ件数は549件(対前事務年
度比128.9%)といずれも急増しており、

 また、重加算税賦課件数も81件(対前事務年度比106.6%)と増加して
おります。相続税の申告書作成に際しては、相続人から海外資産の所有の
有無を確認することが肝要です。
 
4.無申告事案に係る調査結果
 相続税の申告義務があるにもかかわらず無申告となっているものの把握
に重点的に取り組んだ結果、調査件数は1,050件(対前事務年度比167.7%)
申告漏れ件数は795件(対前事務年度比150.6%)と大幅に増加し、
申告漏れ課税価格も1,055億円(対前事務年度比139.5%)とかなり
増加しております。
 
今回のMLの詳細な内容につきましては、下記URLの国税庁HP
をご覧ください

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/sozoku_chosa/sozei_chosa.pdf

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2011.11.13

【相続税質疑応答編-2】養子縁組した孫が代襲相続人の場合の法定相続人の数は?

<事例>
妻に先立たれたAには、X,Y,Z3人の子がいた。
しかし、Xは病弱であったために先日亡くなった。
そこでAは、Xの子Mを養子縁組した。
また、YとAは以前からの話し合いにより、Yが相続放棄することで
合意した。 その直後、Aが死亡した。
この場合の法定相続人の人数は、何人でしょうか?

<解説>

今回は、実際にはなかなかありえない複雑な身分関係です。
論点を整理すると、

MがAの養子でありながら、Xの代襲相続人という2重の身分関係になっている
という点と、

Yが、法的手続きに基づいて相続放棄をしているという点です。

まず、簡単な結論から申し上げますと相続放棄したYは、
民法上の法定相続分は0となります

しかし、基礎控除の計算の基礎となる法定相続人の人数にはカウントされます
また、相続税の総額を計算する際の、法定相続人にもカウントされます

つまり、Yにつきましては民法上の法定相続人にはカウントされませんが
相続税法上は、1人としてカウントされるということです。

次に、養子と代襲相続人の2重身分となったMのカウントですが
民法上の法定相続分は、2/3となります。つまり、法定相続人は
Zと養子Mと代襲相続人Mなります。

その結果、民法上の法定相続分はZ:M=1:2になります

次に、基礎控除の計算の基礎となる法定相続人は、M,Y,Zの
3名となります。ここでは、Mの2重身分は考慮されません

最後に、相続税の総額を計算する法定相続分は、Mの養子と代襲相続人の
2重身分を考慮して、M:Y:Z=2:1:1となります。

養子と代襲相続人の2重資格の場合、民法と相続税法で扱いがことなります。
複雑な相続税の申告の場合は、是非相続税専門の税理士に相談してください

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2011.11.06

【相続税質疑応答編-1】不幸な事故で親子が同時に死亡した場合の法定相続人は誰?

今回は、不幸な災害に遭遇し親子ともに死亡した場合の相続に関する
質疑応答です

<事例>

父親Aと娘Bは、不幸にも災害に遭遇し死亡しました。
AとBの親族関係は、次のとおりです

Aの配偶者(Bの母親)は、5年前に病死していました。
Aには長女Bと長男Cの二人の子がいた
BはXと7年前に結婚し、小学生の長男Zがいた

この場合、Aの財産の相続人は誰ですか?

<解説>

不幸にして、親子が同時に災害に遭遇した場合、死亡時刻の前後が
不明となる場合もありえます

その場合、民法では『数人の者が死亡した場合において、そのうちの
一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、
これらの者は、同時に死亡したものと推定する。』(民法32条の2)
と定めています。

つまり、今回の事例に当てはめるとAとBは同時に死亡したと推定
されます。

次に、民法は『被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、
又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を
失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。』
(民法887条2項)

つまり、今回の事例に当てはめるとBがAの相続開始以前
(同時に死亡も含む)に死亡した場合には、Bの子Zが代襲相続人と
なることを定めています。

その結果、今回の法定相続人はAの長男Cと、Aの孫Z(Bの子)の
2名となります。

さて、ここで仮にAが遺産の分割について長女Bに不利な内容の
遺言を残していた場合は、どうなるでしょうか?

例えば、全財産の7割を長男C、残り3割を長女Bのものとする
という内容の場合。

今回の事例の場合、この遺言書の効力はありません。
根拠は、『遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、
その効力を生じない。』民法994条です。

このように、相続税の計算に当たっては相続税法と民法の接点と
なる部分が数多くあります。

遺言書作成等に当たっては、税の専門家である税理士だけでなく
法律の専門家である弁護士にも充分にご相談ください

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2011.10.30

【相続税対策編5】親と同居するための改装費用を長男が支払った場合の税金は?

親と同居するための改装費用を、これから改装する長男が支払った場合に
税金は課税されるのでしょうか? 具体的な事例を基に解説いたします。

(事例)
従来より平屋で生活してきた親と同居するため、関西に転勤で戻ってきた
長男が、2階建への改装費用1500万円全額を支払いました。
改装前の平屋の建物の時価(第三者へ売却するとした場合の相場)は、500万円
でした。 このような場合、父親か長男のどちらかに税金は課税されるでしょうか?

(解説)
今回の問題は、民法と贈与税の絡む問題です。
従来の平屋を2階建てへと改装(リフォーム)した場合、その改装部分の所有権も
父親にものになります。これは民法242条に定める不動産の付合という規定に
基づきます。

また、長男は父親に対して改装費用1500万円の代金返還請求をすることができます
(民法248条)

しかし、一般的には父親は改装費用を長男に返すこともしなければ
長男が、父親に対して改装費用の返還請求もしません。

従いまして、登記簿上は2階建ての建物の所有権は父親のままで
不動産の価値が増加しますので、何もしなければ長男が父親に改装費用
1500万円を贈与したことになり、父親に贈与税が課税されることになります。

この課税を回避するためには、従来の平屋の時価500万円と改装費用1500万円の
比率、つまり父親と長男で1対3の比率で新しい自宅の所有権登記をする必要が
あります。

実務上も、実際の改装費用の支払いと、その後の登記とをチェックすると
その評価額の比率が間違っている事例が多くあります。

これから、改装工事を検討していらっしゃる方は
同居に向けての改装費用で、税務上のトラブルが発生しないように
税の専門家である税理士に是非ご相談ください

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2011.10.22

【所得税対策編3】個人の事業用資産を買換えて節税するなら、23年12月末までに!!

