[相談]
消費税法上の居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除の制限の規定について
居住用賃貸建物について資本的支出を行った場合の取扱いを教えてください。
[回答]
消費税法上、居住用賃貸建物に係る資本的支出に係る消費税については
原則として、仕入税額控除の規定は適用されないこととされています。
詳細は下記解説をご参照ください。
[解説]
1.居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除の制限の規定の概要
消費税法上、仕入れに係る消費税額の控除の規定は
事業者が国内において行う一定の住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物
(その附属設備を含みます)以外の建物(居住用賃貸建物といいます)
に係る課税仕入れ等の税額については適用しないと定められています。
2.居住用賃貸建物に係る資本的支出の取扱い
上記1.の居住用賃貸建物に係る仕入税額控除の制限の規定における
居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額には、その建物に係る資本的支出
(※1)に係る課税仕入れ等の税額が含まれることとされています。
したがって、居住用賃貸建物に係る資本的支出に係る消費税については
原則として、仕入税額控除の規定は適用されないこととなります。
ただし、建物に係る資本的支出自体が居住用賃貸建物の
課税仕入れ等に該当しない場合には
上記1.の規定は適用されないこととされています。
具体的には、以下に掲げる場合が該当することとされています。
- ① 建物に係る資本的支出自体が、高額特定資産を取得した場合等の
- 納税義務の免除の特例に規定する高額特定資産(※2)
- の仕入れ等を行った場合に該当しない場合
- ② 建物に係る資本的支出自体が、住宅の貸付けの用に供しないことが
- 明らかな建物に係る課税仕入れ等に該当する場合
- ※1 資本的支出とは、事業の用に供されている資産の修理
- 改良等のために支出した金額のうち、その資産の価値を高め
- またはその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額をいいます。
- ※2 高額特定資産とは、棚卸資産および調整対象固定資産
- (対象資産)のうち、その価額が高額なものとして一定のものをいいます。