先週のブログで小規模宅地の特例の改正について
ご案内しました。しかし、改正内容について若干解説が
不足していたようなので今週はその説明を追加します
先週ご紹介した小規模宅地の特例の改正は
いわゆる『家なき子』の場合の特例適用要件の改正でした
『家なき子』とは、
自己あるいは配偶者名義の居住用不動産を直近3年以内は
所有していない相続人を言います。
実はこの『家なき子』の特例を悪用する事例が多かったようです
例えば
一人暮らしの父と持ち家がある子のケースで、子は特例を適用するために
兄弟に持ち家を売却したが、子自身はその家に賃貸として住み続けた。
4年後に父が他界し、“家なき子”の条件を満たす子は
軽い税負担で父の家を相続する、というケースです
このように、相続人が持ち家を売却すること等によって
特例が適用可能な状態を意図的に作り出す例があったようです。
こうした動きは制度の本来の趣旨に沿わないとして、
平成30年度税制改正大綱には、
1.相続開始時に居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者
2.相続開始前3年以内に3親等内の親族等が所有する国内にある家屋に居住
したことがある者は,
特例の適用を認めないとの見直しが盛り込まれました。
以上の改正は、平成30年4月1日以後の相続又は遺贈に適用します。
ただし、貸付事業用宅地等の見直しについては,
同日前から貸付事業の用に供されている宅地等には適用しません。