【所得税対策編 3】個人の事業用資産を買換えて節税するなら、23年12月末までに!!

 年内に事業用資産の買換えをしてみませんか。買換え時に売却益が発生する方は
年内の買換えをおすすめします。

 例えば、事務所とその敷地を売却し、別の場所で事務所とその敷地を構えた場合、
売却による儲けの約8割に相当する課税を繰り延べることができる制度があります。
これを「特定資産の買換え特例」といいます。

 この特例を適用するためには、複雑な要件をすべて満たす必要があります。
しかし、この特例の中で要件がもっとも緩いのは第9号という特例です。

 第9号の特例を適用するための要件をここで、ご紹介します。

『譲渡する日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えている
国内の土地等、建物、構築物を売却し、国内の土地等、建物、構築物、
又は、機械装置を取得すること』です。

 簡単に申し上げますと、個人の事業用資産を買換えるに当たって
10年以上所有している事業用資産で、売却時に利益が発生する場合に
年内に買換えておくと、売却時の所得税の80%が将来に繰延べられるという
不景気な今、おいしい税法なのです。

 しかし、この制度は、平成23年12月31日が適用期限とされています。
次回の税制改正で期限が延長がされない限り、年内で適用期限が到来してしまいます。

 そのため、個人で事業をされている方で資産を買換えたいとお考えの場合には、
早急に検討してする必要があります。

 もし年内の買換えが困難となった場合でも、
「特定資産の買換え特例」が即適用できなくなるわけではありません。

⇒年内に売却できたが年内に購入できなかった、
⇒あるいは年内に購入できたが年内に売却できなかった場合には、
一定の要件の下、第9号の適用が受けられる場合があります。

 実際に、第9号の適用に当たっては税の専門家である税理士に
是非一度ご相談ください。

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2011.10.16

速報です!!23年中にあと1回税制改正があるかもしれません!!!

速報です!!23年中にあと1回税制改正があるかもしれません!!!

10月11日の税制調査会で、復興関連の税収確保に関する税制改正大綱が、
税制調査会の資料として公表されました。相続税も24年1月1日から
課税強化がほぼ決定です。

興味のある方は、下記URLで原文をご覧ください。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/10/11/23zen11kai8.pdf

 以下、主なものを抜粋しました。

相続税・贈与税:
(1)継続中の平成23年度税制改正法案に関する項目の修正案
 ①相続税
  基礎控除の引下げ及び税率構造等の見直し
  (施行時期)平成23年4月1日→平成24年1月1日 へ変更の上、実施
 ②贈与税
  税率控除の緩和及び相続時精算課税の対象拡大
  (施行時期)平成23年1月1日→平成24年1月1日 へ変更の上、実施

所得税:
(1)復興特別所得税(付加税)の創設
 ①税額
  年分の基準所得税額×4%
 ②基準所得税額
  居住者……すべての所得に対する所得税額
  内国法人…利子等及び配当等などに対する所得税額
  非居住者・外国法人…国内源泉所得のうち利子等及び配当等などに対する所得税額
 ③対象期間
  平成25年分から平成34年分の10年間

(2)継続中の平成23年度税制改正法案に関する項目の修正案
  給与所得控除の上限設定及び成年扶養控除の見直しに係る源泉徴収
  (適用開始時期)平成24年1月1日→平成24年7月1日 へ変更の上、実施

個人住民税:
(1)均等割の引き上げ
  ①税額
   年額500円の引き上げ(現行4,000円のため、引上げ後は4,500円となる)
  ②対象期間
   平成26年度から平成30年度までの5年間

法人税:
(1)復興特別法人税(付加税)の創設
 ①税額
  各年度の基準法人税額×10%
 ②基準法人税額
  各事業年度の所得に対する法人税額
  (留保金課税、所得税額控除等を適用する前の法人税額)
 ③対象期間
  平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度
  (清算予納申告事業年度を除く)

(2)継続中の平成23年度税制改正法案に関する項目の修正案
  次の項目について変更の上、実施
  ┌───────────┬─────────┬─────────┐
    │         項目         │       原案       │      修正案     │
    ├───────────┼─────────┼─────────┤
    │                      │施行時期:       │施行時期:       │
    │法人税率の引下げ等    │平成23年4月1日以後│平成24年4月1日以後│
    │                      │に開始する事業年度│に開始する事業年度│
    ├───────────┼─────────┼─────────┤
    │エネルギー需給構造改革│廃止時期:       │廃止時期:       │
    │推進投資促進税制等の特│平成23年4月1日   │平成24年4月1日   │
    │別措置の廃止          │                 │                 │
    └───────────┴─────────┴─────────┘

法人住民税及び法人事業税:
(1)継続中の平成23年度税制改正法案に関する項目の修正案
 法人税率引き下げ及び課税ベース拡大等に伴う法人住民税及び法人事業税に係る所要措置
  (施行時期)平成23年4月1日→平成24年4月1日 へ変更の上、実施

