保険契約に係る相続税の課税関係には、様々な論点があります
今回は、保険会社が新しい保険商品を企画するにあたって
東京国税局に、相続税の課税関係を文章で問い合わせた内容が
東京国税局のHPで公開されましたので、ご紹介します
保険会社が東京国税局に問い合わせた内容は下記URLで
確認できます
http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/souzoku/150302/index.htm
その内容を簡単に紹介すると以下の通りです
保険の内容:医療保険
保険契約者:Aさん
被保険者 :Aさん
受取人 :Aさん
この保険は、約款によると『被保険者が入院した場合、
手術を受けた場合又は放射線治療を受けた場合を所定の
給付金の給付事由』としています。
また約款では、保険契約の被保険者が死亡した場合には、
本件契約は消滅し、解約返戻金があるとき本件契約の保険契約者
に解約返戻金相当額の返戻金を支払う旨を定めています。
しかし、事例のように保険契約者と被保険者が同一人物である
場合の課税上の取扱について保険会社が、国税局に問い合わせ
しました。
国税局の回答は以下の通りです
結論:この保険の解約返戻金の支払請求権はAさんの相続財産
として相続税の課税対象となる。
結論の背景:通常の生命保険であればAさんの死亡によって
相続人が取得する生命保険金は、みなし相続財産として
相続税の課税対象となります
しかし、今回はAさんの死亡は保険金の給付事由に該当する
しません。そればかりかAさんの死亡によって保険契約は
消滅し、解約返戻金があるときは保険契約者に支払うという
内容です。
そのため、Aさんは死亡と同時に上記保険の解約返戻金
請求権を取得すると考えるからです。
保険に関する税務は、相続税・所得税・贈与税が複雑に
関係しますので、契約内容と税務との関係は事前に
確認しておかれることをおすすめします