 なお、これらは税制改正大綱の内容なのですべて改正されるかどうかは、
現時点では定かではありません。

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2011.10.08

有料老人ホームの入居前にできる相続税対策があります。

有料老人ホームの入居前にできる相続税対策があります。

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

最近よくある相続税対策の誤りが、ご自宅に関する相続税対策です。
その中でも、非常に残念なのが、配偶者が有料老人ホームに入居してしまった場合です。

有料老人ホーム(終身利用権付き)に入居すると、たとえ住民票が以前の
自宅のままであっても、相続税を計算するうえでは配偶者の自宅は老人ホームに
なります。

つまり、相続税の計算上だけ夫婦は別居扱いになります。
これが、どんな相続税の計算上どんな影響を及ぼすかというと

ご夫婦で同居しているご自宅の土地は、相続税の計算上だけ
240㎡までは、評価額を80%減額できるという特例を
使えなくなります。

具体的に申し上げますと、240㎡で4000万円の評価額の土地に家を
建てて生活していたとします。

この場合、夫が亡くなった場合4000万円の土地は80%評価減されるので
240㎡の自宅土地が、4000万円ではなく800万円で評価されます。

この3200万円の評価減は、ストレートに相続税の減額に反映しますので
最高税率50%の方であれば、1600万円の節税になります。

しかし、亡くなった夫が有料老人ホームに入居しいた場合には
上記80%評価減の特例が使えなくなります。

そこで、事前の相続税対策として以下のようなプランがあります。

例えば、240㎡相続税評価額4000万円(時価5000万円)の自宅土地が
夫の単独名義だった場合で、将来夫が有料老人ホームへの入居を
考えている場合。

まず、奥様に3000万円の預貯金があれば、奥様は夫から上記の自宅土地の
3000万円相当分を買取ります。次に、残りの2000万円相当部分につきましては
贈与税の配偶者控除を適用して贈与税0円とします。

贈与税の配偶者控除につきましては、国税庁の下記HPでご確認ください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4452.htm

さらに、奥様から夫に支払った3000万円については
生命保険をうまく活用する方法も考えられます。

このプランを実行するに当たってのポイントは、
夫婦間の土地の売買であっても、通常の取引価格で売買をしなければ
ならない、という点です。

特に課税上問題がないと認められる場合には、路線価評価で
売買価格を決定する場合もあるようですが、原則として
通常の取引価格で売買する必要があることにご注意ください。

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2011.09.23

金を売却した際の支払調書の書式って気になりませんか?

金を売却した際の支払調書の書式って気になりませんか?

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金の価格が日々上昇しています。そこを狙ったかのように税法改正が
あったことをご存知でしょうか?

平成24年4月1日以降で、金・プラチナを専門業者に売却すると
売却価格が200万円以上の場合に限り、その業者は

いつ
誰から
何を(金・プラチナ)
いくらの金額で

買取ったのか、という内容を記載する書類(支払調書と言います)
を税務署長に提出することが、義務付けられました。

これは、従来から金の売却益に対する所得税の課税漏れが問題視されて
いたことに対する税法の改正です。

この支払調書の制度が始まると、200万円以上で金を売却した際に
所得税の確定申告をしないと、後日税務署から申告漏れの連絡があります。

また、200万円未満であれば支払調書の提出はありませんが
自主的に所得税の確定申告をしなければならないのは、従来通りです

なお、支払調書の書式が気になる方は国税庁の下記URLで
実物を確認できますのでご覧ください

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/annai/pdf/1251.pdf

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記載がありますので、興味のある方はご確認ください

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⇒『相続税の1時間無料相談始めました』
 下記のALLABOUTのURLをご覧ください
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⇒『やさしい税務会計ニュース』
 雇用促進計画の受付が8月1日より開始されています。
 この雇用促進計画は、雇用促進税制の適用を受けるために必要な書類です

⇒『経理総務担当者のための今月のお仕事のカレンダー』

   経理総務担当者様が毎月実施すべき業務をカレンダーでご案内
  しています。ご確認ください。9月のお仕事カレンダーです

⇒『会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座』
 
  今月は、「雇用促進計画書はいつまでに提出すればいいですか?」というテーマです
  雇用促進税制を具体的に適用するに当たっての条件と手続きを、
  わかりやすく会話形式で解説していますので、是非ご覧ください。

⇒『旬の特集』

  中小企業を取り巻く経営環境は3月の東日本大震災によって、
 再び先行きが不透明になっています。また、節電などによる生産活動への制約など、
 直接震災の被害を受けていない企業にも影響を及んでいます。
 こうした厳しい状況の中、中小企業は何が必要だと感じているのでしょうか。
 ここでは7月に公開された2011年版の中小企業白書から、
 中小企業が考える今後の取り組むべきことをご紹介します。

2011.09.19

他よりも安い家賃で、家族に賃貸マンションを貸すと課税される?

他よりも安い家賃で、家族に賃貸マンションを貸すと課税される?

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

不動産賃貸業を営むAは、大学を卒業しても就職先がなかなか決まらない
長男Bのために、A所有の賃貸マンションの1室を他の入居者よりも
有利な条件で貸すことにしました。

そこで、家賃は通常は12万円ですが、固定資産税の月割額である4万円で
貸すことにしました。
さて、この場合長男Bになんらかの課税はされるのでしょうか。

不動産賃貸業を営んでいらっしゃる場合、家族には他よりも
有利な条件で貸してあげることは、よくあることだと思います。

その場合の、課税関係をここで整理しておきます。

今回は、結論に至るプロセスが非常に大切なのであえて結論は
最後まで、記載しません。

今回の事例は、月額12万円(年間144万円)の家賃を月額4万円
(年間48万円)にしたことによる差額年間96万円について、Bに贈与税が
課税されるかどうかが、論点となります。

相続税法9条では、著しく低い価額で利益を受けた場合をみなし贈与として
贈与税の課税対象としています。

今回の144万円と48万円との差額96万円が、相続税法9条の課税対象か否かを
検討する必要があります。

ここで、Bは賃貸マンションの固定資産税相当額の家賃を支払うことになっていますが
固定資産税相当額の家賃を支払っただけでは、賃貸借ではなく
使用貸借であると、過去の最高裁判決では判断されています。

この考え方を当てはめると、A-B間の関係も賃貸借ではなくて使用貸借と
なります。

A-B間が使用貸借となると、相続税法基本通達9-10を当てはめて
考える必要があります。通達の原文は下記URLでご確認ください

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku/01/06.htm#a-9_10

上記基本通達9-10のただし書きには、以下の記述があります。
『ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、
 強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする。』

つまり、使用貸借関係によるBの受ける経済的利益が「少額である場合」には
贈与税の課税はされないということです。

さて、ここでBの受ける経済的利益の金額ですが、年間96万円であり
贈与税の基礎控除110万円を下回っています。

そのため、「利益を受ける金額が少額である」と判断され贈与税の
課税はありません。

このように、親子間などで家賃等を設定する場合には様々な税務上の
判断が必要になります。

中途半端な、相続税対策は後で思わぬ高額課税になりかねません。
相続税対策は、税の専門家の適切な助言に基づいて行ってください。

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⇒『やさしい税務会計ニュース』
 被相続人の孫が遺贈により保険金を取得しました。その孫(被相続人と養子縁組をしていません。)
  は、被相続人から2年前に現金200万円の贈与を受け贈与税9万円を納付しています。
  この生前贈与の200万円については被相続人の相続財産に加算されますか?

⇒『経理総務担当者のための今月のお仕事のカレンダー』

   経理総務担当者様が毎月実施すべき業務をカレンダーでご案内
  しています。ご確認ください。9月のお仕事カレンダーです

⇒『会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座』
 
  今月は、「雇用促進計画書はいつまでに提出すればいいですか?」というテーマです
  雇用促進税制を具体的に適用するに当たっての条件と手続きを、
  わかりやすく会話形式で解説していますので、是非ご覧ください。

⇒『旬の特集』

  中小企業を取り巻く経営環境は3月の東日本大震災によって、
 再び先行きが不透明になっています。また、節電などによる生産活動への制約など、
 直接震災の被害を受けていない企業にも影響を及んでいます。
 こうした厳しい状況の中、中小企業は何が必要だと感じているのでしょうか。
 ここでは7月に公開された2011年版の中小企業白書から、
 中小企業が考える今後の取り組むべきことをご紹介します。

2011.09.11

内閣官房主催の納税者番号シンポジウムに参加して感じたこと

昨日行われた、内閣官房主催の納税者番号制度シンポジウムの参加者は、老若男女様々な方が参加してらっしゃいました。

参加者との質疑応答の時間が、時間を30分以上延長して行われました。政府(民主党)としては、税と社会保障の一体改革を給付付き税額控除を導入することによって実現したいと考えているようです。

そのために、すべての国民の所得・納税額・社会保障給付のデータを一元管理する必要があり、そのツールとして納税者番号制度(マイナンバーと言います)の導入を検討しているようです。

どのような制度を設計しても、必ずメリットとデメリットがあると思います。昨日のシンポジウムは、政府側が番号制度導入によるメリットばかりを強調していました。

住民基本台帳があって、国民全員に付番されているにもかかわらず、あえて新しい番号制度を導入することの必要性やデメリットは、軽く流されていました。

参加者から、その点を質問されても軽く流していたような印象です。さらには、最終的な目標である給付付き税額控除制度については、全く何の説明もありません。

この給付付き税額控除という制度は、すでに導入済みの諸外国でも様々な問題が発生している制度です。アメリカでは、給付付き税額控除のための申告書類のうち30%が不正還付申告であるという、アメリカ政府の発表がありました。

また、昨日の内閣官房のコメントでは、日本にこの制度を導入するにあたって、初期投資が6000億円、毎年のランニングコストが500億円かかるそうです。会場からは、番号制度を導入するのではなく、その経費を社会保障に振り替えた方がいいのではないですか?という意見もありました。

今回のシンポジウムは、まだ全国の都市で順次行われます。関心のある方は、誰でも参加できますので、是非参加してみてください。

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/symposium/moushikomi.html

2011.09.10

夫婦で事業を営む場合の正しい節税対策とは!?

夫婦で事業を営む場合の正しい節税対策とは!?

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

夫Aが小売業を個人事業で営んでいて妻Bが不動産賃貸業を
営んでいます。

最近Aの小売業・Bの不動産賃貸業ともに業績が悪化傾向にあるので
Aの経費削減とBの資金繰り改善のために

Aの店舗をBの所有する賃貸ビルの1階に移転することにしました
AがBに支払う家賃は、Bの所有する賃貸ビルの他のテナントと
同額とします。

A,Bはそれぞれ次のように考えました
Aは、同じ家賃を支払うなら妻Bが所有するビルに家賃を支払えば
結局夫婦の財布にお金が戻ってくる。Aの帳簿上では家賃を計上するが
夫婦の財布としては支出が0となる、と考えました

Bは、いつまでも1階のテナントが入らないのであれば
夫Aから家賃をもらって、Aの節税と同時に夫婦の資金繰りも
改善できるこの方法がベストだ、と考えました。

果たして、このプランは所得税法上正しい節税対策でしょうか?

結論は、間違ってます。
上記の場合、所得税法上の正しい処理は

Aは、妻Bに支払う家賃はAの帳簿上は経費として処理できません。
その代わり、妻Bが支払う固定資産税のうち、Aの店舗部分に関る
固定資産税がAの事業の必要経費となります

Bは、Aから入金がある家賃を売上に計上しなくてもいいです
ただし、固定資産税のうちAに貸している店舗部分の固定資産税は
必要経費となりません。

これは、所得税法56条に規定があります
また、参考条文として所得税基本通達56-1があります。

さらに、「生計を一にすることの意義」については
国税庁の下記URLにてご確認ください

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1180_qa.htm

今週は、通常のML以外に
日本と香港との租税条約締結に関する速報をマイベストプロ神戸
のコラムに書き込みしています。興味のある方は、下記URLで
ご確認ください。

http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/22427/

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東日本大震災関連の税務情報のUP DATE

● 更新情報

 岩手県、宮城県、福島県の3県の一部の地域に納税地を有する法人の皆様への申告書等用紙の発送再開に係るお知らせ」を追加しました(平成23年8月8日)
  http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/hojin/index_2.htm

「東日本大震災に係る国税の申告・納税等の期限延長に係る一部の地域における期日の指定について」を更新しました(平成23年8月5日)
  http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/hisai/kijitsu_shitei0805.htm

「平成23年分の所得税の予定納税について(東日本大震災関連)」を更新しました(平成23年8月5日)
  http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/yoteinouzei.htm

 期限の延長が、具体的に公表されていますので上記URLでご確認ください。

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下記の内容については、私の事務所HPのトップページに
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 青色申告が認められないサラリーマンが、ゴルフ会員権を譲渡して譲渡損失が出た場合と、
 不動産所得があるサラリーマンで、青色申告を毎年している人がゴルフ会員権を譲渡して
 譲渡損失が出た場合とで、譲渡損失の取扱いでどのような違いがあるのでしょうか?

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  今月は、「雇用促進計画書はいつまでに提出すればいいですか?」というテーマです
  雇用促進税制を具体的に適用するに当たっての条件と手続きを、
  わかりやすく会話形式で解説していますので、是非ご覧ください。

⇒『旬の特集』

  中小企業を取り巻く経営環境は3月の東日本大震災によって、
 再び先行きが不透明になっています。また、節電などによる生産活動への制約など、
 直接震災の被害を受けていない企業にも影響を及んでいます。
 こうした厳しい状況の中、中小企業は何が必要だと感じているのでしょうか。
 ここでは7月に公開された2011年版の中小企業白書から、
 中小企業が考える今後の取り組むべきことをご紹介します。

2011.09.08

ついに、香港も日本と租税条約を締結!!!

ついに、香港も日本と租税条約を締結!!!

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

スイス、ケイマン諸島と日本との租税条約締結から
1年もたたないうちに、ついに香港と日本が租税条約を締結しました。

 先頃財務省は、我が国と香港との間の経済関係の緊密化を踏まえ、
これまで存在しなかった租税協定締結の正式交渉を平成22年3月から実施し、

同年11月9日に「日本国政府と中華人民共和国香港特別行政区政府との間の租税協定」
が署名され、本協定が平成23年8月14日に発効し、

平成24年1月1日から適用開始する旨を公表しました。

詳細は、下記URLでご確認ください

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/press_release/sy221109ho.htm

租税条約を締結したらどうなるの???
と、いう疑問があると思いますが

簡単に申し上げますと、国際間の二重課税・課税漏れを
国家間の相互協力によって実現させるのが狙いです。

ポイントは、下記URLに記載があります

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/press_release/sy221109aho.htm

やはり、中でも

『2.税務当局間の情報交換に関する規定
税務当局間において、租税に関する情報を相互に交換することができることとなります。』
が、大きなポイントになると思います。

海外を利用した相続税の節税対策も、ほとんどできなく
なります。日本国内での節税対策をしっかりと検討しましょう。

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  生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の計算上、控除することができる保険料又は掛金について、
  事業者又は法人の所得の計算上必要経費又は損金の額に算入されるもののうち、
  使用人の給与にしなかった部分(つまり、会社経費として処理しながらも、使用人の給与にしなかった分)は、
  含めることができない改正が、なされました。その内容について簡単に解説しています

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 再び先行きが不透明になっています。また、節電などによる生産活動への制約など、
 直接震災の被害を受けていない企業にも影響を及んでいます。
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2011.09.03

兄弟間で不動産売買します。さて、税務上問題のない売買価額は?

兄弟間で不動産売買します。さて、税務上問題のない売買価額は?

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《事例》
XとY(兄弟)は、いずれも父親からの相続により多額の現預金と
貸家等を取得していました。 XとYが将来の生活設計を考えるに当たって
兄弟間で不動産の売買をすることになりました。

売買対象となる物件Aは、Y所有の築年数の浅い賃貸アパートです。
この物件Aの通常の取引価格は1億円ですが、路線価による相続税評価額は8000万円でした。
XとYは、話し合いの結果物件AをYからXに8000万円で売却することにしました。

この場合、通常の取引価格は1億円ですが8000万円で売買することについて
税務上の問題はありませんか?

《回答と解説》
結論から申し上げますと、問題ありません。

まず、個人間の対価を伴う不動産売買については通常の取引価額に相当する金額によって
評価するという内容の個別通達が公表されています(いわゆる負担付贈与通達)

次に、相続税法7条では、「みなし贈与」を定めています。
つまり、一般的な取引価格よりも「著しく低い価額」で売買する場合、
買主側は、「著しく低い価額」で買い取ることができたことにより
通常の取引価額と「著しく低い買取価額」との差額について経済的な利益を受けることになります。

つまり、YからXへの売却価額が「著しく低い価額」でなければ税務上問題ないということになります。
ここで、「著しく低い価額」とは、その価額に経済合理性がないことが明らかな場合を
言うと考えられています。

今回の事例では、売買価額を通常の取引価額ではなく路線価に基づく相続税評価額
としています。

そもそも相続税や贈与税の課税対象となる財産(不動産)の評価は、財産評価基本通達
に基づくと定められています。これは、個々の財産の客観的交換価値の評価は困難なので
課税の公平と事務処理の簡便のために定められています。

また、上記財産評価基本通達による相続税評価額は、地価公示価格の概ね80%とされています。
そのため相続税評価額と同水準かそれ以上の価額で売買が行われた場合に
経済合理性のないことが明らかとは、いい難いと考えられています。

以上より、XYの兄弟間で相続税評価額に基づいて不動産売買を行っても
贈与税が課税されるリスクは無いと考えられます

ただし、実際の不動産売買に当たっては個別具体的に検討すべき課題を
税の専門家と十分に検討する必要があります。ご注意ください。

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 再び先行きが不透明になっています。また、節電などによる生産活動への制約など、
 直接震災の被害を受けていない企業にも影響を及んでいます。
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2011.08.27

相続税の納税資金がないぞ!困った!立て替えてもらったらどうなるの!?

相続税の納税資金がないぞ!困った!立て替えてもらったらどうなるの!?

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

遺産分割協議がなかなか成立しないというケースがよくあります。
その典型的なパターンは、預貯金・有価証券・不動産などの
遺産のうち、不動産の占める比率が高い場合です。

遺産に占める不動産の占める比率が高いと、不動産を分筆するにしても
共有するにしても、分割が困難な場合が多いです。 さらに、不動産
の占める比率が高いと、相続財産によって納税資金を準備できない
場合があるからです。

例えば、被相続人Aの相続人は、配偶者Bと長男X、次男Yの場合でした。
遺産分割協議の結果、相続人全員が法定相続割合の遺産を取得することに
なりました。

しかし、被相続人Aの遺産は不動産がほとんどであったため
長男X,次男Yは、納税資金を取得することができませんでした。

このようなケースで、配偶者B(XとYの母親)がXとYの相続税を
XとYに代わって納税する場合があります。

さて、BがXYの相続税を代わりに納付した場合に、XYに贈与税は
課税されないのでしょうか?

その答えは、きちんと対策をしておけば贈与税の課税はされません。

相続税はそもそも連帯債務です。根拠となる条文は、相続税法34条です。
『同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者は、
 その相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について、
 当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、
 互いに連帯納付の責めに任ずる。』と、定めています。

今回の事例の場合、連帯納付義務を負うBがXYの相続税を納税しても
XYは、単に相続税の納付義務がなくなっただけです。

その代わりに、Bへの返済義務が新たに発生しました。
つまり、XYの債権者が税務署からBに代わっただけです。

このような場合に、BがXYに対する債権を放棄した場合に
XYには贈与税が課税されます。

そのため、BはXYへの債権を放棄しない旨の書面を作成して
保存しておけば、贈与税のリスクを回避することができます。

遺産分割と納税資金に悩んだら、今回のメルマガを思い出して
ください。

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 6月22日に成立した平成23年度税制改正について、
 6月30日付の官報で詳細部分が明らかとなりました。
 このうち今回は、主にマイカー通勤者に影響が出る通勤手当の限度額改正について、
 お届けしたいと思います

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2011.08.21

親子間で家賃を0円にした場合、贈与税は課税されるの???

親子間で家賃を0円にした場合、贈与税は課税されるの???

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例えば、『親が自宅以外に家屋を所有していて、長男家族が
そのうちの1つの家屋で家賃0円で生活をしている』
というようなケースは、不動産オーナーではよくあることです。

この場合、長男は家賃を支払わないことによって経済的な利益を
受けるわけですから、贈与税が課税されるとも考えられますが
一般的には、贈与税が課税されていない事例が多いようです。
なぜでしょうか?

このような場合に課税されない根拠は以下の通達によります。

「夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、
。。。(途中省略)。。。これらの特殊関係のある者間において、
無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の貸与があった場合には、
法第9条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。

ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、
強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする。」(相続税基本通達9-10)

上記通達は、原則として贈与税の課税対象であることを定めていますが
「ただし」書き以降で一定の条件をクリアした場合のみ贈与税の課税の緩和を
定めています。

つまり、「利益を受ける金額が少額であること」「課税上弊害がないこと」
この二つのポイントをクリアしない場合には、贈与税が課税される
場合がありうるということです。

例えば、親が多額の借金をして高級マンションを購入し
そのマンションに、長男家族が家賃0円で生活しているような
ケースでは、贈与税が課税される場合もあるかもしれません。

毎月の家賃をいくらにするのか?という問題は、単に今回の
贈与税の問題だけにとどまらず、借地権の評価にも関係します

そのため、所有財産全体の評価に占める不動産評価額の割合、
納税資金、遺産分割案など様々な要素を考慮に入れて
検討すべき課題と考えられます。

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  内部から情報が漏洩したり、会社のお金を使い込まれていたり等、
  従業員の不正の報道を時折耳にします。不正が起こる責任は、
  当事者である従業員だけでなく、その会社のリスク管理体制にもあります。
  不正が起こらないよう、日頃から対策を心がけるのも経営者の大切な務めです。
 主に経理部門での対策を中心に、従業員の不正を防ぐポイントをまとめました。

2011.08.13

賃貸アパートを長男に贈与した場合の贈与税はどうなるの???

賃貸アパートを長男に贈与した場合の贈与税はどうなるの???

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父親が賃貸アパート経営をしていましたが、このアパートは
人気の物件であるため常に満室です。そこで、父親はこのアパートを
長男に贈与しました。

この場合、贈与税の計算を行うに当たってはいくつかのポイントがあります。

まず一つ目のポイントは、賃貸アパートを贈与(所有権移転)した場合には
、そのアパートに関連する敷金・預り保証金の返還債務も父親から長男に
承継されます。これは、過去の判例で明らかとなっています。

従って、上記賃貸アパートの通常の取引価格が5000万円で、預り保証金が
1000万円とした場合、父親は5000万円のアパートに1000万円の保証金返還債務を
付けて長男に贈与したことになります。

二つ目のポイントは、贈与税の計算に当たって課税対象となる財産の評価額
ですが、上記の用に債務とともに財産を贈与することを「負担付き贈与」と言いますが、

負担付き贈与の場合、贈与財産の価額は、負担がないものとした贈与財産の価額から
負担を控除した価額となります(相続税法基本通達21の2-4)

さらに、その贈与財産が土地又は家屋等の場合には、それらの財産の評価額は
相続税評価額ではなく、通常の取引価格によって評価しなければなりません
(個別通達・平成元年3月29日付直評5)。

従って、上記アパートの固定資産税評価額が仮に3500万円であっても
通常の取引価格5000万円が贈与財産となります。

上記、の二つのポイントから長男の贈与税はの課税対象は
5000万円(アパート建物)-1000万円(保証金返還債務)=4000万円となります。

そして最後に、三つ目のポイントとして、仮に預り保証金1000万円に相当する
現金も父親から長男に贈与した場合を参考までに確認しておきますと、

この場合は、長男は1000万円の現金も手にするわけですから実質的には
保証金の返還債務の負担はゼロになります。そのため、上記のような
負担付き贈与の扱いはなくなります。

その場合の、贈与税の課税対象は
3500万円(アパート固定資産税評価額)×(1-0.3(満室の借家権))=2450万円
となります。

この結果を見る限り、あえて負担付き贈与にするよりも、保証金1000万円も
長男に贈与したほうが、有利と考えられます。

しかし、一般的な贈与にするのか、負担付き贈与にするのかは個別具体的な
事例に基づいて慎重に検討する必要があるようです。

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 期限の延長が、具体的に公表されていますので上記URLでご確認ください。

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下記の内容については、私の事務所HPのトップページに
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⇒『やさしい税務会計ニュース』
 青色申告者の帳簿書類の保存期間は何年でしょうか?
 法人でも個人でも同じでしょうか?
 また、帳簿の種類によって期間が違うこともあるのでしょうか?

 上記質問に、具体的に回答しています。ご確認ください。

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   経理総務担当者様が毎月実施すべき業務をカレンダーでご案内
  しています。ご確認ください。8月のお仕事カレンダーです

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  今月は、「海外の遺産や所得は、日本で課税されますか?」というテーマです
  是非ご覧ください

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  内部から情報が漏洩したり、会社のお金を使い込まれていたり等、
  従業員の不正の報道を時折耳にします。不正が起こる責任は、
  当事者である従業員だけでなく、その会社のリスク管理体制にもあります。
  不正が起こらないよう、日頃から対策を心がけるのも経営者の大切な務めです。
 主に経理部門での対策を中心に、従業員の不正を防ぐポイントをまとめました。

2011.08.06

7年前贈与契約書を作成し親子で土地を贈与したが、登記は今年です。贈与税は課税されますか?解説をご覧ください。

7年前贈与契約書を作成し親子で土地を贈与したが、登記は今年です。
贈与税は課税されますか?

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

 今日も、実務でよくある出来事の税務です。親子間で不動産の贈与は
よくあることです。

【事例】父親名義の土地を長男に贈与することにしました。
親子であっても公証人役場で確定日付印をもらった契約書を作成しました。

しかし、法務局で名義変更の手続きをしていなかったので登記簿上は
所有者は父親のままです。 そのため、親子間の贈与後も固定資産税は
父親が支払つづけました。

今年になって、名義変更を忘れていたことに気づき贈与の登記をしました。

【父親からの相談】
贈与は、契約時に成立していて本来はその時点で贈与税の申告をしなければ
ならなかった。しかし、うっかり7年も忘れていた。この場合時効が成立して
贈与税は課税されないのでは?

【回答】
結論から申し上げますと、今回贈与による名義変更の登記をおこなったこと
により、贈与税が課税されます。

【解説】
贈与によって財産を取得した時期は、契約書を作成している場合には
契約書の効力の発生時期とされています(一般的には、契約書の作成日付)

(根拠条文:民法549条、相続税法基本通達1の3・1の4共-8)

しかし、不動産のように登記しなければならない財産については
その取得時期の特例が以下のように定められています

「特に反証がない限りその登記又は登録があった時に贈与があったものとして
取り扱う」(根拠条文:相続税法基本通達1の3・1の4共-11)

以上より、今回の事例の場合も確定日付のある贈与契約書が存在していても
登記の日付で贈与が履行されたと考えられます。

贈与税の時効が6年間で成立するから、7年後に登記すれば贈与税を課税されなくて
すむ、という考えは間違っていますからご注意ください。

この論点につきましては、平成11年に最高裁判決があります。

親族間で贈与を行う場合には、契約書作成にとどまらず
名義変更の登記まで忘れずに行いましょう。その際に税務申告も
忘れないようにご注意ください。

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東日本大震災関連の税務情報のUP DATE

● 更新情報

「東日本大震災に係る国税の申告・納税等の期限延長に係る一部の地域における期日の指定について」を更新しました(平成23年8月5日)
  http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/hisai/kijitsu_shitei0805.htm

「平成23年分の所得税の予定納税について(東日本大震災関連)」を更新しました(平成23年8月5日)
  http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/yoteinouzei.htm

「個人事業者の方へ消費税の中間申告について」を更新しました(平成23年8月5日)
  http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/kojin_jigyo_shohi/index.htm

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   相続税の課税財産の計算の際、相続財産から差し引かれる債務控除について、
  被相続人が使用していたクレジットカードの相続後の引落分についても
  被相続人の債務に含まれますか?

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  今月は、「源泉所得税の納付を忘れてしまいました。
  どうしたらいいですか?(後篇)」というテーマです
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 主に経理部門での対策を中心に、従業員の不正を防ぐポイントをまとめました。

2011.07.30

意外と知られていませんが、祖父から孫に大学の学費を贈与しても贈与税が課税されないってご存知でしたか?

意外と知られていませんが、祖父から孫に大学の学費を贈与しても
 贈与税が課税されないってご存知でしたか?

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

 祖父が孫の大学の学費全額を贈与しても贈与税は課税されません。
意外と知られていないので、根拠となる条文を明示しながら解説します。

まず最初に、相続税法では「贈与税の非課税財産」を明確に定めています

「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与
により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」(相続税法21条の3第1項2号)

さて、ここで気になるのが以下のポイントだと思います

1.「扶養義務者間」って?今回の祖父と孫の関係は該当する?
2.「教育費」って?義務教育だけじゃないの?
3.「通常必要と認められるもの」って?

以上のポイントについて簡単に解説いたします。

1の「扶養義務者間」ですが、相続税法第1条の2第1号で配偶者や直系血族を
扶養義務者と定めています。つまり、今回の祖父と孫は相続税法で定める扶養義務者に
該当するので問題ありません。

また、扶養義務者間に扶養の優先順位は法律で定められていません。

2の「教育費」とは、相続税法基本通達21の3-4で「被扶養者の教育上通常
必要と認められる学資、教材費、文具等をいい、義務教育費に限らないので
留意する」と定められています。

3の「通常必要と認められるもの」とは、相続税法基本通達21の3-6で、
「被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当
 と認められる範囲の財産をいうものとする」と定められています。

以上のポイントから
父親が健在であっても、祖父から孫への大学の学費を贈与しても
贈与税は課税されません。

ただし、孫の大学の学費という名目で父親への贈与があり
実際には父親が大学の学費を支払わず家計の足しにした場合は、
贈与税の課税対象となってしまいます。

さらに、大学の学費とせずに父親が生活費の足しにしていた場合には
相続発生時に特別受益に該当する可能性があるので、ご注意ください。

2011.07.23

ほとんど報道されていませんが、源泉所得税の改正があります。

ほとんど報道されていませんが、源泉所得税の改正があります。
ご確認ください。

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東日本大震災の影響で平成23年度税法改正が、延期になっていましたが23年6月30日に23年度税法改正が公布されたことについては既にご案内のとおりです。

その中で、マスコミではほとんど報道されていませんが源泉所得税の改正がありました。

詳細につきましては、国税庁のHPで「源泉所得税の改正のあらまし 平成23年7月」というタイトルでパンフレットがDLできますのでご確認ください

ここでは、主な改正点の概略だけをご案内いたします

1.上場株式等の配当等の源泉徴収税率につきましては、、平成23年12月31日までは 所得税7%+住民税3%と軽減税率が適用されていましたが、この期限が平成25年12月31日まで延長されました。

2.自動車などを利用して通勤する人の通勤手当の非課税限度額が変わります。平成24年1月1日以降、自動車などを利用して通勤する人の非課税限度額が引下げられます。

3.住宅ローン控除の計算をする場合に、住宅の取得に当たって一定の補助金等を受け取る場合には、住宅価格から補助金等の額を控除した金額を基礎とすることになります。この改正は平成23年6月30日以後の住宅取得に適用されます

4.公的年金等の受給者が寡夫(寡婦)の場合、公的年金等の金額から特別の寡婦の場合3万円、それ以外の寡婦(寡夫)の場合2万5000円の控除後の金額で源泉徴収されることとなります。この改正は平成25年1月1日以後の公的年金等で適用されます

5.非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税制度の施行日が2年延長され、平成26年1月1日となりました。これは日本版ISAと言われている制度です。非課税口座内の上場株式については、口座開設後10年以内であれば配当等と譲渡所得については所得税及び住民税を課税しないという制度です

それ以外に、平成22年度の税法改正ですでに決定している内容で平成24年1月1日以降適用される大きな改正としては、生命保険料控除の見直しがあります

現状では、生命保険料控除と言えば一般生命保険料控除5万円と個人年金保険料控除5万円で合計10万円の控除がありますが

平成24年1月1日以降は、
一般生命保険料控除4万円、個人年金生命保険料控除4万円、介護医療保険料控除4万円で合計12万円の控除となります。ご注意ください

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東日本大震災関連の税務情報のUP DATE

・「東日本大震災により被害を受けた場合の相続税・贈与税・譲渡所得・
 登録免許税の取扱について」が更新されました
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/tokurei/pdf/01.pdf

・「震災特例法の施行に伴う自動車重量税の取扱について」が更新されました
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/tokurei/jidosha_01/230630.pdf
 
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下記の内容については、私の事務所HPのトップページに
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 今週は、7月1日に公表された路線価の解説を行っています

⇒『経理総務担当者のための今月のお仕事のカレンダー』

   経理総務担当者様が毎月実施すべき業務をカレンダーでご案内
  しています。ご確認ください。7月のお仕事カレンダーです

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  今月は、「源泉所得税の納付を忘れてしまいました。
  どうしたらいいですか?(後篇)」というテーマです
  是非ご覧ください

⇒『旬の特集』

  社員の退職にあたっては、行わなければならない手続きが多くあります。
  処理をスムーズにすすめるために、日頃から書式やチェックリストを
  まとめておくと便利です。また、退職者の意見は自社の組織風土改善の
  参考になる場合が少なくありません。退職者との面談を行うことを制度として、
  情報収集を行うことも重要です。

2011.07.16

親子間で無利子で金銭の貸し借りがあった場合の贈与税って!?

親子間で無利子で金銭の貸し借りがあった場合の贈与税って!?

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

今日は、実際によくある質問について回答いたします。
「親子間で無利子で金銭の貸し借りがあった場合に、無利子であること
によって贈与税は課税されるのでしょうか?」という質問です。

例えば次のような事例を想定してみます

長男Aは、銀行借入の毎月の返済が厳しくなったので父親Xから残債額を
借りて銀行に一括返済した。AとXは親子間といえども金銭消費貸借契約を
締結し、毎月AはXの銀行口座に返済している。ただし、この契約書では
無利子の契約となっている。

さて、この場合の課税関係を確認します。

まず、XがAの銀行借入の一括返済のためにお金を貸した件につきましては
毎月Xの銀行口座に返済があるので、贈与税の課税はありません。

問題は、無利子の部分への贈与税課税があるかどうかです。

一般的に、無利子でお金を借りた場合には、その経済的利益の部分に
つきましては、「対価を支払わないで受けた利益」として課税されます
(相続税法9条、相基通9-10本文)

ところが、民法877条で配偶者・直系血族・兄弟姉妹には相互に
扶養義務があることを定めています。さらに、相続税の考え方は
生計を一にする三親等内の親族については、特別の事情がなくても
扶養義務者に該当すると定めています(相基達1の2-1)

このような扶養義務者相互関係の贈与については、贈与税の課税上
一定の配慮がなされます。

つまり今回の事例の用に親子間の貸し借りで無利子にすることによる
経済的利益にまで杓子定規に課税する必要は無いということです。

その点につきまして、条文では次のように定めています
「その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと
 認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする。」
 (相基達9-10ただし書き)

最後に注意すべき点をお伝えします。今回の規定が適用されるのは
あくまでも、課税上弊害が無いと認められるほど少額の経済的利益であることです。

実際に、親子間でお金の貸し借りをする場合の金利の設定等につきましては
税理士に確認したうえで判断してください。

☆参考条文 相基達9-10 

(無利子の金銭貸与等)
9-10 夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、
無利子の金銭の貸与等があった場合には、
それが事実上贈与であるのにかかわらず貸与の形式をとったもので
あるかどうかについて念査を要するのであるが、
これらの特殊関係のある者間において、無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の
貸与があった場合には、
法第9条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。
ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は
課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても
妨げないものとする。

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東日本大震災関連の税務情報のUP DATE

・「東日本大震災により被害を受けた場合の相続税・贈与税・譲渡所得・
 登録免許税の取扱について」が更新されました
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/tokurei/pdf/01.pdf

・「震災特例法の施行に伴う自動車重量税の取扱について」が更新されました
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/tokurei/jidosha_01/230630.pdf

2011.05.30

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